こんにちは!ジョージア東部のコーカサス山岳地域を旅行中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ジョージアに居座り続けること、すでに5年…
ずっと「やりたい!」と思いながらずっと後回しにしてきた冒険を、とうとう実現することができました。
それが、ジョージア東部のコーカサス山岳地域に位置するジュタ~ロシュカを結ぶトレッキングです。

ジュタ~ロシュカ間のトレッキングとはその名の通り、ヘヴィ地方(=カズベキ周辺地域)のジュタ村からヘヴスレティ地方のロシュカ村を結ぶ峠越えのこと。
標高3300mのチャウヒ峠を越えて「アブデラウリの三色湖」と呼ばれるアルピンレイク群を周りながら谷間を歩く、絶景に次ぐ絶景が見られるコースです。
距離の合計は20kmほどと長く、高低差もかなりのものであるため、一日で歩くのは無謀。
人が住まないコーカサスの高地を複数日かけて歩くことになるため、万人向けのハイキングコースとは一線を画しています。
しかし、そのハードルの高さこそが魅力なのです。

息を呑むようなコーカサスの雄大な自然風景の素晴らしさはもちろんのこと、険しい道のりを自分の足で歩くことの達成感や、山岳地域ならではの伝統を感じることができる点も、ジュタ~ロシュカ間トレックの魅力。
歩き続けた先で到着する村のゲストハウスでは、地元の郷土料理と温かなホスピタリティーで旅行者を迎えてくれます。

ジュタ~ロシュカ間のトレッキングコースは、ジョージアではかなりポピュラーで「定番」に近い扱いのもの。
夏になると比較的多くの旅行者が挑戦するコースなのですが、日本人で歩く人は少ないからなのか、日本語での詳細情報はほとんどありません(だから日本人の間での知名度はかなり低いのかも)。
というわけで今回の記事は、ジョージア旅行の一つのハイライトとしておすすめしたいジュタ~ロシュカ間のトレッキングについて徹底解説するもの。
コースの詳細や見どころはもちろん、実際に歩く人のために役立つ情報を全て詰め込んでいます。
・ジュタ~ロシュカ2daysトレックの基本情報
→マップ
→トレックの基本情報
→トレックの区間の分け方
→おすすめの時期
→歩く方向
→キャンプ用品は必要?宿泊ポイントの選び方
→ロシュカ~アブデラウリの三色湖の日帰りトレイル
・ジュタ~ロシュカ2daysトレックのコース&見どころ詳細
→ジュタ村~ジュタ湖(チャウヒ湖)間
▶ジュタ・バレー内の宿泊
→ジュタ湖(チャウヒ湖)~チャウヒ峠間
→チャウヒ峠~アブデラウリの三色湖間
▶アブデラウリの三色湖の宿泊
→アブデラウリの三色湖ループトレイル
▶青の湖
▶緑の湖
▶白の湖
→アブデラウリの三色湖~ロシュカ間
▶ロシュカの宿泊
→ロシュカ~コルシャ/バリサホ間
▶コルシャ/バリサホの宿泊
・ジュタ~ロシュカ間2daysトレックの基点へのアクセス
→ジュタ村へのアクセス
→コルシャ/バリサホへのアクセス
・ジュタ~ロシュカ間2daysトレックの注意点&アドバイス
「さすがに数日間かけて歩くのは無理…」という人向けに、ハイライトとなるアブデラウリの三色湖までを日帰りで往復する代替プランも解説しているので、そちらもぜひチェックを。
写真たっぷりでお届けするので、きっとコーカサスの美しい風景を疑似体験できるはずです!
ジュタ~ロシュカ2daysトレックの基本情報

ジュタ~ロシュカ間のトレッキングは、一日で歩くことは無謀。
最低でも丸二日間の日程が必要で、宿泊は(現状のところは)基本的にテント泊となるため、装備や食料などの準備も必須です。
このように、観光客が多く挑戦する定番日帰りハイキングコースに比べると、ややハードルが高いのは事実。
しかし、しっかりと情報収集してプランニングしておけば、問題なく歩くことができます。
まずは、ジュタ~ロシュカトレッキングの概要など、プランニングに役立つ情報を解説していきます。
ジュタ~ロシュカトレッキングMap
青線:ジュタ湖(チャウヒ湖)~アブデラウリの三色湖間コース
オレンジ線:アブデラウリの三色湖ループトレイル
ピンク線:アブデラウリの三色湖~ロシュカ間コース
灰色線:ロシュカ~コルシャ徒歩コース
青:主な見どころ
茶色:商店
紫:ゲストハウス/キャンプスポット
黄色:マルシュルートカ停留所
トレッキングの基本情報(距離/所要時間/難易度)

ジュタ~ロシュカ間のトレッキングコースは、どこをスタート地点にしてどこをゴール地点にするかが重要。
最も一般的なジュタ村をスタートしてロシュカ村をゴールとする区間の概要は以下の通りです。▼
・距離:19.9km
・所要時間:9時間半
・高低差:▲1258m ▼1430m
・難易度:★★★★★
所要時間だけを見ると、「9時間半なら朝一番にスタートすれば1日で歩けるのでは…?」と思うかもしれませんが、無理です。
とにかく高低差がものすごいので、体力的にも時間的にも1日で済ませるのは至難の技。
もし体力お化けな人が1日で歩けたとしても、観光ハイライトとなるアブデラウリの三色湖ループトレイルは諦めることとなり、「ただ歩いただけ」になってしまいます。
比較的短い距離で高低差1000m以上の区間を登り下りする&キャンプ用品や食料を担いだ状態で歩くことになるため、トレッキング全体の難易度はかなり高め。
ある程度のハイキング&トレッキング経験のある中級者以上向けのコースとなっています。
トレッキングの区間の分け方とプランニング

