こんにちは!ジョージア東部カヘティ地方にのんびり滞在中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
のぶよがここ2週間ほどのんびりと滞在しているのが、カヘティ地方で最大の町でありエリア内の経済の中心を担うテラヴィ。
人口は二万五千人ほどと「都市」というよりは「町」といった感じですが、中心街の雰囲気は意外にも発展していて活気があり、このエリアの観光・滞在の中心として旅行者の姿も多く見かけます。

そんなテラヴィにおいて、のぶよが観光よりもワインよりもとにかくおすすめしたいのが、できる限り多くの飲食店に足を運ぶこと。
テラヴィには人口規模からは考えられないほどに多くの飲食店が軒を連ねており、独特の外食文化が根付く「ジョージアの美食の町」という顔があるのです。

テラヴィがなぜ「美食の町」なのか…それは、飲食店の雰囲気の良さと料理の質の高さにあります。
テラヴィの飲食店は、ちょっとお洒落して訪問したくなるような、洗練された雰囲気の店がたくさん。
見掛け倒しではなく味も抜群に良い店ばかりで、カヘティ地方が誇る「素材の良さ」を存分に活かしたあっさりとした味付けが、テラヴィの飲食店全体の特徴と言えます。
「雰囲気が良い=価格が高い」というのが世の常ではありますが、テラヴィの場合は雰囲気が良いのに価格はリーズナブルという店がほとんど。
正直、2倍ほどの料金を払って塩辛くて不味い料理が出てくるトビリシの似たようなお洒落レストランで食事するのが馬鹿馬鹿しくなるほどです。


のぶよはテラヴィに来るまで、「ジョージアで一番グルメ文化が発達している町はバトゥミ」だと信じていました。
もちろん、バトゥミの食のレベルの高さはテラヴィにも引けを取らないほど。
バトゥミは超軟水で水質が抜群に良いため、素材の旨味の引き出され方がジョージア他地域とは比べ物にならないほどなのです(まじで、煮込み料理を食べ比べてみるとあまりの味の違いに驚く)。
いっぽうのテラヴィの食のレベルの高さもかなりのもので、こちらは素材自体の味の良さが最大の武器。
バトゥミとはまた方向性が異なる食の都であると言えます(どうしてジョージアという国は、こういう本当に食文化が発達している町のグルメ文化にスポットライトを当てて観光PRに活かさないのか謎で仕方がない)。
西の食いだおれの町・バトゥミと、東の美食の町・テラヴィ。
この二つのグルメシティーの食文化における最大の違いは、バトゥミが気軽に安く外食を楽しむ文化であるのに対し、テラヴィはちょっとお洒落して気取った店で外食を楽しむ文化であるという点かもしれません。
場末の食堂やストリートフード屋が星の数ほどあるバトゥミに対し、テラヴィには食堂系やファストフード系の店はかなり少なめ。
その代わりに、食堂と変わらない低価格ながらもお洒落な雰囲気で食事できるレストランがとにかく豊富なのです。


こんな感じで、テラヴィでは自分に合った雰囲気の飲食店が必ず見つかるはず。
どの店も、雰囲気だけではなくとにかく味のレベルが高いので、かなり満足度高めのグルメ体験ができると思います。

さてさて…テラヴィグルメに対する有り余る情熱のために、前置きが長くなりました。
そんなわけで今回の記事は、テラヴィでのぶよが実際に訪問したレストランや食堂、グルメスポットを一挙公開するもの。
テラヴィならではの「お洒落な雰囲気なのにリーズナブル」というレストランはもちろん、場末の食堂やストリートグルメまで、さまざまなジャンルの店を網羅しています。
テラヴィの周辺には見どころが多くあるので、数日間滞在しながら各地へ足をのばす旅行者も多いはず。
グルメ目的でテラヴィに来る人はとても少ないですが、そんな現状をのぶよは変えてやりたいです!
- テラヴィレストラン&食堂マップ
- ①絶景テラスとお洒落な雰囲気!Kaplioni
- ②地元民支持No.1のヒンカリに感動!Cafe Mogoneba
- ③テラヴィ中心街のオアシスカフェ!Cafe Gisheri
- ④カオスな食堂の最強のボズバシ!Madliani
- ⑤人情味あふれる激安おやつ!バスステーションの揚げドーナツ屋台
- ⑥衝撃の美味しさのチヒルトゥマ!Chiri Ika – Lkhini Aka
- ⑦ワインの町のクラフトビール屋!Brewery Alkhanadze
- ⑧絵に描いたようなローカル食堂の絶品ヒンカリ!Mimino
- ⑨テラヴィで一番のシャウルマ!Tornikes Shaurma
- ⑩ヨーロッパ料理もジョージア料理も美味しい!Bravo
- ⑪テラヴィで一番のディープ空間!謎の場末食堂
- ⑫リーズナブルで美味しいテラヴィ一番の神対応店!Meidani
- おわりに
テラヴィレストラン&食堂マップ
①絶景テラスとお洒落な雰囲気!Kaplioni

