こんにちは!ジョージア滞在も2年、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ジョージアの中でもBEST3に入るほどの人気を誇る観光エリアが、カズベキ。
コーカサス山脈を間近に望む山岳エリアで、手つかずの自然風景や伝統的な村々の雰囲気が魅力的です。
カズベキを訪れる旅行者の99%が滞在拠点とするのが、中心街のような存在であるステパンツミンダ(Stepantsminda)。
スーパーマーケットやATM、ゲストハウスにレストラン…
旅行者に必要な施設がひと通り揃っているのと、定番とされるカズベキの観光スポットへのアクセス手段に恵まれているためです。
しかしながら、ステパンツミンダの町は観光地化が激しく、夏場のハイシーズンにはちょっとしたディズニーランド状態になってしまうのが残念。
小さな町を埋め尽くすほどに大勢の外国人旅行者で溢れ、ジョージア山岳部本来の素朴で静かな魅力がやや感じにくくなってしまいます。
今回紹介するのは、「THE・観光地」といった雰囲気が好みではない人におすすめな「裏カズベキ」エリアの観光拠点にぴったりなゲストハウス。
その名も、“Green Hostel”です。
家の壁が緑色であるため”Green hostel”という名前をつけたのだそうですが(なんとも単純)、のぶよはこの宿を「ザザの家」と名付けました。
「ザザ」とはこのゲストハウスに一人で暮らす男性オーナーの名前。
往年の日本人旅行者の間で「伝説の宿」として囁かれるほどに有名な良宿は、なぜだか「○○の家」と呼ばれることが多いもの。(クタイシの「スリコ&メディコの家」やエレバンの「リダの家」的な)
「もしかしたらこの宿も伝説として語り継がれることになるかも…?」と思い、「ザザの家」と勝手に呼ぶことにしました(笑)
▶メディコ&スリコの家(ジョージア・クタイシ)
▶ザザの家(ジョージア・裏カズベギ)
▶リダの家(アルメニア・エレバン)
そして「○○の家」と呼ばれる伝説的なゲストハウスにはある共通点があります。
それは、オーナーの人柄が最高に良く、居心地が抜群であること。
ザザの家もその例に漏れません。
のぶよがザザの家で過ごしたのは6日間。
当初は1泊だけして別の村へと移動しようと思っていたのですが、あまりの宿の素晴らしさに延泊しまくることになりました(笑)
今回の記事は、裏カズベキエリアの滞在先にぴったりなザザの家の素晴らしさをただひたすらに語るもの。
急ぎ足で観光スポットをまわるスタイルの旅行には向きませんが、ジョージア地方部本来のピュアな魅力をのんびりと感じたい人には心からおすすめしたいです!
ザザの家おすすめポイント①:観光地化されていない素朴な村での生活が味わえる!
まず最初に言っておかなければいけないのは、ザザの家があるのはカズベキの中心街であるステパンツミンダではありません。
ステパンツミンダから10kmほど南に離れたゴリスツィヘ(Goristsikhe / გორისციხე)という謎の村です。
では、この謎の村にいったい何があるのかというと、なんっっっにもありません。
コーカサス山脈エリアによくある人口数十人の小さな村そのものな雰囲気で、定番観光スポットのようなものは特に存在しません。
しかし、それがまた良いのです。
カズベキ観光時の滞在拠点としてポピュラーなステパンツミンダにも、もちろん伝統的な民家は残っていますし、伝統的なライフスタイルで生きる地元の人たちの姿も見られます。
いっぽうで、急激な観光地化によって謎デザインのキラキラホテルが建てられたり、割高なお洒落レストラン(もれなく手抜き料理)が林立したり、人々が観光客に慣れてしまったり…と、ひとことで言うなれば「スレた感じ」もぷんぷん香ります。
しかしここゴリスツィヘ村には、10km先のステパンツミンダを覆う観光地化の波しぶきさえ到達していません。
垢抜けない雰囲気の村では、山岳地域の伝統を守りながら暮らす人々がのんびりと生活を送っているのです。
ゴリスツィヘ村自体は、端から端まで歩いても10分もかからないほどに小さなもの。
こじんまりとした村の周辺は、まるで現実とは思えないほどに美しい風景の宝庫です ▼
ザザの家を出て5分もかからぬうちに、こんなに素晴らしい風景がそこら中に広がっているのですから…ただ村の周辺を散策しているだけでも「ああ、コーカサスに来たんだなあ…!」と感動しっぱなしです。
それに加えて、ゴリスツィヘ村やその周辺を訪れる観光客の数は、ほぼゼロ。
そんな場所でゲストハウスをやっていて儲かるのかどうか心配で仕方がありませんが(だぶん全く儲かっていない)、観光客でごった返す町の雰囲気が苦手な人には嬉しいポイントです。
ザザの家おすすめポイント②:格安なのに清潔。眺めも抜群!
