こんにちは!ジョージア北西部のスヴァネティ地方を3週間旅した、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
コーカサスの山々に抱かれた小さな村々が点在する、スヴァネティ地方。
色々とおすすめしたい場所はたくさんあるのですが、観光のハイライトとなるのが、この地域の最も奥に位置するウシュグリ村(Ushguli / უშგული)でしょう。
ウシュグリは常に雪に覆われたシュハラ山を背景に、この地方独特の「復讐の塔」が建ち並ぶ小さな村。
標高は2060m~2200mほどの場所に位置しており、「ヨーロッパで人が定住する、最も標高が高い場所にある村」と称されます。(ジョージアがヨーロッパなのかどうかは別として)
息を呑むほどの絶景ポイントや、数々の見どころが点在するウシュグリはまさに、「コーカサスの麓の国・ジョージア」というイメージが目の前に広がる場所。
観光客に大人気となっているのにも納得ですし、ジョージアで色々な場所を訪れたのぶよにとっても、言葉が出て来ないほどに圧倒されたのはウシュグリくらいかもしれません。
今回の記事は、ウシュグリの観光情報を徹底解説したもの。
見どころやアクセス、宿泊時のアドバイスや注意点まで…「とにかくこれを読んでおけばウシュグリ観光は完璧!」という内容になっています。
(ものすんごいボリュームなので、2つのページに分けました。興味があるところからどうぞ!)
とにかく村全体が絶景・絶景・絶景の連続であるウシュグリは、ジョージア旅行の総仕上げとしてもおすすめな場所。
むしろ、ここに行かずしてジョージアという国を語るのはナンセンスかもしれません。
絶対に後悔はさせません。コーカサス最奥部の村への旅路へ、いざ…!
ウシュグリのエリア別観光スポット&絶景ポイント
ウシュグリ観光マップ
緑:絶景ポイント
黄色:メスティアから/へのミニバス発着ポイント
赤:レストラン兼商店
紫:おすすめゲストハウス
ウシュグリの観光4エリア
ウシュグリ観光の前に絶対に知っておきたいのが、村は4つの地区に分かれている点。
エングリ川が形成する狭い谷間にひらけた村なので、集落が東西に広がっているのです。
ウシュグリを象徴する復讐の塔とコーカサスの山々の絶景が見られるのはどの地区でも共通していますが、それぞれ独自の特徴があるのもポイント。
ここからは、ウシュグリ村の見どころや絶景ポイントを4つのエリア別に解説していきます!
ウシュグリを象徴する風景!ジビアニ地区
ウシュグリ村最東端に位置するジビアニ地区(Zhibiani / ჟიბიანი)は、シュハラ山を間近に望む小さな集落に数々の見どころが点在する観光の中心となるエリア。
4つの地区の中で最も観光客が訪れる地区ではあるものの、ハイシーズン以外の村の風景はどこまでも素朴なままです。
他の3つの地区とは異なり、緩やかな斜面に伝統的な石造りの建築が建ち並ぶジビアニ地区の散策は、体力的に少しキツく感じるかもしれませんが、高台からは絵葉書のような美しい風景が見られます。
後述するシュハラ氷河へと続くハイキングコースの入口があるのもこの地区。
ウシュグリ滞在中は必ず足を運ぶこととなるでしょう。
ラマリア教会
数多くの見どころが点在するウシュグリ村の最も奥の高台に建つラマリア教会(Lamaria / ლამარია)は、訪れた者誰もに感動を与える観光のハイライトの一つ。【マップ 青①】
丘の上に佇む絶景の教会と言えば、「天国に一番近い教会」と称されるカズベキのゲルゲティ三位一体教会が有名ですが、ラマリア教会もそれに負けない絶好のロケーションです。
ラマリア教会の設立は12世紀(800年前)に遡ります。
「ラマリア」というのは、スヴァネティ地方の伝統的な信仰において「五穀豊穣と牛の搾乳、縫物を司る」とされる、最も神位が高い存在の神のこと。
後にキリスト教が受容されると、聖母マリアと同一視されるようになりました。
18世紀にスヴァネティ地方一帯に勢力を誇った貴族・ダデシュケリアニ家がウシュグリを支配下に置こうとした際には、それに抵抗した村人が貴族の一人を殺害したと言われる場所でもあり、長い間ウシュグリの人々の精神的な柱としての役割を担ってきました。
