こんにちは!ジョージア南部のサムツヘ=ジャワヘティ地方をのんびり旅行中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
サムツヘ地方最大の町・アハルツィヘ周辺エリアには多くの見どころがあり、何日滞在しても飽きないほど。
おもちゃの城を思わせる城塞や中世の洞窟住居群、ロシア帝国風の温泉街が連なる町にグルメの聖地として有名な村…
バラエティーに富んだ見どころがとにかく盛りだくさんなのですが、アハルツィヘは日本人的に歓喜の舞を踊りたくなる町でもあります。
なぜなら、アハルツィヘ周辺には天然温泉が湧いているスポットが数多く存在し、小コーカサス山脈に囲まれながら極上の温泉体験ができるため。
あまりの温泉地の多さに、のぶよはこのエリア一帯を「ジョージア温泉街道」と名付けて勝手に推しています。
そんなジョージア温泉街道に数ある温泉地ですが、今回紹介するのは最強の秘湯感と穴場感が漂う温泉。
その名もグルケリ温泉(Gurkeli sulfur bath / გურკელის გოგირდოვანი აბანო)です。▼
グルケリ温泉が位置するのは、アハルツィヘから25kmほど離れた小コーカサス山脈の山中。
地元の人だけが知っているような超・秘湯で、外国人旅行者はまずやって来ないような場所です。
ジョージア西部には他にもこうした野良温泉がいくつかあるのですが、どれも有名になりすぎてしまったものばかり。
特に2022年以降はロシア人が大挙して訪れるようになり、芋洗い状態での入浴と耳に入ってくるけたたましいロシア語のお喋りには正直げんなりしてしまいます。
これら「超有名野良温泉」に比べると、グルケリ温泉の知名度は皆無。
訪れるのは麓の村の子供たちや家族連ればかりというローカル100%感は、現在のジョージアではとても貴重なものです。
というわけで、今回の記事はおそらく世界初のテーマ。
グルケリ温泉への詳細なアクセス情報と入浴レポートをお送りします。(こんなマニアックかつ素晴らしい場所の詳細情報を日本語で読めることにまじで感謝してほしい)
なかなか不便な場所にあるものの、たどり着いた先で待っているのは極上の温泉体験。
アハルツィヘ滞在時のデイトリップ先として、心からおすすめしたいです!
ジョージア温泉街道の秘湯!グルケリ温泉への道のり
グルケリ温泉へのアクセスの拠点は、ボルジョミ~アハルツィヘ間を結ぶ幹線道路沿いに位置するアガラ(Agara / აგარა)という村。
アガラ村までは公共交通機関でのアクセスが可能ですが、アガラ~グルケリ温泉間の約7kmの道のりは自力で(=徒歩で)移動することとなります。
アガラ~グルケリ温泉間徒歩コース詳細
・所要時間:往路→1時間40分~2時間 / 復路→1時間30分~1時間50分
・距離:片道7.0km / 往復14.0km
・高低差:▲▼147m
アガラ村~グルケリ温泉徒歩ルートマップ
緑線:徒歩ルート
青:目印
赤:グルケリ温泉
アガラ村~グルケリ温泉徒歩ルート
アハルツィヘから来る場合でもボルジョミから来る場合でも、まずはアガラ村のバス停でマルシュルートカを途中下車します。【マップ 黄色】
バス停周辺には商店(らしきもの)が一軒あるだけで、他には何もありません。
飲料水や軽食などは持参するのがおすすめです。
アガラ村のバス停のすぐ裏には廃線となった線路があり、それを越えるといきなり坂道が現れます。
この坂道沿いにあるのが、小さな集落。【マップ 青①】▼
集落内はやや急な上り坂が続きますが、500mほど歩いて集落を抜けたあたりから道はとてもゆるやかな上り坂に。▼
