こんにちは!ジョージア滞在もなんと5年目…世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
半年間滞在したアルメニアからジョージアに戻ってから2週間。
ようやく重い腰を上げて旅モードになりつつあるのですが、今回のジョージア滞在ではこれまでに訪れたことがない場所をメインに色々と周ろうと考えています。
そんなのぶよの2025年の夏旅inジョージアのスタートを飾るのがコルヘティ国立公園(Kolkheti’s National Park/კოლხეთის ეროვნული პარკის სამმართველო)。
これまで行こう行こうと思いながらも訪問機会がなかった場所です。

コルヘティ国立公園が位置するのは、ジョージア西部のサメグレロ地方。
ジョージアの海運を支える港湾都市・ポティの南5kmほどの場所に広がる、広大な湿地帯です。
ジョージアの大自然と言えば、多くの人はやはりコーカサスの山々をイメージするもの。
いっぽうのコルヘティ国立公園は山の大自然ではなく、亜熱帯の気候に育まれた湿地帯が織りなす大自然の風景が魅力的で「ジョージアのアマゾン」として観光PRがされつつあります。
人間の手が及ばないコルヘティ国立公園の広大な湿地帯は、まさに貴重な動植物の宝庫。
その独特の生態系と貴重な自然風景が評価され、2021年にはジョージア初&唯一のUNESCO世界自然遺産に登録されました。


世界遺産に登録されてまだ4年ほどということもあり、旅行者の間でのコルヘティ国立公園の知名度はそれほど高くなく、訪れる旅行者も少なめ。
また、国立公園内を観光する際のシステムがやや複雑&しっかりと情報共有がされていないこともあり、個人の旅行者にとってはややハードルが高いという点も、コルヘティ国立公園を訪れる旅行者がいまいち増えない要因かもしれません。
そんなわけで今回の記事は、情報が限られているコルヘティ国立公園の観光についてのアレコレを解説するもの。
国立公園内で唯一の移動手段であるボートツアーの情報はもちろん、ボートツアー以外で大自然を満喫したい節約派向けの情報もたっぷりと掲載しています。
多くの旅行者が訪れるトビリシからはやや距離があるため、短期のジョージア旅行のプランに組み込むのは難しいものの、ジョージア西部を周るならぜひとも行程に入れたいコルヘティ国立公園。
ジョージアという国のイメージが大きく変わる独特の大自然の風景へ、いざ!
なぜUNESCO世界遺産?コルへティ国立公園の基本情報

コルヘティ国立公園は、黒海目の前に広がる淡水湖であるパリアストミ湖(Paliastomi Lake)と、そこに注ぎ込むピチョリ川(Pichori River)一帯の約29000ヘクタールを占める広大な自然保護エリアです。
コルヘティ国立公園が位置する黒海沿岸地域は、ジョージアでは珍しい亜熱帯気候。
黒海から吹き付ける湿った風の影響で、年間を通して降水量がとても多く、こうした自然条件が長い時間をかけて湿地帯を形成し、鳥類や両生類など貴重な動植物の楽園が築かれたのです。
こうした豊かな生態系や貴重な植物の保護は、ジョージアが独立を達成した1990年代から地道に行われていたのですが、状況が大きく変化したのが2021年のこと。
「コルキスの熱帯雨林と湿原」として、ジョージアの黒海沿岸地域に点在する4つのエリアを複合する形で、UNESCO世界遺産への登録がなされたのです。
・ムティララ国立公園(アジャラ地方)
・コブレティ自然保護区(アジャラ地方)
・キンツリシ国立公園(アジャラ地方)
「コルキスの熱帯雨林と湿原」として世界遺産に指定されている4つのエリアは、いずれも亜熱帯性気候に育まれた独特の自然が息づく場所ですが、それぞれ地形や自然の特徴が異なる点がポイント。
今回紹介するコルヘティ国立公園は「湿原と水辺の風景」が最大の特徴だと言えます。
コルへティ国立公園観光マップ
緑:パリアストミ湖~マルタクヴァ・ビーチハイキングコース
黄色:ポティ市内路線バス&マルシュルートカ停留所
コルへティ国立公園のボートツアー完全ガイド

