こんにちは!ジョージア中西部をのんびりと旅行中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ジョージア中央部・イメレティ地方の中心都市と言えばクタイシ(Kutaisi / ქუთაისი)。
首都・トビリシに次ぐジョージア第二の都市で、人口は15万人ほど。
(日本的には「地方都市レベル」の人口ですが、ジョージア的にはかなり大きな町!)
欧米諸国からの格安航空会社が就航する国際空港もあり、ジョージアの玄関口としての顔も持ち合わせます。
旅行者や長期滞在者に人気のトビリシやバトゥミなどの都市に対して、クタイシはなぜか見落とされがち。
「クタイシと言えばこれ!」と言った特徴にやや乏しかったり、あまり多くの情報がネットに出回っていないためでしょう。
しかしながら、古くから西ジョージア一帯の中心都市として栄えたクタイシの歴史は奥深く、市内にも周辺にもたくさんの見どころが点在している穴場の観光都市なのです。
クタイシで特徴的なのが、小さな町の中でもエリアによって大きく雰囲気が変わる点。
・ヨーロッパ調に統一された中心街や旧市街
・ソ連時代の雰囲気が色濃く残る市場周辺
・町の中央を流れるリオニ川周辺の緑あふれる風景
・レトロな風景に文化的な香りがただよう「裏クタイシ」エリア
などなど。まるで文化が異なる小さな村が寄せ集まって一つの都市を構成しているかのよう。
好みや旅行スタイルに合わせて、様々な楽しみ方ができることがクタイシ観光最大の魅力です!
今回の記事は、あまり話題に挙がることがないクタイシの観光情報を徹底解説したもの。
観光やグルメ、交通情報など、ありとあらゆるクタイシ情報を全て詰め込んだらものすごいことになった(30000字越え…)ので、3つのページに分けています。知りたいところからどうぞ。▼
これを読んでおけばクタイシと周辺エリアの観光はバッチリ!な内容となっています。
クタイシ市内観光の基本情報
クタイシ観光マップ
赤:クタイシ風ケバブの伝説の店
灰色:鉄道駅
黄色:セントラル・バスステーション
クタイシ市内観光の基本情報
クタイシ市内観光の移動手段は?
クタイシ中心街はさほど大きくないため、全ての見どころは徒歩でまわることが可能です。
中心街は基本的に平坦なので、体力面での心配も必要ないでしょう。
観光ハイライトとなるバグラティ大聖堂のみ高台にあるため、坂を登り下りしたくないならタクシー利用となるでしょう。(中心街から往復で10GEL=¥500が相場)
クタイシ市内観光に必要な時間/日数は?
クタイシ中心街の見どころは、小さなエリアにギュッと詰まっているのが特徴。
本記事内ではクタイシ市内の5つのエリアを紹介していますが、どれも隣り合わせで位置しているので、いちいち移動する時間や手間を考えなくて良いのは大きなメリットです。
①バグラティ大聖堂:1時間半(中心街からの往復を含め)
②クタイシ旧市街&中心街:1時間
③クタイシ市場:1時間
④リオニ川周辺:1時間半
⑤「裏クタイシ」エリア:3時間
朝一番に観光をスタートして急ぎ足でまわれば、全ての見どころを丸一日でまわることも不可能ではありません。
いっぽう、古都らしい優雅さとカオス感が入り混じるクタイシ独特の雰囲気をのんびりと味わいながら観光するなら、市内観光を2日間に分けてまわるのもアリです!
クタイシ市内観光(1日~2日) + クタイシ近郊の見どころ観光(半日~5日/どこまでまわるかによる)を合わせた日数が、クタイシ滞在に必要な日数。
個人的には、市内観光&近郊デイトリップを合わせて3日~5日ほどみておくのがちょうど良いと思います。
クタイシ観光のベストシーズンは?
