こんにちは!ルーマニアの田舎、マラムレシュ地方に滞在中。世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
海外を旅する人なら一度は考えたことがあるであろう、ヒッチハイクでの移動。
交通費がかなり高くつく国で移動費を節約するためだったり、公共交通機関が発達していない地域を旅する時には、親指一本で移動手段を確保できる(かもしれない)ヒッチハイク。
中には、電車やバスを一切使わず、ヒッチハイクだけで移動する強者もいます。
のぶよは旅に対してそんな気概もやる気もないので(笑)、もっぱら、最終バスを逃してしまったときや、公共交通手段が存在しない場所に行くときの最終手段として数回経験したのみです。
それでも、友人にヒッチハイクのことを話すと、「海外でヒッチハイク?頭おかしいんじゃないの?」という反応をされます。十中八九。
なんだか危なそうなイメージがある「海外でのヒッチハイク」。そのリアルと、できるだけ早くヒッチハイクを成功させるコツをお伝えします。
海外でヒッチハイク。危険はないの?
いきなり本題なのですが、海外でヒッチハイクなんて、本当に安全なのでしょうか。
安全だと言われる日本でも、ヒッチハイクはなかなかハードルが高いような気がします。
まあそもそも、日本では他人を自分のスペース(この場合は車)に気軽に招き入れるという文化が希薄なので、仕方がないことかもしれません。
結論から言うと、国や場所を選べば、海外でのヒッチハイクは完全に安全と言えます。
旅行者が多いドライブルートや観光地は安全
他の地域からの旅行者が、レンタカーで観光スポットをまわる「黄金ルート」が存在している場所の場合、ヒッチハイクは完全に安全かつ有効な移動手段です。
例を挙げるならば、アイスランド。
何もかも高いこの国を観光する手段は、レンタカー一択です。
しかしレンタカー代ももちろん高額なので、節約しながら旅行したいバックパッカーはヒッチハイクという道を選びます。
短い夏の間に、国の人口を上回る数の観光客が訪れるアイスランドは円形の島国。
東回りと西回り、どちらかのルートしか存在しないため、自分の行きたい方向へと走る車を捕まえやすいです。
お互いに旅行者なので、なんとなく助け合い精神のようなものが働くのもポイント。
田舎はほぼ安全
どこの国でも言えることですが、地方部でのヒッチハイクは安全です。
というか、ヒッチハイクをするのが普通な地域も多くあります。
のぶよが現在滞在しているルーマニアはそのいい例。
ほぼ全ての村で、道路わきにたたずんでいる人を見かけます。彼らはみんなヒッチハイクをしている地元民。
お年寄りばかりではなく、若い女の子とかも普通にいます。
ルーマニアの田舎でバスの時間などを地元民に尋ねると、「そんなの知らん!走ってくる車に乗ってけ!」と返されるのはルーマニアあるある。
そう、ルーマニアでは、たとえその場所で生まれ育った人であろうが観光案内所の人であろうが、正しいバスのスケジュールを知らないんです。
「ちょうどバスが来たら乗る。もしくは誰かに乗せてもらう」
というなんともアバウトな考え方なルーマニアは、ヒッチハイク大国だと言えるでしょう。
のぶよがポルトガルの田舎に住んでいた時も、バスよりもヒッチハイクの方が便利でした。
早いし、みんなすぐ止まってくれるし。
大都市でのヒッチハイクは難しい
危険、というか、ヒッチハイクしにくいのが大都市。
一番の理由は、道路がいろいろな方面へとのびているからです。
自分の行きたい場所に行ってくれる車が止まってくれる確率はかなり低いでしょう。
またいろいろな種類の人間が集まるのも大都市。
地方部に比べると危険が増すことは言うまでもありません。
知っておきたい、ヒッチハイクのサイン
ここまで読んで、ヒッチハイクに挑戦しようかなと考えてくれているあなた。素晴らしいです(笑)
ここからは、のぶよの経験をもとに、できるだけ早くヒッチハイクを成功させるために必要な知識を学んでいきましょう。
ルーマニアでの場合がほとんどですが、どこもそんなに変わらないはずです。
ヒッチハイカーのサイン
親指を立てるのは世界共通
どこの国でも、ヒッチハイクをする際に親指を立てるのは共通です。
人によって様々な親指の立て方があるものの、私たちが「ヒッチハイク」と聞いてイメージする、腕を伸ばして自信たっぷりに親指を立てる人は実は少数派。
若干遠慮がちに運転手に親指を見せる人が多いです。
行き先を書いたボードは必要?
