こんにちは!ジョージア滞在も丸3年!世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ジョージアに3年も居ると、西へ東へ…と移動する機会も多くあるもの。
ジョージアでは「マルシュルートカ」と呼ばれる乗り合いのミニバス網が発達しており、都市間の長距離移動に大活躍します。
そんなマルシュルートカに乗ってジョージア東西を移動する際にいつも必ず通る町があり、ずっと気になっていました。
それが、国土のちょうど真ん中に位置するスラミ(Surami / სურამი)という小さな村。
スラミはジョージア東部と西部を唯一の幹線道路沿いに位置しており、車で移動する際には必ず通りがかる町。
大地に聳えるような大岩の上に築かれたスラミ城塞は、この区間を移動する旅行者が必ず目にする風景です。
スラミ城塞は多くの旅行者にとって、車窓から眺めるだけの存在となっているのが現状。
そういう見過ごされがちなスポットにあえて訪れるのが当ブログの醍醐味だと思っているので、行ってきましたよ、スラミへ!
実際に訪れてみたスラミ城塞は、圧巻の存在感と大地を一望する絶景が素晴らしいスポットでした。
この城塞に息づくミステリアスな伝説も含め、見ごたえはとにかく抜群。
スラミ村の名物グルメ「ナズキ」を売る露店が並ぶ風景や、村のレトロな雰囲気も含め、わざわざ足をのばす価値は十分にあります。
そして、スラミ村へのアクセス拠点となる町が、ハシュリ(Khashuri / ხაშური)。
ジョージアの東西を結ぶありとあらゆる交通網が集まる町で、「ジョージアのヘソ」といったポジションのハシュリは、見どころは少ないながらも独自のグルメが魅力的な町です。
国土のど真ん中に位置する交通の要所&旅行者の多くが通るのに誰もちゃんと観光しない&独自のグルメが発展している と三拍子揃ったハシュリは、日本で言うなら名古屋のような町。
のぶよはこの町を「ジョージアの名古屋」と呼び、推していくことにしました。
というわけで今回の記事は、ミステリアスな絶景城塞を中心としたスラミの観光情報と、ジョージアの名古屋・ハシュリの魅力を解説するもの。
多くの旅行者が滞在するトビリシから格安で日帰りも可能なハシュリとスラミは、気軽なデイトリップにもおすすめ。
交通の要所であるハシュリは、ジョージア全国どのエリアへのアクセスも便利なので、移動ついでに数時間立ち寄ってみるのもアリです。
記事後半では、ハシュリの複雑なバスステーション情報や他都市との移動情報も徹底解説しているのできっと参考になるはずです!
ハシュリ&スラミ観光マップ
赤:ハシュリのグルメスポット
黄色:セントラル・バスステーション
緑:バザール・バスステーション
オレンジ:鉄道駅前バスステーション
灰色:ハシュリ鉄道駅
伝説息づく城塞のお膝元!スラミ
多くの旅行者が通りがかるのにその知名度は皆無なスラミは、存在感抜群の城塞に見守られるように広がる村。
観光ハイライトとなるスラミ城塞はもちろん、名物グルメがずらりと並ぶナズキ街道やレトロな町並みも見逃せません!