クタイシは、ジョージアの中でも比較的温暖な気候の町。
夏は灼熱・冬は極寒となるトビリシに比べると、冬の寒さはまだましです。(とはいえ、冷えるときは冷える)
クタイシの市内観光自体は一年を通して可能ではありますが、おすすめは9月~10月にかけて。
一年で最も天候が安定した時期にあたり、夏の暑さはもう収まっていいる&晴天に恵まれる可能性が高いためです。
いっぽうで、11月と5月のクタイシはどんよりした曇りや雨の日が多いので旅行にはやや不向き。
コーカサスの山から吹き下ろす強風に見舞われる日もしばしばあり、気温以上に寒さを感じることも多いです。
クタイシの治安は?
クタイシは、ジョージア他都市と同様に安全だと言える町です。
トビリシやバトゥミに比べると、そもそも旅行者の数がケタ違いに少ないクタイシ。
外国人だからと足元を見てのぼったくりなども、比較的少ないように思います。(昨今のトビリシがひどすぎるのもあるけど)
クタイシ市内で注意すべきエリアを強いて挙げるとすれば、多くの旅行者にとってクタイシの玄関口となるセントラル・バスステーション周辺。
市場を併設していることもあり、常に多くの人が行き交うやや雑多な雰囲気なので、最初はびっくりするかも。
ごちゃごちゃしている&果てしない場末感が漂っていはいるものの、特に危険というわけではないのでご安心を。(むしろ、穴だらけのボコボコの歩道で転ばないように注意した方が良いかも)
公共交通機関がストップする夜10時以降のクタイシは、人の数が一気に減ることも覚えておきましょう。
決して危険度が上がるというわけではないのですが、とても物寂しい雰囲気となるので、女性の一人歩きはなかなかに怖いと思います。
クタイシの物価は安い?
2022年以降、物価の上昇が著しいジョージア。
家賃などの宿泊費、レストランやスーパーの食費、市内交通の移動費…ありとあらゆるものが、2022年以前の1.5倍~2倍ほどに値上がりしています。
クタイシの物価は、トビリシほど高くはなく、バトゥミと同等かほんの少し安い程度。
レストランでの飲食費の安さは完全にバトゥミに軍配が上がりますが、アパートの家賃や宿代の安さはクタイシに軍配が上がります。(宿代が安い=出費を大きく減らせるので、総合的にはクタイシの方が安く済むかも)
トビリシに比べると、クタイシの物価の安さは顕著。
総合的にトビリシの3分の2程度の物価だと考えておくのが良いでしょう。
クタイシ市内観光で絶対にしたい5つのこと
クタイシ観光でしたいこと①:元・世界遺産!バグラティ大聖堂を見学する ハイライト!
クタイシ中心街の北側の丘の上に堂々と建つバグラティ大聖堂(Bagrati Cathedral / ბაგრატის ტაძარი)は、文句なしのクタイシ観光のハイライト。【マップ 青①】
クタイシを訪れてこの場所を観光しない旅行者はおそらくいないはず。
それほどに、定番中の定番といったクタイシのシンボルのような存在です。
バグラティ大聖堂は、ジョージア国内全体を見てもかなり大きな聖堂のひとつ。
丘の上の広大な敷地にどっしりと佇む姿は、とても絵になります。
バグラティ大聖堂は、中世ジョージア王国の興隆期~黄金期初期にあたる11世紀(1000年前)の建造。
その後、17世紀(400年前)にはオスマン帝国軍の砲撃によって破壊され、一時は廃墟に…
その後、見事に再建されました。
かつてはユネスコの世界遺産に登録されていたバグラティ大聖堂ですが、2017年には世界遺産剥奪という不名誉な扱いとなりました。
その理由が、中世当時の建築様式を尊重することなくリノベーションされてしまったため。
聖堂上部にアクセスするためのモダンなエレベーターが設置され、オリジナルとは全く異なる屋根を付けたりと「せっかくの歴史ある建物を台無しにした」という理由だそうです。
世界遺産であろうがなかろうが、地元の人にとってのバグラティ大聖堂は、中世から町を見守る大切な聖地であることには変わりなし。
礼拝の時間を告げる鐘の音が響き渡ると、多くの人々がお祈りをするために聖堂へと集まってきます。
建物自体はリノベーションされてしまったもので、内部もかなり新しく見えるバグラティ大聖堂。
歴史的な価値は失われてしまったかもしれませんが、この場所から眺めるクタイシの町並みは、昔も今も美しいままです。