ヒッチハイクのイメージとして挙げられる、行きたい場所の名前を大きく書いたボード。
正直、必要ありません(笑)
テレビの影響なのか何なのかわかりませんが完全なるイメージ先行です。
海外で行き先ボードを持っているヒッチハイカーに、のぶよは出会ったことがありません。
紙がもったいないし、かさばるし、そんな物なくてもある程度みんな同じ方向に行くのだから、止まってくれる人は止まってくれますよ。
運転手のサイン
指を下に向けるサイン
運転手が、指を下に向けるポーズをしたときは、ヒッチハイク失敗です。
これは、「あなたがヒッチハイクをしている地区(ないし、すぐ近く)までしか行かないから、乗せられない、乗せても意味がない」というサイン。
下を向けた指は「ここ」を表しています。
手を広げるサイン
運転手によってはハンドルを握りながら両手を広げて見せてくる人がいます。
このポーズ、正直謎なんですが、止まってくれたためしがありません。
なので、のぶよは「なんでそんなところに突っ立ってんの?馬鹿なの?はい、さよなら~」なポーズだと認識しました。
このポーズをして颯爽と去って行った車を後ろから眺めながら、呪いをかけていたのは言うまでもありません(笑)
指を前に向けるサイン
絶対に見逃してはいけないのがこのポーズ。
進行方向を指さすようなポーズをとる運転手がいたら、それは「あっちに行きたいの?」と確認しているポーズです。
このポーズを見逃さずに、進行方向を指さしたり頷いたりと、「あっちに行きたいアピール」をすれば、その車はもうあなたのものです(笑)
逆に、このポーズを見逃して、親指を立てたまま突っ立っていると、せっかくのチャンスを逃してしまいます。
ヒッチハイクを成功させるコツ
ヒッチハイクをするのに最低限知っておきたいサインを解説してきました。
ここからは、できる限り早く、ストレスフリーでヒッチハイクを成功させるためのコツをお教えします。
ただし、上手くいかなくても苦情は受け付けません。
あなたの外見や服装も結構大切ですから(笑)
ヒッチハイクのテクニック編
集落内でヒッチハイクをする
とても大切なのが、集落内(民家の近く)でヒッチハイクに挑戦すること。
ドライバーの気持ちになって考えてみてください。
誰もいない山奥で、たった一人で道端にたたずんでいる人を、自分の車に乗せたいでしょうか。
「この人こんなところで何してんの?なんかワケアリ?怖い。」と思う気持ちはきっと世界共通です。
そして、ほとんどの国では、人里離れた場所を走る幹線道路に比べると、民家のある集落内は速度制限が厳しく設定されています。
車が減速して走っているため、運転手がこちらの姿を捉えやすく、停車しやすいのもポイント。
運転手から見えやすく、停車しやすい場所でヒッチハイクをする
集落内ならどこでもヒッチハイクがしやすいというわけではありません。
木の陰や看板の真下など、大きな物の近くではこちらの姿に気づいてもらいにくいです。
また、ヒッチハイクは、運転手とヒッチハイカーのマインドゲーム。
路上のヒッチハイカーの姿を見た運転手は、反射的に止まってはくれません。
運転手には「どうしよう、止まってあげようかなあ、でもなあ…」なんて数秒の心の葛藤がつきものです。
そんな時、停車スペースがありそうな場所の近くなら、運転手の心の葛藤をほんの少しだけ和らげてくれるかもしれません。
路肩なしの追い越し不可・片道一車線の路上で停車してくれるドライバーなんて、アメリカの荒野ぐらいにしか存在しないことを覚えておきましょう。
運転手を見ながら親指を立てる
ただ親指を立て続けるのではなく、運転手一人ひとりをしっかりと直視するのもヒッチハイク成功に大切なポイント。
先述の、運転手からのサインを見逃さないためでもありますが、運転手への「乗せてアピール」にもなります。
相手を見ずに親指を立てていると、「まあそのうち誰か乗せてくれるでしょ」と思われてしまうかもしれません。
モー娘。の保田圭のカメラ目線を見習いましょう(古いか)。
あんな感じくらいがちょうどいいと思います。
荷物は少なめが良し
大きなバックパックやスーツケース(居るのか?)を持ってヒッチハイクをするのはかなり難易度が高いことを覚悟しておきましょう。
