60か国以上海外旅行をした私が、スマホの翻訳機能・アプリを使わない3つの理由。

60か国以上海外旅行をした私が、スマホの翻訳機能・アプリを使わない3つの理由。

こんにちは!元語学講師・現在世界半周中ののぶよです。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)

どんどん便利になってきている、スマートフォン上の翻訳アプリや、オンライン上の翻訳機能。

一昔前は首をひねりたくなるような翻訳が堂々となされていたこともありました。
しかしテクノロジーは日々進化していくもの。翻訳の質、使い勝手も含め、そのクオリティーの向上には目を見張るものがあります。

「これさえあれば海外旅行も怖くない!」
「時間がかかる語学学習とはもうさよなら!」

みたいな甘い文句で宣伝がされているので、多くの人がご存知でしょう。実際に海外旅行の際には手放せなくなっている人も少なくないのでは。

現在世界半周中ののぶよですが、あらゆる国・場面で翻訳アプリを利用している人に多く出会いました。

数年前にはおよそ考えられないことだったのですが、時代は変化していることを身をもって実感しています。

今回の記事は、アプリの翻訳機能を海外旅行で使うことの是非について、完全なる個人的な意見をまとめたものとなっています。

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進化を続ける翻訳アプリ

現代のテクノロジーの進化は本当に凄まじいものがあります。

平成生まれで、かつては「時代の最先端」として新しい文化を取り入れてきた(とされている)、ゆとり世代真っ只中ののぶよ。
しかしながら、現代のテクノロジーは、30歳という大台を控えたゆとり世代にとっても、もはや理解できない領域にまで発展してしまっています。

特にその進歩が目覚ましいのが、スマートフォンの翻訳アプリや翻訳機能。

打ち込んだテキストを瞬時に翻訳してくれるものや、音声入力機能によって話した内容を翻訳してくれるもの、カメラ機能で書かれた外国語を写すと自国語に翻訳してくれるものまで、用途に合わせて数多くの翻訳アプリが開発されており、無料で利用できるものも多いです。

無料で利用できるということは、それだけ多くの人が利用しやすいということ。

いまや世界共通語としての地位を確固たるものとした英語や、旧共産圏ではまだまだ共通語として根付いているロシア語、世界最大の話者人口を誇る中国語など、世界中には話せたら便利な言語がたくさんあります。

アプリの翻訳機能を使うことで、それらの言語を一から学ぶ必要もなく旅行したり、しまいはその言語を全く知らなくても、その言語圏で生活したりすることも可能になってきている、それが私たちが暮らす現代社会なのです。

翻訳アプリに頼り切る人たち

私たちの旅行スタイルに革命を起こしたといっても過言ではない翻訳アプリ。
しかし、無料で使える手軽さや瞬時に翻訳ができる便利さが生み出したものは決して良いことばかりではありません。

話が少しそれますが、かつてのぶよ母が言っていたことで、今でも心に残っているものがあります。

それは、わが家の車にカーナビをつけるかどうかという話し合いにおいてでした。

今ではカーナビがついていて当たり前のように感じますが、昔はそんな便利な物ありませんでしたよね。

のぶよ父はそういったデバイス系やテクノロジー系が大好きな人なので、当時は導入されて間もなかったカーナビをどうしても買いたがったのです。

そこでのぶよ母がひとこと。「そんなの道路地図買って覚えたらいいでしょ!人間が馬鹿になる!

それまでは、旅行などに行く際は事前にその地域や県の道路地図を買って、どの道路を通るか、どこの町に立ち寄るかなど念入りに計画したものです。

しかし、そんなスタイルを根本的に変えたのがカーナビの出現でした。
目的地を入力するだけで、そこに到着するための最短ルートや近くのレストランなどを自動で表示してくれます。

なんやかんやとのぶよ母を言いくるめたのぶよ父。
結局、わが家の車にカーナビを搭載することになりました。しかし、のぶよ母が言ったことは正しかったのです。

なぜなら、カーナビ購入以前に訪れた場所に再訪する際は、のぶよ父は道のりをちゃんと覚えていたのですが、カーナビ購入後に訪れた場所に再訪する際はほとんどカーナビ頼り。道のりなんて全く覚えていませんでした。

また、よく知っているはずの市内の道でさえ、のぶよ父はいちいちカーナビに目的地を入力するようになりました。
「どう考えてもこっちの道の方が早いやろ」という時でさえ、「いや、ナビがこっちだって言ってるから」と機械に100%頼り切る始末。(そして結局渋滞に巻き込まれる)