バグラティ大聖堂を訪れるなら、日が傾いた午後遅めの時間帯がベスト。
響き渡る鐘の音を聞きながら眺める、西日に染まる町…
何とも言えないノスタルジックな気持ちに包まれる、不思議な聖地でした。
クタイシ観光でしたいこと②:中心街~旧市街エリアを散策する
クタイシ中心街と旧市街は「どこからどこまでが旧市街!」と明確に線引きできないほど、隣り合わせで交じり合っています。
・コルキスの噴水やオペラ座がある広場付近がクタイシ中心街
・クタイシ公園の南西側がクタイシ旧市街
と大まかに覚えておくのが便利。
中心街/旧市街のいずれも、徒歩5分~10分ほどで行き来できます。
コルキスの噴水 ハイライト!
クタイシ中心街の円形の広場の中央に位置するコルキスの噴水(Colchis Fountain / კოლხური შადრევანი)は、クタイシを象徴する見どころの一つ。【マップ 青②】
観光ポスター等にもよく使われることから知名度も高く、人気の撮影スポットとなっています。
多くの人は、「うわー黄金の噴水!きれーい!」と写真を撮って足早に去っていきますが、実はこの噴水こそがクタイシの歴史を象徴している場所です。
「コルキス」というのは、古代に西ジョージア一帯を支配したコルキス王国のこと。
コルキス王国とは、およそ2000年前~1600年前頃にかけてクタイシ周辺で栄えたギリシア系の王国。
ジョージア西部特産の金を使った装飾品を、黒海経由でギリシア地域と交易することによって栄え、クタイシ周辺では数多くの黄金細工が発掘されています。
コルキスの噴水では、実際にクタイシ周辺で発掘された黄金の出土品のレプリカがふんだんに飾られています。
牛や山羊など、古代において神聖視されていた動物たちのモチーフが多いのはそのためだそうです。
タマダと呼ばれる、ジョージアの宴会において指揮をとる「宴会部長」のような存在の人の像もあるのでお見逃しなく!▼
これら黄金の像が発掘されたのは、ヴァニというクタイシ近郊の小さな町。
クタイシからデイトリップで訪れることも可能なので、古代史が好きな人はぜひ足をのばしてみては?
オペラ座
クタイシ公園の西側に建つのがオペラ座。【マップ 青③】
建物はとても美しく、屋根の上には彫刻が展示されています。
オペラ座を正面にして左に行くか右に行くかで、町の雰囲気が大きく変わるのがポイント。
・左側(南西):クタイシ旧市街エリア(ヨーロッパ調)
・右側(北西):市場周辺のローカルエリア(ソ連風)
驚くほどにエリアの雰囲気がガラリと変わるのが面白いです。
「労働への栄光のモニュメント」
オペラ座から道路を挟んだ向かい側にある小さな公園には、労働への栄光のモニュメント(Glory to Labor Monument)がどっしりと鎮座しています。【マップ 青④】
作品は1980年に完成したもので、モニュメント自体にも広場全体にも「THE・ソ連」な雰囲気がぷんぷん漂います。
しかし、この広場を南に少し進むだけで雰囲気は一転。
リノベーションされたクタイシ旧市街へと入っていきます。
クタイシ旧市街散策
オペラ座から南西方面に広がるのがクタイシ旧市街。【マップ 青⑤】
「旧市街」というと観光客向けの店ばかりが集まり、地元民はまず訪れないような都市も多い(トビリシなんてその最たるもの)ですが、クタイシに関しては話が別。
中心街と旧市街の境目が曖昧なため、地元の人が買い物や食事に訪れる「生きた旧市街」といった雰囲気なのです。
ロシア帝国調の重厚な建物が連なるクタイシ旧市街は、これまで見てきたジョージアのどの町よりも「ヨーロッパ風」。
規模こそそこまで大きくはないですが、もしジョージア滞在でクタイシに最初に訪れていたら、「ジョージアはヨーロッパ!」的なキラキラ系になっていたかもしれません(笑)
クタイシ旧市街の別名は「ロイヤル・ディストリクト」(Royal District=王宮地区)。
かつてこの地を支配していたイメレティ王の宮殿の敷地だった場所に広がっていることから、そう呼ばれているのだそうです。
クタイシ旧市街はとても小さなエリアで、ぐるりと散策しても30分ほど。
整然と連なる優雅な建物が醸し出す歴史の香りを感じながら、のんびりと散策しましょう!