スラミの見どころ
スラミ城塞
スラミの町のシンボルが、大地から生えたかのような巨大な姿で村を見守るスラミ城塞(Surami Fortress / სურამის ციხე)。【マップ 青①】
スラミ村のどこからでも見え、普通の民家の背後にどーんと聳える城塞の風景はまるでCGのようです。
スラミ城塞の建設時期に関しては、現在でも良く分かっていません。
一説には中世ジョージア王国が黄金時代にあった12世紀頃(900年前)に完成したと言われていますが、真相は闇の中です。
映画に興味がある人は「スラミ城塞」と聞いてピンと来るのではないでしょうか。
そう。この場所は、ソ連時代に活躍したアルメニア人映画監督であるセルゲイ・パラジャーノフの作品『スラミ砦の伝説』(Legend of Suram Fortress)の舞台となった場所なのです。
作品内でパラジャーノフがテーマとした『伝説』というのは、実際にスラミ城塞に関して語り継がれているもの。
スラミ城塞が建設される際、建設を命じた王は悩みを抱えていました。
その原因が、南側の城壁の一部だけがどうしても上手く安定せず、何度石を積み直しても何故かこの部分だけが崩れ落ちてしまうため。
防衛拠点としては致命的な欠陥です。
王は地元で有名な占い師を訪ね、解決策を尋ねたところ「男の子を生贄にして壁の中に埋め込むしか方法はない」との回答が。
占い師の言葉を信じた王により生贄として選ばれたのが、ズラブという男の子でした。
ズラブの母親は自分の息子が生贄とされることに嘆き悲しみましたが、自分の住む村の安定と発展のために認めざるを得ませんでした。
そして生贄の儀式当日。
ズラブの母親は城壁の中に埋められていく自身の息子の名を、返事が聞こえなくなるまで呼び続け、大粒の涙を流しました。
生贄は効果てきめんで、その後の工事では南側の壁は一度も崩れることがなく、現在にまでその姿を残しています。
これがスラミ城塞にまつわる伝説。
なんだか日本むかし話にも登場しそうなよくある話のようにも思えますが、一つだけ現代科学では解説できないミステリアスな面があります。
それが、ズラブが生き埋めにされたとされ母親が涙が枯れるまで泣き果てた場所だとされる城塞の南側の外壁が、いつも水らしきもので濡れているという事実。
考古学者や科学者がこの場所を調べましたが湧き水の類は発見されず、日当たりの良い南側で常に壁が濡れているというのはとても不自然です。
このことから、「生き埋めにされたズラブの死を嘆く母親の涙が城壁を濡らしている」という噂がスラミ村じゅうに広がり、現在でもそう信じている人もいるのだとか。
スラミ城塞の南側の外壁は、肉眼でも濡れているのが確認できるほど。
現代科学をもってしても解明できないミステリーを、ぜひ自身の目で確認してください。
ミステリアスな伝説に彩られたスラミ城塞ですが、その眺めもかなり素晴らしいもの。
周辺には他に高い建造物や山などがないため、スラミ村全体と少し離れたハシュリの町までを見渡すことができます。
城塞東側の一角には小さなチャペルがあり、イコン画などが飾られている現役の聖地としての一面も。
チャペルの屋根部分には、なで肩のフォルムが特徴的な「聖ニノの十字架」が設置されており、その背後には絶景が広がります。▼
チャペルのさらに先にも城塞の敷地は続いており、最も高い部分からは360°の絶景が広がり感動間違いなし。
緑でいっぱいの大地に民家が建ち並ぶスラミ村の風景は、まるでポストカードのようです。
西側には丘の上のジョージア正教会に抱かれた集落の風景が、北側にはアルメニア教会である聖ギオルギ教会が一望でき、のどかで静寂に包まれた雰囲気がとても素敵です。
ジョージア全国でさまざまな城塞を訪れてきましたが、多くは辺鄙な山の中にあったり、ものすごい急坂を登らなければならないもの。
それほど登ることなくここまで圧倒的な絶景が見られるのは、スラミ城塞くらいかもしれません。
ナズキ街道
ジョージア東西をマルシュルートカで移動したことがある人は、必ず上の写真の風景を目撃したことがあるはず。
幹線道路添いに今にも崩れそうな掘っ立て小屋がずらりと並び、その軒先に半月形の茶色い謎の物体が並べられていて、その横でおばちゃんたちが暇そうに座っている、摩訶不思議にもほどがある光景を。
いったいこの掘っ立て小屋たちは何なのか…
答えは、スラミ村名物の「ナズキ」(Nazuki / ნაზუკი)を売る露店です。
百軒以上の露店が道路沿いに並ぶ光景は、まさにナズキ街道そのもの。【マップ 青②】
スラミ村の北側~西側にかけての幹線道路沿い一帯にず~~~っと掘っ立て小屋が連なります。
「ナズキ」とは、ここスラミが発祥だとされる窯焼きぶどうパンのこと。
小麦粉に蜂蜜や糖蜜を混ぜた生地にぶどうの実を混ぜ込んで半月状に成型し、円柱状の窯の内壁に貼り付けるようにして焼き上げます。
伝統的なナズキ作りでは、スラミ近郊に生える松の木から採れる松ぼっくりを燃料に用いるのだそう。
焼きたてはこれ以上ないほどに香ばしくて絶品であることは、言うまでもありません。
ナズキ=スラミ村名物だということは、ナズキ街道を少し歩けば理解できるのですが、ここで一つ疑問が。
こんなど田舎で百軒以上もの露店がどこも同じものを売っていて、果たして儲かるのでしょうか…?
