こんにちは!クロアチア旅を満喫している、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
クロアチア中部・ダルマチア地方に位置するザダル(Zadar)は、世界遺産に登録されているローマ時代から続く旧市街と、青いアドリア海のコントラストが美しい町。
アドリア海沿岸の町らしい温かな色に塗られた壁の建物が連なる旧市街を歩いていると、ローマ時代の遺跡が不意に姿を見せるザダル。
ただぶらぶらと歩いているだけで、豊かな歴史と穏やかな気候が育んだ文化の素晴らしさを感じることができます。
そんなザダルは、「世界一の夕日の町」としても有名で、アドリア海に沈んでいく夕日は是非目に焼き付けたいもの。
古い町が夕日で茜色に染まっていく様子はとにかくロマンチックのひとことです。
2016年に「ヨーロッパのベストデスティネーション」の第一位に選ばれたザダル。
それまではスプリットやドブロブニクに比べると地味な存在だったのですが、現在では観光客が大量に押し寄せる町となっています。
今回の記事では、ザダルの観光スポットの紹介はもちろん、できるだけ観光客の大群を避けてザダルの美しさを感じられる1日観光モデルプランを提案します。
ポイントは、観光客の少ない朝の時間帯に混み合う観光スポットをまわってしまうこと。
記事後半ではザダルの市内交通やホステル情報も載せています。
ザダル観光地図
黄色:バスステーション/鉄道駅
オレンジ:中心街行き路線バス5番停留所
紫:ホステル
青:観光スポット(数字は記事内の番号と共通しています)
8:00 朝のザダル旧市街を観光
夏場のハイシーズンの日中は、信じられないほどの人であふれかえるザダルの旧市街。
ただでさえ暑いのに、どこへ行っても人ばかりで辟易してしまうかもしれません。
まだ他の観光客が宿泊先にいる朝の時間帯に、最も込み合う観光スポットの見学を済ませてしまうことをおすすめします。
1.太陽への挨拶
ザダルで一番の観光スポットが「太陽への挨拶」。
円形に敷かれたガラスは、空の色や雲の形を反射してとても美しい撮影スポットです。
特に夕日の時間帯の美しさは圧巻で、多くの人が集まります。
実はこの太陽への挨拶はソーラーパネルになっていて、日中に集めた太陽のエネルギーで、日没後はライトアップされるんです。
まさに太陽の恵みを感じられる素晴らしいアート作品。
朝一番に行けば比較的人が少ないのでおすすめです。
2.海のオルガン
太陽への挨拶のすぐ隣にあるのが、「海のオルガン」。
その名の通り、オルガンのような美しい音色を奏でるアート作品です。
数段の段差の下は、自然の岸壁を利用した空洞になっており、一番上の段差にはいくつもの縦長の穴が。
岸壁に打ち寄せる波が空気を押し上げて、この縦長の穴を通る際にオルガンのような音を鳴らすのです。
波の強さや風の吹き方によって日々変化する海のオルガンの音色。
一度として同じ音色は聴けない自然のアート作品を五感で感じましょう。
3.フォーラム周辺
ザダル旧市街の中央部分に位置しているのが、ローマ時代の遺跡が残るフォーラムという広場です。
良港をもち、地理的にも重要な交易の拠点であったザダルは、古代ローマ時代からその名が知られ、町が作られていました。
みんな素通りしていくものの、普通にローマ時代の遺跡がごろごろと横たわっているなんてすごいことです。
フォーラムのローマ時代の遺跡の上にあるのが、ザダルのシンボルである聖ドナット教会。
9世紀建造のビザンツ様式の円形の教会は荘厳で、他ではあまり見られないものです。
そのすぐ隣には、クロアチアの沿岸部の町らしく、ベネチアの影響を受けた尖塔を持つ聖ストシャ大聖堂が。
尖塔があるのは裏側で、表側は全く異なる外観なのも特徴的。
こちらも必見です。
フォーラムにはもう一つ、聖メアリー教会もあります。
聖ストシャ大聖堂のものよりも小さい尖塔がある教会は、どこか気品漂う外観が素敵です。
日中は多くの観光客で大混雑するフォーラム周辺。
朝のうちに一通り観光しておくのが理想です。
4.人民広場
ザダル旧市街と北岸を結ぶ橋を渡ると初めにたどり着くのが人民広場です。
カフェやギャラリーに囲まれた人民広場の一番の見どころは、ザダル市庁舎。
歴史を感じさせる古い時計塔が目印です。
5.キャプテン・タワー周辺
ザダル旧市街東部に建つのが、キャプテン・タワー。
かつてザダル旧市街を取り囲んでいた城壁の一部であった塔です。
キャプテンタワー周辺の町並みはとても開放的で、ローマ時代の柱が凛と立っています。
6.市場