舗装された歩きやすい道を歩くこと2km / 30分ほどで到着するのが、ツィヌバリ村。【マップ 青②】▼
ツィヌバニ村内はずっとゆるやかな上り坂となっています。
ツィヌバリ村とひと続きのようにつながっているのが、二つ目の村であるグルケリ村。【マップ 青③】▼
グルケリ村の民家は伝統的なものが多く残っており、歩きながら眺めているだけでも楽しいです。
グルケリ村の村はずれに到着すると、それまでの舗装道路から未舗装道路へと変化します。
ここが未舗装道路スタート地点【マップ 青④】▼
ここからグルケリ温泉までの3.3km / 50分ほどの道のりはずっとこんな感じの未舗装道路が続きます。
アップダウンは少ないので歩きやすいですが、日陰がほとんどない区間が続くのでご注意を。
アガラ村を出発しておよそ1時間40分ほどで、目的地のグルケリ温泉に到着です。【マップ 赤】▼
謎の廃墟の一番奥に、温泉が溜まった浴槽があります。
最高すぎたグルケリ温泉での入浴
ようやく到着したグルケリ温泉は、青味がかった透明なお湯が特徴的。
硫黄の匂いはけっこう強めで、湯舟の温度は39℃~40℃ほど / 源泉は42℃ほどとなかなかに適温です。
水着に着替え、いざ天然温泉にドボン!してみると、ぬめっとしたお湯が肌にまとわりついてくるような感覚にびっくりします。
ジョージアに湧く温泉の多くはサラッとした湯ざわりのものばかりなのですが、グルケリ温泉はその正反対のぬめっと系。
入浴後の肌はどこかつるりとした感じになるような気もします。
日本で「美肌の湯」とされる温泉の、あの独特のぬめりに似た湯ざわりはジョージアでは貴重なもの。
もしや…グルケリ温泉は美肌の湯なのでは…?(温泉成分表などいっさいないので真相は闇の中)
先客のグルケリ村キッズたちは散々飛び込みに励んだ後、風のように去っていきました。
そして、静寂に包まれた秘湯を独り占め。なんて贅沢な時間でしょうか…。
周囲を見渡せば小コーカサス山脈の緑あふれる山々の風景。
ごぽごぽじゅわぁと新鮮な天然温泉が噴出する心地良い音。
すぐ裏を流れる清流の爽やかな音。
静寂と自然の音に包まれた極上の温泉。もうね、とにかく最高の時間でした。
なかなかに熱めのお湯に浸かって火照った体をクールダウンしたいなら、湯舟のすぐ裏を流れる清流に直行しましょう。
澄みきった山の水はかなり冷たいですが、これがまた気持ちの良いもの。
グルケリ村のキッズたちはこの清流の水を普通に飲んでいたので、水質もきっと文句なしに良いはずです。
とにかく最高すぎたグルケリ温泉。
大自然の中で静寂に包まれながら美肌の湯(?)を独り占めできる場所は、もうジョージアにはここくらいしか残っていないかもしれません。
グルケリ温泉へのアクセス・行き方
グルケリ温泉へのアクセス拠点となるのが、アハルツィヘかボルジョミのいずれかの町。
タクシー利用の場合はどちらの町を拠点としても簡単に移動できますが、個人でマルシュルートカ(乗り合いミニバス)を利用しての移動ならアハルツィヘ拠点での往復が断然難易度が低いです。
マルシュルートカを利用する場合は、グルケリ温泉へ至る道の入口となるアガラ村(Agara / აგარა)で途中下車し、温泉までの片道7km / 往復14kmの道のりは徒歩で移動することとなります。
アハルツィヘ〜グルケリ温泉へのアクセス
グルケリ温泉へ最もアクセスしやすいのが、このエリアで最大の町であるアハルツィヘ。
個人でマルシュルートカ(乗り合いミニバス)を利用して移動するなら、断然アハルツィヘ拠点が便利です!