全体で20kmほどのジュタ~ロシュカ間のトレッキングですが、プランニングの際になによりもまず知っておきたいのが、大きく5つの区間に分けられること。
・ジュタバレーハイキングコース【マップ 緑線】:3.9km/1時間30分
・ジュタ湖(チャウヒ湖)~アブデラウリの三色湖コース【マップ 青線】:8.8km/5時間30分
・アブデラウリの三色湖ループトレイル【マップ オレンジ線】:3.6km/2時間
・アブデラウリの三色湖~ロシュカ間コース【マップ ピンク線】:5.9km/1時間45分
・ロシュカ~コルシャ徒歩コース【マップ 灰色線】:13.5km/3時間30分
この中で日程や体力に合わせて削ることも可能なのは、アブデラウリの三色湖ループトレイルとロシュカ~コルシャ徒歩コースの二つの区間。
それ以外の区間に関しては、どんな場合でも自分の足で歩く必要があります。
アブデラウリの三色湖ループトレイルを飛ばす場合でも、青の湖&緑の湖は必ず通過するので立ち寄れますが、最も高い位置にある白の湖は見られません。
ロシュカ~コルシャ徒歩コースは単なる未舗装道路を延々と歩いていくだけの面白味が少ない区間なので、ロシュカ村からの移動手段を確保できるのであれば省略するのも良いでしょう(しかしロシュカから他の町への移動は公共交通手段がなく、タクシー料金の相場がかなり高めなのが悩みどころ)。
トレッキングにおすすめの時期

ジュタ~ロシュカ間のトレッキングコースは標高2500m~3300mの高地にあるため、訪問可能な時期はかなり限られます。
雪が解けてようやく歩けるようになるのは、例年6月半ばのこと。
それから、山々が再び雪に覆われる10月半ばにかけての約4か月間しか楽しめません。
この4か月間のうちで天候が最も安定しているベストシーズンが、7月最終週~8月3週目にかけての約1ヶ月間。
夏真っ盛りの時期にあたり、コーカサスの美しい緑が一面に広がります。
注意したいのが、観光ハイライトとなるアブデラウリの三色湖は時期によって水が干からびてしまう点。
特に、流れ込む川がない青の湖は降水量が減る8月半ば頃から水量がぐんぐんと減り、8月末には完全に干からびてしまうのだそうです。
歩く方向

ジュタ~ロシュカ間のトレッキングコースは、ジュタ出発orロシュカ出発のいずれでも歩くことが可能です。
しかし、悪いことは言いません…
本記事の通りにジュタ→ロシュカ方向で歩くことを強くおすすめします。
その理由が、ジュタ→ロシュカ方向で歩いた方が登りが比較的少ないため。
反対方向で歩いた場合、アブデラウリの三色湖~チャウヒ峠にかけてのものすごい傾斜の坂を延々と登ることとなるため、難易度は飛躍的に上がります(後述してるけど、まじでやばすぎる坂)。
トレッキングの宿泊ポイントの選び方

ジュタ~ロシュカ間のトレッキングを計画する際に気になるのが、宿泊をどうするかという点。
コース途中の大部分には宿泊施設はおろか民家の一つもないため、基本的にはテントを持参したキャンプ泊となります。
しかし、テントなどの装備がない人でも、(いちおう)挑戦することは可能。
キャンプ装備なしで挑戦する場合は、ジュタ・バレーにあるFifth Season【マップ 紫】や、アブデラウリの三色湖近くにあるAbudelauri Hut【マップ 紫】に宿泊できるようにプランニングすることとなります。
こうして見ると「な~んだ、別にテント持参しなくてもいけそう…!」と思うかもしれませんが、問題となるのはAbudelauri Hutは2025年8月現在未開業である点。
建物自体はほぼ完成しているのですが、宿泊施設としてはまだ整備が終わっていないという状態です。▼

しかしながら、工事中のAbudelauri Hutの入口の扉は常に開放されており、自由に立ち入り&滞在することが可能。
屋根と壁があるため、テントがなくても中で宿泊していくことは可能です(とはいえ寝袋くらいは要ると思うけど)。
そんなわけで、テントなしで挑む場合は宿泊ポイントが限られるため、以下の日程で歩くことになります。▼
・トレック0日目:カズベキ~ジュタ村に移動→ジュタ村のゲストハウス or FifthSeasonに前泊
・トレック1日目:ジュタ・バレー~アブデラウリの三色湖→Abudelauri Hutに宿泊
・トレック2日目:アブデラウリの三色湖~ロシュカ村~コルシャ村 or バリサホ村のゲストハウスに宿泊
反対にキャンプ装備がある場合、宿泊ポイントの選択肢は大きく広がります。
のぶよの場合は以下の通り、合計4日間に分けて自由気ままに歩きました。▼
・トレック1日目:カズベキ~ジュタ村に移動→ジュタ・バレーハイキング→ジュタ湖(チャウヒ湖)でキャンプ
・トレック2日目:ジュタ湖(チャウヒ湖)~アブデラウリの三色湖→緑の湖でキャンプ
・トレック3日目:アブデラウリの三色湖ループトレイル→ロシュカ村→ロシュカ村のゲストハウス泊
・トレック4日目:ロシュカ村→コルシャ村→コルシャ村のゲストハウス泊
どうしても日帰りで歩きたい人向け!ロシュカ村~アブデラウリ三色湖の日帰りトレック

