こんにちは!トルコに3ヶ月滞在した、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
世界三大料理に数えられるトルコ料理。
3か月間の滞在中に毎日食べていたので、それはそれは記事執筆がはかどったというものです。
その弊害としてのぶよが感じたのは、「トルコ料理…とにかく種類が豊富すぎる…」ということ。
上の記事内で紹介している「定番の」30品とは別に、広大な国土の各地域でのみ食される「ご当地グルメ」なるものまでかなりの数があるほどですから。
こんなにたくさん紹介したのに、まだまだ終わりが見えない、奥深すぎるトルコ料理の世界。
オスマン帝国時代からの伝統的なスイーツに触れずに、その食文化を語ることはできないでしょう。
ヨーロッパ風のおしゃれなケーキや、アメリカンなホイップクリームたっぷりの毒々しい色のスイーツとはわけが違います。
「サクサク」と「しっとり」が同時に味わえる独特の食感の焼き菓子から、昔懐かしい素朴な味わいのグミのようなものまで、トルコのスイーツはとにかくバラエティー豊富。
オスマン帝国伝統の美意識が感じられる美しい見た目も特徴的です。
また、独特のチャイ(紅茶)文化が息づくトルコでは、エキゾチックな内装のカフェやチャイハネ(紅茶屋)の屋外テーブルに座って一休みするのも楽しみの一つ。
トルコ人になった気分で、甘~いチャイをクッと飲み干すのも粋なものです。
というわけで、今回の記事ではトルコ旅行で一度は味わいたい魅惑のスイーツ&飲み物類を紹介していきます。
トルコ全土、どこでも見つけることができるものなので、観光の合間の休憩にいかがでしょうか。
一度は味わいたい、トルコの名物スイーツ
バクラヴァ(Baklava)
トルコのスイーツの王様として人々に愛されるのが、オスマン帝国伝統のバクラヴァ(Baklava)というスイーツ。
ひとことで言うと、糖蜜パイといったところ。
数層に重ねたパイ生地の間にナッツを挟み、こんがりと焼き上げたものの下半分にたっぷりの糖蜜を染み込ませたものです。
その見た目の美しさはとにかく際立っていて、初めて見た時には絶対に写真を撮りたくなるはず。
そして実際に食してみると、その新感覚の食感に「何これ…!」となることでしょう。
口にした瞬間に、パイ生地のサックリ感と糖蜜のジュワり感が同時に味わえるのです。
バクラヴァの形や中身の種類には多くのバリエーションがあるのもポイント。
小豆が使われているものや、糖蜜の代わりにハチミツを染み込ませたもの、パイ生地にチョコレートを染み込ませて焼き上げた黒バクラヴァまで、店や地域によってかなり味が異なります。
トルコの他のスイーツと同様にかなり甘めですが、気が付くと「ああ、バクラヴァ食べたい…」と思ってしまうほどに中毒性があるスイーツです。
ポイント:バクラヴァは量り売りが基本。
欲しい個数を伝えれば、その重さで料金が決まります。目安としては、1人分(5個)で4TL~5TL(=¥72~¥90)ほどです。
イスラク・パスタ(islak pasta)
サックリ&ジュワリとした口当たりのバクラヴァとはまた違う食感が楽しめるのが、イスラク・パスタ(islak pasta)。
トルコ語で「濡れたケーキ」という意味の名前の通り、しっとりとした独特の食感が楽しめるスイーツです。
まるで蒸しパンのような食感で密度がかなり濃いのが特徴的。
味はチョコレートが定番ですが、一般的なチョコレートケーキとは全くの別物です。
トルコのスイーツにしては甘さは控えめなので、甘いものがあまり得意でない人にもおすすめできる万人向きのスイーツです。
「パスタ」なのにケーキ?注意したいトルコ語
トルコ語でパスタ(Pasta)とはケーキの意味で、スパゲティーなどのパスタとは異なります。
メインディッシュだと勘違いして「パスタ」を注文すると、甘いケーキがやってくることになるのでご注意を。
食事としての「パスタ」を意味するトルコ語は「マカロニ(Macaroni)」。
これも日本語の「マカロニ」とは意味が異なり、スパゲティーやフェットチーネなどのパスタ類全体を指す言葉なのがややこしいところです。
ロクム
イスタンブールのグランドバザールやエジプシャン・バザールを散策していると、小さな立方体のカラフルな物体が山積みになっている光景に出くわすことでしょう。
こちらがオスマン帝国伝統のスイーツの一つであるロクム(Lokum)です。
砂糖とデンプン、色素を混ぜて作られるグミのようなお菓子で、もっちり&ねっとりとした食感が特徴的。
