こんにちは!ジョージアの首都・トビリシにのんびり滞在中!世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
人口百万人を誇るトビリシは、ジョージアきっての食の都。
伝統的なジョージア料理を提供する店はもちろん、近年では外国人の増加にともなって各国料理を提供するレストランも増加してきています。
せっかくジョージアに来たなら、やはり本場のジョージア料理ははずせないもの。
とはいえ、ジョージア料理はボリュームがものすごく油っこいものが多いため、三食すべてず~っとジョージア料理三昧…というのもなかなか難しいものがあります。
そんなときの救世主といえば…食べ慣れたアジアの味!
トビリシ中心街にも中華やタイ料理、日本食を提供する店があるものの、どれもかなり高価&クオリティーが微妙である場合もしばしば…
安くて美味しい本格的なアジア料理に出会うのは、トビリシ中心街では難しいものがあります。
ご安心を。トビリシ中心街ではなく、少し離れた場所にアジア飯欲を存分に満たしてくれる場所があります。
それが今回紹介するトビリシの超リトル中華街!
その名も、フアリン地区(Hualing / ჰუალინგ)です。
フアリン地区には、本場そのままのクオリティーの中華料理を提供する食堂が一軒と、ウイグル料理を提供する食堂が一軒、そしてアジアの食材を販売する中華商店が一軒の、計三軒の店しかありません。
「中華街」と呼ぶにはあまりにも未発展ではあるものの、アジアンレストランやアジア食材が激レアなトビリシでは貴重すぎるスポット。
この地区を発見したときは、あまりの感動と興奮と懐かしい味に泣きそうになりましたから…
今回の記事は、フアリン地区の食堂と中華商店を徹底解説していくもの。
アジアの味が恋しくなった旅行者はもちろんのこと、アジア飯に飢えている自炊派のトビリシ長期滞在者にもきっと役立つはずです!
トビリシの超リトル中華街「フアリン地区」とは?
フアリン地区の場所&雰囲気
フアリン地区が位置しているのは、トビリシ中心街の東側の丘陵地帯。
市内最大の貯水池であるトビリシ・シーから2kmほど離れた場所に近年造成された、新都心のような地区の一角を成しています。
中国との結びつきが強いジョージアでは、中国資本による開発が全国で進められているのですが、フアリン地区もその一つ。
大規模ショッピングセンターやカジノ施設、高級ホテルがすでに完成しており、将来的に滞在型のリゾートエリアとして売り出すことを目標にしているのだそうです。
「超リトル中華街」が位置しているのは、フアリン地区ど真ん中にあるショッピングセンターに併設された商店街のようなエリアの一角。
2023年現在、まだテナントはほとんど空いている状態ですが、今回紹介するお店はいずれもちゃんと営業しています。
フアリン地区へのアクセス
2023年現在、フアリン地区への公共交通手段はトビリシ市内路線バスのみ。
フアリン地区は350番と377番の2本のバス路線の終点となっていますが、いずれの路線もほぼ同じようなルートを走ります。▼
フアリン地区に至る350番/377番のバスの発着ポイントとなるのは、トビリシ地下鉄1号線(レッドライン)の東側の端に位置するヴァルケティリ駅(Varketili / ვარკეთილი)。
トビリシ中心街(リバティースクエアやルスタヴェリetc)やトビリシ中央駅方面から直行のバスがないのが不便ですが、これも美味しい中華のためです!(食い意地は世界を救う)
ヴァルケティリ駅前は郊外へと向かう路線バスが多く発着するターミナルとなっており、かなりのカオスです。
▲ 350番/377番のバスのいずれも、このバス停からの出発。
バスに乗車したら、そのまま終点まで乗っていればフアリン地区のど真ん中の停留所に到着します。【マップ 黄色】
超リトル中華街からの帰りも、同じ停留所から始発の路線バスに乗って終点のヴァルケティリ駅前まで移動すればOK。
お腹いっぱいで幸せな気分のまま、確実に座って帰れるのが嬉しいです!