ストリートアート広場
優雅な雰囲気が漂うクタイシ旧市街の一角には、地元の若者が集まるストリートアート広場があります。【マップ 青⑥】
長方形の広場には、地元民に人気のパン屋やファストフード店などがあり、のぶよおすすめのクタイシ風ケバブ専門店もこの広場のすぐ外にあります。
▲ ジョージア文字をモチーフにした「愛の壁」と呼ばれるアート作品もあり、写真撮影にはぴったりな広場。
伝統とポップさが見事に融合した空間となっていました。
ヴィトゥシニスキー薬局
クタイシ旧市街南側の一角にある小さな薬局は、19世紀に営業していたヴィトゥシニスキー薬局の跡地(現在はN4という別の薬局が入っている)。【マップ 青⑦】
クタイシで唯一、伝統の古い技術で薬を調合している薬局だそうで、名前が変わった現在でもその秘伝のレシピは受け継がれているそうです。
ジョージアに古くから伝わるコーカサスの秘薬、試してみては?(のぶよは絶対にやだ)
クタイシ観光でしたいこと③:クタイシ市場周辺でソ連を感じる ハイライト!
クタイシ旧市街のすぐ北側の一角を占めるのが、クタイシ市場を中心とするエリア。
旧市街からたったストリート1本、距離にして50mほど歩くだけで、ここまで雰囲気がガラリと変わることにきっと驚くはずです。
雑多で埃っぽいクタイシ市場は、この町のエネルギーの源となる場所。
昔ながらの変わらぬ雰囲気を存分に堪能しつつ、ローカル感にひたりながら散策しましょう!
コルヒダ ハイライト!
クタイシ市場エリアの目印でありシンボルであるのが、「コルヒダ」(Kolkhida)と名付けられたレリーフ。【マップ 青⑧】
見ての通り、ソ連時代に設置されたもので、何はともあれとにかく巨大。
レリーフ全体に使用されている赤みがかかった石の色のインパクトも含め、クタイシ観光の定番スポットの一つとしても有名です。
ソ連美術のお決まりではあるのですが、「いったい何を表しているのかわからない」というのはこのレリーフにもある程度共通。
いちおう、「中世ジョージア王国はじまりの地」にまつわるモチーフや、古代コルキス王国時代の伝説にまつわるモチーフもいくつか見られます。
とにかく巨大で精巧に作られているレリーフ。ぜひ時間をかけて鑑賞しましょう。
(地元の人からは「なんでこんなもの見てるんだ?」と不思議そうな顔をされること必至)
ブックマーケット
コルヒダのレリーフがある建物を東側に抜けた先には、ブックマーケットがひっそりと開かれています。【マップ 青⑨】
児童書や学校の参考書が目立ちますが、ときには掘り出し物の古本がざっくばらんに置かれていることも。
ほとんどはジョージア語かロシア語で書かれた本ですが、英語の本も探せば見つかります。
クタイシのブックマーケットの小さな敷地内には、絵になる光景がたくさん。
「どうにかして本を売りつけよう!」と声かけに余念がない、商魂たくましいおばちゃんたちをうまくかわしながら、レトロな紙の香りを堪能しましょう。
クタイシ市場(グリーン・バザール)
ソ連レリーフの建物のすぐ北側に広がるのが、クタイシ市場です。【マップ 青⑩】
クタイシ市場はかなり広大な敷地を占めています。
場内は食品/場外は衣料品や日用雑貨、と大まかに分かれており、どちらもかなりローカルな雰囲気。初めての人は勇気が要るかも…
市場の内部には、野菜やチーズなどを売る店から、スパイス類を売る店まで…
ありとあらゆる食料品がすべて揃う「クタイシの台所」のような存在です。
クタイシが位置するイメレティ地方の名産であるワインや、自家製のハチミツやジャムなどの食品が格安で手に入るのも嬉しい点。
たっぷりと時間をかけて見学するのがおすすめです!
