こんにちは!トルコ南部の地中海沿いを北上中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
トルコ南部のアンタルヤとフェティエの間の地中海沿いは、「ターコイズ・コースト」や「トルコのリビエラ」と呼ばれる美しい風景が続くエリア。
その名の通り、どこまでも青い海に沿って「リュキアの道」と呼ばれる500km以上も続くトレッキングコースが整備されており、世界で最も美しいトレッキングコースの一つと賞賛されています。
アウトドアに興味がない人にとっても、海沿いの美しい町や古代遺跡など、多くの見どころが点在しているリュキアの道。
今回紹介するミラ遺跡とカシュもそのうちの一つです。
2500年以上前にこの地に居住していたリュキア人の岩窟ネクロポリスが名物のミラ遺跡は、観光客が少ない穴場の遺跡。
規模は小さいながらも素晴らしい保存状態の遺跡が残されており、ローマ帝国支配以前からこの地にあった文明について知ることができます。
ミラ遺跡近郊のカシュ(Kaş)は、ギリシャとトルコが融合したような、カラフルでポップな旧市街が魅力的な町。
すぐ目の前にはギリシャ領のカステロリゾ島が見え、開放的なシーサイドの風景が素晴らしいです。
今回の記事では、ミラ遺跡とカシュそれぞれの見どころと個人でのアクセス方法を解説します。
それぞれの距離も近いので、移動がてら一日でまわることも可能です。
圧巻の岩窟ネクロポリス!ミラ遺跡の歴史と見どころ
カシュとオリンポスの中間に位置するデムレ(Demre)中心街の北2kmほど。
切り立った岩山の麓にあるのがミラ遺跡(Myra Antik Kenti)です。
紀元前5世紀に遡る歴史を持つミラは、周辺の都市国家同様にアケメネス朝ペルシア、マケドニア王国、プトレマイオス朝エジプトと、常に大国の支配下にありました。
紀元前2世紀にはヘレニズム文化が入ってくるのとともに、都市国家としての性格が強まり、周辺の都市国家と合わせてリュキア同盟を結成します。
ローマ帝国にも認められ、ある程度の自治権を保持していたミラ。
遺跡内のハイライトとなるリュキア人のネクロポリスはこの時代のものです。
その後、ローマ帝国統治の下で町は発展し、かつてあったヘレニズム風の円形劇場の上にローマ式の円形競技場が建設されました。
4世紀のテオドシウス帝の統治時代にはリュキア地方の首都として発展し続けたものの、その後13世紀に起こった洪水により土に埋もれてしまいます。
研究・発掘作業が開始されたのは2009年とごく最近のこと。
現在のところ、リュキア人の岩窟ネクロポリスと円形競技場しか公開されていないものの、この先新しい遺跡が発見される可能性も十分に考えられる場所です。
インフォメーション
ミラ遺跡
営業時間:8:00〜19:00 (冬季〜17:00)
料金:36TL(=¥657)
円形競技場
ミラ遺跡にある円形競技場は、1万人収容可能なこの地域で最大規模のもの。
保存状態も比較的良く、かなり見ごたえがあります。
ミラ遺跡の円形競技場を特徴づけるのが、かつて柱などに施されていた独特の装飾。
鷲やライオン、メデューサなどの精巧な装飾が現在でも残されているのです。
リュキア人のネクロポリス
ネクロポリスとは、死者を埋葬する場所のことで、ギリシャやローマ帝国時代の遺跡の多くに見られるものです。
しかし、ミラ遺跡のネクロポリスはかなり独特。
遺跡の背後にそびえ立つ切り立った岩山の斜面を利用して、石の棺を収めるための建物が作られているのです。
ほぼ垂直に近い断崖絶壁に数十の墓が連なる光景は圧巻。
この独特のネクロポリスはリュキア人が居住していた地域で見られるもので、2500年前の彼らの文化を知る手がかりとなっています。
どの建物も、正面に正方形がいくつか並んだデザインなのは共通なものの、細かな装飾や大きさは異なります。