テラヴィのレストランガイドの記念すべきスタートを飾るのが、Kaplioni。【マップ 赤①】
テラヴィ市内観光の中心となる城塞の東側、メインストリートであるエレクレ二世通りの東端にある大きなお店です。
立地柄、観光客向けのお店なのかと思いきや、そうでもないよう。
テラヴィの地元民に「おすすめのレストランは?」と尋ねるとかなりの確率でこのKaplioniの名前が挙がるほどに、地元での評価も高いお店となっています。


Kaplioniの雰囲気は、ひとことで言うなら「お洒落」。
テラヴィ伝統の煉瓦造り&木製テラスを模した美しいデザインの店内は、居心地良く明るい雰囲気です。
のぶよは普段こういう雰囲気のレストランには全く縁がないのですが、Kaplioniの場合は話が別。
お洒落で高級感ある雰囲気とは裏腹に、メニューはどれもリーズナブルな価格であるためです。▼




トビリシの同じような雰囲気のレストランと比べれば、Kaplioniの価格帯は3分の2ほど。
メニューの数もかなり豊富で、必ず食べたいものが見つかるはずです。
店内の雰囲気も素敵ですが、せっかくなら外のテラス席で食事するのも◎
エレクレ二世通りの美しい建物と、コーカサス山脈の遠景を望む絶好のビューを堪能することができます。

のぶよが注文したのは、豚肉のリブロースを炭火焼きにしたチャラガジ。
テラヴィがあるカヘティ地方は豚肉が美味しいことで有名なのですが、中でもKaplioniには立派な炭焼きグリルが設置されているそうで、グリル系料理はかなり美味しいと評判なのです。
こんがりと焼かれたチャラガジにナイフを入れると、内部に閉じ込められていた肉汁がぶわあ…
味つけは塩だけとかなりシンプルで、あっさりとした味わいですが、それが逆に素材の良さを引き立てています。美味しい…!


グリル系料理の他にも、煮込み系やヒンカリなど何を食べてもかなりの高クオリティーの食体験ができるKaplioni。
テラヴィ市内観光の途中に食事するにはこの上なく便利な立地ですし、良い雰囲気の店で食事がしたい人にもぴったりだと思います。
②地元民支持No.1のヒンカリに感動!Cafe Mogoneba

実はテラヴィは、ヒンカリが美味しい店が多いことで知られる「隠れヒンカリの町」。
一般的なヒンカリに比べて、名産の豚肉を多めに配合したテラヴリ・ヒンカリ(=「テラヴィ風ヒンカリ」の意味)は、この町に来たなら絶対に味わいたいグルメです。
テラヴィにはヒンカリを看板メニューに掲げる店が数多くあり、地元民の間でも○○派や××派など分かれるらしいのですが、そんなグルメにうるさいテラヴィ民にかなり強い支持を受けるのがCafe Mogonebaです。【マップ 赤②】


Cafe Mogonebaは、テラヴィ中心部から徒歩15分ほどの高台のようなエリアにあるため、わざわざここまで足を運ぶ観光客はほぼゼロ。
客層のほとんどは地元の人たちで、「仲間同士集まってちょっとお洒落して食事しにくる店」といったカテゴリーのようです。
店内はそれほど広くはありませんが、小物などにもこだわられた感じが◎
奥には気持ちの良い中庭テラス席もあり、多くの人々が食事を楽しんでいます。
Cafe Mogonebaのメニューはこんな感じ。
ヒンカリ以外にもジョージア料理の定番系が多く揃っています。▼