みんな平等に同じものを売る(そしてどの店もやる気はない)&場末感ものすごい掘っ立て小屋の風景というわけで、どことなくソ連時代を思い起こさせる場所。それがナズキ街道です。
せっかくナズキ街道まで来たなら、ぜひとも名物ナズキを実際に食べてみたいもの。
どの露店でも1つ3GEL(=¥150)ほどで売られており、「5個買えば1個無料!」などのサービスをしてくれるところも多いです。(まあどう考えてもそんなにいらないけど)
百軒以上もあるナズキ店の中で、美味しい店を見極めるポイントは以下の通り。
・窯から煙が立っている=焼きたてを提供してくれる
・松ぼっくりを燃料に使っている=伝統の味わい
・自家用車がしきりに停車する=地元の人に愛されている
逆に、大きな駐車スペースを備えた露店や人だかりができている露店は避けるべき。
ナズキ街道はトビリシ~クタイシ/バトゥミ間を走る長距離マルシュルートカの定番休憩ポイントとなっていることもあり、ナズキに造詣が深くない乗客が単に集まっているだけ=売りさばくために焼きおきしている場合が多いためです。
焼きたてのナズキは、果てしない香ばしさと口の中いっぱいに広がる甘味が絶品。
ぶどうの芳醇な風味と食感も良いアクセントとなっており、おやつにはぴったりです。
鉄の噴水
スラミ村のメインストリート沿いには、立派な装飾が施された建物に守られるように湧く鉄の噴水があります。【マップ 青③】
鉄の噴水の中央でこんこんと湧くのは、その名の通り鉄分を豊富に含むミネラルウォーター。
地元では健康に良いとされ、愛されているそうです。
噴水にはこの水をペットボトルに入れて持ち帰ったり、手や顔を洗ったりする地元の人の姿が。
のぶよも真似して飲んでみましたが、かなり強い鉄の味と微炭酸が独特の風味でした。
スラミ村が位置するジョージア中央部は、古くからミネラルウォーターが湧き出る地として知られているそうで、温泉保養地のボルジョミやジョージア温泉街道にもほど近いので、この鉄の噴水の水もきっと効果があるのでしょう。
コーカサスの大地の恵みを存分に味わいましょう!
スラミの町並み
時間に余裕があるなら、こじんまりとしたスラミ村を散策するのがおすすめ。
メインストリートを中心にレトロな建物が多く残り、絵になる風景がたくさんあります。
スラミ村の建物で特徴的なのが、レンガ造りのものがかなり多い点。
こんな田舎の村で、どうしてわざわざレンガを使ったお洒落な家が建てられたのか…
その理由は、スラミの地理と歴史に関係しているようです。
ジョージア東西のちょうど中間に位置するスラミは、歴史的に多くの民族が行き交って来た地。
ジョージアの地方部の中ではかなり多民族な村だったそうで、特筆すべきがユダヤ教徒の人口が多かった点です。
レンガ造りの家は、ユダヤ教徒の人々が好んで建てたスタイルの建築。
スラミには立派なたたずまいのシナゴーグもあり、現役の祈りの場として機能しています。
20世紀のシオニズム運動(=離散したユダヤ民族がイスラエルという国の建国を目指す運動)の結果、スラミ村のユダヤ教徒住民の数は激減してしまいましたが、現在でも少なからず住民がいるようです。
ユダヤ教徒以外にも、スラミ村にはアルメニア人住民もある程度居住しているそう。
アルメニア風のピンクの石造りの民家もいくつか見られますし、村の北側にはアルメニア教会も建っています。
小さな村でありながらも、複数の宗教や民族の文化が程良く混ざり合っている感じも、スラミ村の独特の雰囲気を演出しているのかもしれません。
スラミ村の情緒あふれる雰囲気は、西部のラチャ地方にあるオニ(Oni)の町にどこか似ているような印象を受けました。
オニもかつて多くのユダヤ教徒住民が住んでいた町で、ジョージアで最大のシナゴーグを有することでも知られています。
ハシュリ〜スラミ間のアクセス
スラミへのアクセス拠点となるのはハシュリ一択です。
ハシュリ~スラミ間は4kmほどの距離で、徒歩での移動も可能なものの結構大変。
のぶよ的には鉄道駅前バスステーション【マップ オレンジ】から頻発しているハシュリ~スラミ間の近郊マルシュルートカを利用するのが便利だと思います。
ハシュリ~スラミ間のマルシュルートカは1番。
行き先表示はジョージア語のみですが、番号が大きく書かれているので分かりやすいです。
ハシュリ鉄道駅前を出発した1番マルシュルートカは、ハシュリのバザールを経由してスラミ村中心部へ向かい、幹線道路(=ナズキ街道の近く)に出て折り返すルートをとります。
なので、ハシュリのバザール付近のロータリーからの途中乗車/下車も可能です。
スラミ→ハシュリ方面の帰りは、スラミのメインストリートのどこからでも途中乗車が可能。
15分に1本は走っているので、それほど待たずに乗車できます。
ハシュリのグルメスポット
はじめに言ってしまいますが、ハシュリの町自体には見どころはありません。
しかしながら、「ハシュリ=スラミ観光の拠点のためだけの町」と考えてしまうのはまだ早い!