みなさん、これって極端な例だと思いますか?
実はそうでもないんじゃないかとのぶよは思います。

Google翻訳が普及してから数年がたち、爆発的なスマートフォンの普及も相まって、翻訳機能や翻訳アプリは多くの人が利用するサービスに成長しました。

もちろん、翻訳アプリの普及は、それまで言葉の壁のせいで海外個人旅行に二の足を踏んでいた人たちの背中を押すのに一役買ったと言えるでしょう。

「団体ツアーを利用せずとも、個人で海外に行けた」とか、「言葉がわからない国でもアプリを使って無事に旅行できた」とか、翻訳アプリによってもたらされた私たちの旅行スタイルの変化はとても大きなものだと言えます。

一方で、便利すぎるものを手にすると、自身で学ぼうとする努力をやめてしまうのが人間の性。

「アプリを使ってある程度海外の人と理解し合えるにも関わらず、どうして高いお金と時間を費やして、一から外国語を学ばなきゃいけないの?」って話になってくるのは当然でしょう。

こうした「翻訳アプリに頼り切る人たち」に、のぶよは結構な数遭遇してきました。
特に、壊滅的に英語が通じないウクライナにおいて。

世界最安でありながら世界最悪であったホステルのレセプションの人が最たる例。

「それくらい言えるやろ!」というレベルのことですらいちいちスマホに入力して、翻訳して見せてくる始末。無言で。
しかも翻訳アプリの質は完璧とは言い難いので、時々理解ができないことも。

個人的な意見ですが、こちらが何か話しかけたのに、数十秒相手がスマホに打ち込んでいるのを待たされた挙句、無言で画面に表示された微妙な英語を見せられても、のぶよは何にも嬉しくありません。

むしろ完全現地語で通してくれていいので、こちらがわかるようにジェスチャーなり擬音なりで説明してくれた方が嬉しいです。

「言葉が通じなくてもコミュニケーションがとれる」ことが目的の翻訳アプリであるのにかかわらず、「言葉が通じるのにコミュニケーションをとらない」という本末転倒な使い方をされている最たる例です。

 

使ったら便利。それでも翻訳アプリを使わないで旅する理由

ここまで読んでいただければおわかりだと思うのですが、のぶよは、翻訳アプリやら翻訳機やらを使っての旅に対して懐疑派です。てゆうか、その魂胆が好きではありません。

便利なのは重々承知ですし、翻訳アプリを使用することで旅が簡単になったり、コミュニケーションの行き違いによるトラブルが生まれにくいのは事実でしょう。

それでものぶよは、旅をしている時に翻訳アプリを使ってどうにかしようと考えたこともありませんし、実際に旅行中に利用したこともありません。ダウンロードすらしていませんから。

それにはいくつか理由があります。

理由1:相手に失礼だと思うから

のぶよが翻訳アプリを旅行中に使わない一番の理由です。

人それぞれ価値観は違うので、一概には言えないのですが、初対面の人にいきなり無言でスマホの画面を見せられたらどう思いますか?

あいにくのぶよは、そこまで広い心を持ち合わせている人間ではありません。
見ず知らずの相手が「こんにちは」も言わずに、わけのわからない言語でスマホに話したものを偉そうに見せられるのに、すごく気分が害されます。

コミュニケーションって、決して言葉だけで行われるものではないんですよね。

挨拶から始まり、表情や話し方、ジェスチャーなどを微妙に、巧みに変化させながら、ながら成立するものが会話であり、コミュニケーションだと思うんです。

いきなり翻訳アプリで自分の言いたいことだけをこちらに伝えてくるのって、このコミュニケーションの原則にそもそも背いています。

相手に対する敬意とか、ちょっとした間の取り方や表情からうかがえる相手の人となりとか、そういうのを全て無視した上で、「私の言いたいことはこれだから。以上!」みたいな。

当人たちがそれでいいならいいんでしょうけど。のぶよはそういう風に教育されていないので、全く理解ができません。

理由2:スマホに打ち込んだり翻訳を待つ手間と時間を考えたら、ボディーランゲージの方が有効だから

続いては気持ちの問題ではなく実用的な面から、のぶよが翻訳アプリを使わない理由を。

何日間かその国にいると、その国のシステムや単語単語でなんとなく「ああ、確かこれってこれだわ」ってわかってくるものです。

ちんぷんかんぷんだった電車やバスの乗り方に戸惑うことがなくなったり、レストランのメニューを見て、「確かこれってこういう料理だったな」とイメージがわいてくるように。

その勘こそが、旅をすることにおいて最も大切なものの一つだと思います。

「翻訳アプリさえあれば、何かあった時に安心だし」なんて思っている人。
あなたは、言葉が通じない国で自分の身に何か危険が起こった時に、スマホを取り出して「やめてください!助けて!」と入力して相手に見せるんでしょうか。

日本語で「やめて!」と大声で叫んだり、近くの人に助けを求めたりするはず。
言葉が通じるとか通じないとか、そういう次元ではなく、何とかして自分の置かれた状況をどうにかしようと(してもらおうと)するはずです。