「ターキッシュ・デライト」の名前でも知られているロクムは、トルコ土産の定番でもある一品。
グランドバザールでは、あの手この手でロクムを売ろうとするトルコ商人たちに声をかけられまくること必至です。
不思議そうな顔でロクムを眺めていると、十中八九無料で試食させてくれるのもポイント。
特に地方都市のバザール(市場)で試食して「美味しい!」なんて褒めた日には、無料のチャイが振舞われ、「こっちも食べてみろ!」「コーヒー飲むか?」などと完全フリーでカフェ気分が味わえます(笑)
3ヶ月もトルコにいたのぶよですが、甘いものが食べたくなった時にはロクムをじっと眺めるという「おのぼりさんごっこ」をするのが趣味でした。
こうして一銭も払うことなく合計で1kg近く食べたと思うので、もうしばらく食べたくありません。
イズミル名物!似て非なるロクマ(Lokma)
トルコ第三の港湾都市・イズミルには、ロクムと似たような響きのロクマ(Lokma)という名物スイーツが存在します。
名前こそ似ているものの、全く別物のロクマ。
一口サイズのミニドーナツといった感じですが、糖蜜を染み込ませたジュワリとした生地はまるでバクラヴァのような食感。
1つ1TL(=¥19)と激安なロクマですが、イスラム教の休息日にあたる金曜日には、イズミルの町中で無料で配られ、密かな風物詩となっています。
ロクムもロクマも、無料で食べることができるという点は共通していますね(笑)
フルン・スュトラチ
トルコ全土でポピュラーなライスプディングであるフルン・スュトラチ(fırın sütlaç)は、甘さ控えめの上品な味が特徴的な一品。
シナモンの風味が良いアクセントになっていて、さっぱりとした後味は食後のデザートにぴったりです。
ロカンタ(Lokanta)と呼ばれる大衆食堂の多くに置いてあり、セットメニューのデザートとして提供されることも多いです。
モザイク・パスタ
その名の通り、モザイク模様のような断面が美しいモザイク・パスタ(Mozaik Pasta)。
チョコレートベースの生地に大量のナッツやピスタチオなどを混ぜて焼き上げたものです。
トルコのスイーツの中ではかなりヨーロッパ風の一品ですが、切った時の断面の美しさにトルコ人の美意識を感じます。
モダンなカフェスイーツの定番メニューとなっているので、是非一度味わってみてはいかがでしょうか。
キュネフェ
トルコ南西部のアンタキヤ発祥のキュネフェ(Künefe)は、中東諸国でポピュラーなクナーファというスイーツに似たもの。
細かく切ったアーモンドを固めた生地の中に、カイマクという種類のチーズを入れ、専用の鉄板でこんがりと焼き上げたものです。
現在でこそトルコ全土に広がり、キュネフェ専門店も多く見られるほど、トルコ人が愛してやまない一品です。
キュネフェの何がすごいかというと、一つ一つ手作りである点。
キュネフェ専門店を訪れると、焼き上げる前の白いアーモンドに小麦粉を混ぜて固めている様子が見られます。
直火で焼き始めて10分ほど。
アーモンドの香ばしい香りが漂ってきたら、糖蜜をたっぷりかけて出来上がりです。
芸術的な見た目のキュネフェをナイフで切ると、中のチーズがとろーり。
チーズの塩気と糖蜜の甘さ、アーモンドのパリパリとした食感のハーモニーが素晴らしい絶品スイーツです。
気が付けば夢中になっている。トルコの飲み物
チャイ
トルコの国民的飲み物といえば、チャイ(Çay)。
トルコに来て、チャイを飲まずに去っていく旅行者なんて存在しないのではないでしょうか。
アジア諸国~中東までの広い範囲に根付くチャイ(紅茶)を飲む習慣。
かつてシルクロードを通ってもたらされたチャイ文化は、トルコで独自の発展を遂げました。
トルコのチャイはブラックティーが主流で、ティーバックなどは使われません。
大量の茶葉をやかんに直接入れて、濃いチャイを作るのです。
トルコ人のチャイに対する情熱は半端ではありません。
チャイ専用の巨大なポットや、二層構造のやかんを常備している家庭がほとんどで、常に飲めるように工夫されているのです。
濃い目のチャイに角砂糖を2個、3個…と入れて甘くして飲むのがトルコ流。
ここまで読んだあなたはもう気が付いていることでしょう。トルコ人がかなり甘党であることに。
また、チャイといえばくびれた形の可愛らしいチャイグラスも独特。
トルコではティーカップなどは用いられず、熱くて持ちにくいガラスのチャイグラスが何故か使われ続けるのです。
(トルコ人に理由を聞きましたが、「それが伝統だから」との答えでした。)
トルコで飲まれるチャイの茶葉のほとんどは、トラブゾンなどの黒海沿岸地域東部で生産されているのもポイント。