ジョージアの名古屋・ハシュリには、少ない見どころをカバーするように独自のグルメスポットが点在しているのです。(名古屋に謝れ)
マルシュルートカの乗り換え時間にでも、スラミ観光のついでにでも…
ハシュリを訪れたら絶対にチェックしたいグルメスポットを紹介します!
地元民に大人気!ハシュリ風ロビアニとハチャプリの店
ハシュリの中心街から鉄道駅方面へと続く道の途中の橋のたもと。
道路より一段低くなっている歩道部分を偶然通りかかったのぶよの目に留まったのは、謎の扉の前に集まるハシュリ民たちの人だかりでした。
扉の向こうはさらに低い地下空間となっており、薄暗い空間では数名の女性たちが何やら作業に励んでいます。
そう、ここがハシュリの地元民の支持No.1のハチャプリ&ロビアニの店です。【マップ 赤】
このお店のウリは、国産の小麦100%にこだわった生地で作るハチャプリ(チーズ入りパン)とロビアニ(豆ペースト入りパン)。
小麦以外の材料にもこだわっているそうで、謎の地下空間からは小麦の香ばしい香りがぷんぷんと漂ってきます。
おばちゃんの生地のこね方の熟練具合や、薪ストーブで焼かれる小麦生地の芳醇な香り、なによりも、次から次へとやって来る地元の人たちの数こそが、このお店が美味しいことの証明のよう。
のぶよのグルメレーダーが最大級に反応したので、注文してみることにしました。
注文したのは、豆ペースト入りのパン「ロビアニ」(3GEL=¥150)。
店のおばちゃんいわく「ハシュリ風ロビアニ」なのだそうです。
いったい何が「ハシュリ風」なのか…
ずっしりと重みがあるロビアニをひと口かじると、すぐに理解できます。
一般的なロビアニは生地が数mmほどと薄く、カリッとした食感が先行するのが普通。
いっぽうのハシュリ風ロビアニは、もっちりふんわりした独自の食感です。
また、生地に大量のバターが混ぜられていて、これ以上ないほどに芳醇な風味なのも独特。
普通はロビアニの生地にはバターは入れず、水と小麦粉のみのことが多いのですが、ハシュリ風ロビアニは大量のバターと牛乳を用いて成型されているようです。
もっちり芳醇な香ばしい生地に包まれた豆ペーストの甘味と程よい塩気も抜群でものすんごく美味しいです、ここのロビアニ。
名古屋にも「小倉トースト」なる豆グルメがあることですし、もはや姉妹都市になれば良いのに…
とてもボリューミーながらも、あっさりしているためぺろりと平らげられるのもハシュリ風ロビアニの魔法。
地元の人がこぞって訪れるのも納得ですし、ハシュリ訪問時にはぜひ焼きたてのロビアニに感動してください!