コルヘティ国立公園を訪れる際に、まずは絶対に知っておかなければならないことが一つあります。
それは、世界遺産に指定されている国立公園の敷地内は自由に散策することができない点。
世界遺産ということで自然保護の観点も大きな理由ですが、最大の理由は敷地のほとんどが湿地帯であり、道路はおろかハイキングトレイルを敷くことができないため。
日本だと、湿地帯に木製の遊歩道を敷いて手軽に散策が楽しめる場所もありますが、ジョージアではそうした整備はあまり行われないのです(予算の問題?)。
というわけで、コルヘティ国立公園の大自然を堪能する際に唯一の観光手段となるのがボートツアー。
まずは、ボートツアーの基本情報から当日の流れまでを紹介していきます。
ボートツアー以外でコルヘティ国立公園を楽しむ方法については、後述しています!
コルヘティ国立公園ボートツアーの種類と料金
コルヘティ国立公園のボートツアーには、参加人数によっていくつかの種類が用意されていますが、基本となるのは以下の二種類です。
・パントゥーンボート(9人乗り):1艇350GEL(=¥17500)
・モーターボート(4人乗り):1艇250GEL(=¥12500)


パントゥーン/モーターボートのいずれも、料金は一艇あたりのもの。
つまり、1人でツアー参加する場合でも4人で参加する場合でも料金は変わらないということになります。
この点が、個人の旅行者にとって最大のネック。
1人参加の場合、4人用のモーターボートを貸し切ることとなり、出費も1万円以上とかなりのものとなります(正直、ツアー参加で得られるものを考えると高すぎるとのぶよは思う)。
逆に、複数人で参加する場合はツアー料金を人数で割ることができるので、できれば数人で訪問するのがおすすめ。
夏のハイシーズンであれば、他の複数人ツアー客のボートに混ぜてもらう(そしてツアー代はみんなで割り勘)ことも不可能ではないのですが、正直運の要素が強すぎるような気もします。
コルヘティ国立公園ボートツアーの所要時間と内容
ジョージア的にはかなり高額で強気な値段設定のコルヘティ国立公園ボートツアーですが、内容がそれに見合うものであるならまあ許せるというもの。
パントゥーン/モーターボートのいずれもツアー内容や所要時間は同じで、以下のルートを1時間45分かけて周ります。▼

パリアストミ湖西岸のボートツアー発着場から対岸の展望台があるところで小休止し、その後は亜熱帯の植物が生い茂るピチョリ川を遡ってピクニックエリアまで行き休憩、あとは来たルートを戻るというもの。
ツアーで最大の見どころとなるのが、展望台から眺める広大な湿原風景と、ピクニックエリア周辺の散策(ここでは限られた範囲を歩くことが許されている)となります。
コルヘティ国立公園ボートツアー参加の流れ
一人や二人で訪問しようと考えている人にとっては、すでに「なんか…高いし面倒くさそう…」という感じがぷんぷん漂うコルヘティ国立公園のボートツアー。
しかし、本当に面倒くさいのはここからです。
コルヘティ国立公園のボートツアーは、当日ぷらっと行って参加できるものではないのがネック。
事前にビジターセンターに連絡してボートツアー会社につなげてもらい、ボートを予約する必要があるのです。
①ビジターセンターに電話
まずは、なにはともあれコルヘティ国立公園のビジターセンターにコンタクトをとりましょう。
いちおう公式サイトもあるのですが、ボートツアーの料金すら載っていない&問い合わせ欄が機能しないという糞of糞設定なので、基本的には電話することになります。
電話すると、参加者の人数に合わせたボートツアーを紹介してくれるので、こちらの名前を告げて予約すればOKです。
一人参加で他の複数人ボートツアーに混ぜてもらいたい場合は、条件に合う予約がすでに入っている場合(例:4人用モーターボートツアーに3人での予約が入っている)は、その予約に合わせた当日の集合時間を指定されます。
いっぽうでこちらの条件に合う予約がまだ入っていない場合、こちらの希望の日時を伝えて他の予約が入り次第連絡をもらうことになりますが、正直望みは薄いと思います。
たとえ条件に合う予約が後から入っても、国立公園側が得るツアー料金は3人参加だろうと4人参加だろうと同額であるため、面倒くさがられてこちらに連絡してこない等のケースが多々あるためです。(まじでちゃんと仕事しろばーかばーか)
②当日ビジターセンターで支払い

