こんにちは!トルコに3ヶ月滞在した、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
前回の記事では1週間のトルコ旅行で四大観光スポットを訪れるモデルコース&予算を解説しました。
その前は、トルコ旅行の計画に必要な計画&準備の4ステップについて。
いわば、よくある「旅サイト」的な記事が続いたということです。
かねてから当ブログ「さぼわーる」をフォローして下さっている方は、きっとこう思ったことでしょう。
「何だか当たり障りのない記事…。こんなのさぼわーるじゃない!」と。
そうです。アクセス数稼ぎたいんです(笑)
というわけで、今回の記事はさぼわーるの平常運転。
3ヶ月間旅したトルコで訪れた、穴場の都市や観光スポット10か所を紹介していきます。
名前は知られていても観光客がやって来ない都市から、「もはやそれどこ?」なディープな見どころまで。
イスタンブール、カッパドキア、パムッカレなどの定番観光地とは決別したい人向けな記事となっております。
各スポットを訪れた際の詳細記事のリンクを貼っているので、気になった場所は要チェックです!
1.セルジューク朝が現在に残る町:カイセリ
トルコの大部分を占めるアナトリア半島の中央に位置するカイセリ(Kayseri)。
定番観光地であるカッパドキアからほど近く、空の玄関口であるカイセリ空港があるにもかかわらず、多くの観光客が素通りしていきます。
カイセリの町をひとことで表すと、「セルジューク朝時代の雰囲気が残る町」。
セルジューク朝とは、オスマン帝国成立以前に中央アジアからこの地にやってきた遊牧民族の王朝で、トルコにイスラム教を始めてもたらしたもの。
精巧な石の彫刻を得意とし、マドラサ(神学校)や霊廟などに独特の建築様式が見られます。
セルジューク朝時代の建造物が点在するカイセリの中心街は、さながら屋外博物館のよう。
コンヤ(Konya)と並んで、「トルコで最も信仰心が深い町」として有名な町らしい、凛とした雰囲気も独特です。
ほとんどの観光スポットへの入場が無料というのも嬉しい点です。
(どこでも入場料をとってくるトルコではかなり珍しいこと)
カイセリ観光でとにかくおすすめしたいのが、かつてのマドラサを改装したセルジューク朝博物館。
入場料たったの2TL(=¥36)という良心的な価格にもかかわらず、その展示内容は音や光、3Dなどの最新技術を駆使した秀逸のもの。
カイセリの町に息づくセルジューク朝時代の文化や歴史を深く学ぶことができます。
カッパドキア観光に1日追加すれば、十分に日帰りで足をのばすことも可能。
是非訪れて、トルコという国の新たな一面を感じてほしい。そんな町です。
2.見渡す限り絶景の町:アマスラ
トルコ北部・黒海沿岸に位置するアマスラ(Amasra)は、港町の雰囲気が色濃い小さな町。
トルコ人の間では黒海リゾートとして徐々に人気が高まってきている町ですが、外国人観光客の姿は皆無。
正真正銘、知る人ぞ知るスポットといった雰囲気です。
アマスラの最大の魅力は、町中の至る所で黒海と古い可愛らしい町並みのパノラマが見られる点。
いわば、「360°絶景の町」なのです。
その理由は、黒海に突き出した半島のような独特の地形にあります。
起伏の激しい半島の頂上部分は、かつてアマスラ城が建っていた場所。
現在でもその城壁が残り、その内側に町が広がっているのです。
アマスラ一帯地域は、トルコ他地域に比べてオスマン帝国による支配の始まりが遅れた場所。
それ以前に建てられたビザンツ様式キリスト教の教会が点在しているのも面白い点です。
目立った観光スポットこそありませんが、穏やかな黒海の絶景を眺めながらゆっくりと散策するのがアマスラの最大の楽しみ方。
カモメの鳴き声だけが町に響き渡る夕方の風景は、きっと忘れられないものとなるはずです。
3.洞窟墳墓が見下ろすオスマン帝国風の町:アマスヤ
上で紹介したアマスラとそっくりな名前のアマスヤ(Amasya)ですが、地理的にも歴史的にも何の関係もありません。
切り立った岩山に挟まれた谷間にひらけたアマスヤの町は、セルジューク朝時代~オスマン帝国時代に渡ってこの地域の重要な拠点として発展してきた町。
オスマン帝国様式の巨大なモスクや伝統的な民家が川沿いに建ち並ぶ風景は、とにかく圧巻です。
古代には、黒海沿岸東部を領土としたポントゥス王国の領地であったアマスヤ。
町を見下ろす岩山に掘られたポントゥス王家の岩窟墳墓は、観光のハイライトです。
他にも、セルジューク朝時代の医学に焦点を当てたディープで怪しげな博物館や、政教分離がなされたトルコでは珍しい現役のマドラサ(神学校)などのスポットもあり、色々な楽しみ方ができるのが魅力です。
4.トルコなのにギリシャな町:ボドルム
何も言わなければギリシャの島にしか見えないこちらの町は、正真正銘トルコ領のボドルム(Bodrum)。