「安心のために」っていうその考えこそが、慢心。
海外では致命的に危険な考え方だと思います。

理由3:機械を通しての会話で、人と人は仲良くなれないから。

昔、「言葉が通じなくても、人と人はわかりあえる」なんておっしゃっていた偉い人がいました。
それって本当なのでしょうか。

「わかりあえる」という言葉選びがポイントなのですが、確かに言葉が通じなくとも人と人はわかりあうことが可能です。

それは、世界共通の笑顔の力であったり、ジェスチャーやボディーランゲージなどでコミュニケーションが成立する場合を指します。

では、「言葉が通じなくても、人と人はわかりあえる」ことは、「言葉が通じなくても、人と人は仲良くなれる」ということにつながるのでしょうか。

答えはNoだと思います。

なぜなら、相手のことを知り、こちらのことを知ってもらうために、言葉は必要不可欠なものだからです。
性的な関係の深まりに関してはこの限りではないかもしれませんが、多くの場合、言葉が全く通じない相手と仲良くなるのはほとんど不可能と言えるのではないでしょうか。

「だったら翻訳アプリを使って仲良くなればいい」と思う人もいるかもしれません。

それって違うんです。

人と人が仲良くなるための会話は、「質問→返答→質問」といった単純な物ではないはず。
ちょっとした間の取り方や、言葉選び、リアクションや表情など、いろいろな要素が組み合わさって、「この人、面白い人だな。仲良くなりたいな。」となるわけです。

ちょっと考えてみればわかるんですが、翻訳アプリを通して会話をしなければならない人と、一緒に居酒屋に飲みに行って楽しいでしょうか。
2時間ぶっ通しでスマホで会話。電池切れるわ(笑)

のぶよだったら、言葉が通じる相手としか飲みに行きたくありません。
だって面倒くさいじゃないですか、いちいち機械を通して会話するのが。

 

また、「仲良くなる」というテーマにおいて、翻訳アプリの致命的な欠陥が見えてきます。

それは、一対一以上のグループでの会話では、同時翻訳をしてくれない翻訳アプリはなんの役にも立たないということ。
考えてみてください。みんな英語を話せる会話の場に、一人英語が話せずに翻訳アプリを使ってどうにかしようとする人がいる状況を。

当然、その場の会話を全て翻訳するのは無理なので、その人を放っておいて会話を進めるか、その人が使う翻訳アプリのペースに合わせてしょうもない会話をするかのいずれかとなります。
どう考えても、楽しくなさそうじゃあありませんか。

 

「別に旅行に行くだけなんだから、外国人と話す必要なんてない。だから翻訳アプリでOk」
なんて考えている人は、かつて主流だった団体ツアーでやっていることを個人でやっているだけだということに気付くべきです。

ただ観光スポットを自分の目で見るだけでいいというのなら、テレビやネット上の写真でいくらでも見ることができるでしょう。

私たちが「旅」に対して求めるものは、それだけではないはずです。

海外旅行の醍醐味は、もちろん観光スポットめぐりにもありますが、日本では感じられない異文化や食事、現地の人や他の旅行者とのかかわりを通して、その場所を深く知ることにもあるのではないでしょうか。

そこで翻訳アプリに頼り切って、最低限自分の言いたいことや知りたいことだけを相手に見せるというコミュニケーション手段が、本当に「その場所を深く知る」ことにつながるのでしょうか。

「旅行」に何を求めるかは人それぞれ。

しかしながら、どんなに有名な観光スポットを訪問したことよりも、旅行中に出会った人たちとの思い出の方が強く脳裏に焼き付いているのはのぶよだけでしょうか。

おわりに

さんざんディスってきた翻訳アプリ。
便利な物ではあるでしょうし、言葉の壁のストレスを感じずに旅行できることは大きな魅力です。

しかしながら、機械に頼りすぎた挙句、本来なら自分で学べるレベルのものが学べなくなってしまうことは避けたいものです。

そうでなくとも、いつでもどこでもインターネットにつながっていて、わからないことはすぐに調べられる時代。
一度調べたものを、頭の中に留めようともせず、忘れたらまた調べて…なんて経験がある方も多いのではないでしょうか。

何事においても、バランスが大切。
便利なものだからといってすぐに飛びつくのではなく、「どうしても必要な場合だけ」等、自分の中で線引きをして利用するのが翻訳アプリの正しい利用法なのかもしれません。

翻訳アプリを例に話してきましたが、テクノロジー全体にも同じことが言えます。

ただ新しくて便利なものを受容し続けるだけではなく、人間とテクノロジーの上手な付き合い方について考えるべき時が来ているのではないでしょうか。

 

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