色々と興味を惹かれる料理はあれど、やっぱりCafe Mogonebaといえばヒンカリ。
ムティウルリ・ヒンカリ(=山岳地域風ヒンカリ)ときのこのヒンカリを注文してみました。

見た目は、どこにでもありそうなごく普通のヒンカリ。
大きさはやや小ぶりで、皮はつるんつるんの質感です。
「このヒンカリがそんなに評判なの…?」とやや訝しく思いながらも、ひと口…
いや、まじで、衝撃が走りました。
ほろっほろの豚ひき肉はかなりあっさりとした味付けながらも、豚肉ならではの旨味がたっぷり。
みじん切りの玉ねぎ由来の甘味も素晴らしいアクセントとなっており、皮のちゅるちゅるした質感も含めてとても上品でとても美味しいヒンカリです。


そして、きのこのヒンカリの中に詰まった汁のたぷんたぷん具合にもびっくり。
きのこはかなり大きめに切られており、むっちりした食感と果てしない旨味にノックアウトされます。
地元民に強く支持されるのも納得の、究極のヒンカリが食べられるCafe Mogoneba。
後述する⑧Miminoと⑫Meidaniのヒンカリに並んで、テラヴィ三大絶品ヒンカリ店に間違いなく入りますが、「具材の風味の活かし方」という点ではここが圧倒的にトップかもしれません。
③テラヴィ中心街のオアシスカフェ!Cafe Gisheri

テラヴィ中心街のメインストリートであるエレクレ二世通りから一本裏に入ったストリートにあるCafe Gisheriは、地元の人たちに人気のカフェスタイルのお店。【マップ 赤③】
優雅なたたずまいの古い建物の一階部分を改装した店内は、明るく清潔感のある空間となっています。


Cafe Gisheriのメニューは、定番のパン系やスイーツはもちろん、ハンバーガーやピザなどのがっつり食事系まで揃ったもの。
出来合いのお惣菜系も種類が豊富で、サクッと食事したいときには重宝します。

フード系・ドリンク系ともに先払いのシステムなのもシンプルで◎
ピザやハンバーガーなど調理に時間がかかるメニューは、でき次第席まで運んでくれます。
フード類はとてもリーズナブルな価格ながら、そのボリュームと質の高さはかなりのもの。
特にピザ(10GEL~16GEL=¥500~¥800)はトビリシの半額ほどの価格ですが、直径30cm越えの巨大サイズで提供されます。


気軽に食事が済ませられる感じも、店員のお姉さんたちの人懐っこい感じも、リーズナブルなのにクオリティーがやたらと高いフード類も、居心地の良い空間も、とにかく総合的に素晴らしいCafe Gisheri。
「わざわざレストランで食事しに行くのもめんどくさいなあ…」なんて気分の日は、もうここ一択です!
④カオスな食堂の最強のボズバシ!Madliani

ここまではレストランやカフェなど、いわゆる「万人向け」のお店を紹介してきました。
しかし、当ブログのグルメ記事における名物(?)といえば…そう、ローカル食堂です。
テラヴィにはコテコテのローカル食堂は少なめで、ちゃんとしたレストランタイプのお店が多いのですが、探せばちゃんと存在しているもの。
そんなローカル食堂の一つが、中心部から徒歩20分ほどの住宅街の一角にあるMadliani(მადლიანი)です。【マップ 赤④】

Madlianiはテラヴィの地元民たち、特に男性客から絶大な支持を受ける店。
平日の昼間から大量のビールを飲みまくる数人組たちの話し声が響き渡る雰囲気は、なかなかにカオスな感じです。
このお店の人気の理由は、「ボズバシ」というスープ料理にあります。
ボズバシは、テラヴィの飲食店なら必ずメニューにあるほどポピュラーな料理。
いっぽうでジョージア全国的には全くポピュラーではなく、ここカヘティ地方の郷土料理のような存在と言えます。

