こんにちは!ウクライナ西部のリヴィウに滞在中で、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ウクライナにありながら、旧ソ連感を感じない町・リヴィウ。
長い間オーストリア・ハンガリー帝国の支配におかれていた歴史や、ポーランドとの国境に近いこともあって、町の雰囲気は中欧の地方都市のよう。
とても開放的な雰囲気です。
オーストリア風の優雅な装飾が施された建物の数々は、リヴィウの人々の誇りです。
第二次世界大戦中の戦火を免れたリヴィウの旧市街は、世界遺産にも登録されているほど。
とにかくどこを歩いていても絵になるフォトジェニックな街並みが、リヴィウの一番の魅力でしょう。
他のウクライナの町から来ると、まるで同じ国とは思えないほど。
ロシア語の使用率がウクライナで最も低い地域の一つであるリヴィウでは、人々はみなウクライナ語で会話をします。
独特の中欧らしい街並みと雰囲気があり、独立心の強い人々が暮らすリヴィウの観光スポットと、上手に観光するコツを紹介します。
リヴィウの観光スポット
1.リノック広場
リヴィウ旧市街の中心となるのがリノック広場です。
広場の中央には、真っ白な外壁と時計台が特徴的なリヴィウ市庁舎が堂々と立っており、その周りを4つの噴水とギリシャ神話をモチーフにした彫刻が取り囲んでいます。
広場の四方は、ヨーロッパらしい建物が取り囲んでいて、ウクライナ感はゼロ。
ポーランドの地方都市と言われた方がしっくりくるかもしれません。
2.リヴィウ市庁舎
65メートルの時計台を有するリヴィウ市庁舎は、リノック広場の中央に堂々と佇んでいます。
市庁舎内には観光案内所が併設されていて、リヴィウの観光情報を詳しく説明してくれます。
また、時計台には有料で上ることができ、リヴィウ旧市街の街並みのパノラマを見ることができます。
3.アルメニア大聖堂
旧市街にある異質な構造の教会は、アルメニア正教のものです。
円錐型の独特なつくりを持つドームと、装飾があまりされていない素朴な外観が特徴的です。
アルメニアといえば、キリスト教発祥の地と言われている場所。
世界半周中に訪れる予定の、楽しみな国の一つです。
4.ドミニコ大聖堂
バロック様式の巨大なドミニコ大聖堂は、リヴィウ旧市街東側のシンボル的存在。
特徴的なドーム型の屋根は、遠くからでも目立って見えます。
5.火薬塔
中世のヨーロッパでは、敵から町を守るために城壁が町の周りに作られました。
リヴィウも例外ではなく、旧市街東側にはその一部が現在でも残されています。
この火薬塔はかつての城壁を構成していた塔の一つ。
16世紀建造の火薬塔は、その名の通り銃の火薬や武器を保管しておく倉庫として利用されていました。
6.シナゴーグ
リヴィウ旧市街の南東部には、かつてユダヤ人が生活をしていたエリアが残っています。
このシナゴーグは、そのエリアの中心的存在。
かつてユダヤ人は、この小さなエリアの外で暮らすことを許されていませんでした。
1942年にナチス・ドイツ軍によって破壊されてしまい、現在のシナゴーグは再建されたもの。
彼らの悲しい歴史を無言で伝え続けています。
7.聖アンドレイ教会
かつてベネディクト派の修道院があったこちらの大きな建物は、現在では聖アンドレイ教会と呼ばれています。
リヴィウ旧市街の南側の入口に建っており、多くの人々がこの教会の前を通りかかる際に胸で十字を切っている姿がとても印象的でした。
8.ベネディクト修道院
リヴィウ旧市街の北、緩やかな丘の上に立つ立派なベネディクト修道院は、旧市街から少し離れているためか、人の数はまばらな穴場スポットです。
内部へは無料で入場できますが、この日はなぜか閉まっていました。
9.ハイキャッスル・ヒル
リヴィウ旧市街から徒歩30分ほど。
412メートルの丘の上にあるハイキャッスル・ヒル展望台は、地元の人たちが休日にやってくる憩いの場のような存在です。
360度のパノラマが眼下に広がり、新市街や旧市街はもちろん、その外側に広がる荒野まで一望できます。
丘の頂上はすり鉢状になっていて、なかなか上るのが大変でしたが、頂上からの絶景は一見の価値があります。
10.国立リヴィウオペラ座
