こんにちは!ボスニア・ヘルツェゴビナに滞在して2週間。世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
オーストリア=ハンガリー帝国の影響が強いセルビアや、アドリア海沿岸の開放的がな雰囲気漂うクロアチアなどの隣国とは打って変わり、オスマントルコ帝国支配時代の雰囲気を色濃く残す国、ボスニア・ヘルツェゴビナ。
国民の半数以上がイスラム教徒ということもあって、ヨーロッパにありながらどこかエキゾチックな香り漂う町は、観光客に大変人気です。
そんなボスニアの中でも、500年以上前の古き良きオスマントルコ時代の風景を残すポチテリ(Počitelj)村は特別な存在。
エメラルドグリーンに輝くネレトヴァ川沿いの急な山の斜面に造られたポチテリは、石畳や城壁、村の全ての建物ががオスマントルコ時代の伝統的な石造りの様式で作られています。
ボスニア・ヘルツェゴビナ南部の観光都市・モスタルから日帰りで訪れることができるポチテリ(Počitelj)。
500年前にタイムスリップしてしまったような感覚になる小さな村の風景を紹介します。
500年前から変わらないポチテリの風景
バス停からポチテリ村へ歩いていくと、初めに目に入るのがこちらの景色。
山の頂上にあるのはガブランカペタン塔。
かつては見張り塔として使われていたものの、その役目を終えた現在は廃墟となっており、朽ち果てていくのを待つだけの状態です。
この塔からはポチテリとネレトヴァ川の絶景が望めるので、とにかく登っていきましょう。
オスマントルコ支配時代のハマム(トルコ式浴場)が、比較的良い保存状態で残されています。
村の中心にあるのは、教会ではなくモスク。
お祈りの時間になると大音量で響き渡るコーランを詠む声に、イスラム圏に来たことを感じさせられます。
ポチテリの道は全てが石で作られています。
はるか昔から変わらない景色が目の前に広がって、かなり感動します。
とにかく石だらけのポチテリの路地。風情があります。
ポチテリはただ単に伝統的な村なわけではなく、現在でも人が生活をしている「生きた村」。
石造りの伝統的な家で庭仕事をするおばあちゃんや、石畳で遊ぶ子供たちの姿が見られました。
村一番の高台にあるガブランカペタン塔。
今にも崩れそう(というかすでに結構崩れてる)な石造りの塔には登ることができます。
塔内部は薄暗く、かなり急で滑りやすい階段を上ることになるので十分に注意しましょう。
かつての栄華が嘘のように崩れゆく塔からは、今も昔も変わらない不思議な水の色をたたえるネレトヴァ川の流れ。
そして、ポチテリ村全体のパノラマビューも望むことができます。
いかがでしょう、この絶景。
思わず息をのんでしまいます。
灰色の屋根は、オスマントルコの建築様式である石瓦が使われているため。
いくつかあるオレンジ色の屋根は、クロアチア人が住んでいた(住んでいる)家だそうで、他の家とは異なる建築様式で作られています。
先ほど登ってきた道が見え、モスクの丸屋根と尖塔やハマムの姿も確認できます。
もはや2019年の風景ではありません。16世紀にタイムスリップしてしまったかのようです。
ネレトヴァ川を下っていくと、そこはもうクロアチア。
奥にそびえる山々の向こうは、別の歴史を送ってきた別の国なんです。
ガブランカペタン塔から少し歩いたところには別の展望台があり、そこからの眺めもとても美しいです。
ちょうどこの景色を眺めているときに、はるか下のモスクからコーランを詠む声が響いてきて、村はイスラムな雰囲気に。
「なんだか遠くまで来たなあ」としみじみしました。
ポチテリ(Počitelj)への個人でのアクセス
ポチテリは、クロアチアのドブロブニクやスプリット発の、モスタルとその周辺の観光スポットをまわる一日ツアーに組み込まれていることが多いです。
モスタルにある旅行会社も
・ポチテリ(Počitelj)
・メジュゴリェ(Međugorje)
・ブラガイ(Bragaj)
・クラヴィツェの滝(Kravice)
のいくつかをセットで訪れる日帰りツアーを催行しており、料金は最安値で一人35ユーロから。
このうちクラヴィツェの滝だけは個人で行くことはできませんが、他の三つはバスを利用して個人でも十分にアクセスできます。
ここからは、のぶよのようにモスタルを拠点として個人でポチテリへ行こうと考えている人のために詳細なアクセス方法を解説していきます。
ポチテリ地図
黄色:ポチテリバス停
青:観光スポット
モスタルからポチテリへの行き方
モスタル発でポチテリが終点となっているのバスは存在しないので、モスタル~スプリット (クロアチア)間を走る長距離バスを利用します。
ドイツ資本の格安バス会社、Flixbusは、事前に予約した停留所での乗車・降車しかできないので、今回は条件から外れます。
(ポチテリ下車の設定がないため)
