こんにちは!ジョージア滞在も1年、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
当ブログの新企画・「トビリシローカルさんぽ」の第七回。
トビリシ中心街からもほど近いマルジャニシュヴィリ地区(Marjanishvili)を散策していきます!
19世紀初頭(200年前)にこの町にやってきたドイツ人が集まってできたエリアで、当時の面影を残すヨーロッパ調の建物が連なる優雅な雰囲気が特徴的。
いっぽうで、裏道に入ると安定のトビリシ的なローカル感が漂っているのも見逃せません!
ソ連時代の工場を再開発し、若者に人気のスポットとなった「ファブリカ」もあり、トビリシの流行の発信地の一つとして注目が集まりつつあります。
1600年の歴史を持つ、ジョージアの首都・トビリシ。
「トビリシローカルさんぽ」とは、この町に滞在して1年となったのぶよが市内10エリアを散策するもの。
歴史スポットやローカルな見どころ、おすすめのお店などを紹介していくユルめな企画です。
どの散策コースも所要時間は2時間~4時間ほど。
・時間が空いたときにサクっと散策
・複数のコースを組み合わせてガッツリ散策
など、トビリシに長期滞在する人向けの情報たっぷりです!
マルジャニシュヴィリ地区さんぽコースの概要
マルジャニシュヴィリ地区散策は、メインストリートであるダヴィット建設王通り(Davit Aghmashenebeli Ave.)沿いがハイライト。
150年前~200年前に造られたヨーロッパ調の建物が連なる風景は、観光客にも人気となっています。
いっぽうで、メインストリートから一歩裏路地に入ると、一気にローカル感が増すのもこの地区の面白い点。
のぶよが「裏マルジャニ」と勝手に読んでいるこのローカルなエリアにも足をのばします。
裏マルジャニを代表する見どころの一つが、「ファブリカ」と呼ばれる複合施設。
ソ連時代の紡績工場が、若者や外国人が多く集まる複合施設として生まれ変わったものです。
マルジャニシュヴィリ地区は中心街にもほど近い&交通の便も良いことから、トビリシに移住してくる外国人にも人気の居住エリア。
活気のある商店街やローカルな穴場レストランも数多く、できればお腹を空かせていくのがおすすめです!
ダヴィット建設王通り周辺
今回のさんぽコースのスタート地点となるのが、地下鉄1号線ステーション・スクエア駅。
マルジャニシュヴィリ駅からのスタートでも良いのですが、一筆書きのようにぐるりと見どころをまわるなら、ステーション・スクエアスタートの方が効率的だと思います。
▲ステーション・スクエア駅から西に500mほど歩いたところの交差点から南にのびるのが、ダヴィット建設王通り。
マルジャニシュヴィリ地区のメインストリートです。
交差点からさらに西に進んでタマル女王橋を渡ると、ヴェラ地区へと至ります。
マルジャニシュヴィリ地区さんぽとヴェラ地区さんぽと組み合わせるのも良いかも。
2地区をセットで歩いても、所要時間は4時間ほどです。
交差点からダヴィット建設王通りに入ってすぐのところにあるモザイク画をお見逃しなく。
通りの名前にもなっているダヴィット建設王(ダヴィット4世)が描かれたものです【地図①】▼
「ダヴィット建設王(ダヴィット4世)」とは、11世紀~12世紀(約900年前)に活躍した当時の国王。
南コーカサス一帯を中世グルジア王国の領土とした「黄金時代を築き上げた人物」で、アカデミーや修道院などさまざまな施設を建設したことで知られています。
現在でも多くのジョージア人が誇りに思う人物の一人なので、覚えておくと良いかも。
モザイク画から先は、マルジャニシュヴィリ地区を象徴するヨーロピアンな建物が並ぶ優雅な雰囲気。
建物のディテールの装飾にまでこだわりがみられます ▼
マルジャニシュヴィリ地区が開発された19世紀初頭は、ジョージア全体がロシア帝国の支配下になった頃で、比較的安定した時代でした。
当時の先進国であったロシアの芸術や文化が多く流入し、文化面の発展が一気に進んだことが、こうした建築にも表れているように思います。
途中で休憩していくのにおすすめなのが、ジャンスグ・カヒジェ公園【地図②】▼
マルジャニシュヴィリ地区はトビリシの他の地区に比べると緑地が少なめ。
こうした小さな公園には家族連れなど多くの人が集まります。
メインストリートからすこしそれるものの、ぜひ立ち寄りたい場所が、カズベキビール工場【地図③】▼
「カズベキビール」とは、ジョージアが誇る国産ビール銘柄の一つで、キレのあるドライな風味が外国人の間でも人気が高いです。
このビール工場の2階部分にはローカル民が集まるビアガーデンがあり、一杯70円ほどでキンキンに冷えた生ビールを味わうことができるのです!
