こんにちは!モンテネグロに3週間滞在した、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
モンテネグロ北部は、ものすごく険しい山々が連なる山岳地帯。
国立公園もいくつかあり、夏はハイキング、冬はスキーが楽しめるエリアです。
そんなモンテネグロ北部で最も有名なのが、世界遺産にも指定されているドゥルミトル国立公園。
山あり、湖あり、渓谷あり、アクティビティーありと、モンテネグロだけではなくヨーロッパ中から多くの自然を愛する人々が集まる場所です。
本格的な登山コースはもちろんのこと、のぶよのようなお手軽に大自然を感じたい派のためのハイキングコースも整備されているので、どんな人でも楽しむことができるドゥルミトル国立公園。
今回の記事では、そんなドゥルミトル国立公園内で個人でも比較的簡単にアクセスができる絶景の大自然スポットである、
黒い湖
タラ渓谷に架かる橋
の二つのスポットの見どころと、アクセスを紹介します。
ポドゴリツェからドゥルミトル国立公園を日帰りで訪れるモデルプラン
ポドゴリツァ~オストログ修道院~ドゥルミトル国立公園間を移動しながら観光するモデルプラン
も解説しているので、参考にしてください。
また、ドゥルミトル国立公園観光の拠点であるジャブリャック(Žabljak)の宿情報も載せています。
山好きの人なら絶対に見ておきたい絶景が待っていますよ!
ドゥルミトル国立公園の見どころ
ドゥルミトル国立公園観光地図
黄色:バスステーション
紫:ゲストハウス
青:観光スポット
黒い湖をハイキングして大自然を感じる
ドゥルミトル国立公園で最も有名なのが、「黒い湖」と呼ばれる氷河湖。
モンテネグロ語でも同じ意味の「ツルノ・イェゼロ(Crno jezero)」と呼ばれます。
実はこの黒い湖は、湖水が黒いわけではありません。
湖の周りを取り囲む鬱蒼と茂った森が作り出す影によって、暗い色に見えるため、その名がついたそうです。
黒い湖は、大きな湖と小さな湖の二つの湖が中央でかろうじてつながっていて、ひょうたんのような形をしています。
湖の周りには散策コースが整備されており、一周4kmほど。
アップダウンも少なめで、1時間半ほどでまわれてしまう簡単なハイキングコースです。
ジャブリャックのバスステーションから、湖までは3km/30分ほど平坦な道を歩くだけです。
ドゥルミトル国立公園の入口であるチケットオフィスで国立公園入園料€4(=¥488)を支払って、森の中をしばらく歩きましょう。
いきなり視界が開けて、黒い湖が目の前に広がります。
切り立った山々と、どこまでも続く森。
これこそ、思い描いていたドゥルミトル国立公園の景色です。
黒い湖のうち、大きい方には、団体のロシア人観光客の姿が多く見られました。
散策コースを歩いて小さい湖へと行くと、ほとんど人の姿は見られず、大自然本来の静けさをより深く味わうことができます。
小さい湖と大きい湖は、ひょうたんのくびれのような部分を挟んでかろうじてつながっていますが、面白いのは二つの湖の水源が異なるという点。
春になって溶けだした雪が水となり、湖へと注ぎ込むのは同じなのですが、それぞれ異なる川を水源に持ち、微妙に色も異なります。
群青色の「黒い湖」という言葉が似合う大きい湖に比べて、小さい湖は澄んだ水色。
小さい湖は水深が浅く、夏場は干上がってしまうそうです。
「氷河湖」と聞くとなんだか冷たそうですが、実際に水に触れてみるとそこまで冷たくは感じません。
この日の最高気温は13℃でしたが、果敢にも泳いでる人たちまでいたほど。(たぶんロシア人)
ゆっくり休憩したり風景を楽しみながら黒い湖を一周して2時間ほど。
とにかく空気が澄んでいて、なんだかリフレッシュしたような気分になりました。