ボズバシは、骨付きの牛肉を長時間煮込んだブイヨンに、少量のトマトやみじん切りにした玉ねぎを加え、さらに大きな肉団子を入れて煮込んだもの。
濁りのある赤茶色のスープはかなり濃厚そうに見えますが、実際は意外にもあっさりすっきりとした味わいです。
Madlianiのボズバシは、わざわざこの一皿のために客が集まるほどに有名だそう。
実際に食してみると、あっさりしていながらもコクのあるスープの深い味わいと、ふわふわ食感のミートボールの肉肉しい風味が絶妙にマッチしていて、とても美味しいです。


テラヴィの他の店数ヶ所でボズバシを食べたのですが、評判に違わずMadlianiのボズバシはやはり別格の美味しさ。
いっぽうでヒンカリに関してはまあ…といった感じだったので、あくまでもボズバシ目当てに訪問するのが良さそうです。
⑤人情味あふれる激安おやつ!バスステーションの揚げドーナツ屋台

トビリシなど他都市からのマルシュルートカ(乗り合いミニバス)が発着するテラヴィのオールド・バスステーション。
なんとも言えない場末の雰囲気ただようこの場所で営業するのが、バスステーションの揚げドーナツ屋台です。【マップ 赤⑤】
店名などは特になく、メニューは1個0.25GEL(=¥13)の揚げドーナツのみ。
小さな小屋の中で小麦粉を練るところから手作りされており、タイミングによっては揚げたてを購入することができます。

ここの揚げドーナツは地元の人にも人気のようで、みんなkg単位で大量購入していくのが普通。
数個単位でも購入でき、のぶよはちょうど1GEL分買おうと4個注文したのですが、店の気の良いおじさんが「もっと食え!」とばかりに7個もくれました。

激安ながらも、サクッ&もちっとした食感が味わえて素朴な美味しさが嬉しい揚げドーナツ。
粉砂糖をこれでもか!とばかりに大量にかけてくれたりと、とにかく店の人の気前が良すぎてちゃんと元が取れているのか心配になるほどです。
⑥衝撃の美味しさのチヒルトゥマ!Chiri Ika – Lkhini Aka

テラヴィの地元民に根強い人気のあるレストランをもう一軒。
中心部から15分ほど歩いた場所にある、Chiri Ika – Lkhini Aka(ჭირი იქა – ლხინი აქა)という居酒屋レストランのようなお店です。【マップ 赤⑥】
なんとも長い店名「チリ・イカ・ルヒニ・アカ」は、ジョージア語で「そっちは地獄、こっちは天国」といった意味。
つまりこのお店の敷地内だけは地獄ではなく天国である…といったことのようです。

謎センスの店名に加えて、店の敷地内もなかなかに謎のセンスが光るもの。
飲食スペースの大部分は広大な中庭の半屋外席となっており、ちょっとしたワイナリーを思わせるなんとも不思議なコンセプトです。


飲食スペースは、仕切りがある席と吹きざらしの席があり、悪天候の日や冬場は食事できる席が限られてしまうのがマイナス。
逆に天気が良い日であれば、開放的な雰囲気の中での食事が楽しめます。
Chiri Ika – Lkhini Akaのメニューはこんな感じ。
高くもなく激安というわけでもなく、テラヴィの平均的な価格帯といった印象です。▼




テラヴィの地元民によると「ヒンカリが美味しい」とのことでしたが、たまには少し違うものを…と思って注文したのがチヒルトゥマ。
鶏肉をじっくりと煮込んだスープに卵黄とお酢を加えて味を調えたもので、ここカヘティ地方発祥の郷土料理の一つです。

骨付きの鶏もも肉はやや小ぶりですが、その美しい見た目と芳醇な鶏の香りが食欲をそそります。
スープをひと口飲んでみて、びっくり。
濃厚を極めた鶏の旨味と、お酢のほどよい酸味が絶妙に混ざり合い、まろやかで上品な風味が五臓六腑に染み渡るのですから…

チヒルトゥマはカヘティ地方発祥ですが、現在はジョージア東部一帯に広がって定番料理のようなポジション。
チヒルトゥマが大好物ののぶよはトビリシのレストランでも何度も食したことがありますが、正直Chiri Ika – Lkhini Akaのチヒルトゥマはレベルが違います。
「今まで食べてきたチヒルトゥマはいったい何だったの…?」と哲学的な思考がぐるぐるしたほどに、衝撃的な美味しさでした。