トビリシの超リトル中華街マップ
青:中華商店
黄色:350番/377番バス停
トビリシの超リトル中華街のレストラン①:ガチ中華食堂
フアリン地区でガチの中華料理が食べられるお店が、中国味道。【マップ 赤】
入口には美味しそうな中華料理の写真がいくつも貼られており、見るだけでよだれがだら~んと垂れてきそうです。
トビリシ中心街の中華料理の店は、敷居(と値段)が高めな雰囲気のお店も多い(くるくる回るテーブルに北京ダックのってる的な)のですが、中国味道は「食堂」といった雰囲気。
気取らない雰囲気なので、一人でも気兼ねなく入れます。
このお店で働くのは、たまに居たり居なかったりする謎のジョージア人のおばちゃん店員を除いて、すべて中国の人たち。
英語やロシア語はいっさい通じず、中国語(と、ほんの少しのジョージア語)オンリーでコミュニケーションしなければならないという、なかなかにエッジの効いた店です。
メニューは中国語表記のみですが、写真がちゃんと掲載されている&漢字でなんとなくどんな料理か分かるので問題はないでしょう。▼
メニューを見ると分かるのですが、この店で提供される料理の種類はかなり多いです。
回鍋肉や青椒肉絲、焼き餃子など日本人に馴染みのあるものから、聞いたこともないガチ中華まで…
一度や二度の訪問では到底制覇できないので、きっと何回も通いたくなるはず。
なにより驚くのが、リーズナブルな価格帯。
メイン料理の多くが15GEL(=¥750)で、どれもかなりのボリューム。
ジョージア料理のレストランでもメインを頼むと15GELでは済まないので、貴重な食材を用いた中華料理がこの価格というのはとても良心的だと思います。
また、トビリシの多くのレストランが会計時に加算してくる10%~18%のサービス料をとらない点も◎
メニューには記載されていませんが、白ご飯も2GEL(=¥100)でつけることができます。
高温の油でじゃぁ~っと豪快に炒める音と香ばしい匂いが厨房から漂い、「ああ…これこれ…この感じ…!」と感慨にふけること10分ほどで、注文していた青椒肉絲と麻婆豆腐が到着。
いやもう、なんですかこの果てしなく良い香りと美味しそうな見た目は…
のぶよにとって豆腐自体が数年ぶり。青椒肉絲からぷわ~んと香るごま油なんて、もう存在すら忘れていました。
麻婆豆腐は、ガツンとした唐辛子の辛みと、花椒のピリピリと痺れる風味が極限にまで効いた絶品。
やや硬めの豆腐との相性も良く、豆板醤の奥深い味わいとコクが舌全体に広がります。辛い!痺れる!でもうまい!
青椒肉絲は、一口食べて涙腺が崩壊しそうになったレベルの激ウマ。
柔らかな豚肉としゃきしゃき野菜、ごま油の香ばしさが前面に押し出されたしっかり目の味付けが、白ご飯に合いまくります。青唐辛子のガッツリした辛みも健在で、口が火を噴きそう…
▲ そして、中国味道に行ったら絶対に頼んでほしいのが焼き餃子。
ジョージアには「ヒンカリ」という小籠包のような料理が存在しているのですが、正直比べるのが馬鹿馬鹿しくなります。それくらいに、ここの焼き餃子は神がかっています。
自家製の餃子の皮は、パリパリともっちりが同居する完璧な食感。
中の具は、ジューシーな豚ひき肉の旨味をたっぷりのニンニク&ニラで引き出した極上の味わい。
もうね、めっちゃくちゃ美味しいです。
しかも、このクオリティーの焼き餃子が1個1GEL(=¥50)で食べられるのですから…
トビリシの一般的なジョージア料理の食堂でヒンカリを注文すると1個1.5GELはするので、もはや地元の料理よりもこの店で焼き餃子を食べる方が安いというおかしなことになっています。(※焼き餃子の注文は最低15個から)
他にも、自家製の麺を使用した麺料理もおすすめ!▼
激辛で有名な四川省の名物らしい重慶小麺を「辛さ控えめで!」と頼んでみたのですが、まあしっかり辛かったです(笑)
とはいえ、麺はちゅるっちゅる&スープは奥深い素材のダシの風味がしっかりと出ており、心からほっとできる味わいでした。
卓上に自家製のラー油が置かれているので、辛いのが苦手な人はデフォルトでのってくる辛みペーストを抜きにしてもらって、提供後に自分で調節するのも良いかもしれません。(逆に辛党はラー油もりもりのっけるのも◎)
麺料理はどれも15GEL(=¥750)で、信じられないほどにボリュームが多いのが特徴的。
のぶよは麺と餃子を一緒に食べたいのでいつもどちらも注文しますが、正直麺だけでもかなりお腹いっぱいになります。
余った料理はプラスチックのボックス(無料!)に入れて持ち帰ることもできるので、多めに頼んで残りは後日の楽しみにとっておくのも良さそうです。
美味しすぎてすでに5回は訪問している、トビリシのガチ中華食堂「中国味道」。
店員さんも愛想バッチリというわけではないものの、普通にフレンドリーに接してくれますし、一人でふらりと訪れても問題なく食事ができます。
客層はほとんどがジョージア在住の中国人のようで、しばしば数人のグループでサッと食事していく人たちの姿も。
店員も客も「ニイハオ」と普通に挨拶してくれ、日本人だと分かっても嫌がられる感じはありません。
店の雰囲気も、料理の味も、飛び交う中国語も…
「トビリシの小さなアジア」といった独特な空間を存分に感じましょう!