どうにかこうにかボートツアーの予約を電話で済ませたら、あとは当日指定された時間にビジターセンター【マップ 青】へ行くだけ。
ビジターセンターでツアーの受付(パスポートが必要)と代金の支払い(現金orカードも可)を済ませます。
ビジターセンター~ボートツアー発着場があるパリアストミ湖西岸までは1km少々の距離があるため、ビジターセンターの職員がボート会社に電話し、担当の人が車で迎えに来てくれるのを待ちます。
③ボート発着場へ移動

車に乗って数分で到着するのが、ボートツアーの発着場。【マップ 青】
広大なパリアストミ湖に突き出した桟橋で待機していれば、予約人数に合わせたボートがすぐにやって来ます。


貸出してくれるライフジャケットを着用し、特にツアー内容の説明もないままにボートはすぐに出発します。
あとは1時間45分の船旅で世界遺産の大自然を楽しむのみ。
ボートの運転手には英語は通じませんが、ロシア語かジョージア語が分かる場合はちょっとしたツアーガイドとして色々と説明もしてくれます。
ボートツアーは参加する価値あり?

さてさて。ここまで読んだ人はきっと感じているのではないでしょうか…
「コルヘティ国立公園のボートツアー、正直参加する価値ある…?」と。
単刀直入に言いましょう。もちろん、参加する価値は大いにあります。
特に3人や4人など複数人で参加する場合や、それ以上の大人数でパントゥーンボートを利用する場合は、一人当たりのツアー料金も安くなるのでマストでしょう。
ボートでしかアクセスできない「ジョージアのアマゾン」は圧巻ですし、ツアー中にこの場所ならではの珍しい生物に出会えるチャンスも。
なにより、世界遺産の湿原をボートで周るという体験は、ジョージア広しと言えどもコルヘティ国立公園でしかできないアクティビティーです。
しかし、1人や2人で参加したい場合は、やはりボートツアーの料金はとてつもなく割高感。
自然のスペシャリストでない限りは、高温多湿の日本にも数か所ある湿地帯との区別もつきにくいですし、「1万5千円も払ったのに、これ…?」といった感想になってしまうかもしれません。
実際に、こうした亜熱帯の植物や湿原地帯がないような国の人(アラブ諸国や北欧など)からのボートツアーの評価は高いものの、普通に亜熱帯や湿原がある国の人(東欧や中国など)からの評価は高くないという点も、ボートツアー参加を決める参考になるかも。

また、よくコルヘティ国立公園の観光PRに使用されている「ドローンで撮影された、一面の湿地帯に流れるピチョリ川をボートが進んでいる写真」は、ボートツアーに参加しても見られません(そりゃそうだ)。
なので、ボートツアーに参加して見られるのは「亜熱帯っぽい風景の中をひたすら川下り(かえるがゲロゲロ鳴くBGM付き)」となります。
のぶよの場合は、たったの1000円で世界遺産のマングローブ熱帯林を自力でカヤックで周れる奄美という場所を知っているので、15倍もの値段を払って自由のきかないボートツアーに参加する意味は見出せませんでした。
まあ、何に価値を見出すかは人それぞれ。
「せっかくの世界遺産だからちゃんと堪能したい!」という人はもちろんボートツアーにGOですし、「1時間45分の川下りに1万円以上はさすがに出せない…」という人は参加しないという選択肢もありです。(後者にはぜひとも奄美の激安マングローブカヌーをおすすめしたい)
ボートツアー以外でコルヘティ国立公園を楽しむ方法については、後述しています!
コルヘティ国立公園ボートツアー参加時の注意点・アドバイス
というわけで、コルヘティ国立公園のボートツアーに関してはなんとなく分かったはず。
ここからはボートツアーに実際に参加する人はちろろん、ボートツアーに参加せずともコルヘティ国立公園周辺を訪れる人も知っておきたい注意点やアドバイスを解説していきます。
コルヘティ国立公園観光におすすめの季節