ザザの家は、いわゆるゲストハウスやホテルのような個室メインの宿ではありません。
ベッド8台のドミトリーと最大4人用の個室、合計で2部屋のみの小さな宿で、メインはドミトリー部分。
正式名称も”Green Hostel”というくらいですし、ゲストハウスというよりもホステルとして考えておくのが良いかもしれません。
「ホステル」や「ドミトリー」と聞くと清潔さが心配になるかもしれませんが、ザザの家ではまったく問題なし。
オーナーのザザおじさんが毎日ちゃんと掃除しており、宿泊部分も共用部分も綺麗に保たれています。
宿泊料金は、一人18GEL(=¥837)。
近年の物価上昇が著しいジョージアで、それも一大観光地のカズベキ周辺エリアで、この値段は奇跡的だと思います。
また、激安の料金からは信じられないほどに設備面が充実している点もポイント。
・各ベッド脇に専用コンセントあり
・ドライヤーあり
・キッチン使用可能
・館内どこでもWi-Fi爆速
・洗濯機使用可能(無料)
などなど…とにかく至れり尽くせりな宿なのです。
広々としたリビングルームには快適なソファーが並び、ジョージアの伝統的なアイテムやアート作品がいくつかあるのも興味深い点 ▼
ジョージアに来たばかりの人にとっては、伝統的な文化や芸術に感動すること間違いなし!
ジョージアにある程度の期間滞在している人も、ザザおじさんが一つ一つのアイテムについて歴史や使い方を詳しく教えてくれるので勉強になるはずです。
清潔さも設備も、伝統的なアイテムの数々も文句なしのザザの家ですが、さらなる推しポイントがあります。
それが、宿からの風景の素晴らしさ ▼
1階の庭部分からはゴリスツィヘ村の素朴な風景が、2階からは村の周辺に広がるコーカサスの山々の異世界感あふれる風景が見られます。
民家がほとんどない緑の大地がどこまでも続く風景は圧巻。
「THE・コーカサス」の大自然が目と鼻の先に広がっている光景も、大きな魅力だと言えます。
ザザの家おすすめポイント③:ザザおじさんのホスピタリティーがすごい
村の雰囲気も清潔さや設備面も文句なしのザザの家ですが、もっとモダンで綺麗で絶好のロケーションの宿なんて、正直ザラにあるでしょう。
ではどうしてザザの家が特別なのか。
その理由は、オーナーのザザおじさんの人柄と、ジョージア地方部らしいホスピタリティーに尽きます。
驚くことなかれ。ザザの家では、問答無用で1日2食ご飯を作ってくれるのです。
特に食事代などが定められているわけではなく、あくまでも「ザザおじさんが自分の分だけではなく、皆の分の料理を作る」といった感じ。
よくゲストハウスで食事をつけると提供されるような、手が込んだ煮込み料理や前菜ではありませんが、ザザおじさんの料理の腕前は確かなもの。
本人いわく「いつも簡単なものばかり作ってる」とのことですが、味付けやアイディアなどが卓越しているのです。
のぶよがザザの家に宿泊していた6日間は、他に宿泊客はゼロ。
それでも毎朝・毎晩異なる料理を作ってくれました。
わざわざ山できのこを採ってきてくれたり、食材を色々買い出ししてきてくれたりと、たった一人のゲストのために至れり尽くせり。
しかも、この時はちょうどキリスト教の祭日前で、2週間に渡って動物性食品を断つ期間でした。