①タクシーチャーター
最も簡単なのが、アハルツィヘからグルケリ温泉までタクシーを往復チャーターしてしまうこと。
温泉への入口となるアガラ村から往復14kmの道のりを歩かずに済むのは大きなメリットです。
アハルツィヘからの単純往復も可能ですが、アハルツィヘ→グルケリ温泉→ボルジョミへと移動を兼ねてチャーターするのも効率的です。
・アハルツィヘ~グルケリ温泉の単純往復 + 入浴時の待機時間1時間:40GEL~50GEL(=¥2000~¥2500)
・アハルツィヘ→グルケリ温泉の片道 + グルケリ温泉→ボルジョミへの片道 + 入浴時の待機時間1時間:50GEL~60GEL(=¥2500~¥3000)
アハルツィヘのバスステーションには客待ちのタクシーが待機しているので、上手に料金交渉をして利用するようにしましょう。
②マルシュルートカ(アツクリ行き)
アハルツィヘからグルケリ温泉の入口にあるアガラ村までは、マルシュルートカを利用しての移動も簡単。
アガラ村から3kmほど先に位置するアツクリ(Atskuri / აწყური)行きの便をアガラ村で途中下車するだけです。
アツクリ行きの便は、アハルツィヘのバスステーションから1時間〜1時間半に1本の頻度で出発しているのでかなり利用しやすいです。
アツクリ行きのマルシュルートカは、アハルツィヘのバスステーション内のチケットオフィスでチケットを購入するシステム。
アハルツィヘ→アツクリ方面の始発は7:00 / アツクリ→アハルツィヘ方面の最終は18:00と時間にもたっぷり余裕があるので、無理のない移動&観光ができるでしょう。
グルケリ温泉入浴後にアガラ村→アハルツィヘに戻る場合 / アガラ村→ボルジョミ方面へ移動する場合のいずれも、マルシュルートカの利用が可能です。
・アハルツィヘに戻る場合→アツクリ発アハルツィヘ行きのマルシュルートカに途中乗車
・ボルジョミに移動する場合→アハルツィヘ発ハシュリ行き/トビリシ行き/クタイシ行きetcのマルシュルートカに途中乗車してボルジョミで途中下車
いずれの方面への移動でも、アガラ村のバス停【マップ 黄色】で目的地方面へ走るマルシュルートカを待っていれば良いだけ。
超イージーモードです。
のぶよの場合はアハルツィヘ〜アガラ村(マルシュルートカ)〜グルケリ温泉(徒歩)で往復したのですが、帰りのマルシュルートカも比較的すぐにやって来たのでスムーズに移動できました。
・アハルツィヘ発アツクリ行き11:00発のマルシュルートカ乗車→アガラ村11:30着
・アガラ村→グルケリ温泉徒歩移動(1時間40分):グルケリ温泉13:10着
・グルケリ温泉入浴(約1時間15分)
・グルケリ温泉→アガラ村徒歩移動(1時間半):アガラ村15:55着
・アガラ村を16:15に通過するマルシュルートカに途中乗車→アハルツィヘ16:50着
といった感じのプランでした。ご参考までに。
③マルシュルートカ(ツィヌバニ行き)
少しでも歩く距離を短くしたい人におすすめなのが、アガラ村からグルケリ温泉方面への上り坂を2kmほど上ったところにあるツィヌバニ村(Tsinubani / წინუბანი)【マップ 青②】行きのマルシュルートカを利用すること。
ツィヌバニ〜グルケリ温泉間の道のりはアップダウンが少なめで、片道4.4kmほどの短い徒歩移動距離となるのが最大のメリットです。
ただ、アハルツィヘ〜ツィヌバニ間のマルシュルートカは1日1往復とやや不便なスケジュールなのが難点。
・アハルツィヘ→ツィヌバニ方面:12:30
・ツィヌバニ→アハルツィヘ方面:17:00
※最新のスケジュールはアハルツィヘのバスステーションで確認を!
ツィヌバニ〜グルケリ温泉間は片道徒歩1時間弱ほどなので、入浴時間(1時間)と徒歩往復時間(1時間45分~2時間)を合わせても、往復でマルシュルートカの利用が可能です!