タラ渓谷に架かる橋
さて、ドゥルミトル国立公園のもう一つの見どころは、「ヨーロッパのグランドキャニオン」と呼ばれるタラ渓谷に架かる橋(Đurđevića Tara)。
詳細なアクセス方法は「ドゥルミトル国立公園へのアクセス」の項で解説しますが、ジャブリャックの町から橋まではミニバスで30分ほど。運賃は€2(=¥244)です。
ヨーロッパ最深の谷であるタラ渓谷の最深部は、なんと1300m。
かなり深い谷に下りることなく車や人が通行するために築かれたのが、こちらの橋でした。
見ての通り、恐ろしく深い谷に架かっているこちらの橋は、なんとタラ渓谷で唯一の橋。
この橋を越える以外に、モンテネグロの南北をつなぐ橋は存在しないのです。
(東に50km離れたところにもう一つ橋がありますが、そこではタラ渓谷はすでに終わっていて、普通の川になっています。)
どれだけの人々が尽力してこの美しい橋を作り上げたのかわかりませんが、並大抵のことではなかったはずです。
タラ渓谷に架かる橋での名物が、ジップライン。
よくアスレチック公園などにある、数十メートルに渡って張られたロープにぶらさがってビューンと行く、あれです。
しかし、タラ渓谷のジップラインはそんなちんけなものではもちろんありません。
橋のこちら側から向こう側まで、長さ数百メートルに渡って張られたロープにぶら下がって、ビューンするんです。
もちろん真下は谷で足がすくむような高さ。
いったい誰がそんなことするんだと思うでしょうが、いるんです。そういうもの好きな人たちが。
のぶよはもちろんやりませんでしたが、渓谷の上をジップラインで疾走するのはちょっと気持ちよさそうでした。
€10(=¥1220)から参加できるそうなので、興味のある人は是非。
さて、タラ渓谷に架かる橋でやることと言えば、その巨大な橋を渡ること。
木製のつり橋ではないので、安心して渡ることができますが、下を見ると相当な高さで足がすくみます。
高所恐怖症の人はかなりの心の準備が必要かもしれません。
橋は全長400mほど。
橋の上からは、タラ渓谷の雄大な風景が見られます。
秘境感がすごいタラ渓谷ですが、ジップライン然りお土産屋然りと、結構観光地化されていました。
ジップラインやラフティングなどのアクティビティーに挑戦するなら別ですが、正直橋を渡って戻ってくるしかやることがありません(笑)
景色を見ながら橋を往復して30分ほど、ゆっくりしても1時間も見ておけば十分にタラ渓谷の大自然を満喫できますよ。
ドゥルミトル国立公園への行き方
ドゥルミトル国立公園観光の拠点となるのはジャブリャック(Žabljak)の町。
小さな町ですが、スーパーマーケットやレストラン、ATMなど旅行者に必要なものは一通り揃っています。
ポドゴリツァからドゥルミトル国立公園へのアクセス
ポドゴリツァバスステーションから、ニクシチ(Nikšić)経由ジャブリャック方面行きのバスが1日8本運行されています。
所要時間も短く、バスの本数も多いので、ポドゴリツァからドゥルミトル国立公園への日帰りは十分可能です。
所要時間:2時間半
料金:€8(=¥976)
コトルからドゥルミトル国立公園へのアクセス
コトルバスステーションから、ニクシチ(Nikšić)経由ジャブリャック方面行きのバスが1日2~4本運行されています。
所要時間:4時間
料金:€16(=¥1944)
所要時間が長く、本数も少ないため、コトルからドゥルミトル国立公園への日帰りは無謀。
おとなしくジャブリャックに一泊したほうがいいでしょう。
ポドゴリツァ発・ドゥルミトル国立公園日帰り観光モデルプラン
先述の通り、ポドゴリツァを基点にすればドゥルミトル国立公園へ日帰りで行き、今回紹介した二つの見どころ両方を見ることも可能です。
- 8:40ポドゴリツァ発