こちらもカヘティ地方が誇る名物料理であり、塩だけのシンプルな味付けながらも豚肉自体の美味しさが最大限に引き立てられています。滴り落ちる肉汁の量といったらもう…
チヒルトゥマもムツヴァディも、とにかく料理のレベルが驚くほどに高いChiri Ika – Lkhini Aka。
テラヴィ中心街からやや距離があるのがネックではありますが、わざわざ足をのばすかちは十分にあります!
⑦ワインの町のクラフトビール屋!Brewery Alkhanadze

テラヴィがあるカヘティ地方と言えば、ジョージア最大のワインの名産地。
大小さまざまなワイナリーが星の数ほど点在しており、テラヴィ市内にも伝統製法で製造されたワインをウリにした店が点在しています。
そんな「ジョージアのワイン王国」に真っ向から対抗している(?)お店が、Alkhanadze Brewery。【マップ 赤⑦】
「Brewery=醸造所」のことですが、この店で販売されているのはワインや蒸留酒ではありません。
テラヴィ限定のクラフトビールを生産&販売しているのです。


この店のビールは、店名そのままのAlkhanadze(アルハナゼ)という銘柄。
ラガータイプとアメリカンペールエールタイプの二種類のビールが売られており、いずれも一般的なビールではなく、クラフトビールに分類されるものです。
店内ではボトル詰めされたアルハナゼビールやおつまみ用の魚の干物などが売られていますが、この店の素晴らしい点が生ビールをペットボトルに注いで量り売りしてくれることです。

ラガータイプなら1Lで4GEL(=¥200)/アメリカンペールエールタイプなら1Lで5GEL(=¥250)と、クラフトビールとは思えない低価格なのも嬉しい点。
店内には飲食スペースはないため、ビールやつまみは持ち帰り専用となるのがなんとももったいないような気がします(注ぎたて生ビールをグラスでクイッといきたいタイプ)。


そんなわけで、のぶよはもちろんラガーとアメリカンペールエールのいずれにも挑戦しました。
どちらもクラフトビールならではのホップ強めな味わいですが、そこまで主張が激しいわけではないので、万人受けする味わいだと思います。
テラヴィの市内観光で乾いた体を潤すには、これ以上ぴったりな場所はないBrewery Alkhanadze。
バスステーションからもほど近い場所にあるので、テラヴィ近郊の見どころに日帰りトリップした帰りに立ち寄って、晩酌用ビールを購入するのにも便利です(のぶよはまじでテラヴィ滞在中毎日ここに行っててだいぶ常連)。
⑧絵に描いたようなローカル食堂の絶品ヒンカリ!Mimino

「せっかくの美食の町、レストランだけじゃなくてローカル食堂にも挑戦してみたい!でもあまりにディープな雰囲気のところはちょっと…」という旅行者のみなさん、ご安心を。
テラヴィには④Madlianiや⑪謎の場末食堂など、初心者泣かせのとてつもないディープな食堂もありますが、ちゃんとローカル感がありながらも利用しやすい絶妙なバランスの食堂だってちゃんとあります。
それが、テラヴィのバザールから徒歩5分ほどの住宅街の一角にあるMiminoという店です。【マップ 赤⑧】


入口こそ分かりにくく、やや入りにくいような感じもしますが、店内はかなり明るく清潔な感じ。
ジョージアのローカル食堂の中では、群を抜いて初心者でも利用しやすい雰囲気だと思います。
しかしながら、いくら利用しやすい雰囲気とはいえ、やっぱりMiminoはローカル御用達の店。
外国語でメニューを書く需要など存在しないため、メニューは手書きのジョージア文字オンリーです。▼

読めない場合は、店のおじさんが(ジョージア語orロシア語で)説明してくれるので、ヘルプを求めましょう。
のぶよがとりあえず注文したのが、おじさんおすすめのボズバシとヒンカリです。▼

すでに④Madlianiの項で紹介したボズバシは、牛のダシをベースに肉団子を具にしたスープ料理。
ここMiminoのボズバシもとても美味しく、あっさりしていながらも深みのある牛ダシの味わいが絶品です。
しかしながら、「ボズバシならここ!」と絶大な支持を受ける④Madlianiのボズバシを知ってしまっているのぶよにとっては、あの店で受けたほどの衝撃は感じませんでした。
いっぽうで、ここMiminoで感動したのが、ヒンカリのあまりの美味しさ。
こうしたローカル食堂系のヒンカリというのは、基本的に美味しくない場合が多いのですが、Miminoのヒンカリは衝撃的でした。