場末感漂うローカル居酒屋!Papas Dukani
ハシュリ鉄道駅から徒歩3分ほど。
無機質な印象のビルの一階部分に、なにやらテラスと植木が並ぶ飲食店らしきものがあります。
看板すら出ていないこのお店がPapas Dukani。【マップ 赤】
「ドゥカニ」(Dukani)とは田舎風の居酒屋のような飲食店のことで、Papas Dukaniの内装や雰囲気は典型的なジョージア地方部の居酒屋といった感じです。
(それにしても、ハシュリの飲食店は「看板を出さない習慣でもあるのか?」と疑問に思うくらいに看板や店名がないところが多いのはミステリー)
Papas Dukaniのメニューは、激安でもなく高くもなく…といった感じ。
トビリシの同レベルの居酒屋よりは2割ほど安いですが、ローカル食堂に比べるとやや高めの価格帯です。
ジョージア料理の基本が揃った「THE・ドゥカニ」といった感じのメニューからのぶよが選んだのは、ヒンカリとバドリジャーニ(なすとくるみの前菜)。
田舎のドゥカニということでそれほど期待もせずに適当に注文したのですが、味が結構良かったのには驚き。
トビリシなど東部に比べると概して塩気が控えめで、ジョージア西部に近づいてきたことが舌で感じられます。(トビリシの居酒屋系はまじでどこも塩辛い/西部は味付けが優しめ)
料理だけでもかなり満足だったのですが、この店で何よりもびっくりしたのが生ビールの美味しさでした。
ひと口飲むと、舌先に感じるほろ苦さと麦の芳醇な風味、そしてコクのあるのど越し…
ジョージアに3年もいて、初めて味わう味に「え…なにこのビール…うますぎる…」と言葉を失いかけたほどです。
「ねえねえ、このビールの銘柄なに??」と尋ねると、とたんにドヤ顔になるおばちゃん。
彼女の口から出た言葉は、「美味しいでしょう?うちで醸造してるのよん!」でした。
こんな観光客に見向きもされない名古屋のような町で、それも看板すら出ていないローカル居酒屋で、自家製ビールを醸造しているとは如何なる事象でしょうか。(だから名古屋に謝れ)
相変わらずドヤ顔のおばちゃんは店のすぐ隣にある小さな掘っ立て小屋を指差し、「あそこでビールだけでも買って持って帰れるわよん」と上機嫌で付け足します。
そこには、手作り感溢れる小さな小屋がぽつりと立っていました。
ビール小屋で地ビールをお持ち帰り
Papas Dukaniのすぐ隣には四畳半ほどのスペースに小さなビール小屋があり、ここで絶品地ビールを購入することができます。
見た感じ、このビール小屋が作られたのはそれほど前ではなさそう。
一見すると黄色を基調としたお洒落なデザインに見えますが、よく見ると土台や壁が剥き出しになっているやっつけ仕事感はジョージア地方部あるあるです。
ビール小屋はお持ち帰り用のペットボトル生ビールの販売専用のようで、最低2Lから頼めます。
先ほどPapas Dukaniで飲んで感動した”Classic”(2L/8GEL=¥400)をはじめ、黒ビールの”Porter”やプレミア感のある”Golden”まで合計で4種類が置かれています。
ビール小屋の生ビール注ぎ担当は、おそらくPapas Dukaniのおばさんの息子らしきお兄さん(顔面そっくり)。
お兄さんいわく、この地ビールは「フィシェーリ」(英語の”Fisher”=釣り人)という銘柄で、ここハシュリでしか販売していない正真正銘のご当地ビールだそう。
最近ジョージアで微妙に流行っているクラフトビール等ではなく、硬派なビールです。(それにしても、海のないハシュリでなぜ”Fisher”と名付けたのかセンスが謎)
ジョージアで市販されている銘柄はもちろん、各地でご当地ビールを見つのけては飲みまくってきたのぶよ的に、ハシュリの地ビール「フィシェーリ」は疑いの余地なくNo.1の美味しさ。
大袈裟でもなんでもありません。まじで、このビールを飲むためだけにでもハシュリを訪れる価値があります。
名古屋駅で乗り換え時間があるなら駅ナカで名古屋めしを食べることが流儀であるように、ジョージアの名古屋・ハシュリでも鉄道やバスの乗り換え時間に激うまビールを味わうのは、もはや伝統文化そのもの。
Papas Dukaniとビール小屋はハシュリ鉄道駅からすぐの場所にあるので、ハシュリ訪問時は絶対にお忘れなく!
