こんにちは!3ヶ月のトルコ滞在もまもなく終盤、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
トルコ北東部、黒海に面したトラブゾン(Trabzon)は、温暖な気候に育まれた港湾都市。
隣国ジョージアとの国境までほど近いこともあり、多くの旅行者が移動の拠点とする町でもあります。
工業都市ということで、観光スポットはあまり多くないトラブゾンですが、多種多様な名物グルメで名を馳せることは意外と知られていません。
今回の記事では、トラブゾンの見どころや名物グルメ、市内交通情報を解説していきます。
近郊の世界遺産・スメラ修道院へ個人でアクセスする際のミニバス情報も解説しているので、参考にしてください。
トラブゾンの観光スポット
↑独特なモスクの形にも注目
トラブゾンの観光スポットは、黒海沿いに広がる中心街に位置しています。
全ての見どころは半径1km以内のところにあるので、徒歩で十分観光可能です。
トラブゾン城塞(オルタヒサル)
トラブゾン中心街西部に位置するトラブゾン城塞(Ortahisar)は、現在は廃城となり城壁の一部が残るだけの寂しいもの。
ザゴノス谷を取り囲むように南北に細長い独特の地形に建ち、かつての栄光を伝えています。
トラブゾン城塞の城壁上からは、トラブゾン中心街と黒海の美しい風景を見渡すことができます。
城壁には自由に登ることができますが、手すり等は全くないのでご注意を。
ザゴノス谷公園
トラブゾン城塞に囲まれた谷は、ザゴノス谷公園として整備されています。
広々とした敷地内には緑があふれ、心地よい遊水地や人口の滝などが整備されている市民の憩いの場といった雰囲気。
ザゴノス谷公園でなかなかに謎だったのが、公園内にある怪しげなトンネル。
現在工事中のようでしたが、かなり巨大なトンネル内は先を見渡すことができないほどに真っ暗。
トラブゾンのミステリースポットの一つとして、見事ランクインしました。
ファティフ・ジャーミィ
トラブゾン城塞の敷地内に広がるオルタヒサル地区に堂々と建つファティフ・ジャーミィ(Fatih Cami)は、かつてのギリシャ正教会がモスクに改築されたもの。
一目見るだけでキリスト教の聖堂として建設されたことがわかる外観が特徴的で、オルタヒサル地区の名物となっています。
チャルス地区
トルコ語で「市場」を意味するチャルス地区(Çarşı)は、その名の通り小さな店が連なるバザールエリア。
日用品や衣料品を売る店が多いですが、黒海沿岸地方名産の茶葉を良心的な価格で売っているお店もあります。
何の変哲もない、いたって普通のトルコのバザールといった雰囲気ですが、国境を越えてジョージアに入るともう見られなくなってしまう光景の一つ。
衣料品や茶葉などはジョージアよりもトルコの方が割安なので、必要なものはここで買いそろえていくのがおすすめです。
逆にジョージアからトルコ入りした人にとっては、トルコらしい喧騒とごちゃごちゃの雰囲気を味わえて楽しいかもしれません。
アタテュルク広場
トラブゾン中央広場(Trabzon Meydan Parkı)は、地元の人にはアタテュルク広場(Atatürk Alanı)の愛称で親しまれている、中心街東側に位置する広場。
トラブゾンのモダンな一面が見られる場所で、広場中央にはトルコの父、ケマル・アタテュルクの銅像が堂々と立っています。
これといった見どころはないアタテュルク広場ですが、オトガル(バスターミナル)行きのミニバスが発着する場所があったり、リーズナブルで美味しいレストランが並んでいたりと、トラブゾン滞在中には必ず足を運ぶことになる場所。
広場周辺には格安のホテルなども点在しており、宿泊にも困ることがありません。
トラブゾンの名物グルメ&おすすめレストラン
観光名所こそ限られているトラブゾン。
一見するとなんの面白みもない港湾都市といったところですが、名物グルメを食せばそのイメージはガラリと変わることでしょう。
トラブゾンを含むトルコの黒海沿岸東部地方は、トルコの中でも独特な食文化を誇ることで有名なエリア。
トルコ人が愛してやまないチャイ(紅茶)のほとんどが、この地域で生産されていることでも知られています。
トラブゾンには数多くの名物グルメがあるのですが、全て紹介することは不可能。
日本人の間ではアンチョビサンドイッチが有名なようですが、正直それはトラブゾンでなくとも食べられます。
ここでは、黒海沿岸地方の中でもトラブゾンでしか食べることのできない二つの名物グルメを紹介します。
トラブゾン・ピデ
トルコ全土で食べることのできるピデ(Pide)は、細長く薄い生地に具をのせて窯で焼きあげたトルコ風ピザのこと。