ヒンカリは皮から店内で手作りされているそうで、生地の薄さはおそらくテラヴィでNo.1。
具の挽き肉はなんとほぼ豚肉100%という絵に描いたようなテラヴィ風ヒンカリで、ほろっほろ挽き肉は豚肉ならではの脂の風味とジューシーさがもはや天国です。
塩気もあっさり控えめであるため、ちゅるちゅる薄皮の風味と具の挽き肉の旨味が最大限に感じられるのも◎
自宅から鍋を持参した近所の人がヒンカリを数十個単位でお持ち帰りしている姿もちらほら見られるほどで、ここのヒンカリはかなり評判なのだと思います。

のぶよ的には、②Cafe Mogonebaと⑫Meidaniとともに、ここMiminoは間違いなくテラヴィ三大ヒンカリ店の一つ。
テラヴィで最薄のちゅるちゅる生地と、豚挽き肉の美味しさという面では、ここがトップかもしれません。
ほど良いローカルな雰囲気も、絶品のヒンカリも素敵なMimino。
こうしたローカル食堂には珍しくどの料理もあっさりした味付けなので、ジョージアのローカル食堂の味初心者にも強くおすすめしたいです!
⑨テラヴィで一番のシャウルマ!Tornikes Shaurma

ジョージア他都市とは異なり、テラヴィはファストフード店やベーカリーがあまり多くない町。
美食の町ならではのプライドのためなのかは分かりませんが、「サクッと気軽にお腹いっぱい食べる」という感覚があまり強く根付いていないような気もします。
そんなテラヴィにおいて旅行者の救世主となる店が、Tornikes Shaurma。【マップ 赤⑨】
バザールやバスステーションがあるエリアの端に位置しており、わざわざ観光客が通ることはない場所にあります。
…断言しましょう。
この店がテラヴィで一番美味しい、もしかしたらジョージア全国でも5本の指に入るかもしれない、激うまのシャウルマ店です。

Tornikes Shaurmaの店内はテーブル席が3席あるだけの小さなもの。
シャウルマの肉は豚肉のみで、サイズによって9GEL~18GEL(=¥450~¥900)まで選ぶことができます。
肉の美味しさも、野菜の新鮮な味わいも、生地の巻き方も、とにかくここのシャウルマは全てがパーフェクト。
ファストフードという扱いのシャウルマですが、実は店によって結構クオリティーにばらつきがあり、意外と奥が深い料理なのです。
ジョージアあるあるの「ケチャップとマヨネーズがべっちゃべちゃで肉の味わいが感じられないシャウルマ」とはもはや別次元で、ソースの量はかなり少なめ。
肉自体の美味しさと香ばしさが存分に感じられ、少しアルメニアのシャウルマに近い味わいです。

▲Tornikes Shaurmaにおけるのぶよおすすめの食べ方が、卓上に置かれたざくろのソースをかけてかぶりつくこと。
すでに肉の美味しさが100%感じられるシャウルマに、ざくろソースの甘味と酸味が加わり、芳醇な風味をさらに引き立ててくれます。
⑩ヨーロッパ料理もジョージア料理も美味しい!Bravo

テラヴィの中心部で、気取らぬ雰囲気でちゃんとしたものが食べたい人におすすめなのが、Bravo。【マップ 赤⑩】
レストランというよりもカフェという感じの小さなお店で、ストリート沿いの気持ちの良いテラス席が名物となっています。


Bravoのメニューはとにかく種類が豊富なのが特徴的。
ジョージア料理の定番駅はもちろん、ハンバーガーやヨーロッパ風の料理、果ては寿司まで完備しています。▼







正直、ジョージアの飲食店で寿司がメニューの一部にあるような店は正直避けるべきなのですが、ここBravoなら大丈夫。
寿司はまあおそらく美味しくないだろうとは思いますが、それ以外の料理はかなりクオリティーが高く、驚くほどにリーズナブルなのです。