肉や魚はもちろん、乳製品や卵なども口にできないそうなのですが、のぶよの分だけ普通の(乳製品や肉入りの)料理を作り、ザザおじさんはパスタやサラダ、蕎麦の実などをひたすら食べていて申し訳なく感じてしまったほどでした。
▲ 自分は食べられないのにゲストのために料理を作るということが、どれほど思いやりに溢れたことか…
「ホスピタリティー」とひとことで表すのは簡単ですが、それ以上に「とにかく来た人に喜んでもらいたい」という純粋な気持ちや人の良さが、ひと皿ひと皿の料理から伝わってくるような気がしました。
ザザの家おすすめポイント④:ザザおじさんの地理・歴史・伝統に関する知識が無限
料理の腕前もホスピタリティーも素晴らしいザザおじさんですが、カズベキ地域の歴史や伝統、地元の人のみが知る穴場スポットなどに関する知識も相当のもの。
山歩きが好きなんだそうで、希望すれば周辺のハイキングコースや隠れた見どころに連れて行ってくれます。
険しい斜面だろうとゴツゴツした岩場だろうと、ひょいひょいっと進んでいくザザおじさんの姿は、山の男そのもの。
とても60代とは思えないほどに元気です。
ハイキングのみならず、文化・伝統面におけるザザおじさんの知識量にも頭が下がってばかり。
ゴリスツィヘ村でかつて根付いていた習慣や、村の成り立ちなどローカルなものから、激動のジョージア近代史の実体験まで…(1990年代初頭のアブハジア紛争で九死に一生を得たのだとか)
過去のことに関して多くを語ろうとはしないものの、きっと紆余曲折あって今に至るんだろうなあと思わされます。
ジョージアの歴史や文化面に関して知りたい人はもちろん、カズベキ地域のことをもっと深く知りたいという人にとっても、きっと興味深い話が聞けるはず。
いくらインターネットが発達した現代であろうとも、すべての情報が簡単に入手できるわけではありません。
その土地で生きて来た人の記憶や、先祖代々伝えられてきた伝承、本人の実体験に勝るほどの説得力を持つものなど存在しませんから。
ザザの家おすすめポイント⑤:「裏カズベキ」の見どころ観光の拠点に便利!
ゴリスツィヘ村に滞在する最大の目的は、ザザの家に宿泊することです。
しかし、ゴリスツィヘ村一帯は、知名度は低いものの珠玉のスポットが点在している「裏カズベキ」エリア。
知られざる見どころが点在しており、どの場所へもザザの家を拠点としてアクセスすることが可能です。
ザザの家からアクセス可能なスポット
アルシャの滝
桃源郷のような風景が広がる断崖絶壁を流れ落ちる2本の滝。
ダイナミックで優雅な姿には感動するはず!
サヒダリの奇岩
まるで地獄の入口を思わせる真っ黒な奇岩。
周囲の緑あふれる山々とのコントラストも素敵です。
シオニ聖堂
9世紀建造の聖堂と、この地域伝統の見張り塔が残るシオニ村。
RPGの世界そのままの風景が見られます。
ヘヴァ渓谷
ザザの家のすぐ裏手に広がるヘヴァ渓谷は、この世のものとは思えないほどに美しい風景が見られるスポット。
地図にも載っていないため、ザザおじさんに連れて行ってもらうのが◎
フルティシ村
深い谷間を渡るために敷かれたソ連時代のロープウェイが残る小さな村も、ザザの家から徒歩圏内。
ここだけ時が止まっているかのような不思議な気分になります。
トルソ・バレー
カズベキ観光の定番の一つであるトルソ・バレーは、ザザの家拠点でのアクセスも可能。
長距離ハイキングとなりますが、疲れを吹き飛ばすほどの絶景の数々は一生の思い出に!