ウクライナの多くの都市にあるオペラ座。
リヴィウのものは、ネオ・ルネッサンススタイルで建造された優雅な外観が特徴です。
オペラ座前の広場はいつでも多くの市民で賑わっていて、楽しい雰囲気です。
11.リヴバルニャ(ビール醸造ミュージアム)
リヴィウに来たら是非行っておくべきスポットがこちら。
ウクライナが誇る超有名ビールであるリヴィウスケを製造している工場に併設された、ミュージアム兼試飲スペースであるリヴヴァルニャです。
40UAH(=¥165)という格安な値段で、絶品のビール四種類を試飲できるのが最大の魅力。
ビールそのものの歴史や、リヴィウのビール文化について学べるミュージアム自体もとても面白いですよ。
インフォメーション
ビール文化体験センター “リヴバルニャ”
(Музейно-культурний комплекс пивної історії – Львіварня)
住所:Kleparivska St, 18, L’viv, L’vivs’ka oblast, 79000
営業時間:全日 10:00~19:00
料金:ミュージアム入場 75UAH(=¥310)、ビール4種類の試飲40UAH(=¥165)
12.聖ユーラ大聖堂
ギリシャ正教の大聖堂である聖ユーラ大聖堂は、かなり堂々とした佇まいです。
内部は比較的新しく、改装されている感じがしました。
13.ロンスキー刑務所博物館
ロンスキー刑務所は、全ての時代を通して使用された、主に政治犯を収容する小さな刑務所でした。
第二次世界大戦中にナチス・ドイツ軍とソ連が戦った独ソ戦に勝利を収めて、リヴィウを再び支配するようになったソ連。
ドイツ軍の捕虜を収容する必要があったのですが、この小さな刑務所では収容能力が限界を超えてしまいました。
そこでソ連が行ったのは、すでに収監されていた囚人たちを次々と銃殺してスペースを作るという恐るべき行為でした。
たった1週間の間に、なんと4000人もの人がここで次々に銃殺刑に処されたそうです。
ロンスキー刑務所博物館は、そんなリヴィウの悲しい負の歴史を現在に伝えています。
建物二階部分には、ソ連時代の写真の展示がされています。
自由な雰囲気あふれるリヴィウでも、数十年前は共産主義の名のもとに、このような光景が日常であったとはにわかには信じがたいです。
また、記憶に新しい2014年のウクライナ・クリミア危機によって起こった、デモ隊と政府部隊の衝突時の写真の展示もありました。
常に大国の思惑に翻弄されてきたウクライナという国の悲しい歴史を知るためにも、是非訪れておくことをおすすめします。
インフォメーション
ロンスキー刑務所博物館(Музей “Тюрма на Лонцького”)
住所:Stepana Bandery St, 1, L’viv, L’vivs’ka oblast, 79000
営業時間:10:00~13:00/14:00~19:00 (土曜・月曜休館)
入場無料
14.ポトスキー宮殿
リヴィウ旧市街から南西に広がるハリツキー地区は、18世紀のオーストリア=ハンガリー帝国支配下の時代の面影を色濃く残すエリアです。
立ち並ぶ家々は、旧市街のものとは異なり、白っぽい壁に紺色の屋根、意匠を凝らした装飾が見られるバルコニーなど、どこかオーストリア風。
まるでウイーンの通りを歩いているような感覚になるでしょう。
青空にはためくウクライナ国旗だけが、オーストリアではなくウクライナにいることを思い出させてくれます。
リヴィウでの宿泊なら、観光の中心であるリヴィウ旧市街がおすすめ。美しい町並みの中で、観光にグルメに満足のゆく滞在ができるはず。
鉄道駅/バスステーションともに、トラムで簡単にアクセスできるのもポイント。
リヴィウ観光のポイント
リヴィウ観光マップ
青:観光スポット
黄色:バスターミナル/鉄道駅
オレンジ:トラム1号線停留所
灰色:観光案内所
リヴィウ観光に必要な日数
リヴィウはとても小さな町で、観光スポットはほぼ旧市街に集まっています。
ゆっくり散策しても丸一日あれば多くの見どころを訪れることができるでしょう。
しかしながら、首都のキエフにくらべてこぢんまりとして、どこかのんびりとした雰囲気を存分に味わいたいなら2日、3日と連泊しても十分に楽しめる魅力があるのは事実。