しかしながら、ここトラブゾンのピデは独特で、「トラブゾン・ピデ」として知られています。
普通のピデと一つ目の違いは、丸い形をした生地。
トラブゾンでは、円形になるように生地を広げ、その周りを厚くするのです。
↑手に取ると、バターが滴り落ちる
そしてもう一つの違いは、バターをたっぷりのせること。
質の良いことで有名な黒海沿岸地方産のバターをたっぷりと生地に塗って、具をのせて焼き上げ、仕上げにもう一度バターをのせるという徹底ぶりです。
普通のピデではバターが使われることはまずないので、かなり独特な文化だと言えるでしょう。
具はチーズと卵が定番ですが、ひき肉と野菜をのせたものもポピュラー。
ナイフで切り分けようとすると、余り余ったバターが溶け出してきます。
生地の周りを分厚く作るのは、おそらく焼いている途中にバターがこぼれ出ないようにするためでしょう。
そのお味は…素晴らしいのひとこと。
生地から作ったバターたっぷりの焼きたてピデが美味しくないわけがありません。
トラブゾン・ピデに挑戦するなら、アタテュルク広場近くにある家族経営の専門店・“Pidesun Kiymali Peynirli”がおすすめ。
メニューはトラブゾン・ピデのみという潔さで、のせる具によって値段が変わります。
・チーズのみ:17TL(=¥310)
・チーズ+卵:19TL(=¥347)
・牛ひき肉&野菜:24TL(=¥439)
家族経営らしい素朴な雰囲気と、物腰柔らかなおじさんの姿がとても印象的でした。
普通のピデより少々値段は高めなものの、トラブゾンでしか食べることのできない名物グルメ。
是非挑戦してみてはいかがでしょうか。
アクサアバト・キョフテ
もう一つ忘れてはいけないトラブゾンの名物グルメが、アクサアバト・キョフテ(Akçaabat köfte)。
キョフテとは、トルコ全土で食されるミートボールのことですが、地域によってかなりバリエーションがある面白いメニューでもあります。(日本のラーメンみたいな)
トラブゾン近郊のアクサアバト村発祥とされるこのキョフテの特徴は、牛肉100%ではないこと。
牛ひき肉に、みじん切りにした玉ねぎや小麦粉などを混ぜてこねあげたもので、日本のハンバーグと同じような作り方をされるのが特徴です。
普通のキョフテは肉だけをこねて作るため、肉がギュッと固まるのが特徴ですが、アクサアバト・キョフテはふんわりとした独特な食感が味わえます。
日本のハンバーグを食べているようで、ウスターソースが欲しくなること必至な食べ物です(笑)
のぶよがいただいたのが、こちらもアタテュルク広場近くにあるİskenderpaşa Köfte Salonuというお店。
地元の人の利用が多いものの、外観は小奇麗でモダンな感じなので、一人でも入りやすい雰囲気です。
名物のアクサアバト・キョフテは、パンとサラダがついて20TL(=¥365)とリーズナブル。
ジョージア入国前の最後のトルコ料理としても、トルコ入国後最初の食事としても感動間違いなしの絶品料理を提供しているおすすめレストランです。
インフォメーション
İskenderpaşa Köfte Salonu
営業時間:9:00~21:00
トラブゾンのオトガル&市内交通
トラブゾンは東西にだだっ広い町ではあるものの、公共交通機関は路線バスかドルムシュ(ミニバス)のみ。
市内移動は東西方向に限られている(北は黒海、南は山なため)ので、自分が行きたい方向に走るバス/ドルムシュはに乗れば間違いなく目的地の近くに着くことができます。
のぶよ的には好きな所で乗り降りできるドルムシュの利用がおすすめです。
トラブゾン観光地図
黄色:オトガル(バスターミナル)
灰色:オトガル~中心街ミニバス乗り場
緑:スメラ修道院行きミニバス乗り場
赤:おすすめレストラン
青:観光スポット
オトガル〜中心街の移動
トラブゾンのオトガル(バスステーション)は、中心街のアタテュルク広場の東2kmほどの所に位置しており、決して歩けない距離ではありません。
しかしながら、中心街~オトガル間は谷間に沿って敷かれた幹線道路沿いを移動することになるため、大きな荷物を持っての移動はなかなか大変だと思います。
オトガルの出口(北側)には幹線道路が走っており、オトガルと反対側の道路沿いにあるバス停から、中心街方面へのバス/ドルムシュを利用することができます。
中心街からオトガルまでは、アタテュルク広場南側の高架下にあるドルムシュ・ターミナルからドルムシュ(ミニバス)を利用するのが便利。
満員になり次第の出発ですが、5~10分に1本の割合で出発しているので、あまり時間を気にすることなく利用できます。
オトガル~トラブゾン中心街ドルムシュ