現在でも現役の修道僧が生活している場所で、教会内部の壁には建設当時のフレスコ画がそのままに残されており圧巻でした。
高台にあるラマリア教会周辺からは、シュハラ山の全景を望むことができます。▼
遥か昔からそこにある山々と、中世の趣を残す教会…
大自然の雄大さと山岳地域に残る伝統を同時に感じることができる場所です。
ジュグラーグ教会(聖ギオルギ教会)
ラマリア教会が建つ丘にぽつりと佇むもう一つの教会が、12世紀建造のジュグラーグ教会(Jgraag / წმ. ჯგრაგ)。【マップ 青②】
「ジュグラーグ」とはスヴァネティ地方で話されるスヴァン語での呼び名で、ジョージア語だと「聖ギオルギ(St. Giorgi)」という聖人を指します。
ジュグラーグはかつてこの地域で信仰の対象となっていた「月」を象徴する神とされ、キリスト教受容後に聖ギオルギと同一視されるようになりました。
ジュグラーグ教会裏手からは、谷間に広がるウシュグリ村の大部分を一望することができます。
ウシュグリ民俗博物館
スヴァネティ地方の伝統文化に興味があるなら、ウシュグリ民俗博物館に立ち寄ってみるのもおすすめ。【マップ 青③】
ジビアニ地区の集落内にひっそりと建つ石造りの建物内部を博物館に改装したもので、この地域の伝統的な家屋の様子が再現されています。
絶景ポイント①:ラマリア教会を望む高台
ラマリア教会とその背後にそびえるシュハラ山を同時に眺めたいなら、ジビアニ地区南側の高台にある道沿いがおすすめ。【マップ 緑①】
静寂の中に家畜の鳴き声だけが響き渡る中、ただ凛とたたずむ中世の教会の姿には、宗教は違えど神々しさを感じるほどです。
シュハラ山がはっきりと見える、晴れた日の朝の風景は言葉が出ないほどの美しさなので、ぜひ早起きして立ち寄ってみましょう。
観光・滞在の拠点!チュヴィビアニ地区
ウシュグリ村の4つの地区の中で最も多くの民家が建つチュヴィビアニ地区(Chvibiani / ჩვიბიანი)は、どのエリアにもアクセスしやすいため、観光・滞在の拠点として便利なエリア。
見どころはそこまで多くはないものの、素朴な村の風景の中を当てもなく散策したい地区です。
チュヴィビアニ地区内の民家は、石造りと木造が半々といったところ。
ウシュグリのどこででも見られる「復讐の塔」と呼ばれる見張り塔も多く、その風景を独特のものにしています。
チュヴィビアニ地区で最も印象に残るかもしれないのが、やたら豚が歩き回っていること。
スヴァネティ地方ではどの村でも豚が放し飼いにされているのが普通なのですが、チュヴィビアニ地区の豚率はものすごいです(笑)
可愛い豚の家族に誘われるがままに、素朴な風景の村を散策しましょう。
プスド教会
チュヴィビアニ地区の東側、民家が建ち並ぶエリアから少々離れた場所にぽつりと建つのが、11世紀建造のプスド教会(Pusd / ფუზდ)。【マップ 青④】
「プスド」というのはスヴァネティ地方に独特とされる神の一人(=キリスト教受容後もそれに対応する聖人がいない)で、スヴァン語では「支配者」を意味するそう。
素朴ながらも堅強な外観で、村人たちの信仰の地として愛され続けています。
デデのシネマ
チュヴィビアニ地区の一角にある「デデのシネマ」は、ウシュグリ観光のマスト。【マップ 青⑤】
『デデ(Dede / დედე)』とは、ここウシュグリ村を舞台にしたジョージア映画で、全編ウシュグリ村で撮影されたものです。
古くからの山のしきたりと、自身の恋愛の間で揺れ動く女性の姿が描かれており、スヴァネティ地方の美しくも厳しい自然風景が彩りを添える傑作。
国際的にも高く評価された作品です。
チュヴィビアニ地区のデデのシネマでは、毎日13時から2時間おきに、デデを放映しています。
すごいのが、1100年前に建てられた建物がそのままシネマとして利用されていること。
たたずまいからすでに雰囲気があり、映画の世界に存分にひたることができます。
歴史ある建物の中でその土地を舞台にした映画を鑑賞するなんて、ここでしかできない体験。
作品内で描かれる村の歴史や伝統に思いを馳せながら散策したり、映画に登場するシーンをまわったり…ウシュグリ村の観光がより深みを増すこと間違いなしです!