ちなみにのぶよは3泊していますが、飽きることなくリヴィウの街並みにひたっています。
リヴィウの次に行きたい観光スポット
リヴィウ近郊には、あまり有名な観光スポットはありません。
しかしながら、
東(キエフ方面)愛のトンネル
南西部:カルパチア山脈
ルーマニア方面:ブコビナ地方の五つの修道院
西部:ポーランド、スロバキア
と、他都市・周辺諸国へのアクセスの拠点としては、リヴィウはかなり便利な場所にあります。
リヴィウ~愛のトンネル
有名な愛のトンネルは、リヴィウからバスで3時間ほどのルーツクやリヴネという町が拠点。
日帰りはかなり時間がかかるうえ体力的にもしんどいので、キエフ・リヴィウ間の移動の際に、上記の町に1泊しながらアクセスするのがいいでしょう。
リヴィウ~カルパチア山脈
リヴィウ南西部には、ウクライナで最も標高が高い山を有するカルパチア山脈への入口となる小さな町が点在しています。
自然の中でハイキングをしながら数日間過ごすならかなりおすすめ。
リヴィウ~チェルニフチ/ルーマニア方面
また、リヴィウ→カルパチア山脈の町→チェルニフチと移動して、ルーマニア北東部へと国境を越えることで、世界遺産・「ブコヴィナ地方の5つの修道院」を訪れることもできます。
のぶよもリヴィウ滞在後は、カルパチア山脈へ行き、そこからルーマニアに抜ける予定です。
リヴィウ発の現地ツアーは、市内観光から周辺地域へのデイトリップまで選択肢はいろいろ。
個人では訪れにくい古城をめぐるものや、カルパチア山脈の大自然を訪れるものまで、お好みで参加してみては。
リヴィウの交通
リヴィウの市内交通
リヴィウの旧市街は、世界遺産に指定されており、車両の通行ができません。
旧市街はかなり小さいので、徒歩での観光が基本となります。
旧市街~新市街の間は、路面電車でアクセスできるので不便を感じることは少ないでしょう。
便利な路面電車の路線は、リヴィウ鉄道駅~旧市街を結ぶ1号線。
料金は一律で5UAH(=¥21)とお手頃です。
長距離バス利用の場合は二つのバスターミナルに注意!
鉄道駅前バスターミナル:ウクライナ中部へのミニバス
キエフやリヴネなどウクライナ中部の都市へのミニバスは、リヴィウ鉄道駅前バスターミナルを発着するので、比較的利用しやすいです。
鉄道駅前バスターミナルからの主な行き先
ルーツク(愛のトンネル拠点)
所要時間:3時間~3時間半
料金:220UAH~(=¥900)
キエフ
所要時間:8時間
料金:500UAH(=¥2050)
ストリスキー・バスターミナル:南西部、国際便
南西部のチェルニフチやカルパチア山脈の町へのバスや、ポーランド、スロバキアなどへ国境を越えて移動するバスは、市内南部8kmほどのところにあるストリスキー・バスターミナルが拠点となります。
旧市街からストリスキー・バスターミナルまでは、3Aのバスで35分ほど。
料金は7UAH(=¥29)です。
ストリスキー・バスターミナルからの主な行き先
国際便(スロバキア・ポーランド)
ウクライナ南西部(カルパチア山脈、チェルニフチ)
リヴィウから鉄道利用の場合
リヴィウ~キエフ間は多くの列車が走っており、8時間ほどかかる夜行列車から、5時間半で二都市を結ぶ高速列車まで様々な選択肢があります。
もちろん安いのは夜行列車。
ウクライナの夜行列車は一人一台のベッドが割り当てられており、早めに予約しないと満席になってしまうことが多いのでご注意を。
リヴィウから鉄道で行ける主な町
おわりに
リヴィウの観光スポットを解説しました。
正直なところ、観光スポットを急いで回るよりも、ただ散策しているだけで楽しいのがリヴィウの旧市街。
おしゃれなカフェや名物のチョコレート屋、低価格で素晴らしい質のウクライナ料理が食べられるレストランなどが点在しているので、お気に入りのお店を探すのも楽しいです。
1日でも十分楽しめますが、リヴィウらしい自由でエネルギッシュな雰囲気を味わうなら、数日間のんびりと滞在してみるのもおすすめですよ。
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