ザダル旧市街北側には、地元の人たちの生活を支える市場があります。
ここは観光客でごった返してはいないのですが、午後は営業していないため朝のうちに訪れましょう。
どことなくおしゃれな感じがするザダルの市場の野菜や果物は新鮮そのもの。
近海で獲れた魚を売る魚市場も併設しています。
地元の人たちは、まだ観光客が少ない朝のうちに橋を渡って市場で買い物をして、再び橋を渡って帰っていきます。
旧市街内で地元の人の生活が感じられる稀有な場所です。
10:00 ヴァロシュ地区のカフェで休憩
朝から散策をスタートしたので、ここで少し休憩をしましょう。
旧市街南東部のヴァロシュ地区(Varoš)には、ザダルの地元の人々が穏やかな朝の時間を過ごす小さなカフェがたくさんあっておすすめです。
7.ヴァロシュ地区(Varoš)
ザダル旧市街に位置していながら、どことなくローカル感が漂っているのがヴァロシュ地区。
たくさんのカフェや小さなレストランが多く、細い路地を散策するのも楽しいです。
近くには大学があるため、授業の合間にお喋りにやってくる学生の姿も多く見られます。
夜はバーがオープンし、地元の人と観光客が入り混じったナイトライフエリアへと変貌を遂げるヴァロシュ地区。
体力が残っていれば、世界一の夕日を鑑賞した後に戻ってくるのもいいでしょう。
11:00 近郊のビーチへ
10時を過ぎると、徐々に人の数が増えてくるザダルの旧市街。
11時を過ぎると、もはやただの観光地と化します。
観光地の活気を感じたいならそのまま旧市街に残るのもいいですが、のぶよ的にはちょっと無理な混み具合でした。
というわけで、旧市街が混み合う昼間の時間帯は、ザダル郊外へ足をのばしてみることをおすすめします。
せっかくアドリア海沿いの町に来たので、ビーチへ行ってみるのはいかがでしょうか。
残念ながらザダル旧市街にはビーチはありませんが、バスで30分ほど行くだけで、静かな海沿いの町・ニン(Nin)へとアクセスできます。
潮風を感じながらのんびりできる小さなアドリア海沿岸の町と言った雰囲気で、のぶよはとても気に入りました。
もちろん、黄金に輝く砂浜のビーチもありますよ。
17:00 ザダル旧市街へ戻って散策
人混みから逃れてビーチライフを満喫した後は、再びザダルの旧市街を散策しましょう。
夕方~日没にかけては、ザダル旧市街に最も人が集まる時間帯でもあります。
(特に太陽への挨拶・海のオルガン周辺)
それらの場所は避けて、朝に行けなかった観光スポットをまわりながら夕日の時間を待ちましょう。
観光スポットをまわるだけではなく、名もなき路地をあてもなく歩いてみるのもおすすめ。
ローマ時代の遺跡を鑑賞したり、小洒落たカフェを見つけて一休みするのも素敵な時間の過ごし方です。
8.大地の門
旧市街東部の入口が大地の門です。
なんだか凱旋門のような外観の門は、ルネッサンス期のもの。
当時かなりの大国であったオスマン帝国からザダルの町を防御するために、ベネチア人によって造られたものです。
9.イェレナ・マディイェフケ女王公園
大地の門からキャプテン・タワー方面へ歩くと、イェレナ・マディイェフケ公園への入口があります。
公園はかつての城壁上の要塞の跡地に造られたもので、大地の門を上から眺めることができます。
10.聖クルシェヴァン教会
ザダル旧市街北西部にあるロマネスク様式の聖クルシェヴァン教会は、ファサードの繊細なアプスが特徴。
聖クルシェヴァンはザダルの守護聖人の一人とされている人物。
ひっそりとした教会にはお祈りに訪れる地元の人たちの姿が多く見られました。
11.城壁
ザダルの旧市街をくまなく散策した後は、町の北側に残る城壁に上って、旧市街を違った角度から眺めてみるのはいかがでしょうか。
残念ながら、城壁の上は車道になっており、あまりかつての雰囲気を感じることはできません。
しかしながら、時折見える聖ストシャ大聖堂の尖塔や、統一感のある建物の眺めは格別です。
建物をよく観察してみると、銃跡が多く残っているものがあることに気づくでしょう。
ザダルは、クロアチアが旧ユーゴスラビアから独立を宣言した時に、それを認めないセルビア軍との間で熾烈な戦闘が行われた町。
現在でもザダルの人々は閉鎖的で、反セルビア感情が強いと言われているほど、過去に追った傷跡は深かったのです。
世界遺産として観光客が集まる現在のザダルの姿からは想像さえできない暗い過去について考えさせられます。
19:30 世界一の夕日を鑑賞
「世界一の夕日の町」・ザダルに来たからには、夕日を鑑賞せずに帰るなんてもったいない!