モスタル発スプリット行きのGlobtourのバスに乗って、ポチテリのバス停付近で途中下車することになります。
こちらがポチテリのバス停。
時刻表の表示などはないので、近くのレストランの人に帰りのバス時刻を確認しておきましょう。
バス停からポチテリ村までは徒歩すぐです。
モスタル発スプリット行きのGlobtourのバス情報
モスタル発:6:15、8:10、11:10、15:10の4本
※モスタルのバスステーションの係員情報
料金:7KM(=¥440)
所要時間:ポチテリまで1時間
ポチテリからメジュゴリェ(Međugorje)、スプリットへ向かう
モスタル→ポチテリ→メジュゴリエ→スプリット(クロアチア)と、一筆書きのように国境を越えて移動しようと考えている人もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、かなりハードになりそうですが可能です。
これら四つの町を結ぶのは全て同じGlobtour社のバスなので、途中下車しながら観光し、次に来るバスに乗って次の目的地へ向かえばいいのです。
朝早くモスタル(地図1)を出るバス(6:15 or 8:10)を利用して、午前中にポチテリ(地図2)の観光を済ませます。
その後、午後12時頃にポチテリを出発するバス(モスタル発11:10と同じバス)でポチテリ→メジュゴリェ(Međugorje)へと移動して観光します。(地図3)
メジュゴリェ(Međugorje)からは16:30頃にあるスプリット行き最終バス(モスタル発15:10と同じバス)でクロアチアのスプリットへと抜けることも可能です。(地図4)
ただし、大きな荷物を持っての移動となるので、なかなかハードだと思います。
少なくともポチテリには荷物預かりサービスのような場所はありませんでした。
(観光案内所さえありません)
移動と観光を一日で済ませたい人は、挑戦する価値があるルートです。
ポチテリからモスタルへの帰り方
モスタルを拠点にポチテリまで往復する場合や、スプリット方面からポチテリ観光→モスタルと移動する場合も、先述のGlobtour社のバスを利用します。
問題は、クロアチアのスプリットから国境を越えてやってくるため、かなりの確立で遅れる点。
バス停で待っている人がいない場合はバスはポチテリには停車しないので、時間になったらバスが来るか注意するのをお忘れなく。
バスがやってきたら合図を送って停車してもらいます。
バス停近くのカフェのオーナーによると、ポチテリ→モスタルのバスは、6:15、12:00、14:45、19:30の4本のみだそう。
ポチテリのバス停でなかなか来ないバスを待っていたのぶよに、地元の人が「最大で1時間くらい遅れることもあるけどちゃんとバスは来るから心配しないで」と、わざわざ教えに来てくれました。
ボスニア人のこういうところ、心が温まります。
結局20分ほど遅れましたが、モスタル行きのバスはちゃんとやって来て問題なく乗ることができました。
ポチテリを訪れる現地ツアーは、モスタルかサラエボの発着が基本。
いずれもブラガイ+ポチテリ+クラヴィカの滝+メジュゴリェなどの周辺の見どころを一日で効率良くまわれるというもの。
公共交通機関を使って個人でアクセスするのは不可能なクラヴィカの滝へ行けるのは大きなメリットです。
クロアチアのドブロブニクやスプリットから国境を越えて、モスタルと周辺の観光スポットをめぐる日帰りツアーもとても便利。
ポチテリはスプリット~モスタル間の幹線道路沿いにあり、多くのツアー行程に組み込まれているものの、確認は必須です。
・隣国ボスニア・ヘルツェゴビナ 日帰り観光ツアー!世界遺産モスタル+メジュゴリェ+ポチテリ<日本人アシスタント同行/混載/ドブロブニク発着>
・ボスニア・ヘルツェゴビナ 世界遺産モスタル+ポチテリ 1日観光ツアー<3月~10月/英語/スプリット発>
おわりに
ポチテリはとても小さな村なので、2時間もあればゆっくりと散策できてしまいます。
先述のメジュゴリェ(Međugorje)とセットで訪れるのもいいですし、一度モスタルへ戻ってイスラム教の聖地ブラガイ(Blagaj)へと足をのばすのもいいでしょう。
ボスニア・ヘルツェゴビナの中でもかなりの絶景を誇るポチテリ。
はるか昔からそこにある小さな村とネレトヴァ川の風景は、忘れられないものとなるはずです。
個人でここまでやってくる人もなかなかいない、穴場スポット。
かなりおすすめですよ!
昼間は観光客であふれかえるモスタル旧市街ですが、夕方以降は静けさを取り戻します。エキゾチックなランプに彩られた夕暮れの町の風景はもちろん、近郊の見どころへのアクセス拠点としても便利なので、ぜひ宿泊をおすすめします。
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