クタイシ市場周辺の町並みは、先ほど散策した旧市街とは、もはや同じ町とは思えないほど。
徒歩5分でこれだけ雰囲気が変わる町もなかなかないと思います。
地元の人達の生活を垣間見ることができ、程良いカオス感も含めて楽しめるエリアでした。
クタイシ観光でしたいこと④:リオニ川沿いで古都の情緒を感じる
クタイシの中央をゆったりと流れるリオニ川。
古くはこの地域一帯が「リオニ」と呼ばれていたほどで、西ジョージアの人々にとっては重要な川の一つです。
リオニ川にはいくつかのレトロな橋が架かっており、橋めぐりをするのも楽しいもの。
大都市の真ん中だとは思えないような、川沿いの素朴な風景も見逃せません!
ホワイト・ブリッジ ハイライト!
旧市街の西に位置するのが、クタイシの橋の中で最も有名なホワイト・ブリッジ(თეთრი ხიდი)。
その名の通り、欄干や街灯が白に統一されていて、とても美しいです。【マップ 青⑪】
ホワイト・ブリッジは、1850年に完成した歴史ある橋。
橋の一部の透明になっている床の部分には、ジョージアの著名な詩人たちの作品の一説が引用されて描かれています。
ホワイト・ブリッジの撮影スポットとして人気なのが、帽子を持った少年の像。 ▼
この像は、ジョージア人映画監督のレゾ・ガブリアジェ(Rezo Gabriadze)の作品内に登場する「ピカソの子」というキャラクター。
レゾ・ガブリアジェといえばソ連時代の映画監督で、ジョージア人が誇りに思う人物。
旅行者の間では、トビリシ旧市街にある「レゾ・ガブリアジェ人形劇場」(曲がったカラフル時計塔があるアレ)で有名ですね。
オクロス・チャルダヒ
ホワイト・ブリッジの東側にある小さな建物が、オクロス・チャルダヒ(Okros Chardakhi)と呼ばれるもの。【マップ 青⑫】
一見すると何の変哲もない普通の古い家のようですが、実は17世紀~18世紀にかけてクタイシ周辺を治めたイメレティ王の宮殿の跡地なのです。
当時は、現在の旧市街エリアにかけて巨大な宮殿があったそうですが、現存しているのはこのオクロス・チャルダヒのみ。
リオニ川を望む絶好のロケーションに建っており、王が友人と食事や宴をするための場所だったそうです。
▲ オクロス・チャルダヒのすぐ横には、感じの良いオープンテラスのレストランが。
ここからもリオニ川の美しい眺めが見られるので、観光の合間の休憩にはぴったりです。
ベシク・ガバシュヴィリ公園
旧市街からリオニ川を挟んだ対岸に位置する丘の上にあるベシク・ガバシュヴィリ公園(Besik Gabashvili Park)は、遊園地を併設した地元民の憩いの場所。【マップ 青⑬】
クタイシの町並みとリオニ川が織りなす風景を一望する、絶景スポットでもあります。
徒歩で丘の上まで登っても10分ほど。
ホワイト・ブリッジの東側からロープウェイ(2GEL=¥100)で手軽にアクセスすることも可能なので、時間が許すなら訪れてみましょう。
ルスタヴェリ橋&ホワイト・スクエア
クタイシ旧市街に架かる橋のうち、数少ない車両通行可能なものがルスタヴェリ橋(Rustaveli Bridge)。【マップ 青⑭】
橋の西側にはホワイト・スクエア(White Square)と呼ばれる展望デッキが新しく設置され、市民の憩いの場所として機能しています。
ホワイト・スクエアの反対側には、素朴な雰囲気の住宅街を望むパノラマも。
風光明媚な風景が連続するリオニ川沿いエリアの中でも、最も美しい風景が見られるポイントです。