のぶよはこういった観光キャッチコピーには常に懐疑的なのですが、ザダルの夕日は本物です。
言葉を失うほどの美しさです。
これが「世界一の夕日」。
圧巻です。
実物はもっと美しいので、是非自分の目で見てください。
とはいえ、世界一の夕日を見たいのは誰しも同じこと。
茜色に染まる空がガラスに反射する「太陽への挨拶」周辺はかなり混雑します。
それでも、せっかくザダルまで来たのなら一度は見ておくべきだと思います。
ザダルで世界一の夕日を鑑賞するポイント
とにかく早めに行くのがいい
ザダルで一番の夕日鑑賞スポットである太陽への挨拶周辺へ行くなら、早めに行って場所を確保するのが鉄則。
日没時間の30分前には到着しているのが理想的です。
あらかじめビールやワインなどを買っておいて、潮風を感じながら飲むのも雰囲気があっていいでしょう。
できたら誰かと一緒に行きたい
ザダルの旧市街全体に言えることなのですが、とにかく町がロマンチックなんです。
汚い格好でおひとり様で散策するような町では決してないことを身をもって実感しました(笑)
ザダルがそのロマンチックさを最大限に発揮するのは、夕暮れの時間帯。
ほとんどの人が誰かと一緒に来ていて、夕日をただ眺めるだけではなく、ビールを飲んだりおしゃべりしたりと楽しい時間を過ごしています。
のぶよは一人でビールを飲みながら夕日を見ていて、なんだかとても虚しい気分になりました(笑)
ホステル等で誰か一緒に行く人を見つけるのがベターだと思います。
人が少ない穴場の夕日鑑賞ポイント
「ザダルの夕日=太陽への挨拶周辺」だと誰もが思っているのですが、それは間違いです。
なぜなら、太陽への挨拶周辺からはアドリア海に浮かぶ島々と夕日を一望できますが、ザダル旧市街が朱く染まっていく様子は見えないからです。
夕日・海・旧市街の全てを一望するなら、旧市街北側の橋の上がベストスポットです。
観光客であふれていることはなく、おひとり様でも何の気兼ねなくたそがれることができます(笑)
もちろん、太陽への挨拶付近からの夕日は必見なので、ザダル滞在日数が複数日ある人限定の贅沢な景色です。
20:30 夕暮れの旧市街を散策しながら帰路へ
まだ夕日の残照が残っているうちに、旧市街を再度散策してみてはいかがでしょうか。
だんだんと暗くなっていく紺色の空をバックにライトアップされた町は、とてもロマンチックで上品な雰囲気です。
夏季なら、夜でもあまり気温が下がらないザダル。
路地裏のバーやレストランは遅い時間まで観光客で賑わい、アドリア海沿いの町に居ることを実感することでしょう。
夕食を済ませて、ヴァロシュ地区へとナイトライフを体験しに行くのもいいかもしれません。
(体力が残っていればの話ですが)
ザダルの市内交通
ザダルは大きな町ではないものの、観光の中心となる旧市街は、バスステーションから2kmほど西に位置しています。
歩けない距離ではないものの、大きな荷物を持っての移動は大変。
ザダル中央バスステーションを外に出たところには、市内路線バスのバス停が並んでいます。
そこから路線バス5番に乗ると、旧市街と北岸を結ぶ橋の北側までアクセスでき、橋を渡ればすぐ旧市街です。
ザダルから周辺の島に行く場合は、市内東部のフェリー港へとアクセスする必要があります。
中央バスステーション前から“Polutok”行きの路線バスが、フェリー港まで走っています。
市内路線バスの料金は均一で、どこで購入するかによって利用できる回数と料金が異なります。
運転手から乗車時に直接購入:1回券(片道)のみ10Kn(=¥163)
キオスク(Tisakという看板が出ている)で事前購入:2回券(往復)のみ15Kn(=¥245)
ザダル市内を出る郊外バス路線(ニンなど)はこの料金の適用外なのでご注意を。
ザダルのホステル情報
Rock Hostel
住所:Velebitska ul. 2, 23000, Zadar
料金:65Kn(=¥1064)
部屋:5ベッドドミトリー
立地:7/10
ザダルバスステーションからは2kmほどと少し離れてはいるものの、ザダル旧市街から橋を渡ってすぐ外側にある観光に便利な立地のホステルです。
スーパーマーケットもすぐそばにあり、かなり便利。
個人的に、ザダル旧市街の中は観光客であふれているのと、スーパーなど生活に必要なお店がほとんどないので、旧市街の外側に泊まった方がいいと思います。
アクセス:9/10