ここまでは「ジュタ~ロシュカ間を複数日かけて歩く」という基本のコースについて解説してきましたが、歩くの大嫌い&キャンプなんてもっての他!という潔癖民族である日本人旅行者のみなさんは、「どうにか日帰りで歩けないものだろうか…」なんて考えているのではないでしょうか。
「どうしてもトレッキングは日帰りで済ませたいけど、観光ハイライトのアブデラウリの三色湖だけは絶対に見たい!」という人は、ジュタからチャウヒ峠を越えるコースではなく、ロシュカ村からアブデラウリの三色湖までを往復するプランがおすすめ。
ロシュカ村~アブデラウリの三色湖間コース【マップ ピンク線】と、アブデラウリの三色湖ループトレイル【マップ オレンジ線】を組み合わせたルートであれば、日帰りで十分歩くことが可能です。▼
・距離:往復15.4km
・所要時間:往復5時間半~6時間
・高低差:▲▼858m
・難易度:★★★★☆
こんな感じで決して楽勝なコースではないものの、日帰りなのでキャンプ用品や食料を担がずに歩けるのは大きなメリット。
このプランの場合は、トビリシなどからロシュカ村に直接アクセスして、ロシュカ村のゲストハウスに滞在しながら日帰りトレックに挑戦することになるでしょう。
ジュタ~ロシュカ間2daysトレックの詳細
ジュタ村~ジュタ湖(チャウヒ湖)間

記念すべきトレッキングの最初の区間となるのが、ジュタ村~ジュタ湖(チャウヒ湖)間。【マップ 緑線】
カズベキ地域の超定番デイトリップ先であるジュタ・バレーのハイキングと全く同じコースとなり、99%の観光客はこのコースを単純往復して日帰りハイキングを楽しみます。
今回は往復ではなく、ジュタ・バレー最奥部に位置するジュタ湖(チャウヒ湖)まで片道で目指していきます。
・距離:3.9km
・所要時間:1時間半
・高低差:▲396m
・難易度:★★☆☆☆
すべての始まりとなるジュタ村【マップ 青①】を出発すると、いきなりものすごい傾斜の坂が。
この急坂さえクリアすれば、あとは一面緑の美しい谷間を緩やかに登っていくコースとなります。


ジュタ村~ジュタ湖(チャウヒ湖)間は、ゆっくり歩いても1時間半ほどと楽勝。
コースの詳細や途中の見どころに関してはジュタ・バレーの観光記事内で解説しているので、こちらも合わせてチェックしてください!▼
ジュタ・バレー内の宿泊

多くの場合は、ジュタ・バレー周辺のどこかで一泊ジュタすることになるはず。
キャンプ装備がない場合はジュタ村のゲストハウス【マップ 青①】か、ジュタ・バレー内にある5th Seasonというお洒落お高級山小屋ホテル【マップ 紫】に泊まることになります。


キャンプ泊の場合は、ジュタ・バレーの最も奥にあるジュタ湖(チャウヒ湖)【マップ 青②】の周辺が便利です。
ジュタ湖(チャウヒ湖)~チャウヒ峠間

ジュタ・バレーを歩いたら、いよいよトレッキングの本番となる区間のはじまり。
まずは、標高2500mほどのジュタ湖(チャウヒ湖)から標高3300mのチャウヒ峠までを登る、トレッキング全体で最大の難関となる区間です。【マップ 青線】
・距離:5.5km
・所要時間:3時間半
・高低差:▲788m
・難易度:★★★★★
スタート地点となるのはジュタ湖(チャウヒ湖)。【マップ 青②】
正式名称は「チャウヒ湖」だそうですが、地元では「ジュタ湖」の呼び方もポピュラー。いずれも同じ湖を指すので混乱しないように気を付けましょう。
ジュタ湖(チャウヒ湖)からはとにかく延々と上り坂が続く&太陽に向かって歩くことになるので、太陽光が弱く暑さがましな早朝にスタートするのが鉄則。
朝の柔らかな光に包まれたジュタ・バレーの風景はとにかく美しく、昼間の観光客の群れとは無縁の世界です。▼


ジュタ湖(チャウヒ湖)からの道はマーキングこそされていないものの、かなり分かりやすいので安心。
途中で一部分岐している箇所がいくつかありますが、とにかく川に沿って谷間を東に向かって歩いていけば大丈夫です。

▲コース前半は、いくつか川を越えるポイントがあるので注意。
飛び越えられるレベルの箇所もあれば、靴を脱いで渡らなければならないような箇所もあります。


最初の3km少々は、上り坂とはいえまだまだ楽勝レベルの緩やかさ。
それが急に険しいものとなるのが、チャウヒ峠まであと1kmほど/標高3000mを越えるあたりです。

▲このチャウヒ山を望むポイント付近からは、かなり急な斜面を登っていくことになります。
つづら折りのような道を何度も何度も行き来しながら、ひたすらに上へと登っていくのは、体力的にも精神的にもかなりの難関かも…

この地獄の急坂をどうにかこうにか上りきると、辺りはもう草木もほとんど映えない荒涼とした風景に。
このあたりで標高3200mほどはあり、これまで歩いてきた谷間を一望することができます。▼


荒涼とした地獄のような風景の中を少し登った先に到着するのが、トレッキングコース全体で最も標高が高い地点となるチャウヒ峠。【マップ 青③】
カズベキやジュタがあるヘヴィ地方と、ロシュカ村があるヘヴスレティ地方を隔てるポイントであり、ここから先はヘヴスレティの山となります。

▲チャウヒ峠の西側には、ジョージア最高峰のカズベキ山の遠景が見られるポイントも。
荒涼とした峠の風景と、8月でも真っ白な雪を被ったカズベキ山の頂の不思議なコントラストは、ここまで苦労して歩いてきた人だけが見られるものです。
チャウヒ峠~アブデラウリの三色湖

チャウヒ峠でしばしの休憩の後は、ヘヴスレティ地方側へとひたすら下っていくコースに。
チャウヒ峠~アブデラウリの三色湖分岐点間【マップ 青線】は距離にして3.4kmほどと短いものの、この短距離で700m以上の高低差を下るというわけで、ものすごく急な下り坂が待っています。
・距離:3.4km
・所要時間:2時間
・高低差:▼735m
・難易度:★★★★☆
チャウヒ峠に別れを告げる前に絶対に見ておきたいのが、峠の両側の風景。
西側にはこれまで歩いてきたカズベキエリアのパノラマが、東側にはこれから歩いていくアブデラウリの三色湖全体を望むパノラマが広がります。▼