ハシュリのバスステーション&鉄道駅攻略
ジョージアのちょうど真ん中に位置するハシュリは、東西各都市を結ぶ交通網のハブ。
ハシュリから多くの町へアクセスすることができます。
しかしながら、ハシュリにはバスステーションが3ヶ所と鉄道駅が1ヶ所存在し、行き先によってどこの発着か変わってくるのが旅行者にとって難しいところ。
まずは、ハシュリのバスステーションと鉄道駅について知っていきましょう。
セントラル・バスステーション:東部/西部便
ハシュリ中心街南端の幹線道路沿いにあるのが、メインのバスステーションとなるセントラル・バスステーション。【マップ 黄色】
ジョージア東部/西部のほとんどの都市への便は、この場所の発着です。
バザール・バスステーション:南部便
ハシュリからボルジョミ/アハルツィヘなどジョージア南部のサムツヘ地方方面へ向かうマルシュルートカは、セントラル・バスステーションではなくバザール・バスステーションの発着なので注意。【マップ 緑】
その名の通り、ハシュリのバザ-ル(市場)の前の駐車場がバスステーションとなっています。
せントラル・バスステーション~バザールバスステーション間は距離にして200mほど。
ジョージア東部や西部から来て南部の町へ向かう際は、徒歩で移動して乗り換える必要があります。
鉄道駅前バスステーション:近郊の村便
ハシュリから周辺の小さな町や村へと向かうマルシュルートカの多くは、鉄道駅前バスステーション【マップ オレンジ】を発着します。
ハシュリ鉄道駅を出てすぐの場所にある広場がバスステーションとなっており、たくさんのマルシュルートカが客待ちをしています。
ハシュリ鉄道駅:ジョージア東部/西部/南部
鉄道を利用して移動する場合は、中心街北端にあるハシュリ鉄道駅【マップ 灰色】を利用することになります。
ハシュリはジョージアの鉄道網のジャンクションのような役割となっており、高速列車/鈍行列車にかかわらず全ての鉄道便が停車します。
鉄道が走っている場所であれば、ジョージア東部/中部&西部/南部のいずれの方面にもアクセスすることができるので便利です。
ハシュリ鉄道駅〜バスステーション間の移動
セントラル・バスステーションやバザール・バスステーションがある市内南部のバザールエリアと、市内北部の鉄道駅の間は2kmほどの距離があります。
徒歩で移動することも可能ですが、荷物を持っての徒歩移動はなかなか大変。
そんなときは、ハシュリ鉄道駅~バザール間を走る市内マルシュルートカの利用が便利です。
鉄道駅前バスステーション~バザール・バスステーション間をぐるぐると往復している路線で、10分~15分に1本は走っているので便利です。
ハシュリ~ジョージア他都市間のアクセス・行き方
ハシュリを拠点とすれば、ジョージアの多くの都市へ直行でのアクセスが可能です。
また、クタイシやバトゥミなどジョージア中部&西部の都市~ボルジョミやアハルツィヘなどジョージア南部の都市間を移動する場合は、ハシュリで乗り換える方が便数が爆発的に多くなるので便利。
ここでは、ハシュリから直行でアクセス可能なジョージア各都市へのアクセスを解説します。
・ハシュリ~ジョージア東部の都市 (トビリシ / ゴリ / カレリ)
・ハシュリ~ジョージア中部&西部の都市 (クタイシ / バトゥミ / ズグディディ / ポティ)
・ハシュリ~ジョージア南部の都市 (ボルジョミ / アハルツィヘ)
ハシュリ~ジョージア東部のアクセス
【マルシュルートカ】
トビリシ~ハシュリ間は、1時間に1本ほどの頻度でマルシュルートカが走っており、簡単に移動できます。
ハシュリ側の発着ポイントは、セントラル・バスステーション。
トビリシ側の発着ポイントは、市内北部のディドゥベ・バスステーション(Didube Bus Station)です。▼
【鉄道】
ハシュリの鉄道駅にはトビリシ発着の鉄道がすべて停車するため、簡単に移動することができます。
注意したいのが、どの鉄道路線を利用するかによって運賃が大きく変化すること。
・トビリシ~ボルジョミ路線(1日2往復):1GEL
・トビリシ~クタイシ路線(1日1往復):8GEL
・トビリシ~ズグディディ/ポティ路線(1日1往復):14GEL
・トビリシ~オズルゲティ路線(1日1往復):8GEL