絶景ポイント②:地区南側の高台
チュヴィビアニ地区最西端に位置する丘の中腹付近は、チュヴィビアニ地区とジビアニ地区の町並みを一望できるポイント。【マップ 緑②】
丘をさらに登ると、お隣チャジャシ地区のタマル女王の塔に至ります。
世界遺産の町並みと絶景ポイント!チャジャシ地区
伝統的な石造りの家々と見張り塔に象徴されるウシュグリ。
中でも最も「ウシュグリらしさ」が感じられるのがチャジャシ地区(Chazhashi / ჩაჟაში)でしょう。
地区内の建物はほぼ全て石で作られており、その統一感は圧巻のひとこと。
建物すべてがユネスコの世界遺産において景観保護文化財に指定されているほどです。
地区の東側の丘の頂上には、ウシュグリのシンボルの一つであるタマル女王の塔もあり、周辺に絶景ポイントも多く点在しているエリアです。
世界遺産の村を散策&「復讐の塔」に思いを馳せる
チャジャシ地区に一歩足を踏み入れた旅行者は、独特の風景に息を呑むはず。
周囲360°全て、石造りの建物や塔に取り囲まれている町並みが広がっているのですから。【マップ 青⑥】
ウシュグリ全体で見ても、スヴァネティ地方全体で見ても、ここまで全ての建物が石造りで統一されている場所は他にありません。
各建物が肩を寄せ合うように建ち並び、まるで村自体が一つの要塞であるかのよう。
現在でもこの建物の中で生活をしている人々がいて、千年前と同じような光景が現在でも見られる「生きた博物館」のような光景が広がります。
チャジャシ地区の民家の多くには「復讐の塔」と呼ばれる石塔が併設されているのも特徴的。
スヴァネティ地方のどこの村でも見られるこの塔。
ほとんどが200年~500年ほど前のものですが、中には1000年前のものまであるそうです。
現在ではその役割を終えて荒廃が進んでしまっている塔も多いのですが、チャジャシ地区では完璧な状態の塔がそのままに残されているのが特徴です。
ジョージアの山岳部地域ではどこでも見られる見張り塔。
ジョージア語でコシュキ(koshki / კოშკი)と呼ばれ、そのほとんどはコーカサスの山を越えて侵入してくる異民族から、自分たちの村や家族を守るために建設されたもので、敵の侵入を見張ることができる高台などに位置しているのが普通です。
しかしながら、スヴァネティ地方では高台以外にも、一般の民家に見張り塔が併設されているのが独特。
ここには、15世紀~19世紀にかけてどこの国にも属さず、村ごとに自治が行われていたスヴァネティ地方独自の事情が関係しています。
村の掟を破る者や、他の村人を侮辱したり暴力をふるう者には「血の復讐」と呼ばれる制裁がなされ、本人はもちろんその家族も復讐の対象とされました。
(日本の村八分のエクストリームバージョンだと思ってください)
一応、「血の復讐」は村の偉い人の決定により行われるというルールがあったのですが、しばしばそのルールは破られ、個人的な怨恨などで復讐が実行されることも多かったそうです。
「何がきっかけで他の村人に復讐されるかわからない」という恐怖は、人々に見張りと防衛を兼ねた塔を自宅に作らせ、数か月間塔の内部で籠城生活を送ることを可能にしたのです。
現在ではその風習は廃れ(たとされてはいます)、人々は塔の外の自宅で生活を送るようになりました。
これらの塔はいつしか「血の復讐の塔」と呼ばれるようになり、スヴァネティ地方独自の風習や歴史を現在に伝え続けています。
絶景ポイント③:タマル女王の塔
チャジャシ地区の東側の丘の上に目をやると、他の見張り塔から離れたところに一本の塔がぽつりと建っていることに気が付くでしょう。
これが、タマル女王の塔(Queen Tamar tower / სუპარ)。【マップ 青⑦】
もともとはタマル女王が夏場にやってくる離宮兼要塞として建設されたもので、4本の塔と1つの教会がありましたが、現在では塔と教会が一つずつ残るだけとなっています。
タマル女王とは、中世ジョージア王国(1008年~1490年)において最初で最後の女性国王となった人物。