いわばチャイの本場であるこの地域のチャイはさらに濃く、もはや苦味を感じるほどでした。
トルコ全土津々浦々、どんな場所でも飲めるチャイですが、チャイハネと呼ばれるチャイ専門店でローカルに交じっていただくのも楽しい経験。
トルコの人々の日常にお邪魔したような感覚になること間違いなしです。
トルコ式コーヒー
チャイ派がほとんどなトルコですが、コーヒーだって飲まれています。
オスマン帝国時代発祥のトルコ式コーヒー(Türk kahvesi)は、トルコのチャイ文化がコーヒー文化にまで影響を及ぼしたもの。
一般的なコーヒーは、コーヒー豆を砕いたものをフィルター等に入れてお湯を注ぐことで、コーヒー豆を分離して淹れられます。
しかしトルコでは、チャイを作るのと同じ要領でコーヒーを淹れます。
つまり、コーヒー豆とお湯を沸騰させたものをそのまま飲むのです
トルコでは、炭火でじっくりと煮立てるのが主流。
じっくりと温めることで、コーヒーの独特な風味がより強く感じられるそうです。
コーヒー豆が沈殿するのを待ってから、上澄みだけを飲むのが普通。
独特の粉っぽさがある口当たりは、好みが分かれるかもしれません。
伝統的な絨毯などでデコレーションされたカフェも多くあり、街ゆく人を眺めながら休憩するにはぴったり。
とってもトルコらしい体験ができます。
ボザ(Boza)
トルコ全土でポピュラーなボザ(Boza)は、ブルグル(Bulgur)と呼ばれる小麦を半茹でにして砕いたものが原料の不思議なドリンク。
イースト菌や砂糖、水を入れたら出来上がりです。
柑橘系の果物が入っていそうなオレンジ色の見た目ですが、果汁は一切入っていません。
シナモンをたっぷりとかけて一口飲むと、そのねっとりとした独特の食感にびっくりするかもしれません。
味は日本の乳酸菌飲料を思わせるような風味で、食感とは反対に結構さっぱりしています。
トルコのある程度の都市には、このボザを専門に売るお店まであるほど。
トルコ人に愛される超定番ドリンクです。
アイラン
トルコ旅行でローカルレストランに行くなら、絶対に覚えておきたい言葉が「アイラン(Ayran)」。
食事を注文すると、決まり文句のように「コーラ?ファンタ?アイラン?」と聞かれます(笑)
アイランをひとことで言うと塩ヨーグルトドリンク。
私たち日本人にとっては「ヨーグルト=甘いもの」ですが、トルコでは「ヨーグルト=塩辛いものと一緒に食べる(飲むもの)」という認識なのです。
その味を一言で表現するのは難しく、「プレーンヨーグルトに水と塩を入れたもの」といった感じ。
(興味がある人は試してみてください)
はっきりと好みが分かれる味だと思います。
トルコでのアイランの立ち位置は、食事の際に飲む定番ドリンク。
食後にはチャイですが、食事中はアイランなのです。
老若男女問わず、とにかくどこの食堂でも。
トルコ人曰く、「肉料理には絶対にアイラン!」とのこと。
のぶよはあまりアイランが好みではなかったのですが、3ヶ月もトルコにいるとだんだんとアイランなしで肉料理を食べることに違和感を持つようになるのですから、不思議なものです。
アトム(Atom)
なんだかかっこいい名前のアトム(Atom)を知っている人は、かなりのトルコ通でしょう。
トルコの国民的ドリンクであるアイランに炭酸水とレモンを絞った摩訶不思議な飲み物です。
アイランの「しょっぱいヨーグルト」ですら謎なところに、レモンの酸っぱさと炭酸のシュワシュワが混ざるのですから、もはやカオス(笑)
食堂などでは見つけることのできないアトム。
飲まれるのはハマム(トルコ式風呂)の湯上がりの際に限られます。
日本で言うコーヒー牛乳的な位置づけなのですが、トルコ人的には「大好物のアイランにレモンと炭酸を入れた、湯上がりスッキリバージョン」といったところなのでしょう。
味は…ご想像の通りです(笑)
アイランの塩辛さとレモンの酸っぱさが混じった不思議すぎるもので、全く甘くはありません。
(そして全く美味しくありません)
なぜか2杯セットでついてくるという、のぶよ的には苦行のような飲み物でしたが、ハマムで汗を流した後にトルコ人に倣ってグッと飲み干してみましょう。
おわりに
トルコ伝統の美しいスイーツから、摩訶不思議な飲み物までを紹介してきました。
トルコの人々の間には、スイーツ文化がかなり根付いているので、トルコ滞在中に是非その一端に触れてみたいものです。
今回紹介した以外にも、まだまだ多くのスイーツが存在するトルコ。
再訪の際には更新していきますので、どうぞお楽しみに!
コメント