コルヘティ国立公園は年間を通して訪問者に開かれており、ボートツアーも年間を通して催行されています。
しかしながら、天候が不安定な日が続く冬場は避けるべき。
亜熱帯気候という特性上、冬場でも湿原の緑の風景はある程度残ってはいますが、天候不良の場合はボートツアーが運休してしまうためです。
また、春先(4月)や晩秋(11月)は、黒海沿岸地域の降水量が一年で一番多い時期にあたるため、こちらも避けた方が良いでしょう。
総合的に、コルヘティ国立公園を訪れるなら5月~10月がベスト。
特に、降水量が少なくボートツアーの催行率が高めの6月~9月がおすすめです。
ボートツアーは天候不良の場合は運休
ボートツアー参加を第一の目的にする場合は、当日の天候に関してチェックしておきましょう。
というのも、コルヘティ国立公園のボートツアーは雨天時や強風時には運休となってしまうためです。
ボートツアーの発着ポイントがあるパリアストミ湖は黒海に向かって開けているという地形であるため、黒海からの風がダイレクトに吹き付ける点にも注意。
ポティなどの街中では風を感じなくても、湖に行くと強風で波が立ってボートが出せない…というケースもあり得ます(特に4月や10月など季節の変わり目は風が強い日が多い)。
天候や風だけはどうしようもなく、予備日を設定しておくくらいしか対処法がありません。
万が一予約した日のボートツアーが運休となった場合は、当日にビジターセンターから電話連絡が来ることになっています。
蚊がとにかく多い
コルヘティ国立公園は全域が湿地帯であるため、夏場は蚊が大量発生することで知られています。
特に、ボートツアーでアクセスするピチョリ川流域の蚊の量はものすごいそうで、対策をしておかないと世界遺産の大自然どころではなくなってしまうかも…
黒海沿岸地域で蚊が発生するのは、例年6月前半~10月2週目にかけて。
ちょうど観光ベストシーズンと重なりますが、この時期に訪問する場合は虫よけなどの対策は必須です。
酔い止め&塗れても良い服装の準備
ボートツアーで使用されるボートには、水よけのようなカバーはありません。
特に風が強めの日はパリアストミ湖で波が立つため、ボートがかなり揺れる&水しぶきがかかる可能性が高いです。
船酔いしやすい人は酔い止めを飲んでおく等の対策が必須ですし、それ以外の人も濡れてもOKな服装で参加するようにしましょう。
国立公園周辺に飲食店はない

コルヘティ国立公園の敷地はもちろん、ビジターセンター周辺などにも飲食店はいっさいありません。
商店に関してもかなり限りがあるため、あまり期待しない方が良いでしょう。
なので、軽食や飲料水などはポティなど拠点となる町から持参するのが◎
ボートツアー自体は2時間もかからないものであるため、食事は観光後ポティ等に戻ってから…というプランもありです。
バトゥミやトビリシからの日帰りは可能?
コルヘティ国立公園のアクセスの際に拠点となるのはポティかウレキのいずれかとなりますが、どちらも小さな町であるため、日程の限られた旅行者にとっては「わざわざ前泊して翌日コルヘティ国立公園に来て…」というのは日数を消費してしまうので不便。
トビリシやバトゥミなどの大都市から直接コルヘティ国立公園へアクセスしようと考える人もいるかもしれません。
単刀直入に言うと、トビリシからの日帰りは無謀/バトゥミからならまあなんとか…といった感じ。
トビリシ~コルヘティ国立公園間の移動は片道4時間~5時間ほどかかるため、たった1時間45分のボートツアーのために丸一日かけて往復移動することになるのでナンセンスです。
バトゥミ~コルヘティ国立公園間は片道1時間半ほどと近いですが、個人で移動する場合は交通手段がやや不便なのがネック。
タクシーをチャーターしてしまえば日帰りも余裕ではありますが、正直そこまでして来る価値があるかどうかと問われると微妙な気もします。
いずれにしても、個人でコルヘティ国立公園を訪問するなら、近郊のポティやウレキなどの町とセットで観光プランを組むのがおすすめ。
ポティでは美しい建築物を周る街歩きや激辛料理が、ウレキでは黒砂ビーチと名物の魚料理が楽しめます!
ボートツアー以外でコルへティ国立公園を楽しむ方法