チャウヒ峠を出発して最初の数百mは、それほど急ではない緩やかな坂道が続きます。
それがだんだんと傾斜を増していき、とうとう地獄の下り坂が始まります。▼

この下り坂、ただでさえものすごい傾斜につづら折りのような道が敷かれているのですが、小さな石が転がっているのでかなり歩きにくいので注意。
体力的には楽ですが、膝や足の筋肉を酷使することとなるので、急ぎすぎずゆっくりと進むのがベストです。
道自体はこの一本しかなく(マップアプリによってはもう一つのルートがあるけど、実際には存在しない)、ただひたすらに下っていくだけなので迷うことはなし。
正面にアブデラウリの青の湖を望みながら歩いていくだけです。


チャウヒ峠を出発し、恐ろしいほどの下り坂に涙目になりながら歩くことおよそ2時間。
アブデラウリの三色湖分岐点【マップ 青④】に到着します。▼

この分岐点から道は三本に分かれており、右の道は白の湖へ/中央の道は青の湖へ/左の道は湖を経由せずにロシュカ村へと直行する道となります。
まだ時間と体力に余裕があるなら右の道へ進み、アブデラウリの三色湖ループトレイルを歩くのも◎
そうでなければ中央の道へ進み、宿泊ポイントとなる緑の湖方面を目指しましょう。
アブデラウリの三色湖の宿泊

多くの場合、アブデラウリの三色湖の周辺がこの日の宿泊ポイントとなるはず。
テント泊の場合は、スペースがいくつもあり水場がある緑の湖の周辺一択です。


緑の湖の東300mほどの場所にはAbudelauri Hut【マップ 紫】がありますが、すでに触れたように2025年8月現在は未開業の状態。
しかし鍵は開いており、自由に内部に立ち入り&滞在することが許されているので、テント装備がない場合や悪天候の場合の宿泊ポイントとして利用することが可能です。
アブデラウリの三色湖ループトレイル

ジュタ~ロシュカ間のメインのトレッキングコースからは若干はずれてしまうものの、多くの人が歩くのがアブデラウリの三色湖ループトレイル。【マップ オレンジ線】
その名の通り、青、緑、白の三つの湖をぐるりと周るルートです。
・距離:3.6km
・所要時間:2時間
・高低差:▲247m ▼247m
・難易度:★★★☆☆


アブデラウリの三色湖分岐点【マップ 青④】では青の湖方面への道と白の湖方面への道があり、どちらに進んでも良いのですが、傾斜的に楽なのは半時計周り。
つまり、アブデラウリの三色湖分岐点→白の湖→青の湖→緑の湖…という順番です。
反対方向(時計周り)で歩いても高低差は変わりませんが、登り区間がかなり急な坂となるのでややしんどさが増すように思います。


観光ハイライトとなるアブデラウリの三色湖が制覇できるのはもちろん、コース上の雄大な風景も素晴らしいループトレイル。
所要時間2時間ほど&まあまあな高低差ではあるものの、ここまで来たならぜひとも挑戦するべきです!
青の湖

アブデラウリの三色湖の中で最も美しいと言われ、最も有名なのが、青の湖。【マップ 青⑤】
その名の通り、神秘的なディープブルーに輝く湖水を讃えるアルピンレイクは、周囲の緑の風景とごつごつした山の遠景も相まって、どこまでも非現実的な雰囲気を漂わせます。
遠くで見ても近くで見ても完璧なまでの真っ青の湖水は、雨水が溜まって地面の成分と化学反応を起こした結果。
青の湖には流れ込む川はないため、色素成分が薄まることなく水中に沈殿するため、ここまで鮮やかな色味となるのだそうです。


近年SNS等を通して、ジョージア人の間で知名度がかなり上がった青の湖。
夏場の土日はロシュカ村を拠点に日帰りハイキングで訪れるジョージア人旅行者も増えてきているそうですが、このときは人の姿はほぼなく、まだまだ完全に秘境感が残っている感じでした。

どこまでも神秘的な青の湖は、まるでCGのよう。
ここまで歩いた人だけが見られる極上の自然風景を存分に楽しみましょう。
緑の湖

青の湖のすぐ東側にあるのが、緑の湖。【マップ 青⑥】
こちらは、丘と丘の間の窪みに山から流れてきた小川の水が溜まって形成されたものです。
透明度に関してはアブデラウリの三色湖の中でもぶっちぎりトップの緑の湖。
周囲の緑色の大地を反射して、やや青みがかった深緑色に見える湖水がとても美しいです。


見る角度によって、エメラルドグリーンに見えたり黒っぽく見えたりするのも、緑の湖ならでは。
コーカサスの大自然が育んだ美しい風景を存分に堪能しましょう。
白の湖

アブデラウリの三色湖の中で一つだけやや離れた場所にぽつりとあるのが、白の湖。【マップ 青⑦】
その名の通り、湖水は驚くほどの乳白色で、まるで登別温泉のお湯のようなミルキーな色味がとても幻想的です。


白の湖の標高は2800mほどと、他の二つの湖よりも300m近くも高い場所に位置しています。
このあたりは完全に森林限界を超えているようで、湖の周囲には草木はまばらで灰色一色の山肌に取り囲まれた風景は、まるで地獄谷のよう。
8月でも残雪が多く見られ、厳しい自然環境であることがわかります。

ロシュカ~アブデラウリの三色湖間だけを日帰りで往復する人の中には、やや距離が離れている&坂を登らなければならない白の湖をスキップする人も少なくないのだとか。
しかしのぶよ的には、この白の湖の現世から隔絶された感じはぜひとも自分の肌で感じるべきだと思います。
アブデラウリの三色湖~ロシュカ