これは、埋葬された人の身分によって変わったとされており、装飾だけでなく墓の場所にも影響したそう。
墓の位置が高ければ高いほど、身分が高かったということなのでしょう。
現在でこそ、ネクロポリスの建物は白い岩そのままのように見えますが、当時は赤・青・黄色とカラフルな色が塗られていたそう。
ほんの少しだけその名残が見られる墓もあります。
ミラ遺跡への行き方
ミラ遺跡観光地図
黄色:デムレのオトガル
青:ミラ遺跡
ミラ遺跡観光の拠点!デムレのオトガル
ミラ遺跡があるのはデムレ(Demre)という町。
中心街のオトガルからは、アンタルヤ方面、カシュ方面のいずれにもバスが走っているものの、フェティエからの直行バスはなく、カシュで乗り換える必要があります。
(ハイシーズンにはアンタルヤ~フェティエ間の海岸沿いを走る路線もあるそうです。)
デムレのオトガル(バスターミナル)からミラ遺跡までは、平坦な道を2kmほど。
徒歩20分の道のりです。
歩きたくない場合には、オトガルで客待ちしているタクシーを利用するのも手です。
ミラ遺跡時代はかなり小さく、見学自体は1時間ほど見ておけば十分。
オトガルからの往復を合わせても、所要時間は2時間ほどです。
デムレのオトガル内の商店では、無料で大きな荷物を預かってくれるサービスがあります。
商店横のボイラー室を利用する形になるのですが、移動がてらのミラ遺跡観光には嬉しい限りです。
アンタルヤ方面〜デムレ間のアクセス
アンタルヤのオトガル(バスターミナル)から1時間に1本出ているカシュ行き(便によってはカルカン(Kalkan)行きに乗ります。
アンタルヤ〜デムレ間
所要時間:3時間
料金:30L(=¥546)
途中のオリンポス(Olympos)からミラ遺跡へのアクセスは、幹線道路沿いのオリンポス交差点までミニバス(7.5TL)で行き、上記のカシュ(カルカン)行きのバスに途中乗車します。
オリンポス交差点〜デムレ間
所要時間:1時間半
料金:20TL(=¥365)
カシュ方面〜デムレ間のアクセス
デムレ〜カシュ間も、1時間に1本走っているアンタルヤ〜カシュ間のバスを利用します。
カシュ〜デムレ間
所要時間:40分
料金:11TL(=¥200)
さらに西のフェティエへ向かう場合は、カシュでバスを乗り換える必要があります。
(後述しています)
公共交通手段を使ってのアクセスに不安がある人や、周辺の見どころもあわせて効率良くめぐりたい人におすすめなのが現地ツアー。
アンタルヤから最高しており、ミラ遺跡だけでなく近郊のケコヴォ島にも一日で訪れることができます。
ポップで開放的なシーサイドタウン!カシュの見どころ
ミラ遺跡の西50kmほどの場所にあるカシュ(Kaş)は、リュキアの道のちょうど真ん中に位置する町。
小さな町ながらも、夏場は多くのリゾート客でにぎわう場所です。
すぐ目の前にはギリシャ領の島々が見え、国境を越えてデイトリップするのも可能なほど。
町の雰囲気もトルコというよりもギリシャ風で、カラフルでポップな可愛らしい家々が建ち並びます。
旧市街
カシュの旧市街は、港近くに広がる小さなエリアに可愛らしい家々が連なるエリア。
のぶよが訪れた12月は完全なるオフシーズンで、通りには人影はかなり少なく閑散としていました。
家々の扉や壁にはカラフルなデコレーションが施され、照り付ける太陽の光も相まって、雰囲気は完全にギリシャの島のよう。
ほとんどのレストランやバーは閉店していて活気はなかったものの、逆にカシュ本来ののんびりとした空気が感じられました。
マリーナ周辺
旧市街を散策した後は、カシュのマリーナ周辺を散策してみましょう。
ターコイズブルーの海の色がとても美しく、小さなビーチもあります。
マリーナには、周辺の島々やギリシャ方面へと向かうデイトリップ用のボートが停泊しており、バケーション先としてのカシュの顔が垣間見られます。