運転手からしても、「なんか大変そう。てゆうか余計にガソリン食うわ!」と思われてしまうかもしれません。
あと、よく見かけるヒッチハイカーで、ヒッピーっぽい、言うならばちょっと不潔な人。
元ヒッピーのおじさんドライバーは別として、基本的に敬遠されます。
だって明らかに、乗せた後のテンションとか面倒くさそうですもん。あと、体臭も。
地元の人がヒッチハイクをしていたらラッキー
集落内などで、地元民がヒッチハイクをしているを見たら、神がいらっしゃると思いましょう。
なぜなら、彼(彼女)はヒッチハイクの達人。
生まれてこの方、365日、雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ、そうしてヒッチハイクで移動しているのです。
さらに言うならば、その場所からなら誰かしら車に乗せてくれるということ。
少なくとも、ヒッチハイク文化が定着しているということです。
地元民が車を捕まえたら、すかさず自分の分の席があるか確認しましょう。
もし席が余分にあればこっちのもの。
ひたすら行きたい場所の地名を連呼しておけば必ず乗せてくれるはずです。
また、ヒッチハイク中に、同志である地元民に行き先アピールをしておくのも大切です。
場合によっては、言葉のわからない旅行者のために、こちらの行き先に行くか運転手に尋ねてくれたり、空席が一つしかないときは譲ってくれたりします。
向こうはヒッチハイクのプロフェッショナル。車一台捕まえるくらい朝飯前なのでしょう。
ちょっと図々しいくらいに便乗するのがちょうどいいと思います。
発車しそうな車があれば話しかけてみる
観光スポットからヒッチハイクをしたい場合に有効な手段が、駐車中の車の中にいる人や、外で一服している人に思い切って話しかけてみることです。
「すみません、今から~方面に行きますか?」
この一言だけでOKです。
相手の行き先が自分と同じならこっちのもの。
あとは乗せていってくれるように頼むだけです。
道路脇のヒッチハイカーと走行中の車の運転手という関係性とは異なり、一対一の会話の中でお願いされたら、向こうもなかなか断りにくいはず。
もちろん、話しかける相手の車に空席がありそうか事前チェックをお忘れなく。
実は大家族で空席がなかったとかシャレになりません。
行き先が同じで、一対一で話しているのに渋ってくる人はなかなかいないと思いますが、もし出会ってしまったらあまり食い下がらずに次のターゲットを探しましょう。
もちろん、そいつに呪いをかけながら(笑)
ヒッチハイクの知識編
目的地周辺の地名を把握しておく
とても大切なのが、ヒッチハイクの前に、出発地と目的地周辺の地図と道路を確認しておくことです。
自分が走っている方向が正しいか確認するためでもありますが、一番の理由は、できるだけ早くヒッチハイクを成功させるためにとても役立つからです。
上の地図は、実際にのぶよがヒッチハイクをした、ルーマニアのBarsana(地図1)からSighetu Marmatiei(地図3)までのものです。
地図1から地図3までは一本道のように見え、ヒッチハイクは簡単そうに思えます。
しかし実際は、地図1のBarsanaから地図3のSighetu Marmatiei方面に走っている車でも、地図2のVadu Izeiという町で南方向に向かってしまう車もかなり多いんです。
「せっかく止まってくれたのに…」なんて肩を落とすことありません。
もし地図2のVadu Izeiという町が、Sighet Marmatiei方面の途中にあることを知っていれば、途中まで乗せてもらって、別の車に乗り換えることだって可能です。
その場合、Vadu Izeiで南方向から来る車は、ほぼ間違いなく目的地であるSighetu Marmatieiまで行くので、ヒッチハイク成功の可能性が高まります。
幹線道路沿いなので交通量も多いでしょうし。
このように、目的地周辺の地名を知っているかどうかで、あなたのヒッチハイクの成功度は変わってきます。
運転手が言う地名が自分の言う地名と違うからと言って諦めたらもったいない!