アブデラウリの三色湖の美しさに感動したあとは、いよいよトレッキングもラストパート。
アブデラウリの三色湖~ロシュカ村間【マップ ピンク線】を歩いていきましょう。
・距離:5.9km
・所要時間:1時間45分
・高低差:▼638m
・難易度:★☆☆☆☆
距離にして約6kmほどと短いこの区間は、上り坂はいっさいなく全て緩やかな下り坂。
体力的には楽勝ですし、これまで歩いてきた険しい峠越えの道のりに比べると赤ちゃんレベルの易しさに感じられると思います。


一か所だけ。途中にコースが二つに分岐しているポイントがあり標識も出ていないのですが、ここは右の道を進むのが正解。
左の道は、ロシュカ村方面から車で来た人が途中の駐車場に車を置いてアブデラウリの三色湖まで歩く場合のルートとなっており、遠回りになってしまいます。▼

アブデラウリの三色湖がある標高2500m付近からロシュカ村方面へと下っていくと、それまでは見られなかった高山植物がたくさん。
広々とした谷間に色とりどりの花々が咲き誇る風景は、ここまで頑張って歩いた人を祝福しているかのような美しさです。


アブデラウリの三色湖を出発しておよそ1時間半ほどで、ゴール地点となるロシュカ村が見えてきます。【マップ 青⑧】
ここまでの長く険しい道のりの後に見える小さな村は、まるで理想郷のように見えるかも…▼

ロシュカ村には民家が十軒ほど点在しているだけで、商店や飲食店などは存在しません。
村のゲストハウスで食事&宿泊するのも良いですし(どの宿も昼食だけでも受け入れてくれる)、時間と体力に余裕があるならこのまま歩を進めてコルシャ/バリサホへと抜けるのもアリです(でも個人的にはロシュカの宿がとても良かったので、ぜひ宿泊してほしい!)。
ロシュカの宿泊

ロシュカ村には現在ゲストハウスとして営業している宿は3軒。
どこも同じような料金設定&設備ではありますが、雰囲気や食事のクオリティーは結構異なるそうなので、自分に合った場所を選びましょう。
のぶよが宿泊したのは、宿泊予約サイトに対応していない以下の宿。
ここ、すんっっっごく良かったのでおすすめです!
Roshka Guesthouse

・料金:部屋50GEL(=¥2500)/夕食30GEL(=¥1500)/朝食20GEL(=¥1000)
・部屋タイプ:ツインルーム一人利用(シャワー/トイレ別)
・立地:8/10

ロシュカ村に3軒あるゲストハウスの中では最も高い場所に位置していますが、ちょっと登るだけなので問題なし。
敷地内からは村を一望するパノラマが広がり、かなり開放感があります。
・宿へのアクセス:10/10
ジョージアの地方部の宿らしく、入口の門は常に開いており、中の家族に声をかけて簡単にチェックインできます。
予約などいっさいなしの飛び込みで訪問しましたが、快くスムーズに受け入れてくれたのも◎
・スタッフ:8/10
家族全員で切り盛りしているゲストハウスで、特に若い姉妹の対応が素敵。
英語も問題なく通じ、必要なものはすぐに準備してくれます。
家族経営ながらもそこまでガッツリと絡みがあるわけではなく、宿泊客用スペースと家族用スペースがきっちり分かれているのも特徴的。
個人的にはもう少しアットホームな感じでも良いかなあと感じました。
・清潔さ:10/10

宿の建物自体はこの地域の伝統的な造りの民家なのですが、どうやら近年リノベーションをしたそう。
内部は驚くほどにモダンで清潔な空間となっており、小さな村のゲストハウスとは思えないほどに綺麗です。
シャワー&トイレは全体で2ヶ所しかないのがやや不満ですが、そこまで混雑することもないので問題なさそうです。
・設備:9/10
宿には宿泊客専用の食堂スペースまであり、「結構しっかりとゲストハウス経営してるなあ」といった印象。
コーヒーや紅茶など自由に飲み放題というちょっとしたサービスも嬉しいです。


ただ、キッチンは基本的に宿泊客には開放されておらず、自炊したい人には不向き。
とはいえ、この宿の魅力は食事にこそあるので、せっかくなら食事をつけるべき=キッチンは必要ないと思います。
・wi-fi:6/10
基本的には宿のどこででも接続できるのですが、時間帯によってかなり不安定だったのがマイナス。
大きなファイルのアップロード等はできないと考えておいた方が良いかもしれません。
・雰囲気:10/10

この宿の素晴らしい点の一つが、伝統的な雰囲気を大切にしながら、快適な設備が用意されていること。
ヘヴスレティ地方伝統の木造テラスは広々とした造りが素晴らしく、この地域の工芸品も飾られていてとても良い感じです。


ただのんびりとくつろいでいるだけでも、山の伝統的な文化が感じられるのが◎
広々とした庭も素敵で、なんとも贅沢な時間が過ごせます。
・食事:10/10

この宿をおすすめする最大の理由が、豪華で美味しい食事。
のぶよは夕食オプションを利用しましたが、正直ジョージアでこれまで泊まったゲストハウスの中でもトップレベルのクオリティーでした。


ジョージア地方部のゲストハウスで提供される食事は、だいたいどこも伝統的なジョージア料理が数皿出てくるもの。
しかしこの宿では、伝統的なジョージア家庭料理をベースにオリジナリティーを加えた「創作家庭料理」のようなメニューが食べられるのです。
もちろん全てが手作りで、できるだけ自宅の庭で採れた食材を使用している点も◎
何よりも品数&量がものすごく、これで30GELはかなり良心的だと思います(トビリシのレストランで同じような注文をしたら間違いなく80GELとかいく)。