▲のぶよが注文したのは、豚肉とじゃがいものグリル「オジャフリ」。
一般的に、オジャフリはジョージア西部地域のものが圧倒的に美味しく、テラヴィが位置するジョージア東部地域のオジャフリは総じて美味しくないのが定説ではあるのですが、「美食の町テラヴィなら東部でも美味しいのでは…?」と淡い期待とともに注文してみました。
その結果は、まさに大勝利。
テラヴィあるあるのあっさりとした味付けで、豚肉本来の風味が最大限に活かされた絶品でした。
何よりも驚いたのが、この店のオジャフリにはニンニクが全く使用されないこと。
「オジャフリ=ニンニクが命」だと思っていたので、この超絶あっさり風味の素材の味重視オジャフリにはびっくりしました。

オジャフリなどのジョージア料理はもちろん、ハンバーガーなど他のメニューもリーズナブルなのにかなりクオリティーが高そう(隣の席の人が注文していて、見た目と香りからして絶対に美味しいバーガーだった)。
市内観光の途中に立ち寄るのにとても便利な立地にありますし、テラヴィ滞在中に何度も通って色々食べてみたくなる素敵なお店です。
⑪テラヴィで一番のディープ空間!謎の場末食堂

テラヴィに点在するローカル食堂系をすでにいくつか紹介しましたが、その最高峰と言えるディープ感を放つ店が謎の場末食堂。【マップ 赤⑪】
バザールやバスステーションがあるエリアの裏通りでひっそりと営業しており、看板も出ておらず店名すら謎という、世界遺産のような食堂です。


テラヴィはローカル食堂であっても、ある程度店内の雰囲気にこだわりが見られたりするものですが、この食堂は完全なる場末な雰囲気。
外観も店内も、段ボールに殴り書きされたメニューも、とにかくこの空間を構成する要素の全てが果てしないディープな空気を演出しています。

場末食堂のメニューは「THE・ジョージアのローカル食堂」といった感じの品揃えなのですが、一つ見慣れないものが。
「ビトキ」と書かれたその謎のメニューを注文して見ると、真っ赤な煮汁に大きな肉団子がぷかぷかと浮かぶ不思議な料理が提供されました。
ぱっと見では、すでにいくつか紹介したカヘティ地方の郷土料理「ボズバシ」のように見えますが、ビトキの味わいはボズバシとは似て非なるものでした。
あっさり牛ダシベースのボズバシに対して、ビトキはトマトとパプリカ、そしてたっぷりの青唐辛子がベースとなっており、かなり濃厚な質感かつはっきりとした味付け&ガツンと来る辛みが最大の特徴です。


ひとことで言うなら、ビトキはジョージア料理には珍しいタイプの味わい。
発祥や由来は完全に謎ではあるものの、地理的&歴史的にカヘティ地方と深い関わりがあるアゼルバイジャン料理の影響を受けているのかもしれません(誰か詳しい人はいないだろうか…)。
そんなわけで、未知のグルメに出会えて大満足となった場末食堂。
店のおじさんおばさんも柔らかな態度で外国人でもウェルカムな感じなので(言葉はまったく通じないけれども)、勇気を出して利用してみてはいかがでしょうか。
⑫リーズナブルで美味しいテラヴィ一番の神対応店!Meidani

テラヴィの飲食店の従業員は「美食の町」としてのプライドなのか、ちょっとツンケンした態度の人が多いのが特徴的。
お世辞にも対応が良いとは言えない店が多く、味は良いのにサービス面がいまひとつ…という場合がかなり多いです。
そんな気難しいテラヴィにおいて、味良し&サービス良し&リーズナブルな価格というオアシスのような店が、Meidani。【マップ 赤⑫】
中心街のメインストリート沿いという絶好のロケーションにあるのですが、とにかく入口がわかりにくいためか、「穴場」といった雰囲気が強いです。


なんとも主張の弱い入口から地下へと階段を下ると、そこには結構広めの飲食スペースが。
煉瓦造りの壁と白い天井を基調にしたモダンな空間ですが、謎のブルーライトとバーカウンターの存在が、どうしても拭いきれないソ連的なセンスを感じさせます。