・ジャブリャックで下車せずに、タラ渓谷にかかる橋(Đurđevića Tara)まで行く - 11:40タラ渓谷の橋着
・観光(1時間) - 12:45タラ渓谷の橋発
・バスでジャブリャックへ - 13:15ジャブリャック着
・ランチ(1時間)&黒い湖へ向かう(40分) - 15:00黒い湖ハイキング(3時間)
・ジャブリャックバス停へ戻る(40分) - 19:00ポドゴリツァ行きバス乗車
- 21:30ポドゴリツァ着
朝8:40ポドゴリツァ発のバスに乗れば、ジャブリャック着は11時過ぎ。
実はこの8:40発のバスは、ジャブリャックのさらに北にあるPljevljaという町が終点なのですが、ジャブリャックからPljevljaへ行くバスは必ずタラ渓谷にかかる橋(Đurđevića Tara)を通るんです。
(そもそも道が一本しかない)
なので、ポドゴリツァからの日帰りで黒い湖とタラ渓谷の橋の二か所を訪れたい場合は、先に橋まで行ってしまった方が効率的。
(その場合はジャブリャック行の運賃+€2を追加して払います。)
ジャブリャックからタラ渓谷の橋まではバスで30分ほど。
運転手に念押ししておけば、橋の前のバス停で停車してくれるはずです。
問題は橋からジャブリャック方面への帰りですが、12:45頃と14:30過ぎにバスがあります。
(橋のそばの商店のお姉さん情報。のぶよは12:45のバスを待ちましたが、ちゃんと来ました。)
ジャブリャックに戻ったら、今度は黒い湖へとハイキング。
湖を一目見るだけなら往復1時間半、湖沿いを一周するなら3時間はみておきましょう。
ジャブリャック発ポドゴリツァ行きの最終バスは19時なので、時間には十分余裕があります。
ポドゴリツァ発・オストログ修道院経由でのドゥルミトル国立公園への行き方
モンテネグロの信仰の中心であるオストログ修道院は、ポドゴリツァとニクシチ(Nikšić)の間に位置しています。
ポドゴリツァを朝出発し、午前中にオストログ修道院を観光し、午後にドゥルミトル国立公園へ向かうことも十分可能です。
オストログ修道院を含めて、ドゥルミトル国立公園へと日帰りで訪れるのは不可能。
バスで往復するだけでタイムアップとなってしまいます。
というわけで、このプランの場合は確実にジャブリャックに一泊が必要となります。
ポドゴリツァ~オストログ修道院~ニクシチ(Niksic間)は鉄道
ニクシチ(Niksic)~ジャブリャック(Zabljak)間はバス
を利用します。(鉄道が走っていないため)
- 8:00ポドゴリツァ駅発ニクシチ行きの列車に乗る
- 8:46オストログ駅着
・修道院まで歩く&観光(合計3~4時間) - 13:42オストログ駅発ニクシチ行きの列車に乗る
- 13:58ニクシチ(Nikšić)駅着
・隣接しているバスステーションへ移動&ランチ
- 15:05ニクシチ(Nikšić)発ジャブリャック行きのバスに乗る
- 16:30ジャブリャック着
・宿泊先へ
このルートなら、ポドゴリツァ~ジャブリャック間を移動しながらオストログ修道院を観光できて無駄がありません。
ジャブリャックに宿泊後、二日目に朝からドゥルミトル国立公園を観光し、夕方のバスでポドゴリツァに戻る(orコトルなど他都市へ移動する)ことが可能です。
注意したいのが、ニクシチからジャブリャックへの最終バスの時刻。
15時台と早めなので、万が一ポドゴリツァ発8:00の鉄道やオストログ発13:42の鉄道を逃すと最終バスに間に合いません。
ポドゴリツァ~オストログ~ニクシチ間の鉄道は1日5本のみ。
3〜4時間に1本の運行なので、万が一予定の列車を逃してしまった場合は、次はないと考えておきましょう。
個人でアクセスするのに不安がある人は、ポドゴリツァやコトルからの現地ツアー参加が便利。往復の交通が確保されたものから、名物のラフティングに挑戦できるアクティブなものまで、様々なツアーがあります。