スヴァネティ地方を気に入ったタマル女王は、たびたびこの要塞で夏を過ごしたとされ、ジョージアの他地域とは異なる歴史を辿ったスヴァネティ地方においても、人々から愛されている存在です。
この地域で話されるスヴァン語では、「スパル(Supar / სუპარ)」と呼ばれるこの場所。
地理的に隔絶されたスヴァネティ地方は、中世ジョージア王国崩壊~近世に至るまで各村で自治が行われていた地域。
かつては村中の男たちがスパルに集まり、外敵の侵入への備えや集落での揉め事への対応(=先述の「血の復讐」の決定)などについて話し合いが行われたそうです。
絶景ポイント③:タマル女王の塔
歴史的な背景も興味深いのですが、多くの旅行者にとってタマル女王の塔の最大の魅力は、ウシュグリを代表する絶景が見られることではないでしょうか。【マップ 緑③】
よく観光案内のポスターなどに見られるウシュグリの写真は、ほとんどここで撮られているということもあり、文句なしの絶景が見られます。
この場所からの風景が特に美しいのが、早朝の時間帯。▼
山に雲さえかかっていなければ、村の家々とシュハラ山が朝日によって淡い色に包まれる風景が目の前に…
きっと一生の思い出となるはずです!
タマル女王の塔の西側の眺めもかなりのもの。
石造りの家々と塔がにょきにょきと生えたようなチャジャシ地区の全景と、その先にあるムルクメリ地区の遠景を一望することができ、こちらもウシュグリで有名な風景の一つとなっています。
絶景ポイント④:商店の庭
まるで一つの巨大要塞のようなチャジャシ地区を真横から眺めたいなら、川を渡った反対側にある商店の庭がおすすめ。【マップ 緑④】
太さも高さも様々な塔が、地面からにょきにょきと生えたようにたたずむ、独特の景観が広がります。
この商店は、ウシュグリ全体で2軒しかないお店の一つ。
庭にはちょっとしたテラス席も設置されているので、ビールでも飲みながら絶景を楽しむのがおすすめです!
絶景ポイント⑤:未舗装道路
個人的に美しいと感じたのが、お隣のムルクメリ地区へと続く未舗装道路から眺めるチャジャシ地区の風景。【マップ 緑⑤】
にょきにょき建つ復讐の塔&澄み切ったエングリ川を見下ろすように、タマル女王の塔が建つ風景が見られます。
絶景ポイント⑥:ウシュグリ要塞ハイキングコース入口
チャジャシ地区独特の石造りの家々の風景と、その奥にそびえるシュハラ山を一緒に眺めたいなら、地区南側の丘の斜面からがおすすめ。【マップ 緑⑥】
この場所はウシュグリ要塞へと続くハイキングコースへの分岐点にあたるため、要塞へのトレッキング&観光ついでに眺めることも可能です。
素朴な村の風景と要塞!ムルクメリ地区
ウシュグリ村の最西端に位置するムルクメリ地区(Murkmeli / მურყმელი)は、メスティア方面からやってきた旅行者が最初に目にする集落です。
他の3つの地区と少々距離があるため観光客がかなり少ないのが特徴で、垢ぬけないながらもピュアな「一昔前のウシュグリ」の魅力が詰まったエリアです。
時が止まった村の風景
ムルクメリ地区に足を踏み入れた旅行者は、他の3つの集落に比べるとどこか土臭くて田舎っぽい印象を持つかもしれません。
裏を返せば、ムルクメリ地区の町並みは観光地化の波に呑まれておらず、時が止まったような風景が見られるということでもあります。【マップ 青⑧】
多くの観光客はムルクメリ地区まで足をのばすことなく、他の3つのエリアだけをサッと見学して帰っていくのが現状。
そのため、一大観光地となったウシュグリ村に位置していながらも、観光マネーに目が眩みきっていない人々の生活感が強く残っているのが最大の魅力かもしれません。
お隣のチャジャシ地区ほどではないものの、多くの家屋が伝統的な石造りなのも特徴的。
「復讐の塔」も多く残っており、素朴な集落の風景を独特なものとしています。
ムルクメリ地区は、ウシュグリの中で最も住人の減少が激しい集落だそう。
