こんにちは!ジョージア南部のサムツヘ=ジャワヘティ州をのんびり旅行中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ジョージア南部の小コーカサス山脈の南麓に位置する小さな町・ボルジョミ(Borjomi / ბორჯომი)。
日本人にはあまりピンとこないかもしれませんが、ジョージア人はもとより、旧ソ連圏の国の人なら100%知っている 超有名な町です。
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というのも、ボルジョミは古くからミネラルウォーターの産地として人々に愛されて来たため。
ミネラルを多く含んだ温かい泉質が特徴で、内臓系の不調など万病に効くとして一躍有名になった、ボルジョミのミネラルウォーター。
ロシア帝国時代からソ連時代にかけて温泉保養地として整備が進み、富裕層を中心に人気の場所となりました。
そんなボルジョミを代表する観光スポットが、ボルジョミ中央公園(Borjomi Central Park / ბორჯომის ცენტრალური პარკი)。
有名な「癒しの水」が湧き出している場所を公園として整備したもので、敷地内や周辺には多くの見どころが点在しているボルジョミ観光のハイライトとなる場所です。
今回の記事では、「ボルジョミ中央公園&周辺観光でしたい5つのこと」と題して、その見どころを余すところなく紹介していきます!
ボルジョミ中央公園&周辺観光でしたい5つのこと
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ボルジョミに来た旅行者が必ず足を運ぶボルジョミ中央公園は、町の名前の由来となったボルジョムラ川が形成する天然の渓谷を整備した緑あふれる公園です。
ロシア帝国時代~ソ連時代にかけて整備されたものですが、独立後に大規模リノベーションされて現在に至ります。
公園は大きく二つのエリアに分かれていて、
・北側(入口側):ミネラルウォーターの泉を中心に、お洒落な建造物が並ぶエリア
・南側:アトラクションが連なる遊園地エリア
となっていて、「1日遊べるお出かけスポット」としてトビリシなどから訪れる家族連れ観光客にも大人気となっています。
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ボルジョミ中心街側にあるこちらの入口を入って、さっそく「癒しの水」を味わいに行きましょう!
1:ロシア帝国伝統の「癒しの水」を味わう
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公園内に入って50mほど先にすぐ見えるのが、みんなのお目当てであるミネラルウォーターが湧き出る泉。
優雅なアーチが美しいドームの下で、源泉がちゃんと守られています。
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こちらの泉の正式名称は「エカテリーナの泉」と言い、その効能を証明するような逸話が語り継がれています。
1810年にオスマン帝国を撃退してボルジョミ一帯を支配下に置いたロシア帝国の軍隊でしたが、伝染病が蔓延したため、この地域に一部の部隊が残ることとなりました。
そこで兵士たちが地面から湧き出す温かい水を飲んだところ、伝染病による胃腸炎がたちまち治ったとされています。
その噂はたちまち広がり、病弱なエカテリーナという娘を持つロシア帝国の副国王が、ボルジョミに出向いて彼女にこの水を飲ませたところ、その病状がみるみるうちに回復したと言われているそう。
この奇跡とも呼べる逸話が元となり、「エカテリーナの泉」はロシア帝国やその後を継いだソ連圏で有名となったそうです。
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エカテリーナの泉には、絶えず湧き出すミネラルウォーターをついでくれる係の人がいて、無料でいくらでも飲ませてくれます。
肝心の味は…「硫黄や鉄の風味が強いぬるいお湯」といった感じ。
若干塩辛さも感じられ、お世辞にも美味しいと言える味ではありませんでした。
周りのジョージア人たちは、みんな美味しそうに飲んでいました。
何杯もおかわりしているおばあちゃんや、ペットボトルに水を入れてもらって大量に持って帰っている人もいたほど。
食文化の違いなのか健康への執着なのかわかりませんが、とにかくみんなに愛される「癒しの水」であることには間違いないでしょう。
(子供たちは顔をしかめてこっそり水を捨てているのをこの目で見ました)
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公園の入口付近には、かつてこのミネラルウォーターを瓶詰めして出荷する作業が行われていた工場もあります。
「ミュージアム」と書かれていたのですが、改装中なのかただの廃墟と化していました。
将来的には何らかの展示が行われる予定なのかもしれません。
2:ロープウェイで絶景の空中散歩