ドゥルミトル国立公園の宿情報
ドゥルミトル国立公園観光の拠点・ジャブリャックには、Sobeという個人の部屋貸しやゲストハウスなどが多くあります。
以前はホステルがあったようなのですが、2019年現在は予約できなくなっています。
宿選びのポイントは、バスステーション近くのものを選ぶこと。
バスステーションは中心街にも近く、食事や買い物にも困りませんし、国立公園散策コースの入口にもほど近いです。
のぶよが宿泊したのは、バスステーション近くのこちらのゲストハウスです。
Apartmani Sobe Sljivancanin
住所:ulica, br 46 Svetog Save, Žabljak 84220
料金:€13.55(=¥1652)
部屋:ツインルーム(バス・トイレ別)
立地:9/10
バスステーションから徒歩2分の好立地の宿です。
スーパーマーケットまでは徒歩5分ほど。
レストランも近くにあってとても便利です。
アクセス:8/10
看板は出ているものの、肝心の宿の名前が書かれていないため少々わかりにくいです。
普通の民家を改装したゲストハウスなので、常に誰かがいるので簡単にチェックインできます。
スタッフ:7/10
良くも悪くもドライな感じ。
ウェルカムコーヒーを出してくれたのは嬉しかったです。
清潔さ:7/10
ちゃんと掃除がされていて、普通に清潔です。
バスルームもきれいで快適に過ごせました。
設備:5/10
設備面は少し不満。
まず、各部屋にあるのはベッドとガードローブ、湯沸し器のみ。
机はありませんし、そもそも部屋のほとんどがベッドで占領されています。
タオルは支給されるものの、それだけです。
wi-fi:10/10
敷地内どこでもつながる素晴らしいwi-fiでした。
雰囲気:6/10
可もなく不可もなくといったところ。
言ってしまえば普通の民家なので、家族が住んでいる家の一部屋に宿泊する感じです。
家族の話し声が聞こえてきますし、宿泊客と同じバスルームを利用するという謎のシステムでした。
それはそれでいいんですが、だったらもっとアットホームな感じを期待してしまうのは贅沢でしょうか。
総合:7.4/10
とにかく立地が抜群な宿です。
ハイキングで疲れた後にさらに歩いて町外れまで行く必要もありませんし、バスステーションは目と鼻の先です。
料金も安いですし、短期の滞在ならアリだと思います。
おわりに:ドゥルミトル国立公園観光のアドバイス
アドリア海の風景とは異なる、モンテネグロのもう一つの顔である山の風景。
全身で大自然を満喫できるドゥルミトル国立公園を紹介しました。
標高が高いので、夏でもかなり冷え込みますし、天候も不安定なことが多いです。
のぶよが訪れた7月初めは、ほとんどが雨予報。
気温も最高14℃、最低3℃(!)とかでした。
最高気温37℃のポドゴリツァから向かうと、もはや別世界です。
唯一の晴れ予報の日を狙っていきましたが大正解。
完璧な晴天に恵まれました。
ドゥルミトル国立公園内のハイキングコースは、今回紹介した黒い湖の周りのような簡単なものから、山頂を目指すかなり難易度が高いものまで、自分のレベルに合わせて選ぶことができます。
歩きやすい靴はもちろん、夏でも暖かい服装は必須です。
ハイキングするならMaps.Meという地図アプリをダウンロードしておきましょう。
オフラインでも地図の表示や近くのスポットの検索ができるだけではなく、ハイキングコースや自転車コースも詳細に表示されます。
また、ハイキングコースの高低差を表示する機能もあってかなり便利です。
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