レッド・ブリッジ
ソ連感がぷんぷん漂うクタイシ市場周辺からリオニ川へとのびるレッド・ブリッジ(Red Bridge)。
フランス人建築家による建造で、1862年に完成した歴史ある橋です。【マップ 青⑮】
「フランス人建築家による建造」ということで、クタイシでは「パリのエッフェル塔を建設した会社によって造られた橋」と信じられているそうですが…真実はいかに(笑)
くさり橋
クタイシ中心街からバグラティ大聖堂がある丘へと向かう際に、必ず通ることとなるのがくさり橋(The Chain Bridge)。【マップ 青⑯】
1770年代の完成は、文句なしのクタイシで最も古い橋。
現在は鉄骨造りですが、オリジナルは木造のシンプルなもので、「ロイヤル・ブリッジ」と呼ばれていました。
1850年代になって、木造の橋からくさりが付いた鉄筋の橋に架け替えられ、現在の姿となりました。
くさり橋からは、リオニ川対岸の素朴な風景を望むことができます。
まるでジョージア地方部を訪れたかのような、古き良き田舎感漂う風景ですが、ここはクタイシのど真ん中。
大都市でありながら、のんびりとした空気が漂うクタイシの魅力に気付くことができるでしょう。
クタイシ観光でしたいこと⑤:「裏クタイシ」の風情を感じる
クタイシの市内観光に+3時間~4時間を割けるなら、ぜひ散策してほしいのが「裏クタイシ」と呼ばれる(というか、のぶよが勝手に名付けた)エリア。
観光の中心となるクタイシ旧市街&中心街の北東に広がる丘陵地帯が「裏クタイシ」にあたり、クタイシの中でも最も古い町並みが昔のままに残っているのが最大の魅力です。
クタイシの旧市街の町並みは近年リノベーションされた「古そうに見えて新しい」建物ですが、裏クタイシエリアの建物は本物の古さ。
古くから多民族が共生してきたクタイシと言う町の、懐の広さが感じられる見どころも多く点在しています。
ジューイッシュ・クオーター&フレンチ・クオーター
かつてカトリック教徒居住地だったフレンチ・クオーターと、現在でもユダヤ系住民が暮らすジューイッシュ・クオーターは、クタイシの多様性を今に伝える文化的なエリア。【マップ 青⑰】
カトリック教会やアルメニア教会、現役のシナゴーグが点在しており、レトロで昔ながらの町並みも素敵です。
パンテオンの丘
フレンチ・クオーターとジューイッシュ・クオーターを見下ろす小高い丘の頂上には、パンテオンと呼ばれる国立墓地があります。【マップ 青⑱】
シンボルのムツヴァネクヴァヴィラ寺院を中心に造成されたパンテオンには、「ツタの塔」と呼ばれるクタイシっ子に人気の撮影スポットがあるのも見逃せません。
パンテオンの丘は、クタイシの街全体を一望する絶景ポイント。
バグラティ大聖堂に見守られるような古都の風景は、息を呑むほどに美しいです。
クタイシ植物園(ジョージアで一番小さな教会)
パンテオンの丘からリオニ川を挟んだ北岸に位置するクタイシ植物園は、どうしようもなく場末な雰囲気が漂う珍スポット。【マップ 青⑲】
植物園としての見ごたえは微妙なところですが、園内には「ジョージアで一番小さな教会」とされる、樹齢400年の大木の内側に設置された不思議な教会があることで知られています。
「裏クタイシ」エリア内の各見どころの情報や、散策コースの詳細は別記事でたっぷりとまとめているので、ぜひぜひチェックを!▼
クタイシの名物グルメ・レストラン情報 オススメ!