所要時間:10分
料金:3.5TL(=¥64)
スメラ修道院へのミニバス
トラブゾンに滞在する旅行者の多くが足をのばすスメラ修道院。
緑深い山々に囲まれた断崖絶壁にへばりつくように佇む不思議な風景が見られるこの場所は、世界遺産にも指定されています。
スメラ修道院への行き方は、大きく分けて二つ。
・バス会社/ツアー会社運行のツアーに参加する
・ドルムシュ(ミニバス)で自力でアクセスする
自力でのアクセスの方が割安ですが、不確定要素が多いのがネックとなります。
バス会社/旅行会社主催のツアー
最も便利なのが、Metro社などの長距離バス会社が運行しているトラブゾン~スメラ修道院の日帰りツアーに参加すること。
ツアーとは名ばかりで、往復の交通手段だけが確保されているのが現状です。
時期や曜日によって、どのくらいの便が運行されているかは変わるものの、朝10時や11時にトラブゾンを出発し、現地に2時間ほど滞在、15時頃に市内に戻るというのが最もポピュラーだそう。
料金は一人90TL(=¥1646)で、往復の交通費は含まれているものの、スメラ修道院の入場料は別途かかります。
予約・申し込みは、アタテュルク広場南側のドルムシュ・ターミナルに面したMetro社や他旅行会社のチケットオフィスに直接出向いて行います。
ドルムシュ(ミニバス)で自力でアクセスする
↑スメラ修道院行きのミニバスが出る駐車場
時期や運にもよるものの、スメラ修道院までのドルムシュ(ミニバス)が出ていることもあります。
このドルムシュが発着するのは、アタテュルク広場南側のドルムシュ・ターミナルではなく、広場東側の坂道を下ったところの海沿いにある駐車場。
いくつかドルムシュが並んでいますが、”Sumela”と行き先表示されたものを探しましょう。
(基本的に、途中のマチカ(Maçka)がメインに書かれていると思います。)
スメラ行きのドルムシュは、朝8時~11時の間、1時間に1本(毎時正時)に出ているのですが、問題なのが全てのバスがスメラ修道院まで行くわけではないこと。
実はこのドルムシュ、スメラ修道院まで行く人がある程度いない限りは、手前のマチカ(Maçka)という村で折り返すというルートをとります。
その場合、マチカ村からスメラ修道院間の20kmは、タクシーを利用することになってしまう(マチカ~スメラ修道院間を定期的に走るバスはないため)のが大きな問題。
夏場のハイシーズンならある程度スメラ修道院に行く人が集まりやすいと思うので、挑戦してみる価値はありますが、冬場は観光客なんていないトラブゾン。もはや絶望的です。
運よくスメラ修道院まで行ってくれるドルムシュを見つけた場合は、修道院観光後も来た時と同じ運転手のドルムシュ(観光時間中待機している)を利用することとなります。
運転手に帰りの時間を指定されるので、乗り遅れないようにご注意を。
トラブゾン~スメラ修道院間ドルムシュ
所要時間:1時間半
料金:往復25TL(=¥457)
トラブゾンからジョージア(バトゥミ、トビリシ)へ
トラブゾン~ジョージア内各都市へは、Metro Turizm社の直行バスが1日1本運行しています。
しかしながら、国境越えはバスに乗車したままできず、大きな荷物を持ったままトルコ側・ジョージア側の国境審査場を歩いて行う必要があります。
(合計で800mほど歩かされます)
本数が少ない直行バス以外に、トルコ側国境まで中型バスで向かい、徒歩で国境越え。その後、ジョージア側でマルシュルートカ(ミニバス)に乗り換えて各都市へ向かうという方法があり、こちらがおすすめです。
直行バス利用でも乗り継ぎでも、結局国境越えの際は歩かなければならないのは同じ。
乗り継ぎの方が移動費が安く済むのはもちろん、トルコ側・ジョージア側のいずれもかなり多くのバスが国境まで走っているため、とてもスムーズに国境越えができます。
(直行バスの場合、乗客とは別に検査を受けるバスをかなり長時間待たされるそうです。)
おわりに
黒海の雄大な風景に彩られたトラブゾンの観光スポットや名物グルメ、市内交通情報を解説しました。
正直なところ、観光地としての魅力には乏しい町ではありますが、トルコの地方都市らしい風景は健在。
今回紹介した以外にも名物グルメが存在するトラブゾン。
スメラ修道院の補修工事が終わった後に再訪したい町の一つとなりました。
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とにかく情報量が半端じゃありません。人と違う場所へ行ってみたい人は是非!
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