マリーナを取り囲む防波堤の先端には真っ白な灯台があり、この周辺から眺めるカシュの町並みは、「トルコのリビエラ」の呼び名にふさわしい優雅なものです。
リュキア人の遺跡
現在でこそ有名なバケーション先として多くの観光客がやってくるカシュですが、その歴史はかなり古く、周辺の都市国家と同様にリュキア人が居住していた跡の遺跡が残っています。
アンティフェロスの円形劇場
かつてはアンティフェロス(Antiphellos)と呼ばれたカシュ。
現在町に残る遺跡の中で最も素晴らしいのが、中心街の西に位置するアンティフェロスの円形劇場です。
4000人収容の円形劇場は、紀元前1世紀のヘレニズム時代に建設されたもの。
その後町を襲った地震によって壊滅的な被害を受けたものの、2世紀頃に再建されたと考えられています。
王の墓
旧市街の東端にひっそりとたたずむのが、王の墓(Kral Mezarı)と呼ばれるリュキア人の石棺。
紀元前4世紀のもので、棺の正面の正方形の模様などに典型的なリュキア人の装飾スタイルが見られます。
カシュは、周辺の観光スポットへのアクセスの拠点としてかなり便利なロケーション。
古代リュキアの首都であるキサントス遺跡、トルコ最長のパタラビーチ、透き通った海がまぶしいケコヴァ島など多種多様な見どころをめぐる現地ツアーが充実しています。
値段もかなりリーズナブルで、効率良く観光スポットをまわれるのは大きな魅力です。
国境を越えて、すぐ目の前のギリシャ領の島にデイトリップすることだって可能!カシュ滞在の楽しみ方は無限大です。
カシュへの行き方
アンタルヤ〜フェティエ間の海岸沿いを走るリュキアの道のちょうど中間に位置するカシュ。
いずれの町へもバスでアクセスでき、周辺の小さな町へのミニバスも出ているので便利です。
カシュのオトガルには、荷物預かりサービスはありません。
大きな荷物を置いて観光したい場合は、オトガル内のバス会社のオフィスの人にお願いしてみましょう。
カシュ観光地図
黄色:オトガル
青:見どころ
アンタルヤ方面〜カシュのアクセス
アンタルヤ、オリンポス、デムレなど東側からのアクセスは、アンタルヤ〜カシュ(便によってはカルカンまで行く)のバスを利用します。
30分~1時間に1本の運行で、海沿いの町を経由してカシュに到着します。
アンタルヤ~カシュ間
所要時間:4時間
料金:35TL(=¥645)
フェティエ方面〜カシュのアクセス
リュキアの道の西端に位置するフェティエ〜カシュ間は、1時間に1本のバスが走っています。
フェティエ~カシュ間
所要時間:2時間
料金:25TL(=¥456)
ミラ遺跡と組み合わせて日帰りで立ち寄ることも可能なカシュですが、周辺には他にも見どころがたくさん!おしゃれなブティックホテルやペンションも多いので、地中海の風を感じながらのんびりと滞在してみるのもおすすめです。
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おわりに
リュキアの道エリアを観光するなら是非訪れたい、ミラ遺跡とカシュの二つの場所を紹介しました。
日本ではあまり有名ではないものの、欧米人の間ではリゾートとしてかなり有名なこのエリア。
ハイシーズンはバスの本数が増えてアクセスしやすくなるものの、かなり混雑することでしょう。
のぶよが訪れた12月は、ローシーズン真っただ中。
他に誰もいないミラ遺跡は完全に独り占め状態でしたし、カシュでは本来ののんびりとした空気が感じられ、かなり満足のいく一日となりました。
個人でもミニバスで簡単にアクセスすることができるものの、まだまだ穴場感が残っているのもポイント。
周辺には他にも多くの見どころが点在しているので、トルコ旅行の際は行程に入れてみてはいかがでしょうか。
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