・トビリシ~バトゥミ路線(1日4往復):35GEL
こんな感じで意味が分からないくらいに料金に差があるので、安く行きたい場合に利用できる路線は限られます。
最安値で移動するなら、トビリシ~ボルジョミ路線を利用してハシュリで途中乗車/下車するのがスマート。
ハシュリの発着ポイントはハシュリ鉄道駅。
トビリシの発着ポイントは中心街東部のトビリシ中央駅です。▼
ボルジョミ路線はTke.geのサイトに対応しておらずネット予約も不可ですが、スケジュールの目安は以下の通り。
それ以外の路線の最新のスケジュール確認やチケットのオンライン予約はTkt.geのサイトにてどうぞ。
便番号 | トビリシ発 | ゴリ発 | ハシュリ発 | アハルダバ発 | ボルジョミ着 |
618 | 6:35 | 8:25 | 9:20 | 10:00 | 10:45 |
686 | 18:50 | 20:40 | 21:35 | 22:20 | 23:10 |
便番号 | ボルジョミ発 | アハルダバ発 | ハシュリ発 | ゴリ発 | トビリシ着 |
617 | 5:55 | 6:50 | 7:30 | 8:25 | 10:11 |
685 | 15:30 | 16:25 | 17:05 | 18:00 | 19:55 |
【マルシュルートカ】
ゴリ~ハシュリ間は、30分~1時間に1本ほどの頻度でマルシュルートカが走っており、簡単に移動できます。
ハシュリ側の発着ポイントは、セントラル・バスステーション。
ゴリ側の発着ポイントは、市内北部の新バスステーションです。▼
【鉄道】
ハシュリの鉄道駅にはトビリシ発着ゴリ経由の鉄道がすべて停車するため、簡単に移動することができます。
注意したいのが、どの鉄道路線を利用するかによって運賃が大きく変化すること。
・トビリシ~ボルジョミ路線(1日2往復):1GEL
・トビリシ~クタイシ路線(1日1往復):8GEL
・トビリシ~ズグディディ/ポティ路線(1日1往復):14GEL
・トビリシ~オズルゲティ路線(1日1往復):8GEL
・トビリシ~バトゥミ路線(1日4往復):35GEL
こんな感じで意味が分からないくらいに料金に差があるので、安く行きたい場合に利用できる路線は限られます。
最安値で移動するなら、トビリシ~ボルジョミ路線を利用してハシュリで途中乗車/下車するのがスマート。
ハシュリの発着ポイントはハシュリ鉄道駅。
ゴリの発着ポイントは中心街南部のゴリ中央駅です。▼
ボルジョミ路線はTke.geのサイトに対応しておらずネット予約も不可ですが、スケジュールの目安は以下の通り。
それ以外の路線の最新のスケジュール確認やチケットのオンライン予約はTkt.geのサイトにてどうぞ。
便番号 | トビリシ発 | ゴリ発 | ハシュリ発 | アハルダバ発 | ボルジョミ着 |
618 | 6:35 | 8:25 | 9:20 | 10:00 | 10:45 |
686 | 18:50 | 20:40 | 21:35 | 22:20 | 23:10 |
便番号 | ボルジョミ発 | アハルダバ発 | ハシュリ発 | ゴリ発 | トビリシ着 |
617 | 5:55 | 6:50 | 7:30 | 8:25 | 10:11 |
685 | 15:30 | 16:25 | 17:05 | 18:00 | 19:55 |
【マルシュルートカ】
穴場のエリアであるザマ渓谷観光の拠点となるカレリ~ハシュリ間は、1日2本のマルシュルートカが走っています。
ハシュリ側の発着ポイントは、セントラル・バスステーション。
カレリ側の発着ポイントは、中心街のロータリー付近です。▼
【鉄道】
ハシュリの鉄道駅にはトビリシ発着カレリ経由のローカル鉄道がすべて停車するため、簡単に移動することができます。
注意したいのが、どの鉄道路線を利用するかによって運賃が大きく変化すること。
・トビリシ~ボルジョミ路線(1日2往復):1GEL
・トビリシ~クタイシ路線(1日1往復):8GEL
・トビリシ~ズグディディ/ポティ路線(1日1往復):14GEL
・トビリシ~オズルゲティ路線(1日1往復):8GEL
こんな感じで意味が分からないくらいに料金に差があるので、安く行きたい場合に利用できる路線は限られます。