トルコ南西部のエーゲ海沿いに位置する小さな町は、トルコ人の間で「シックなリゾート地」として有名な場所です。
ボドルムの特徴は、エーゲ海に浮かぶように建つボドルム城を中央にして、シックなリゾートエリアと庶民的エリアが完全に二分されている点。
リゾートエリアに関してはのぶよは全く興味がありませんが、ボドルム城東側の庶民的エリアはかなり好みでした。
真っ白に塗られた家々が連なる小さな路地と、冬でも咲き誇る色とりどりの花々。
エメラルドグリーンのエーゲ海に沿って続くプロムナードは、おそらくトルコで一番美しいものです。
リゾート地として有名な場所の割に、物価はかなりリーズナブルなのもポイント。
庶民的エリアには昔ながらの食堂も点在しており、激安価格でローカルランチをいただくことも可能です。
5.トルコで一番自由な町:エスキシェヒル
イスタンブール在住のトルコ人の若者に大人気なのが、「トルコで一番自由な町」と言われるエスキシェヒル(Eskişehir)。
運河沿いに広がるモダンで統一感のある街並みは、トルコのヨーロッパ的な一面が感じられるものです。
学生が多いエスキシェヒルでは、学生向けのリーズナブルなレストランや若きクリエイターが集うおしゃれなカフェなどが点在しているのもポイント。
ナイトライフも充実しており、イスタンブールっ子が週末にわざわざやってくるほどなんです。
一方でトルコの地方都市らしいごちゃっとした雰囲気も残っており、おしゃれエリアと比較しながら散策するのもなかなか楽しいもの。
市内には、オスマン帝国風の民家をカラフルにリノベーションした可愛らしいオドゥンパザルという地区もあり、「現代風オスマン帝国」といった雰囲気。
観光面でもバッチリ楽しめるんです。
明るく気さくなひとが多いトルコですが、のぶよ的にエスキシェヒルの人々はトルコで一番オープンマインドで人懐っこいと感じました。
「トルコの今」を感じられるエスキシェヒル。
モダンでありながらローカルで、名物のご当地グルメやそこら中に点在するローカルハマム(トルコ式浴場)など、とにかくたくさんの魅力が混在している唯一無二な町です。
6.オスマン帝国始まりの町:ブルサ
「限られた滞在日数で、できる限りトルコらしい体験をしたい!」という欲張り派に心からおすすめしたいのが、イスタンブールでもカッパドキアでもなく、ブルサ(Bursa)の町。
かのオスマン帝国が興った地であり、コンスタンティノープル(現在のイスタンブール)を領土とする前にはその首都として発展していた、由緒正しき古都なのです。
町中に点在する初期オスマン帝国様式のモスクや霊廟などは、後の時代に建てられたイスタンブールの建築物とは異なった雰囲気。
古都らしい凛とした雰囲気が、町中いたるところで感じられます。
オスマン帝国成立以前は、シルクロードの西の端として発展してきたブルサ。
現在でも当時のハン(隊商宿)が多く残っており、迷路のようなバザール(市場)も健在で、当時からの伝統である絹製品は変わらぬ名物としてトルコ中に名を馳せます。
500年前のハマムで汗を流したり、トルコ伝統のカラギョズという影絵に触れたり、ご当地グルメを味わったり…。
とにかく魅力がギュッと詰まった「オスマン帝国始まりの町」。
イスタンブールから近いという地理的条件もあり、今後注目されること間違いないスポットです。
7.そこら中レトロなノスタルジー漂う町:トカット
トルコ中央東部に位置するトカット(Tokat)は、レトロなオスマン帝国時代の雰囲気が色濃く残る町。
切り立った岩山の頂上に立つトカット城の麓に広がる町並みは、一見なんの変哲もないトルコの地方都市のような雰囲気です。
しかしながら、中心街には100年以上前の雰囲気がそのまま残るレトロな地区が広がっており、まるでタイムスリップしたかのような気分にひたりながらの散策が楽しめます。
観光客もほとんどこないトカットの人々は、旅行者に興味津々。
どこへ行っても話しかけられたり(もちろんトルコ語で)、知らない人に手を振られたりと、何だか温かい気持ちになります。
のぶよが訪問した際はかなりの大雪で、観光のハイライトとなるトカット城まで上ることができませんでした。
必ず再訪したい町として、すでにリストに入っています。
8.地中海に抱かれながら歴史をたどる:リュキアの道
カッパドキアの広大な大地が作り出した自然の風景はトルコ観光のハイライトですが、のぶよ的にはリュキアの道もそれに負けない大自然スポット。
トルコ南部・地中海沿岸のフェティエ(Fethiye)~アンタルヤ(Antalya)の海岸沿いに500kmに渡って続くトレッキングコースとその周辺地域の総称が「リュキアの道」と呼ばれるエリアです。
「リュキア」とは、かつてこの地域を領土としたリュキア人のこと。
紀元前1200年頃からこの地に居住していた古い民族で、ローマ帝国時代には周辺の都市国家が集まってリュキア同盟を組みました。