名物グルメ「クタイシ風ケバブ」の伝説の店
「これを食べずしてクタイシを語るな!」と地元の人がとにかく激推ししてくるのが、クタイシ風ケバブ。
クタイシ旧市街にある“Bikentias Sakababe”という専門店で味わうことができ、ローカル感あふれるたたずまいが地元の人に愛されています。【マップ 赤】
通常のジョージアのケバブと言えば、ひき肉を棒状に固めたものを炭火で焼くだけですが、クタイシでは特製のソースにどっぷりと浸した状態で提供されます。
トマトやビールがベースだというこのソース、とにかく絶品です。
肉のジューシーさももちろん素晴らしく、ビールがどんどん減っていくという副作用付き(笑)
店のローカル感も素晴らしく、昔ながらの良心的な価格なのも大きな魅力です。
地元民の知名度100%なクタイシ風ケバブの名店の潜入レポートは別に書いているので、そちらもぜひ! ▼
その他のクタイシのレストラン&食堂
上の項で紹介した「クタイシ風ケバブ」はもう何が何でも絶対に食べてほしいのですが、それ以外にもクタイシには名物グルメや郷土料理がたくさん。
町の規模を考えると驚くほどに多くの飲食店が点在しており、価格帯はかなりリーズナブル。
イメレティ地方の文化の中心的な町ということもあり、この地域の郷土料理やご当地グルメも食べることができます。
クタイシの豊かな食文化の象徴と言えるのが、昔ながらの居酒屋や飲み屋、ローカル食堂が多く存在している点。
外食をする文化やちょっと一杯ひっかけていく文化が、人々の間に比較的強く根付いていることが感じられます。(ローカル外食文化に乏しいトビリシでは、こうしたタイプのお店は絶滅危惧種)
クタイシにはおすすめしたい食堂や場末居酒屋がとにかくたくさん。
ぜひともお腹を空かせて、この「飲みだおれの町」の真髄を味わいたいものです!
コメント
イラン滞在者には、ジョージアは最高ですね(イランから行けば、どこもいいところばかりですが)。
なにより酒(ワイン)がうまい!そして、イランから直行便が結構な本数で出ていて1時間強で行ける!
ゴリ案内、とても参考になりました。ありがとうございました。
まささいと様
コメントいただきありがとうございます!
イスラム圏からジョージアに来ると、お酒の安さに驚かれるのではないでしょうか。地理的にも他の国とのアクセスが良くて、旅の途中にのんびりとした魅力にどっぷりと浸かるには最高の場所かもしれません。
ゴリの観光記事を参考いただいたとのこと、凄く嬉しいです!良い旅をなさってください。
はじめまして!
1ヶ月後にWizzAirの乗り継ぎでクタイシに早朝から深夜まで滞在することになり情報を求めてここに至りました。
よくここまで情報をまとめられましたね!ジョージアの情報集めは苦労しそうと思っていたので、ありがたい限りです。
小山さんの情報を見てるうちに1日滞在だけではもったいない気がしてきて復路も9月中旬にエレバンから入って1ヶ月でクタイシまでアルメニアとジョージアを旅行しようと言うことになり他のページも参考にさせていただいてただいま計画中です。旅行後になにかコメントさせていただけたらと思っております。
素晴らしく情熱あふれる情報をありがとうございました。