せっかく止まってくれたんですから、行けるところまで乗せてもらった方がいいです。
バスの料金と同じくらいのお金を渡す(ルーマニア/アルバニア限定)
ヒッチハイク大国、ルーマニア。
あまりに一般的すぎるため、ヒッチハイクは一種のお小遣い稼ぎのようになっており、「サブ・公共交通機関」のような存在です。
ルーマニアでは、ヒッチハイクで乗せてくれた車に、ガソリン代として少額の現金を渡すのが普通です。
地元の人だってみんな普通にお金を渡しています。旅行者だからってわけではありません。
相場は、バスで同じルートを移動した場合と同じくらいの額と考えればいいでしょう。
ルーマニアを旅行した人で、「せっかくヒッチハイクできたのに、お金を請求された!ルーマニア人どんだけケチなん?」なんて言ってる人に出会いましたが、それ、当たり前ですから。
郷に入りては郷に従うべきだとのぶよは思います。
「ヒッチハイク」と聞いて、運転手と旅行者の一期一会の出会いとか夢を見てはいけません。
ルーマニアでは、ヒッチハイクは単なる移動手段の一つでしかないのですから。
ルーマニア以外の国で、ヒッチハイクした時にお金を渡した方がいいのかどうかに関してはわかりかねます。
国によって様々だと思いますが、少なくともポルトガルでは必要ありません。
(アルバニアでは少額を渡す文化がありました。)
ただ、気持ちとして少額の現金を渡して感謝の気持ちを伝えるのもアリだと思います。
ヒッチハイクに一番大切なもの。それは…
長々とヒッチハイクのあれこれを語ってきました。お役に立てていただければ幸いです。
しかしながら、テクニックやら知識やらの前に、ヒッチハイクをする際に最も大切なことがあります。
それは、根気です。
「やる気があれば何でもできる!」なんて言っていた人もいましたが、ヒッチハイクに関しては本当にその通りだと思います。
いくらヒッチハイク文化が定着しているルーマニアにおいてでさえ、すべての車が止まってくれるわけではありません。
初めてヒッチハイクをする人なら、最初の10台で結構気が萎えると思います。
のぶよがそうでしたから(笑)
10台目以降は、止まってくれない車に対して呪いをかけるようになります(笑) これも経験談。
しかし、「捨てる神あれば拾う神あり」とはよく言ったもの。
断言します。絶対に誰かが乗せてくれます。
とにかく、30分は粘ってみるべきです。それでもだめなら…
いや、あまりネガティブなことは考えないでおきましょう(笑)
おわりに
今回の記事を読んで、「よし、私も海外でヒッチハイクしてみよう!」なんて思ってくれた人はいるのでしょうか。
いや、いないでしょう(笑)
のぶよは別に、「ヒッチハイクで旅をすることが格好いい」とか「それこそが旅の醍醐味だ」なんて大仰なことは考えていません。
ただ、必要に応じて、ヒッチハイクを「移動手段」として考えてみるのもアリだと思います。
海外でのヒッチハイクは、イメージしているより全く危険ではないし、ハードルも高くないんです。
それを知っていただけたら、のぶよは嬉しいです。
「いきなり路上でヒッチハイクは気が引けるけど、ヒッチハイク気分は味わってみたい」なんて人は、ライドシェアリングに挑戦してみてはいかがでしょうか。
ヨーロッパや北米ではかなり一般的なライドシェアリング。
ヒッチハイクの要領で、個人の車に乗るんですが、親指を立てながら待っている必要はありません。
出発地と出発時刻を事前に検索した上で、条件に合った車での移動をインターネットで予約、当日運転手に現金を支払うというシステムです。
のぶよはこのライドシェアリングのプロ的存在だと自負しており、それなりに利用経験もあるので、また別に記事にしたいと思います。
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