というわけで、Roshka Guesthouseでは絶対に食事をつけましょう。
メニューは日替わりとなりますが、味付けも料理のセンスも素晴らしいので、絶対に満足できるはず!
・総合:8.9/10
雰囲気も、食事も、快適さも、とにかく総合的におすすめできる宿です。
のぶよのように伝統的な造りの建物が好きな人にはぴったりですし、快適さを重視する人でも問題なく滞在できるはず。
インターネットの不安定ささえなければ、ジョージア全国を見渡してもBEST5に入る良宿かもしれません。
何度も言いますが、食事のクオリティーが本当に素晴らしいのでとにかくぜったいに挑戦を!
【ロシュカの宿の予約はこちらから!】
ロシュカからの移動
旅行者の大半はここロシュカをトレッキングのゴールと定め、どうにかしてこの小さな村から他の町へと移動しようとします。
しかし…ロシュカには公共交通機関が走っておらず、アクセスには結構難ありなのがネック。
ロシュカまでは車両通行可能な道があるにはありますが、未舗装道路であるため一般のタクシーは乗り入れていません。
そのため、ロシュカから直接他の町に移動したい場合は、村人の4WD車をタクシー代わりに利用するしか方法がないのが現状。
料金相場は村で定められているようで、交渉の余地はありません。▼

他に方法がないためかなり強気な料金設定ではあるものの、数人で割れるならまあ…といった感じ。
無駄な移動費を払いたくないのぶよタイプの旅行者は、ロシュカからコルシャやバリサホなど幹線道路沿いの村までエクストラトレッキングし、これらの村からのマルシュルートカを利用して他の町へ移動することになります。
ロシュカ~コルシャ/バリサホ間

ロシュカから4WDタクシーを使わない場合、ロシュカ~コルシャ/バリサホ間の13kmほどの道を歩くことになります。【マップ 灰色線】
・距離:13.5km
・所要時間:3時間半
・高低差:▲220m▼895m
・難易度:★★☆☆☆
ロシュカ~幹線道路との分岐点があるコース前半は、ひたすらに未舗装の山道を下っていくだけ。
分岐点~公共交通があるコルシャ/バリサホまでは完全に舗装された道路を歩きます。


ロシュカ村を出て未舗装道路を延々と下っていくと、ちょうど全体の半分くらいの距離の場所で幹線道路に合流します。
この幹線道路はトビリシ~シャティリまでを結ぶものですが、交通量はとても少ないのでヒッチハイクは難しいかもしれません。

分岐点からは、緩やかな下り坂をとにかく南へと歩いていくだけ。
舗装状態はあまり良くはないものの、それまでの未舗装の砂利道に比べると格段に歩きやすくなります。
見逃したくないのが、途中にある謎のトンネルのような構造物。
これは、かつてソ連時代に計画されていたトビリシ~ウラジカフカス(ロシア領)を結ぶ鉄道用のトンネルの跡で、ソ連崩壊とともに計画がとん挫して未完成のまま放置されたものです。


不気味な姿の廃トンネル(ロシアにワープできそう)を通り過ぎると、目的地であるコルシャ村【マップ 青⑨】はもうすぐ。
村には合計で十軒もないほどの民家があるだけで、限界集落感がぷんぷんと漂います。▼

コルシャ村から南に1.5kmほどの場所には、バリサホ村【マップ 青⑩】という別の村があり、そちらまで行くのも◎
コルシャとバリサホは行政区画的には一つの村という扱いだそうですが、微妙に距離が離れていることもあり、住民たちはそれぞれ別の村という認識だそうです。
コルシャ/バリサホの宿泊

コルシャとバリサホ、いずれの村にも一軒ずつ商店があり、どちらも同じような規模の山村なので、どちらに宿泊してもOK。
いずれの村からもマルシュルートカが出ているので、移動にも困りません。
のぶよ的には、とにかく宿が素晴らしかったバリサホがおすすめです!
【Korsha Guesthouse】(コルシャ)

・料金:40GEL(=¥2000)/朝食20GEL(=¥1000)/夕食30GEL(=¥1500)
・部屋タイプ:ツインルーム(シャワー・トイレ共用)
・立地:9/10

ロシュカ方面からコルシャ村に入って一番最初にあるゲストハウスです。
入口には看板が出ているのですぐにわかるはず。
マルシュルートカが発着するバス停&村に唯一の商店までは約600mほどと、微妙に離れている点が若干マイナスかもしれません。
・宿へのアクセス:9/10
入口の門は常に開いており、勝手に入って家の人に声をかければOKです。
ただ宿の敷地がかなり広いので、家の人を探すのに苦労するかもしれません。
・スタッフ:5/10
大きなマイナス点が、宿の家族の感じがあまりウェルカムではなかったこと。
この宿はかなり規模が大きく、夏場は団体観光客の受け入れもしているため、何と言うか「旅行者に慣れきってしまっている感」のようなものが強く感じられました。
宿の家族は話してみるとまあ普通な感じではあるのですが、なんとも不愛想というか素っ気ない感じの態度。
こちらから言わないと何もしてくれないですし、宿をやってお金をもらうならばもうちょっと温かな感じでも良いのではないかと思います。
・清潔さ:6/10

のぶよが予約なしでこの宿に突撃した日は、トビリシからの観光客団体で満室となっており、個室に泊まることはできませんでした。
庭の一角にテントを張らせてもらったので(25GELもとられた)、宿泊スペースの清潔さについては分かりません(でも外観的におそらく問題なく綺麗だと思う)。
トイレとシャワーに関しては、不潔ではないもののちゃんと掃除されているとは言えない感じ。
気になる人は気になるでしょうし、清潔さを求めるならここはなしかもしれません。
・設備:7/10

個室スペースに関しては分かりませんが、共用の庭や食堂スペースに関してはまあ普通に設備が充実している感じ。
キッチンも使用することができ、簡単な調理くらいなら嫌な顔されずにできると思います。
・wi-fi:9/10
インターネットは広い庭を含む宿の全域で問題なく接続でき、速度も申し分ないほどでした。
・雰囲気:9/10

この宿の最大の魅力が、ヘヴスレティ地方の伝統がとにかく大切にされた内装。
宿泊客用の食堂スペースはもはやミュージアムのようになっており、この地域の伝統を表したアート作品や工芸品が所狭しと並んでいます。