トビリシの超リトル中華街のレストラン②:ウイグル料理の食堂
最初に紹介した中国味道の真裏に位置するのが、新疆餐庁と書かれた小さな食堂。【マップ 赤】
店名から想像できる通り、新疆ウイグル自治区の料理を提供するウイグル食堂です。
「中華料理の店のすぐ裏にウイグル料理」と聞くと、彼の国の政治問題的に大丈夫なのだろうか…と不安に感じてしまうかもしれませんが、少なくともトビリシの超リトル中華街においては目に見えるいがみ合いはないよう。
先ほどの中国味道の店員のおばさんが、何か足りない食材を分けてもらいにウイグル食堂に来ていたりと、普通に助け合って営業しているようです。
新疆餐庁の店内は広々としているものの、どこかがら~んとした雰囲気。
のぶよの他には客の姿はなく、儲かっているのかどうか不安になります。
先ほどの中華食堂とは対照的に、このウイグル食堂ではメニューの種類は限られています。
抓飯(=プロフ:羊肉の炊き込みご飯)や、ウイグル料理の定番である大舟鶏(ちゃんと変換できない…)などは、事前に予約する必要があるそうです。▼
おすすめを尋ねると、牛肉麺か新疆拌面(=ラグマン:ウイグルのうどんのような料理)とのこと。
迷いに迷いましたが、定番の牛肉麺を頼んでみることにしました。
調理場からは、中国語でもジョージア語でもない言葉が飛び交っているのが聞こえます。
調理のおばちゃんもお姉さんもアジアっぽい顔立ちながらも彫りが深く、ウイグルの人たちがウイグル語で話しながら調理していることに気が付きます。
まったく馴染みのない地域の、未知なる言葉と未知なる料理。
もはやここがトビリシなのかどうか、いまいち自信がなくなってきます。
注文から10分ほどで到着したのが、牛肉麺と水餃子(ウイグル食堂には焼き餃子はないそうで、水餃子のみの取り扱い)
いや…これはもう絶対に美味しいやつ…
中華っぽい香りでありながらも、どこかエキゾチックな香りも混ざっているような、独特の香ばしい匂いが鼻腔をくすぐります。
まずはゆでたての水餃子をぱくり…
すると、口の中でぶわっと広がるニラの独特な風味にノックアウトされます。
もっちり&ぷりぷりした生地も美味しく、ひとつひとつ手作りされたことが分かる温かみのある味わい。
卓上に置かれた醤油とお酢をちょっとかければ、もはや天国そのものです…
そして、ウイグル人のおばさん店員おすすめの牛肉麺。
デフォルトではラー油は入っておらず、自分で卓上のラー油をかけて調整するのだそうです。(本場ではドバーっと表面が真っ赤になるくらいかけるのだとか…)
卓上のラー油をちょいちょいっと垂らして麺をすくってみると、姿を現したのはぷりんぷりん&もっちもちの麺。
箸でつかめないレベルにちゅるっちゅるで、びっくりするくらいに滑らかな食感です。
麺のクオリティーの高さだけでなく、牛肉麺のスープもとにかく絶品でびっくり。
スパイス等の味はほとんど感じられないシンプルな味わいながらも、ここまで旨味が出るのかと驚くほどの奥深さは、「五臓六腑に染みわたる」という表現が具現化されたものでした。
この究極のちゅるちゅる細麺はウイグル食堂の自家製だそうで、タイミングが合えば麺づくりの工程を見ることができるかもしれません。
のぶよが食事していた小一時間で他に客はゼロだったのが信じられないレベルで高クオリティーのウイグル食堂。
お店の人もサバサバしていますが、笑顔で接してくれたのも嬉しかったです。(相変わらず中国語かウイグル語しか通じないけど)
日本でもジョージアでも、ウイグル料理を食す機会はほとんどないもの。
ラグマンやプロフ、羊肉の串焼きなど、メニューの種類は少ないながらも珍しい料理が置かれているので、未知なる食体験をしたい人にはおすすめです!
トビリシの超リトル中華街のスポット③:中華商店
ガチ中華食堂かウイグル食堂で(もしくは二軒ハシゴして)美味しいものをたんまりと食べた後は、アジア食材のショッピングタイム!