ここまでは、コルヘティ国立公園観光のメインアトラクションであるボートツアーに関して解説してきました。
「なんかボートツアー、高いし微妙かなあ…」なんて思ってしまった人、夢を奪って申し訳ない…
しかし、高額なボートツアー参加以外にも、世界遺産の大自然を(それなりに)楽しむ方法はあります!
オクロス湖カヤック

「高額なボートツアーには参加できないけど、それなりにリーズナブルな料金で自然を楽しみたい!」という人におすすめなのが、オクロス湖(Okros Lake/ოქროს ტბა)。【マップ 緑④】
「オクロス」とは、ジョージア語で「黄金の」を意味し、日没前に太陽光を反射して黄金に輝く湖面が由来となっています。
オクロス湖が位置するのは、コルヘティ国立公園ビジターセンターのすぐ裏手。
ビジターセンターではオクロス湖を周るためのカヤック(一艘25GEL/1時間)や足漕ぎボート(一台35GEL/1時間)の貸し出しが行われており、ボートツアーとは異なり自分のペースで自由に水上散策をすることができるのです。

一人でカヤックや足漕ぎボートをレンタルする場合でも料金がリーズナブルで、それなりに湿原風景や水辺の風景を満喫できるのが大きなメリット。
しかしながら、オクロス湖は国立公園の敷地の外に位置しており、世界遺産のエリアからは外れてしまっているスポット。
「どうしても世界遺産でボートに乗りたい!」という人にとっては選択肢から外れるかもしれません。
パリアストミ湖~マルタクヴァ・ビーチをハイキング

「人間が作ったものではない大自然にお金を取るなんてありえない!滅びろ資本主義!」と思ってやまないのぶよタイプの人でも、コルヘティ国立公園の大自然を(それなりに)楽しむことは可能です。
それが、パリアストミ湖から黒海に面したマルタクヴァ・ビーチまで自分の足で散策すること。【マップ 緑線】
パリアストミ湖は文句なしの世界遺産敷地内ですし、散策コース上では世界遺産ではないものの美しい湿原の風景を存分に満喫することができます。
やはり大自然は自分の足で歩いてなんぼだと思いますし、何より全て無料で済むのも◎
「それなりに湿原の風景が見られればOK」というライトな旅行者なら、こちらでも十分満足できるはず!
パリアストミ湖

散策のスタート地点となるのが、パリアストミ湖。【マップ 緑①】
ボートツアーの発着ポイントがある湖西岸一帯であれば、一般の旅行者の立ち入りが可能で、自由に散策することができます。(遊泳や釣りなどは禁止されているので注意)
パリアストミ湖自体は「広大な湖」といった感じで、これが世界遺産であると言われてもあまりピンと来ないかも。
しかしながら、雄大な自然風景と飛び交う鳥たちの群れ、響き渡るカエルの鳴き声には心から癒されます。


この場所も立派な世界遺産の敷地内なのですが、湖畔にはゴミが散らばっていたり牛が放牧されていたり(本来は禁止されているはず)するのも含めて、ジョージアだなあという感想。
のぶよ的には、高額なボートツアーを催行する以前にやるべきことがあるのではないかと思ってしまいます。
ビジターセンター裏手の湿原

パリアストミ湖ののんびりした風景を堪能した後は、黒海方面に向けて歩いていきましょう。
その際、本記事内でも何度も登場するビジターセンターに立ち寄ることをお忘れなく。
実は、ビジターセンターのすぐ裏手にはオクロス湖へと続く川沿いに湿地帯が広がっており、コルキス国立公園が誇る亜熱帯の湿原風景を体感することができるのです。【マップ 緑②】


すでに紹介したオクロス湖カヤックに参加する場合はこの川沿いをゆくことになるので、それなりに雰囲気は抜群。
カヤックをしない場合でも、川沿いには自由に立ち入ることができ、豊かな自然を満喫することができます。
マルタクヴァの森

ビジターセンターから南一帯の敷地に広がるのが、マルタクヴァの森。【マップ 緑③】
亜熱帯らしい植物が生い茂る森にはいくつかの遊歩道が敷かれており、手軽に森林浴を楽しむことができます。(マルタクヴァの森自体は世界遺産からは外れているので、自由に散策できる)