また、生ビールをペットボトルに詰めて売るコーナーも。
ここでビールをお持ち帰りして公園や川沿いで酒盛り…!
は、トビリシの地元民の人に一番人気のアクティビティーかもしれません(笑)
ビアガーデンではビールだけでなくフードも提供しており、ジョージア料理の基本的なメニューが揃っているのも魅力的。
夏にマルジャニシュヴィリ地区を散策するなら、もう立ち寄らない手はありませんね!
ビアガーデンに立ち寄ったら、ふたたびメインストリート方面へ戻りましょう。
それまでの整然とした通りが一気に開けるのがマルジャニシュヴィリ広場【地図④】です▼
さんぽのゴール地点となる地下鉄マルジャニシュヴィリ駅があるのもこの広場。
広場の周囲は優雅なたたずまいの建物に囲まれていて、多くの人が行き交います。
マルジャニシュヴィリ広場から西に向かって歩いてすぐの場所にあるのが、のぶよがおすすめする古本屋【地図⑤】▼
働き者のおじさんが経営している小さな古書店で、雑然と積み上げられた本の数々とレトロな店内装飾が良い味を出しています。
「どこかで拾ってきたのでは?」と勘繰ってしまうほどにボロボロの本から、数十年前の雑誌や古新聞まで…
ありとあらゆるものが売られており、掘り出し物を探すのも面白いかもしれません。
古本屋から次の見どころであるライオン橋までは300mほど。
マルジャニシュヴィリ地区らしい、お洒落な建物が連なります▼
そうしてたどり着いたのが、クラ川に架かるライオン橋【地図⑥】▼
マルジャニシュヴィリ地区とルスタヴェリ地区を隔てる橋で、これを渡ると地下鉄ルスタヴェリ駅は目と鼻の先です。
のぶよ的にはこのあたりの川沿いの風景は、若干パリのセーヌ川沿いに似ているような気がしないでもないのですが、考えすぎでしょうか(笑)
ここからルスタヴェリ駅方面に抜けることも可能ですが、今回はマルジャニシュヴィリ地区をさらに南へと歩いていきます。
ライオン橋から次のポイントであるローズ・ガーデンまでの裏道にはストリートアートがたくさん。
ローカル感と見事に融合した秀逸なものも多いです。
ふたたびメインストリートのッダヴィット建設王通りまで戻ってきたら、ローズ・ガーデンはすぐそこ【地図⑦】▼
その名の通り、バラが多く植えられた比較的大きな公園ですが、花の季節以外はやや寂しい雰囲気。
バラ公園の奥には”Greenema”と呼ばれる映画館があります▼
“Green”(緑)と”Cinema”(映画館)を合わせた造語(微妙なセンス)だと思うのですが、公園の奥にたたずむ真っ白な建物自体はとても美しいです。
ローズ・ガーデンを抜けてメインストリートに戻った場所にあるのが、ソ連時代のモザイク画【地図⑧】▼
かなり巨大でオレンジを基調としたカラフルな作品は、隠れた人気スポット。
ソ連芸術あるあるなのですが、何を表したアート作品なのか誰にも見当がつきません(笑)
現在では1階部分がスポーツジムなどが入った複合施設になっています。
ソ連モザイク画を鑑賞したら、メインストリートをさらに南へと歩いて行きましょう。
200mほど進んだあたりから車の進入ができない歩行者専用ストリートに変わります【地図⑨】▼
長い間再開発が行われていたストリートですが、近年再オープンした後は観光客に大人気のストリートとなっていました。
ヨーロッパ調の建物に、トビリシらしいテラスが点在する風景や、オープンテラス席を持つ観光客向けレストランなどが点在している華やかな雰囲気の通りでした。
が…。
2020年のコロナウイルス流行&長期間のロックダウンにより、実に9割以上のお店が潰れてしまったのです。
規制緩和後に歩いてみたのですが、営業しているお店はたったの3軒。
それ以外は貸店舗となっていたり、完全に放置された状態となっていました。
今後、ふたたび多くの人が戻ってきて華やかな雰囲気を取り戻せるのかどうか…
現状では何とも言えないと思います。
華やかなのに寂しさしか漂っていなかった歩行者専用ストリートを一番南まで行くと、ザールブリュッケン広場にぶつかります【地図⑩】▼
ドイツ人が多く住んでいたマルジャニシュヴィリ地区の歴史を象徴するように、ドイツにある同名の町の名を冠する小さな広場です。
ここから橋を渡ると、ドライブリッジ・マーケットやリバティー・スクエア方面へと抜けることができますが、今回は「裏マルジャニ」エリアへと歩を進めていきます。
マルジャニシュヴィリ地区のおすすめレストラン