とまあ、雰囲気的にはやや微妙なセンスではあるものの、店のおばさんたちの態度の柔らかさはおそらくテラヴィで一番。
テキパキとメニューを持ってきてくれ、注文を取りに来るタイミングも早すぎず遅すぎずの完璧なものでした。
そして、Meidaniのメニューは全体的にテラヴィ平均よりも安め。
食堂価格と言っても過言ではないほどで、下手にローカル食堂へ行くよりも安く済むかもしれません。▼




メニューは結構豊富で何を食べようか迷ってしまいますが、Meidaniの看板メニューと名高いのはヒンカリ。
実際、のぶよが訪問した際には、事前に注文しておいた大量のお持ち帰り用ヒンカリを取りに来る地元民の姿が多く見られたほどで、熱烈な支持を受けていることがわかります。
そんなわけで、ここはやっぱりヒンカリを食べることに。
笑顔が素敵な店のおばさんに注文してから10分もせずに、注文した二種類のヒンカリが到着しました。

▲Meidaniには数種類のヒンカリがありますが、中でも評判が高いのがこちらのナドゥギス・ヒンカリ。
「ナドゥギ」とはジョージア全国で食されるカッテージチーズのことで、塩気控えめの芳醇な味わい&ふわっふわした食感が特徴です。
そんなナドゥギを生地で包んで茹でたのが、このナドゥギス・ヒンカリ。
どうやらテラヴィの名物料理の一つだそうで、どこのお店のメニューにもあります。
そのお味は、まさに衝撃的なものでした。


ちゅるちゅるともっちりが同居する絶妙な薄さの生地の中には、溢れ出んばかりに大量に詰められたナドゥギ。
「ギー」と呼ばれるバターを作る際にできる上澄みの液体をかけて食べるのが流儀だそうで、芳醇さと濃厚さがさらに増して、もはや口内は天国になります。
そして、ナドゥギス・ヒンカリ以上に感動したのが、一緒に注文していたモヘヴリ・ヒンカリ(=山岳地域風の挽き肉ヒンカリ)でした。
完璧な質感の生地の中には、旨味がぎゅっと詰まった新鮮な挽き肉と、肉汁スープがたっぷり。
テラヴィのヒンカリ界においては若干厚めの生地に合わせてなのか、挽き肉の味付けはややしっかり目にされています。▼

ここのヒンカリでとにかく素晴らしいのが、生地の厚みと具の塩気が絶妙にマッチしている点。
生地があと少し薄くても、塩気があと少し弱くても、この美味しさにはならないはずです(もしこれを計算した上で調理しているのであれば、ものすごいことだと言えるかも)。
テラヴィのヒンカリは概して味付けがあっさり目で「具の挽き肉の美味しさを楽しむためのもの」といった感じ。
いっぽうで、しっかり目に味付けされたMeidaniのヒンカリは「具の美味しさと生地の美味しさを同時に楽しむためのもの」といった感じがします。
全体的なバランスが良い②Cafe Mogonebaのヒンカリと、生地の薄さが特徴的な⑧Miminoのヒンカリに並び、Meidaniは文句なしのテラヴィ三大ヒンカリ店。
濃い目の味付けが好みの人やビールのお供にヒンカリを食べたい人にとっては、おそらくMeidaniのヒンカリがNo.1かもしれません。
おわりに
ジョージアが誇る美食の町・テラヴィのレストランや食堂、グルメスポットをどどんと紹介しました。
いやあ、もう本当に驚いたのですが、正直テラヴィがこんなに食文化が発達している町であるとは夢にも思っていませんでした。
よくよく考えてみると、人口二万五千人という規模からは考えられないほどにテラヴィにはレストランの数が多いですし、全体的に「ハズレの店」を引いてしまう確率がジョージア他都市に比べてかなり低いと思います。
観光のついでに立ち寄れる雰囲気が良いお店から、気軽に入れるカフェタイプの店、絵に描いたようなローカル食堂まで…
予算や好みに合わせて店選びができる点も、ジョージア地方部の小都市においては珍しいことだと言えるでしょう。
テラヴィにはおそらくまだまだ隠れた名店がいくつもあるはず。
再訪時に新しいおすすめ店を発見したらその都度追加していきますし、もし本記事内の店を全制覇したという「美食の町マスター」な人がいたなら、ぜひぜひご連絡を!
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