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健康への効果抜群のクソ不味い「癒しの水」をたっぷりと味わったなら、ボルジョミ中央公園を空から眺めてみるのがおすすめ。
公園の入口(入場ゲートの手前)~公園上の山の頂上までを結ぶロープウェイに乗れば、数分間の空中散歩を楽しむことができます。
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ロープウェイは片道5GEL(=¥170)と、ジョージア的にはかなり高めの料金設定。
普段はこういったものに乗らずに歩く主義ののぶよですが、せっかくの由緒ある温泉保養地ということで、優雅に楽しんでみることにしました。
気分はロシア帝国の富裕層です。
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5GELを支払ってロープウェイに乗って見ると、そのレトロな内装に一目惚れ。
このレトロ感を味わうだけでもお金を払う価値があるのではと思いましたが、レトロなのは内装だけではありませんでした。
ソ連時代のものかわかりませんが、このロープウェイ、かなり揺れます。
その上結構なスピードで上っていくので、苦手な人はかなり怖いかもしれません。
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しかしながら、ロープウェイからの絶景は息を呑むほどのもの。
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ボルジョミ中央公園の敷地内はもちろん、遠くにはボルジョミ中心街や周辺の緑あふれる山々までを一望することができます。
たった数分間の空中散歩で山頂に到着したなら、後述する「ツァーリ(皇帝)の湯」までハイキングするのもおすすめです。
3:美味しい空気を味わいながら森林散策
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ボルジョミ中央公園も緑に囲まれた自然あふれる雰囲気なのですが、より手つかずの自然を味わいたいなら、ボルジョムラ川沿いの美しい渓流の風景を眺めながら少し歩いてみるのもおすすめ。
中央公園の敷地を出てツァーリ(皇帝)の湯に至る片道2kmほどのハイキングコースが整備されており、大人から子供まで手軽に森林浴を楽しめるとして人気となっています。
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アップダウンはほとんどなく、山道や岩場を歩く場面もないため、スニーカー&軽装でも全く問題ありません。
公園から少し離れただけで、自然がそのままに残った美しい渓谷の風景を存分に味わうことができます。
コースは皇帝の湯まで続き、そこから同じ道を折り返すこともできますし、先述したロープウェイの山頂駅付近へと円を描くように歩いていくことも可能。
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先にロープウェイに乗って山頂まで上がった場合は、緑が美しい森の中を通って皇帝の湯まで至るコースとなります。
こちらの方が、最初にロープウェイでガッツリ上るため、コースのほぼすべてが下り坂か平坦な道なので体力的にかなり楽でしょう。
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ロープウェイ山頂駅~皇帝の湯の中間地点には、人々の信仰を集める小さな修道院がひっそりと建っています。
周囲の緑色と相まって、とても神秘的な雰囲気が漂っていました。
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コースはとても分かりやすいですが、目印が欲しい場合は上の写真内の青マークを辿っていけば間違いありません。
ロープウェイ山頂駅~皇帝の湯~ボルジョミ公園とぐるりと一周歩くと、合計5.5km/2時間弱ほどです。
4:”皇帝の湯”で温泉体験
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ロシア帝国の「ツァーリ(=皇帝)」の名を冠した皇帝の湯は、ボルジョミ中央公園周辺観光のハイライトの一つとなる場所。
車両は入って来られないため、公園からは2km~3kmほどのハイキングコースを歩いてのアクセスとなります。
「皇帝の湯」という名前から、 ラグジュアリーな温泉施設か何かが整備されているのだろうと考えて、ウキウキしていたのぶよ。
実際に2kmほど歩いて到着すると、そこは温泉というよりもプールのようでした。
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外見的には微妙ですが、お湯に入ってみると確かにあの硫黄の香りが感じられます。
湯ざわりも良く、渓谷を眺めながらの歴史ある温泉!という感じで良いのですが、一つだけ言わせてください。
この温泉、ぬるい!