マルジャニシュヴィリ地区のメインストリート・ダヴィット建設王通り沿いのおすすめのレストランがMapshalia(მაფშალია)。
地元民はもちろん、トビリシ在住の外国人の間では知らぬ者はいないほどの有名なお店です。
その理由が、「トビリシで最も安く食事ができるレストラン」の一つだと言われるため。
メニューはどれも、トビリシの一般的なレストランの半額ほどの値段。
その代わりに量はやや少なめなものの、そもそも一般のレストランで提供される量が尋常ではないので、のぶよ的にはこれくらいでちょうど良いと思います。
また、このお店のオーナーはジョージア西部のサメグレロ地方の出身だそうで、メニューの大半はサメグレロ地方の名物料理が占めているのもポイント。
家庭的なサメグレロの味を格安で味わえるレストランは、トビリシ広しと言えどもここくらいなのではないかと思います。
メインストリートとは異なる雰囲気!「裏マルジャニ」エリア
「マルジャニシュヴィリ地区=ヨーロッパ調の町並みのお洒落エリア」と思う人が多いのですが、それだけではありません。
先ほどまで歩いてきたメインストリートの東側にもエリアは広がっており、信じられないほどのローカルな雰囲気が残っているのです。
この一帯には正式な呼び名がないようなので、のぶよは「裏マルジャニ」を推したいと思います(笑)
裏マルジャニには特に見どころがあるわけではなく、その素朴なローカル感を満喫しながら散策するのがおすすめ。
今回のさんぽコースのゴールであるマルジャニシュヴィリ駅がある北方向へ、のんびり歩いて行きましょう。
裏マルジャニエリアで忘れずに立ち寄りたいのが、ファブリカ【地図⑪】▼
ソ連時代に紡績工場として建造された巨大な建物を利用した多目的スペースといった感じで、ホステルやカフェ、レストランなどが併設されています。
ファブリカで絶対に見ておきたいのが、広々とした中庭▼
ボヘミアンでカラフル、ちょっとレトロといった、「新しいトビリシ」をギュッと詰め込んだような空間になっています。
屋内部分はノマドワーカーに人気のカフェ兼コワーキングスペースとなっています。
ファブリカの敷地内には何とラーメン屋まであり、特に外国人に人気なよう。
のぶよも一度食べたことがあります。
近年のジョージアブームや新しいスタイルの仕事スタイルなどを象徴するスポットとして注目を集めているファブリカ。
ホステルも併設しているので、トビリシ観光・滞在の拠点とするのも良いかもしれません。
ファブリカの見学を終えたら、ゴールであるマルジャニシュヴィリ駅方面へと歩いて行きましょう。
途中にある聖アレクサンドル・ネヴァ教会に立ち寄るのもお忘れなく【地図⑫】▼
トビリシではあまり見かけることがないロシア正教の教会の一つで、玉ねぎ型のドーム屋根が特徴的です。
教会からゴールとなる地下鉄駅までは、コテ・マルジャニシュヴィリ通りを西に歩いていきます【地図⑬】▼
マルジャニシュヴィリ地区に住む地元の人達が日々の買い物に利用するローカル商店街のような雰囲気の通り。
「裏マルジャニ」を象徴するような素朴な風景があちこちに残っています。
常に多くの人が買い物に出ていて、歩くたびに新しい発見があるのも楽しいコテ・マルジャニシュヴィリ通り。
のぶよも大好きなストリートでよく足を運びます。
ヒンカリ(ジョージア風小籠包)が好きな人にぜひおすすめしたいのが、コテ・マルジャニシュヴィリ通り沿いにあるこちらのお店 ▼
小さなお店の中ではお姉さんたちがヒンカリやペリメニ(水餃子)などを一つ一つ手作りしており、包みたての生のものを購入できるのです。
(ヒンカリやペリメニはほとんどが冷凍販売されているもので、生で販売しているのはレア)
冷凍のヒンカリも美味しいのですが、生ヒンカリは皮のチュルチュル感も餡のジューシーさもケタ違いの美味しさですよ!
おわりに
ヨーロッパ調のお洒落な雰囲気も、裏通りのローカルな雰囲気も魅力的なマルジャニシュヴィリ地区を散策しました。
地元の人に愛される小さなレストランや昔ながらの商店が点在しているエリアでもあるので、何度通ってもきっと新しい発見があるはず。
トビリシ中心街から橋を隔ててすぐの場所にあるので、他のエリアと組み合わせて散策するのもおすすめです!
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