アパートが建ち並ぶエリアにあって、少し道を入ったところにあるので見つけにくいですが、看板がちゃんと出ており、常にスタッフがいます。
スタッフ:9/10
ウクライナ人の母子が切り盛りしています。
英語は微妙にしか通じないものの、ウクライナ料理のヴァレニキ(ウクライナ風水餃子)を食べさせてくれたりと温かな人たちでした。
清潔さ:8/10
おばちゃんがよく掃除してくれているので、部屋・共用部分共にとてもきれいです。
設備:3/10
電子レンジやコンロはありますが、キッチン自体がとても小さくて何かと不便です。
また、トイレや部屋の電気が一部つかなかったりと、設備面ではかなり不満。
まあクロアチアでこんな低料金で宿泊できるので、文句は言えません。
wi-fi:7/10
速度、接続ともに問題ありませんが、部屋では電波が少し弱いと感じました。
雰囲気:6/10
電気が一部つかなかったせいか、なんだか暗い印象を受けました。
宿泊客も少なく、ホステルらしい雰囲気はあまり感じられず。
ウクライナ人の親子が、共用エリアのソファーで寝泊まりしていたので、あまり遅くまで共用部分でくつろげなかったのも少し不満。
総合:7.0/10
個人的に気に入ったのがロケーション。
旧市街にまでは徒歩5分もかかりませんし、バスステーションも徒歩20分ほど。
観光エリアど真ん中ではないので、地元の人が行くようなお店やスーパーが周りにあったのも嬉しかったです。
設備面に関しては、もう少し気を使ってほしいところ。
特に、トイレの電気がつかなかったのには困りました。
クロアチア他都市からザダルへの行き方
クロアチアのちょうど中央に位置するザダルは、他の都市と充実したバス路線で結ばれています。
全ての長距離バスはザダルの中央バスステーションを発着するので、利用しやすいのも嬉しいポイント。
クロアチアでは、基本的にFlixbusの利用が最安で便利です。(一部例外あり)
ここでは、クロアチアの主要都市とザダル間の長距離バス路線について紹介します。
ザグレブ~ザダル間のバス移動
クロアチアが誇る美しい首都・ザグレブとザダル間はFlixbusが1日7便運行しています。
そのうち数便は、二つの都市の中間地点に位置するプリトヴィッツェ国立公園を経由するものも。
ザグレブを朝出発してプリトヴィッツェを観光、夕方のバスでザダルに到着するという、移動と観光を一日でできるこのルート。
のぶよ的にはかなりおすすめです。
所要時間:3時間半~4時間半
料金:€10(=¥1217)〜
リエカ・ザダル間のバス移動
アドリア海北部、クヴァルネル地方の港湾都市・リエカ~ザダル間も、Flixbusが1日2便運行しています。
所要時間:3時間半~4時間半
料金:€12(=¥1451)〜
スプリット~ザダル間のバス移動
クロアチア第二の都市で一大観光地であるスプリット~ザダル間も、Flixbusが1日3便運行しています。
所要時間:2時間半~3時間
料金:€15(=¥1825)〜
シベニク・ザダル間のバス移動
Flixbus一強のクロアチアですが、唯一の例外が短距離路線。
ザダルからシベニクまでは、ローカルバス会社のほうがFlixbusよりも安く(45Kn=¥738~)、1時間に1本ほどの頻度で運行されています。
対するFlixbusの値段は€9(=¥1095)~と割高な上に、夕方に1日1便しか走っておらずかなり不便。
ザダルのバスステーションでチケットを購入して、ローカルバスでシベニクへと向かうのがベストです。
所要時間:2時間半~3時間
料金:€15(=¥1825)〜
ザダル近郊でぜひ訪れたいのが、アドリア海に浮かぶコルナティ諸島。
公共交通機関がないため、現地クルーズツアーやカヤックツアーが唯一のアクセス手段となります。
おわりに
小さな町ながら、見どころがぎゅっと詰まっているザダル。
多くの観光客がやって来て、その美しさに魅了されるのも納得です。
ザダルのみならず、ハイシーズンのクロアチア観光で満足するためのコツは、「いかに大量の観光客を避けて観光するか」に尽きると思います。
今回の記事が、そのためのプラン作りの参考になれば幸いです。
とにかくザダルの夕日は感動ものなので、できれば誰かと一緒に(のぶよは滞在中三日間一人で鑑賞しました)、ロマンチックな滞在をするのがおすすめです。
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