人が住まなくなって放置された結果、石の壁だけが残ったようなかつての民家の跡も多く見られます。
いっぽうで、現在でもこの場所で生活をする人々の姿も見られ、農作業や家畜の世話に精を出していました。
多くの人の生活が観光客マネーで成り立っているウシュグリですが、この地区では少々事情が異なるように感じます。
絶景ポイント⑦:ムルクメリ地区を川の対岸から眺める
ムルクメリ地区を一通り散策したら、集落の南側を流れるエングリ川を越えて対岸へと渡ってみましょう。
集落の全景と美しい清流が眺められるポイントがあります。【マップ 緑⑦】
実はこの絶景ポイントは、次に紹介するウシュグリ要塞へ登る徒歩ルートの起点となる地点でもあります。
ウシュグリ要塞
ムルクメリ地区の南側にある山の頂上にひっそりとたたずむウシュグリ要塞は、観光客はまずやって来ない穴場スポット。【マップ 青⑨】
結構な上り坂を歩く必要がありますが、頂上からの景色は感動ものです。
ウシュグリ要塞へのハイキングルート詳細は後述しています!
ウシュグリ周辺の観光スポット
シュハラ氷河
ウシュグリを訪れた観光客にとって定番のデイトリップ先が、村の北東9kmほどの場所にあるシュハラ氷河(Shkhara Glacier / შხარის მყინვარი)。【マップ 青⑩】
間近で広大な氷河が見られることで大人気の場所となっています。
シュハラ氷河までのアクセスは、平坦な道のりを片道2時間半歩いて行くハイキングが定番。
他にも4WDをチャーターしたり馬をレンタルすることも可能です。
氷河までの道沿いの風景も含めてコーカサスの大自然が感じられる、アクティブ派にはぜひおすすめしたいスポットです。
ウシュグリ要塞
ウシュグリ最西端のムルクメリ地区の南側の山の頂上に建つウシュグリ要塞も、数時間あればハイキングで十分アクセス可能なスポット。【マップ 青⑨】
角度的にウシュグリ村自体を望むことはできないものの、村を取り囲む山々やダイナミックな谷間の絶景が広がります。
ムルクメリ地区~ウシュグリ要塞~チャジャシ地区と一筆書きのように歩くことができるのもポイント。
山の頂上まで登るので高低差はある程度あるものの、全部で2時間ほど見ておけば十分歩けるほどです。
ムルクメリ地区~ウシュグリ要塞~チャジャシ地区間コース詳細
・所要時間:1時間半
・距離:2.5km
・高低差:▲270m ▼270m
ムルクメリ地区から川を渡ると、南方向に向かってトレイルがのびています。
基本的にはこれを登っていくだけの超簡単なコースですが、一部道が草に覆われて分かりにくい場所もあります。
要塞がある山を南にぐるりと周るように登っていくと、だんだん要塞内の塔が目に入ってきます。
坂を登りきった場所が分岐点となるので、塔に向かって300mほど進んでいくだけ。
要塞観光後は、同じ道を300mほど戻り、先ほどの分岐点をまっすぐ(東方向)に進みます。
城塞を出発して10分ほどで、チャジャシ地区へと下る道(北方向)へと分岐する地点があり、あとは坂を下っていくだけなのですが、この坂がかなり急&湧き水で常に地面が濡れているのでご注意を。
ここを登るのはかなりきついと思うので、チャジャシ地区→要塞→ムルクメリ地区というルートはおすすめしません。
チャジャシ地区を望む絶景ポイント⑥まで来たら、ゴールはもう目の前です。
ウシュグリのおすすめレストラン
ウシュグリで食事をするなら、宿泊するゲストハウスで夕食と朝食をつけるのが断然おすすめ。
リーズナブルな料金で、家庭的な味わいの料理をたらふく食べることができるためです。
しかしながら、ゲストハウスでは昼食の用意はない場合がほとんど。
また、日帰りでウシュグリを訪れる場合には、村内に数軒あるレストランを利用することになるでしょう。
ここでは、のぶよが実際に訪れた飲食店を2軒紹介します。
山プライスのお店が目立つウシュグリですが、比較的良心的な値段で食事できる場所を探している人はぜひ!