湯温は27℃~30℃くらいだそうで、日本人的には「温泉」とは呼べないぬるさです。
お湯からあがると肌寒さを感じてしまうほど。
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しかしながらジョージアの人々にはこれくらいが普通なようで、みんな楽しそうに温泉を楽しんでいました。
結構ガチで泳ぎまわる人々(老若男女問わず)も多く、完全にプールとして認識されているような気はしますが。
のぶよ的には「ただの山奥のプール(ちょっと硫黄の匂いがする)」といった感じでしたが、このお湯の健康への効果は抜群だそう。
名物ミネラルウォーター&森林浴ハイキングを終えて、健康に良い伝統の温泉につかれば、きっと寿命が延びるはず!
5:優雅な雰囲気の温泉街を散策
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ボルジョミ中央公園入口の外側には、川沿いにひらけた温泉地さながらの町並みが連なっています。
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ロシア帝国時代からの伝統を演出するためか、建物はどれもレトロな外観に統一されていて、気品が漂っています。
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絶対に見逃したくないのが、こちらのフィルゼ(Firuzeh / ფირუზა)という建物。
パステルブルーの外観はかなり目立つので、通り過ぎてしまうことはまずありませんが。
1892年にトビリシに在留していたイラン大使によって建てられたもので、現在はホテルとして営業しているもの。
もちろん宿泊も可能です。
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フィルゼの外観は、ジョージア伝統の様式を模したものですが、細かな装飾などにイランらしいエキゾチックさが感じられます。
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観光地らしく、ありとあらゆるお土産や子供向けのおもちゃなどが売られていました。
土曜日だったためか、射的の屋台やわたあめを作るおじさんなどの姿もあり、かなり多くの人で賑わっています。
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温泉街でかなり多く見かけたのが、大きな空のペットボトルの数々。
「ミネラルウォーターを持ち帰りたいのにペットボトルを忘れてしまった!」というおっちょこちょいジョージア人のための隙間産業の極みです(笑)
中身がないのに一つ2GEL(=¥70)とジョージア的には結構強気な値段で売られていたのには驚き。
それだけジョージア人のボルジョミ・ミネラルウォーターにかける情熱は強いということなのかもしれません。
ボルジョミ公園&周辺のまわり方
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ボルジョミ中央公園の入口は、ボルジョミ中心街の南1kmほどの場所に位置しており、徒歩で十分アクセス可能です。
記事内で紹介したボルジョミ中央公園&周辺の見どころを全てまわるなら、歩く時間を含めて4時間ほどあれば十分。
最も奥に位置する皇帝の湯までのハイキングコースは、時計回り(ロープウェイ山頂駅→皇帝の湯→ボルジョミ中央公園南側)に歩く方が、下り坂が多いので体力的に楽です。
青:見どころ
黄色:ロープウェイ乗り場
緑:ハイキングコース
おわりに
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ボルジョミ最大の見どころであるボルジョミ中央公園と周辺の見どころ、まわり方を解説しました。
・公園内だけの観光なら1~2時間
・皇帝の湯までのハイキング往復で+2時間
と、半日あれば十分に満喫できるのもポイント。
百年以上前から続く「ジョージアの癒し&健康スポット」を存分に満喫してみてはいかがでしょうか。
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トビリシからの日帰りも可能なボルジョミですが、保養地らしくのんびりと過ごしたい人には宿泊が断然おすすめ!
ボルジョミ周辺には他にも見どころがたくさんあるため、ここを拠点にエリアを観光するのも良いと思います。
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