もともとの計画では「とりあえず1泊して村の雰囲気を味わえばOK」と考えていたのぶよですが、完全に間違っていました。
探せば探すほどに隠れたスポットが目白押しで、どれも知名度がほぼゼロであることが信じられないほどに素晴らしい場所ばかりだったためです。
ザザの家でのんびりと田舎暮らし体験にひたるも良し。近くの村や自然スポットに足を運ぶも良し…
この宿を訪れた人はきっと、底無しの魅力にはまって抜け出せなくなってしまうはずです!(個人的にはまじでいくらでも居られるような気がした)
▶メディコ&スリコの家(ジョージア・クタイシ)
▶ザザの家(ジョージア・裏カズベギ)
▶リダの家(アルメニア・エレバン)
ザザの宿へのアクセス
ザザの家があるのは、ステパンツミンダ(カズベキ中心部)から南に10kmほど離れた、カズベキ地域の最南部にあたるゴリスツィヘ村。
トビリシ~カズベキを結ぶジョージア軍用道路が村から1kmほどの場所を通っており、この区間を走るマルシュルートカ(ミニバス)を途中下車してのアクセスが一般的です。
マルシュルートカがシオニ村(Sioni)に差しかかる地点で、途中下車すればOK。
シオニ村最南端にある見張り塔とシオニ聖堂が降車ポイントの目印です。
降車ポイントから左に分岐する道路に入ったら、ゆるやかな坂道をずっと進んでいくだけ。
1kmほど歩いた場所にあるゴリスツィヘ村内の、緑色の壁の建物がザザの家(Green Hostel)です。
まとめ:ザザの家はこんな人におすすめ!
ザザの家の魅力をものすごい熱量で語ってきましたが、みなさんついて来られているでしょうか?(笑)
ここまで読んでくれたあなたは、きっとザザの家に興味津々になってくれたのでは。
後悔はさせません。ぜひとも行ってみてください!
しかしながら、万人受けする宿というのは存在しないように、ザザの家にも「こんな人には特におすすめ!」といったポイントのようなものがあります。
・ザザや他の宿泊客とのコミュニケーションを楽しみたい系
→自室にこもってyoutube…的な人は普通に個室があるゲストハウスに行ってくだされ。
・観光地化された場所が好きではない系
→「カズベキの定番スポットは制覇した!」という人やリピーターにこそおすすめ。
・素朴な田舎暮らしにどっぷり浸りたい系
→モダンで映えるお洒落ホテルを求めている人にはどう考えても不向き。
・歩いて/ヒッチハイクでどこにでも行ってやろう!系
→公共交通手段が存在しないので、見どころは自分の足でまわるしかない。
・ジョージア地方部の伝統や生活に興味がある系
→ザザおじさんはとにかく何でも知っているので、絶対に面白い話が聞けるはず!
裏を返せば、短期間で定番スポットを順番にまわっていくようなスタイルの旅行者やプライベートな空間や時間を重視するタイプの旅行者には、ザザの家は向かないかも。(色々と便利なステパンツミンダ中心街に泊まるのが◎)
日程に余裕がある人や、観光客であふれる定番スポットを厭う人、ジョージア地方部のホスピタリティーに感動したい人は、ぜひとも訪れてみてください!
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▶メディコ&スリコの家(ジョージア・クタイシ)
▶ザザの家(ジョージア・裏カズベギ)
▶リダの家(アルメニア・エレバン)
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