宿のお父さんは地元では有名なアーティストなのだそうで、自身の作品をこうして並べているのだそうです。
こうした地域の伝統文化に興味がある人にとっては、この宿は宝の山かもしれません。
・食事:9/10

雰囲気や清潔さ、人の感じなどやや微妙な点が目立つKorsha Guesthouseですが、料理は抜群に美味しいのでおすすめ。
メニューはこの地域の名物とされるものをメインに、手作りの温かみあふれる料理がたっぷりと食べられます。


実はこの辺りの地域はヒンカリの発祥の地とされるそうで、この宿の自慢は自家製のヒンカリ。
羊肉と牛肉を挽いたものを具にしたヒンカリはとてもジューシーで、食べてみる価値が大ありです!
・総合:7.9/10
ネットの質や食事の美味しさなどの良い部分と、人の感じや清潔感など微妙な部分が混ざり合った、なんとも評価の難しい宿です。
ある程度割り切れる人であれば、伝統的な空間で食べる美味しい郷土料理を目的に滞在するのもアリ。
逆にアットホームさや居心地の良さを重視する人には向かないと思います。
【Guesthouse Lulu】(バリサホ)

・料金:45GEL(=¥2250)/朝食20GEL(=¥1000)/夕食30GEL(=¥1500)
・部屋タイプ:ダブルルーム(シャワー・トイレ共用)
・立地:10/10

バリサホ村の中心部(とはいえそもそも民家は十数軒しかないけど)すぐそばにある、小さなゲストハウスです。
一階部分は家族用/二階部分は宿泊客用のスペースとなっており、敷地のどこからでも美しい山並みが見えてとても癒されます。
・宿へのアクセス:10/10
入口には看板が出ていて門も開いており、中には宿の家族が常にいるので、問題なくチェックインできます。
Booking.comで予約したのですが、宿のおばさんはのぶよの来訪を楽しみに(?)していたようで、とても温かく迎えてくれました。
・スタッフ:10/10
基本的には宿のお母さんが対応してくれるのですが、この人の態度や愛想の良さはジョージア東部の奇跡そのもの。
英語はやや微妙ではあるもののロシア語は通じますし、なによりも言葉の壁を越えた温かな人柄のようなものが絶対に感じられるはずです。
色々と世話を焼いてはくれるものの、がっつりと絡むわけではないという絶妙な距離感も◎
なんとも居心地の良い雰囲気を演出してくれます。
・清潔さ:10/10

驚くべきが、山奥の小さな村の宿とは思えない清潔さと、センスある内装。
二階の宿泊客用スペースは完璧なまでにリノベーションされており、ここだけ見るとちょっとしたブティックホテルのように見えないこともありません。
トイレやシャワーなどの水回りも、宿のおばさんが一日に数回掃除しており、清潔さは抜群です。
・設備:10/10

二階の宿泊客用スペースにはなんと専用のリビングルームとテラスがあり、誰に邪魔されることもなくのんびりと過ごすことができます。
シャワーにはドライヤーまで用意されており、細かな気遣いが◎

また、宿泊客用スペースには宿泊客専用の冷蔵庫や電気ケトル、飲み放題の紅茶やコーヒーなどが用意されており至れり尽くせり。
気づけば永遠に滞在したくなっているような、完璧な設備だと思います。
・wi-fi:10/10
宿の敷地内全てにおいて、速度も問題なく接続可能です。
・雰囲気:10/10

この宿はとにかく居心地抜群で、自然に囲まれながらのんびりと過ごしたい人にはぴったり。
ゲスト用の部屋は3部屋のみとかなり小規模な宿なのですが、それが逆に絶妙な居心地の良さに繋がっている気がします。
二階のテラスからは周囲の山々の風景が間近に見え、何もせずにのんびりと過ごしているだけでも癒されるはず。
宿泊客用のリビングも広々としており、とにかく雰囲気良いです。
・食事:9/10

雰囲気も居心地も人の感じも素晴らしいこの宿ですが、料理の美味しさもかなりのもの。
自家製の料理が数皿も並び、大満足の食事体験ができます。
・総合:9.8/10
おそらく、支払う料金と得られるもののバランスにおいては、ジョージア全体でトップレベルの神宿です。
設備も雰囲気もとにかく非の打ちどころがなく、そこに人の優しさが加わって完璧な空間となっています。
バリサホ村や周辺には特に見どころがありませんが、この宿で数日間のんびりと過ごすためだけにでもわざわざ訪れる価値があると言えるほど。
とにかく素晴らしい宿なので、ぜひとも万人におすすめしたいです!
【コルシャ/バリサホの宿の予約はこちらから!】
ジュタ~ロシュカトレッキングの基点へのアクセス
ジュタ~ロシュカ間トレッキングの拠点となる村は、西側のジュタ村と東側のコルシャ村/バリサホ村。
いずれも公共交通機関はかなり不便ではあるものの、個人で移動することも不可能ではありません。
ジュタ村へのアクセス

ジュタ村へのアクセス拠点となるのは、エリアで最大の町であるカズベキ(ステパンツミンダ)。
しかし、ジュタまで直接乗り入れる公共交通機関は存在しない点が悩みどころです。
・タクシー:1台120GEL~160GEL(=¥6000~¥8000) ※片道/往復同額
・現地ツアー会社のシャトルバスを片道分だけ利用:55GEL(=¥2750)
・徒歩:20km/4~5時間
カズベキ~ジュタ村間の移動情報詳細に関しては以下の記事内でまとめているので、この区間を移動する場合はチェックしてください!▼
コルシャ/バリサホへのアクセス

ジュタ~ロシュカ間トレッキングの東側の拠点となるのが、ヘヴスレティ地方に位置するコルシャ村かバリサホ村。
ほとんどの場合、トレッキングの後にコルシャ/バリサホから別の町へと移動するプランになるでしょう。
コルシャ/バリサホのいずれの村にも、本数は少ないもののマルシュルートカ便が存在するのは嬉しい点。
トビリシ方面へ自力で移動することもできますし、さらに山奥のシャティリ方面への移動も可能です。
トビリシ方面~コルシャ/バリサホのアクセス