ウイグル食堂の並びにある中華商店に立ち寄ってみましょう。【マップ 青】
入口は小さく、ちゃんとした看板も出ていないため少し分かりにくいですが、中国語で書かれたお祝いの紙(?)が貼られているのが目印です。
店内は六畳ほどの狭い空間ですが、段ボールに入ったアジア食材が所狭しと並んでいます。
ほとんどは中国産の調味料やレトルト食品、乾物類などですが、韓国語で書かれた調味料や日本酒などもちらほら見られます。
運が良ければ、ジョージアではまず手に入らない珍しい食材が売られていることも。
ニラや小松菜、もやしなどがたまに仕入れられているようで、量り売りで購入することができます。
のぶよが超リトル中華街を訪れたのは計6回ですが、そのうちアジア野菜が売られていたのは3回だけ。
いわば2分の1の確率で、お宝の山に巡り会えるというわけです。(仕入れ日を尋ねたものの、決まっていないのだそう…)
▲ そして、店内の冷蔵庫にどっしりと鎮座するのが自家製の豆腐。
健康志向の上昇にともない、今や世界的に市民権を得ている存在である豆腐ですが、ジョージアではまずどこにも売られていません。
在ジョージアアジア民の豆腐ロスを一気に解消してくれる場所。それがこの小さな中華商店なのです。
生鮮食品の値段は、以下の通り。▼
・豆腐:2丁(約1.5kg)セットで8GEL(=¥400)
・もやし:1kgあたり6GEL(=¥300)
・ニラ:1kgあたり8GEL(=¥400)
これ、かなりリーズナブルではないでしょうか…?
ジョージアではほぼ手に入らない自家製の豆腐や珍しい野菜であることを考えると、ものすごく良心的な価格設定だと思います。(ありがとう中国の人…)
もやしもニラも1kgなんて必要ないので、がっつり買っても1GEL~3GEL(=¥50~¥150)ほどで済んでしまいます。自炊がはかどること間違いありませんね!
中華商店の生鮮商品は基本的に1kg単位で売られているようで、数百グラムだけで買おうとするとやや渋られます。
そこはジャパニーズ愛想笑いの見せどころ。「お願い!」と言えば、店のおばちゃんも「仕方ないわねえ」といった感じで売ってくれるはず。
豆腐に関してはすでに袋に入っているためか、1.5kgほどのサイズのみでの販売。
ハーフサイズなどは不可とのことでした。
▲ というわけで、今回の戦利品がこちら!
たっぷりのニラとわしづかみにしたもやし、どっしりと重たい豆腐1.5kgで、合計10GEL(=¥500)でした。見ているだけで、目からアジア成分が摂取できそう…
タイミングによっては油揚げも中華商店で売られているそうなのですが、のぶよが訪問した際にはありませんでした。
それなら、自作するのみです!
豆腐ひとつあるだけで、アジア飯欲がものすごく満たされるのは不思議なもの。
やや硬めの中華豆腐なので、冷奴や湯豆腐よりも鍋物や炒め物に使用する方が美味しく食べられるかもしれません。
アジアの料理作りに関しては壊滅的にセンスがないのぶよですが、それでも久しぶりに食べる豆腐と油揚げは悶絶級の美味しさ。
ニラ独特のあの風味は日本のものと何ら変わりませんし、新鮮なもやしのしゃきしゃき食感には涙がこぼれ落ちそうに…(大袈裟)
ジョージアの定番食材だって美味しいですが、こんなにリーズナブルに質の高いアジア食材が手に入るのなら、使ってみない手はありません!
おわりに
トビリシの超リトル中華街「フアリン地区」にある二軒の食堂と一軒の商店への潜入レポートをお送りしました。
いずれも良心的な値段設定で、まるで中国に迷い込んだかのような独特な雰囲気の空間が魅力的です。
実は、この超リトル中華街の情報はヒミツにしておこうと思っていました。
というのも、穴場感がとても強く、あまり多くの日本人が大挙して訪れるようになるのもなんだか微妙だよな…と思ったので。
しかし、美味しいものを食べたい気持ちは皆に共通。
トビリシ中心街のお高いアジア料理で微妙なクオリティーのものを食べて涙をこらえながら我慢している人もいることでしょうし、せっかくなら安くてガチのアジアの味を食べた方がトビリシ滞在の満足度が高まるというものです。
また、いずれのお店もいつ行こうが客の姿が少なく、ガラガラなのも心配。
せっかく見つけたオアシスのようなお店たち…同じアジア人としてもぜひとも頑張ってほしいと思うので、本記事を読んだ人が訪れることで少しでも売り上げに貢献できたらなあと思います。
超リトル中華街は、トビリシを拠点に長期滞在している人はもう問答無用でGOですし、短期滞在の旅行者でアジアの味に飢えている人にも心からおすすめ。
良心的に本場の味や食材を提供してくれているアジア出身の仲間たちを応援する気持ちも込めて、ぜひとも訪問してみてはいかがでしょうか。
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