そんな歴史から、圧巻の古代遺跡が多く残っているのはもちろんのこと。
どこまでも広がる地中海沿いに続くトレッキングルートは、「世界で最も美しい道」に選出されたほどです。
木の上に宿泊できるツリーハウス・ホステルがあるオリンポス(Olympos)や、上品かつポップな雰囲気ただよう港町・カシュ(Kaş)、100年前に放置されたゴースト・ビレッジであるカヤキョイ(Kayaköy)など、個性的な見どころが点在するのもリュキアの道の魅力。
地中海沿岸らしいのんびりとしたリズムを感じながら、ゆっくりと時間をかけてまわりたいエリアです。
9.無料の古代遺跡屋外ミュージアム:シデ
古代遺跡が好きな人にもそうでない人にも、地中海沿岸のシデ(Side)はおすすめです。
リゾート地として名を馳せるアンタルヤの西に位置する小さな町は、夏場はリゾート地としてヨーロッパ中から観光客が訪れる場所。
ビーチも美しいのですが、一番の魅力は町中に点在する古代遺跡の数々。
ギリシャの植民地時代のものからローマ帝国時代のものまで様々な時代の遺跡が入り交じるように残っているのですが、そのほとんどが無料で見学可能というのがシデの素晴らしいところです。
トルコでは観光地の入場料が物価に比べてかなり高額なことが多いのですが、シデでは無料で雄大な歴史の一端に触れることができるのです。
観光のハイライトとなるアポロ神殿は特に見ごたえがあり、観光ポスター等にも利用されているので見たことがある人もいるのではないでしょうか。
シデの周辺には、「世界一素晴らしい保存状態」と称賛される円形競技場を持つアスペンドス遺跡(Aspendos)や、ギリシャの都市国家時代の雰囲気色濃いペルゲ遺跡(Perge)などが点在しており、古代遺跡好きにはたまらないエリアです。
10.何もしなくて良い町:エイルディル
最後に紹介するのは、トルコ人に聞いても、「どこそれ?」と言われることが多い超穴場スポットであるエイルディル(Eğirdir)。
アナトリア半島中央西部のエイルディル湖のほとりにある小さな町です。
湖沿いに突き出した細長い半島に広がる独特な町並みは、他ではなかなか見られないもの。
水鳥が飛び交う湖畔を散策したり、地元の漁師がお小遣い稼ぎでやっているボートツアーに参加してみたりと、自然を身近に楽しむことができます。
エイルディルの一番の魅力は、何もしなくても良い点。
旅行するとなると、誰に強制されたわけでもないのに、できるだけ多くの観光スポットをまわりたいものですし、たくさんの町へ行ってみたくなるもの。
しかしながら、ふとした時に、旅することに疲れを感じてしまうことがあるものです。
そんなときに是非訪れたいのがエイルディル。
特に観光スポットなどもありませんが、湖を望む部屋で日の光と水鳥の鳴き声で目覚めたり、湖沿いで読書してみたりと、「何かしようとしなくても充実した時間」を過ごすことができるのです。
トルコ語オンリーのローカルの人々とのちょっとした触れ合いも、きっと旅の疲れを優しく癒してくれることでしょう。
周辺に整備されたトレッキングコース、船でしか行けない隠れた湖ビーチなど、アクティブに楽しむことだって可能なエイルディル。
トルコ旅行の合間に数日滞在するにはぴったりの場所だと思います。
おわりに:トルコの穴場の町&観光スポット10選マップ
というわけで、壊滅的に知名度が低いトルコの穴場の町と観光スポットを10か所紹介してきました。
今回紹介した場所の地図がこちらです。
定番スポットはもちろん素晴らしいですが、こうした穴場の町へと足をのばしてみるのもなかなか楽しいもの。
自分だけのお気に入りの場所を見つけた時の感動たるや、ガイドブックに載った場所をめぐる旅では味わえないものです。
観光地とはまた別の、素顔のトルコの文化や人々の温かさに触れられるのも大きな魅力。
きっとトルコの旅がさらに思い出深いものとなるはずです。
コメント
私もトルコは公私併せて8回いきましたが、地方都市ではサフランボルが気に入っています。町全体が世界遺産に登録されているようです。トルコ語は片言しか話せませんが、皆さん親切で、また行ってみたい都市のひとつです。ちなみにウズベキスタンのウズベク語や中国新疆ウイグル自治区のウイグル語はトルコ語にすごく似ていて、トルコ語を勉強すると、聞いていてところどころわかります。もう少し勉強してから、アゼルバイジャンみたいなもっとトルコ語に似ている言葉がはなされている国に行ってみたいと思っています。
Kishi様
コメントをいただきありがとうございます。また、お返事が遅くなりまして申し訳ございません。
サフランボルは美しい町並みがとても印象に残っている町です。観光客がほとんどいない朝の路地の雰囲気の良さに感動したことを覚えています。
トルコ語が少しでもできれば、きっとより楽しむことができるのでしょうね。次回訪れる際は、ちょっとした会話くらいはできるように準備して行きたいと思います!