Cafe Koshki
ウシュグリの中心部にあたるチュヴィビアニ地区を望む高台に位置するCafe Koshkiは、旅行者にもウシュグリの村人にも評判のお店。【マップ 赤】
内部はややがらんとした印象で、サービスはやや素っ気ないですが、リーズナブルな料金で美味しい料理が食べられることで人気です。
Cafe Koshkiのメニューはこちら。▼
ジョージアの一般的なレストランより1割~2割ほど高いかな?といったくらい。
ウシュグリの地理や食材輸送の手間を考えると、かなり良心的だと思いますし、おそらくウシュグリ内では最安値の価格帯です。
けっこう豊富なメニューがそろっているCafe Koshkiですが、おすすめはなんといってもクブダリ(Kubdari / კუბდარი)。
スヴァネティ地方伝統の、牛肉ステーキパイです。
Cafe Koshkiのクブダリは、ちょうど良い塩加減の味つけと相変わらずの肉汁お化け具合が絶品。
これ一つでウシュグリ散策のエネルギーチャージはバッチリです!
他にもスープ・ハルチョー(牛肉とお米のスープ)やオジャフリ(豚肉とじゃがいものグリル)も、かなりの絶品でした。
価格も味も文句なし!総合的に満足度高めのレストランだと思います。
橋のそばのパン屋
もっと安く、手軽に食事を済ませたい人におすすめなのが、橋のそばのパン屋(正式名称不明)。【マップ 赤】
その名の通り、ウシュグリのど真ん中にある橋(メスティアからのマルシュルートカが到着するポイント)【マップ 黄色】のすぐそばにある商店兼パン屋といったお店です。
グヴェゼリ(具入り揚げパン)やクブダリ(牛肉パイ)など数種類のパンが売られていますが、おすすめが豆のペーストを詰めたパンであるロビアニ(Lobiani / ლობიანი)。▼
一般的なロビアニといえば、円形や長方形の生地の中に豆のペーストを詰めてオーブンで焼き上げたもの。
しかしこのパン屋のロビアニは独特。
「ショティ」と呼ばれる細長い剣のような形の生地の中に、豆のペーストを詰め、「トネ」と呼ばれる窯の中で焼き上げる「窯焼きロビアニ」なのです。
豆のペーストは、スヴァネティ地方の伝統調味料であるスヴァネティ・ソルトで味付けされているのも独特。
エキゾチックで香ばしい味わいが、口の中いっぱいに広がります。
ジョージアの他のエリアではあまり見たことがない窯焼きロビアニ。
ウシュグリ観光のお供に、いかがでしょうか。
コメント
遂にスヴァネティの最奥ウシュグリへ到達しましたね。昨年見た光景が懐かしいです。メスティア~ウシュグリのこの
区間だけの為にスズキの4WDを借りたのでした。(途中、生活物資を満載したトラックが坂を登れなくなり、退避できる場所まで後退してきたのでこれは正解でしたが)この道は数か所湧水の出ている場所を通り、汲んでいる人がいたので私も飲んでみたものの、冷たいだけで美味しくは感じませんでした。私も橋の横のマルシュルートカのたまり場に車を置いてタマリア教会まで歩いて行きました。というよりも車がいっぱいでこれ以上先へは進めなかったのです。韓国からの観光客のツアーがマルシュルートカ4台に分乗して来ていました。画像を見る限り観光客はいないようですね。メスティアから日帰りで行き、5時間滞在しましたが、一泊すれば良かったなぁ、と思っております。
メスティアからの帰途、ズグディディマデノ山岳区間で岩の角に当ててタイヤをパンクさせてしまいました。スペアに交換すべく、路肩でジャッキアップしているとズグディディに住んでいるというジョージア人の車が停まり一緒に手伝ってくれました。こちらから頼んだわけでもないのに心の温かさに触れました。(日本から持ってきたうちわをあげたらとても喜んでくれました。
昨年は20日で3か国+未承認国1か国(アゼルバイジャンはバクーに半日しか居なかった)駆け足で回りましたが次回はジョージア1か国+未承認国アブハジア(レンタカーそのまま乗り入れられるのかは不明。ロシア側から鉄道が走っている)だけでしっかりとみてきたいものです。
あっ!でもアゼルバイジャンの飛び地ナヒチェバンにも行きたいと思っているのですがね。(ここの列車は古い機関車を使っており、注目なのです。)
クヴェリワインは体験できましたか?良い旅を続けてください。
小杉弘一 HN機関車好き様
コメントいただきありがとうございます!