トビリシ~コルシャ/バリサホ間には直行のマルシュルートカがいちおう存在するものの、運行は不定期なので旅行者には使いにくいです。
これらの村でメインの移動手段となっているのは、ドゥシェティ~コルシャ/バリサホを走る週に4本の路線。
ドゥシェティ(Dusheti/დუშეთი)はヘヴスレティ地方の玄関口に位置する小さな町で、トビリシのディドゥベ・バスステーションとは頻繁に運行される別のマルシュルートカ便で結ばれています。
コルシャ/バリサホ側のマルシュ発着ポイントは、コルシャ村の商店向かいのバス停。【マップ 黄色】
その後バリサホ村のバス停【マップ 黄色】を経由して山を下り、ドゥシェティ中心部のバスステーションが終点となります。
シャティリ~コルシャ/バリサホのアクセス
コルシャ/バリサホからヘヴスレティ地方の最も奥に位置するシャティリ(Shatili/შატილი)方面へと移動したい場合、週に2便のトビリシ~シャティリ間マルシュルートカに途中乗車することが可能です。
トビリシのディドゥベ・バスステーションを出発したマルシュルートカは、バリサホ村のバス停とコルシャ村のバス停を経由し、シャティリ村中心部の広場へと至るルートをとります。
コルシャ/バリサホは、トビリシとシャティリのいずれからも2時間ほどの場所に位置しているので、発着時刻から時間を逆算し、マルシュルートカが通過するのを待つようにしましょう。
トビリシ~シャティリ間の移動情報詳細記事は、現在執筆中です!
ジュタ~ロシュカ2daysトレッキングの注意点・アドバイス
もうすでにものすごい量の情報をお届けしていますが、ここからはジュタ~ロシュカ間トレッキングに実際に挑戦する人向けの注意点やアドバイス。
「備えあれば患いなし」とはよく言ったもので、事前に知っておくだけで旅が快適なものとなるので、しっかりと予習しておきましょう。
コース上のインフラ(水/インターネットetc)

大自然の中を複数日かけてトレッキングするとなると、気になるのはインフラ面。
まず知っておきたいのが、コース上のほとんどでインターネットの電波が届かないという点です。
ジョージア最大手でカバー地域が広いMagtiでさえ、ジュタ村とロシュカ村を出ると電波はなし。
最安の通信会社であるCelfieにおいては、ジュタ村やロシュカ村ですら全く繋がりません。
また、コース上には水場がいくつかあり、飲料水の補給が可能ですが、チャウヒ峠~アブデラウリの三色湖分岐点にかけての区間には湧き水が一切ない点に注意。
アブデラウリの三色湖周辺にも湧き水スポットは限られており、緑の湖に流れ込む清流くらいしかありません。
というわけで、念のため2L~3Lほどの飲料水は常にキープしておくようにしましょう。
商店/飲食店

ジュタ~ロシュカ間トレッキングコース上には、商店はいっさい存在しません。
それどころか、ジュタ村やロシュカ村にも商店はないので、必要なものは全て大きな町から持参する必要があります。
トレッキングを終えた後であれば、コルシャ村のバス停付近に一軒&バリサホ村の中心部に一軒のミニ商店があります。【マップ 茶色】
しかしいずれも品数や種類はとても限られているので、あまり期待しない方が良いでしょう。
飲食店に関しては、ジュタ村の観光客向けレストランやジュタ・バレー内のFifth Seasonを利用することが可能。
しかし値段はべらぼうに高いので、節約したい場合は食料を多めに持参しましょう。
ロシュカ側には飲食店こそありませんが、各村のゲストハウスで食事がつけられるので問題ありません。
野生動物

ジュタ~ロシュカ間トレッキングコース上では、野生動物との遭遇リスクは比較的低いとされています。
その理由が、標高が高く木々がほとんどないことから、熊などが棲息できないためです。
むしろ、熊やオオカミとの遭遇リスクが上がるのは、標高が低めのジュタ・バレーやロシュカ村周辺。
しかしいずれにも人が住んでいるため、野生動物側から人里に近づいてくることはまずありません。
持ち物
テントや寝袋などキャンプ泊に必要な装備は言うまでもなく、自炊派であれば簡易ガスコンロなどの調理器具を持参するのも◎
スマートフォンのモバイルバッテリーも必需品となるでしょう。
この地域は標高が高いため蚊は棲息しておらず、虫よけ等は必要なさそう。
いっぽうで太陽光の強さが尋常ではないので、日焼け止めや帽子、サングラス等の日光対策は絶対です。
服装に関しては、トレッキングに適したものであればOK。
スニーカーではまず無理なので、トレッキングシューズをお忘れなく。登山ステッキはあっても良いですが、荷物になるので個人的には要らないような気もします。
また、コース上にはトゲのある植物が多く自生しているので、半ズボンではなく長ズボンで歩くのがおすすめです。
おわりに
というわけで、長年夢見ていたジュタ~ロシュカ間トレッキングを実際に歩いてのアレコレを超絶細かく解説しました。
みなさん、ついて来られているでしょうか…(笑)
そもそも日本人旅行者でトレッキングに挑戦する人はごくわずか。
その中でも複数日のガチのトレッキングとなると、多くの人に敬遠されてしまうのではないかと思います。
…が!
のぶよ個人的には本当に本当に本当におすすめ。
時間と体力と気力と天候が許すのであれば、ぜひとも挑戦してみてほしいです。
近年ジョージアに溢れる「タクシーで移動してお洒落なコテージに泊まって…」といった観光客がいくらお金を積もうとも見られない、自分の足で歩いた人だけの極上の風景と最高の気持ち。
コーカサスの山国・ジョージアの真髄が詰まったこのアドベンチャートレッキングの感動を、ぜひ一人でも多くの人と分かち合えれば嬉しいです!
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