最安値で移動するなら、トビリシ~ボルジョミ路線を利用してハシュリで途中乗車/下車するのがスマート。
ハシュリの発着ポイントはハシュリ鉄道駅。
カレリの発着ポイントはカレリ中央駅です。▼
ボルジョミ路線はTke.geのサイトに対応しておらずネット予約も不可ですが、スケジュールの目安は以下の通り。
それ以外の路線の最新のスケジュール確認やチケットのオンライン予約はTkt.geのサイトにてどうぞ。
便番号 | トビリシ発 | ゴリ発 | カレリ発 | ハシュリ発 | アハルダバ発 | ボルジョミ着 |
618 | 6:35 | 8:25 | 8:40 | 9:20 | 10:00 | 10:45 |
686 | 18:50 | 20:40 | 20:55 | 21:35 | 22:20 | 23:10 |
便番号 | ボルジョミ発 | アハルダバ発 | ハシュリ発 | カレリ発 | ゴリ発 | トビリシ着 |
617 | 5:55 | 6:50 | 7:30 | 08:05 | 8:25 | 10:11 |
685 | 15:30 | 16:25 | 17:05 | 17:40 | 18:00 | 19:55 |
ハシュリ~ジョージア中部・西部のアクセス
【マルシュルートカ】
ハシュリ~クタイシ間は、1時間に1本ほどの頻度でマルシュルートカが走っています。
ハシュリ側の発着ポイントは、セントラル・バスステーション。
クタイシ側の発着ポイントは、中心街南部にある中央バスステーションです。▼
【鉄道】
ハシュリ~クタイシ間は1日1往復のトビリシ~ハシュリ~クタイシ間の鉄道を利用して移動することが可能です。
ハシュリの発着ポイントはハシュリ鉄道駅。
クタイシの発着ポイントは中心街東部のクタイシⅠ駅です。▼
最新のスケジュール確認やチケットのオンライン予約はTkt.geのサイトにてどうぞ。
ハシュリ~ジョージア南部のアクセス
【マルシュルートカ】
ハシュリ~ボルジョミ間は、1時間に1本ほどの頻度でマルシュルートカが走っており、簡単に移動できます。
ハシュリ側の発着ポイントは、バザール・バスステーション。
ボルジョミ側の発着ポイントは、橋の下にあるメインのバスステーションです。▼
【鉄道】
時間があってできる限り移動費を節約したい人におすすめなのが、鉄道を利用すること。
ハシュリ鉄道駅~ボルジョミの観光エリア入口に位置するボルジョミ公園駅(Borjomi Park Station)間を1日2往復の鉄道が結んでいます。
事前予約等は必要なく、当日鉄道駅の窓口で直接チケットを購入しての利用です。
この区間の鉄道のスケジュールは以下の通りです。▼
便番号 | トビリシ発 | ゴリ発 | ハシュリ発 | アハルダバ発 | ボルジョミ着 |
618 | 6:35 | 8:25 | 9:20 | 10:00 | 10:45 |
686 | 18:50 | 20:40 | 21:35 | 22:20 | 23:10 |
便番号 | ボルジョミ発 | アハルダバ発 | ハシュリ発 | ゴリ発 | トビリシ着 |
617 | 5:55 | 6:50 | 7:30 | 8:25 | 10:11 |
685 | 15:30 | 16:25 | 17:05 | 18:00 | 19:55 |
ハシュリ~アハルツィヘ間は、1時間に1本ほどの頻度でマルシュルートカが走っており、簡単に移動できます。
ハシュリ側の発着ポイントは、バザール・バスステーション。
アハルツィヘ側の発着ポイントは、中心街にあるバスステーションです。▼
おわりに
ほとんどスポットライトが当たらないハシュリとスラミの観光情報&アクセス情報を詳細に解説しました。
多くの旅行者が通り過ぎてしまうだけの町であるのが現状ですが「なんか面白そうだしちょっと立ち寄ってみようかな…!」と思ってもらえたら嬉しいです。
ハシュリを拠点とすれば、ジョージアの東西南北どこへでもアクセスしやすいのは大きなメリット。
乗り換えついでにでも、ガッツリ滞在しながらの観光にも、他都市からのデイトリップ先にも…大満足の滞在となること間違いなしです!
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