そうなんです、とうとうウシュグリまで行って参りました!
今年は大袈裟ではなく「観光客ゼロ」状態だったので、ウシュグリ本来の大自然や静寂さを楽しむことができた半面、移動や宿の確保などに結構苦労することとなりました。
小さな村ですので日帰りでも十分に観光することは可能ではあるものの、やはり宿泊して良かったなと思います。こんなコーカサスの奥地でのんびりとすごす贅沢な機会も人生においてなかなかないと思いますので。
コーカサス3国を旅行なさったのですね。私自身ももともとのプランではアゼルバイジャンとアルメニアにも立ち寄るつもりだったのですが、このコロナ禍と紛争のために今回は諦めることとなりそうです。
アブハジアはジョージア側から出入域できていたようですが、この状況なので現在は往来することができなくなっています。ロシア側から立ち入れるのかどうかは微妙なところですね。
クヴェヴリワインは、ボトルとして販売されているものは飲んだことがありますが、ワイナリーで醸造されているところはまだ見たことがありません。
ジョージアを発つ前にやりたいことのうちの一つではあるのですが、果たして達成できるかどうか…
日本でも寒くなってくるにつれ、コロナの再拡大が始まっているという話を耳にしました。
どうぞお体にお気をつけて、状況が落ち着いた後のジョージア(や、その他海外諸国)への旅への期待を高めるための期間となさってくださいね!
はじめまして!
胸をドキドキさせながら読ませていただきました。
ちょっと質問なのですが、11月頭にウシュグリ村を観光するのは気候的に厳しいのでしょうか?
今月末からジョージアに旅行に行こうと思っておりまして、のぶよさんのご意見を参考にしたいです。
できればカズベキと合わせてなんとしても訪れたいところなんですよね;;
どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m
しんりゅう様
コメントをいただきありがとうございます!
11月頭のウシュグリについてですが、運次第というのが率直な意見です。
例年、初雪は10月の半ば~後半だそうで、それから一度雪が解けて11月の半ばから本格的に雪が積もる季節になると聞きます。
とはいえ、今年は寒の入りがやや早く、来週にでも初雪となるのではないかと言われています。なので、雪がどっと積もるのももしかすると例年より早まるのかもしれません。
雪が降った翌日は、積雪量によって道路が寸断されてしまい、移動が不可能となることが多いです。1日たてば再び道路は開通するのですが、メスティアに到着したもののウシュグリにアクセスできないorウシュグリに滞在していたのにメスティアに帰れないなど、天気予報によっては予想外の事態となることも想定に入れておくことをおすすめします。
すでに夜は気温ひと桁台でかなり寒いので、11月頭となるとかなりの極寒になるかと思います。防寒対策などしっかりなさっての訪問をおすすめします。
カズベキに関しては、ウシュグリに比べて道路状況が比較にならないほど良い&標高もウシュグリより600mほど低いので、個人的にはできる限り早い時期にウシュグリ観光を済ませるのが良いかなと思います。(すべては天気予報次第ではありますが…)
以上、天気に恵まれた素敵なご旅行になることを祈っております!
おおお。ご丁寧に返信いただきありがとうございます!!!
やはり天候のトラブルは想定して行動するようにしたほうがよさそうですね。
大いに参考にさせていただきますm(_ _)m
のぶよさんのこのサイトを今度のジョージア旅行のお供にさせていただきます笑
大変感謝です^^