ボルジョミ〜グルケリ温泉間のアクセス
サムツヘ地方最大の観光地の一つであるボルジョミからグルケリ温泉へのアクセスも不可能ではありません。
ボルジョミから単純往復することも可能ですし、ボルジョミ→グルケリ温泉→アハルツィヘと移動と観光を兼ねたプランニングも可能です。
①タクシーチャーター
最も簡単なのが、ボルジョミからグルケリ温泉までタクシーを往復チャーターしてしまうこと。
往復14kmの道のりを歩かずに済むのは大きなメリットです。
ボルジョミからの単純往復も可能ですが、ボルジョミ→グルケリ温泉→アハルツィヘへと移動を兼ねてチャーターするのも効率的です。
・ボルジョミ~グルケリ温泉の単純往復 + 入浴時の待機時間1時間:60GEL~70GEL(=¥3000~¥3500)
・ボルジョミ→グルケリ温泉の片道 + グルケリ温泉→アハルツィヘへの片道 + 入浴時の待機時間1時間:50GEL~60GEL(=¥2500~¥3000)
ボルジョミの中心街やバスステーションには客待ちのタクシーが待機しているので、上手に料金交渉をして利用するようにしましょう。
②マルシュルートカ(乗り合いミニバス)
ボルジョミからグルケリ温泉へのアクセスの拠点となるアガラ村へのアクセスは少々注意が必要。
「ボルジョミ→アハルツィヘ方面のマルシュルートカを途中下車すれば良いのでは?」と思う人が多いでしょうが、あいにくボルジョミ~アハルツィヘ間を直接結ぶマルシュルートカは存在しないためです。
そのため、トビリシやゴリ、クタイシなど他都市からボルジョミを経由してアハルツィヘに向かうマルシュルートカを利用するしかないのですが、これら他都市発アハルツィヘ行きのマルシュルートカはボルジョミのバスステーションを経由しない点がネック。
アハルツィヘ行きのバスはボルジョミのバスステーション内には停車せず、道路を挟んだところにある市役所前のバス停(という名の、ただ単に道幅があるだけのスペース)に乗客が居れば停車します。▼
つまり、ただぼうっと待っているだけでは停車してくれない場合もあるということ。
アハルツィヘ行きのバスが目に入ったら、手を挙げるなどして停車してもらう必要があります。
30分~1時間に1本ほどの頻度でアハルツィヘ行きのバスが通るので、場所さえ間違えなければ問題なく乗車することができます。
グルケリ温泉訪問後に拠点のアガラ村からボルジョミに戻る場合 / アハルツィヘに移動する場合のいずれもマルシュルートカの利用が可能です。
・ボルジョミに戻る場合→アハルツィヘ発ハシュリ行き/トビリシ行き/クタイシ行きetcのマルシュルートカに途中乗車してボルジョミで途中下車
・アハルツィヘに移動する場合→アツクリ発アハルツィヘ行きのマルシュルートカに途中乗車
おわりに
というわけで、ジョージアの秘湯of秘湯・グルケリ温泉に関するすべての情報を詳細に解説してきました。
英語やロシア語で検索してもいっさいの情報が出てこないので、おそらく世界初のグルケリ温泉観光ガイドだと思います。
「こんな山奥の不便な場所にある温泉に、わざわざ行く人なんているのか…?」と思いながらこの記事を書いていたのですが、のぶよは知っています。
この記事を読んでわざわざグルケリ温泉を訪れる温泉好き旅行者がきっと存在することを。
(そろそろこのブログの影響力を理解しはじめた)
ひとつだけお願いしたいのですが、グルケリ温泉は依然としてローカルの人がちょっと遊びに訪れるような場所といった感じ。
大人数でワイワイ訪れて大声でガヤガヤ日本語で喋って…的な利用法は避けてほしいと思います。
正直、昨今のジョージアに滞在や旅行する日本人に関しては首を傾げたくなるような訳分からんのもわんさかいるので、ここで何を言おうと無駄かもしれませんが、ローカルな場所へのリスペクトのようなものはまじで忘れないでほしいです。
コメント
アハルツィヘから自転車で行きましたよー。
先客にシャワー浴びてから入れ!と言われシャワーブースがあることにびっくりしました笑
地元の子供たちは馬で来てるくらいローカル感があり大満足でした!