マルタクヴァの森のすぐ西側にはすでに紹介したオクロス湖があり、そのさらに西には雄大な黒海が広がっています。
マルタクヴァ・ビーチ

コルヘティ国立公園散策のゴールとなるのが、黒海に面したマルタクヴァ・ビーチ。【マップ 緑⑤】
ジョージアでは珍しいきめ細かな黒砂の海岸がどこまでも続き、遠浅のビーチは子供連れでも安心して楽しむことができるため人気です。


マルタクヴァ・ビーチの水質は、他の黒海ビーチに比べるとやや劣るのが残念。
ポティの港に近いことや、潮の流れ的に浮遊物が流れ着くことが、水質の微妙さの大きな要因だそうです。
しかしながら、晴れた日の黒砂ビーチは一見の価値あり。
普段は人影が少なく寂れた雰囲気ですが、6月~8月の夏季であればビーチバーなどもオープンし、多くの海水浴客で賑わうそうです。

▲マルタクヴァ・ビーチからの帰りは、ポティ市内マルシュルートカ20番の利用が最も便利。
ビーチから600mほど内陸に入った幹線道路沿いに、20番マルシュの発着ポイント【マップ 黄色】があり、20分に1本の頻度で運行しています。
コルへティ国立公園のアクセス・行き方

コルヘティ国立公園観光において全ての拠点となるのがビジターセンター。
ビジターセンター自体は世界遺産の敷地内ではなく、すぐ外の幹線道路沿いに位置しています。
各町~ビジターセンター間のタクシー料金の相場は以下の通り。▼
コルヘティ国立公園のビジターセンターまでは、公共交通機関を利用してのアクセスも可能。
その場合は北5kmほどの場所にあるポティか、南に15kmほどの場所にあるウレキのいずれかの町からのマルシュルートカ(乗り合いミニバス)を利用して、ビジターセンター前バス停【マップ 黄色】で途中下車すればOKです。
ポティ~コルへティ国立公園のアクセス

コルヘティ国立公園へのアクセスに最も便利なのが、このエリアで最も大きい町であるポティ。
ポティ~国立公園ビジターセンター間にはポティ市内マルシュルートカ20番が走っており、簡単に移動できます。
20番マルシュルートカのポティ側の発着地は、中心街にあるバザール(市場)の一角から。
Magnitiというチェーンのコンビニ前からの出発です。▼
20番マルシュルートカはビジターセンターが終点ではなく、その先1kmほどの場所にあるマルタクヴァビーチ入口【マップ 黄色】が終点となるので、乗り過ごさないように注意。
ビジターセンターからポティへ戻る際は、ビジターセンター前のバス停で待機していればOKです。
ウレキ~コルへティ国立公園のアクセス

コルヘティ国立公園へのもう一つのアクセス拠点となる町が、南に位置するウレキ。
ウレキ~ビジターセンターを直接結ぶ交通手段はありませんが、ウレキ~ポティ間を結ぶ都市間マルシュルートカが30分~1時間に1本走っており、比較的簡単に移動できます。
ウレキ側の発着ポイントは、中心街の東1.5kmほどの場所にあるバスステーション広場から。
トビリシやバトゥミ方面からの鉄道が停車するウレキ鉄道駅から北に300mほどの幹線道路沿いにあります。▼
ウレキ~ポティ間のマルシュルートカに乗車したら、ビジターセンター前で途中下車すればOK。
ビジターセンターからウレキに戻る際は、ポティからやって来るウレキ行きを利用します。
おわりに
ジョージアが誇る世界自然遺産であるコルヘティ国立公園の観光情報を徹底解説しました。
基本的にはボートツアーに参加することになるでしょうが、そうでない場合でも意外と楽しめることがお分かりいただけたなら嬉しいです。
のぶよ個人的には、コルヘティ国立公園をメインに旅を計画するよりも、ポティやウレキの観光のついでにコルヘティ国立公園を訪れるプランで考えるのがおすすめ。
特に「黒海のパリ」と呼ばれるポティの町は、ジョージアのどの町とも異なる独特の雰囲気が味わえるので、ぜひとものんびり滞在しながらコルヘティ国立公園にも足をのばしてみてはいかがでしょうか。
ポティの観光情報の記事は現在執筆中です!
・ムティララ国立公園(アジャラ地方)
・コブレティ自然保護区(アジャラ地方)
・キンツリシ国立公園(アジャラ地方)
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