こんにちは!ジョージア南部のサムツヘ=ジャワヘティ地方をのんびり旅行中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ボルジョミ~アハルツィヘ~ヴァルジアを結ぶサムツヘ地方の幹線道路沿いには温泉が湧いている場所が数多くあり、のぶよはこのエリアを勝手に「ジョージア温泉街道」と名付けて推しています。
山の中でひっそりと湧く野良温泉から、ソ連時代に整備された温泉施設、掘っ立て小屋の中で湧く名湯まで…
さまざまなタイプの温泉が点在し、泉質もそれぞれ大きく異なります。
今回紹介するのは、そんなジョージア温泉街道の中でも一風変わったスポット。
敷地内で自家源泉が湧いている「温泉ゲストハウス」です。
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その名は”Guesthouse Geno“。
このエリアの一大観光地であるヴァルジア洞窟住居から7kmほど離れたトモグヴィ(Tmogvi / თმოგვი)という小さな村に位置する、家族経営のゲストハウスです。
この宿の自慢は、豊富に湧き出る自家源泉を引いた温泉浴場。
トモグヴィ村では温泉が湧くのはここだけ&ジョージア全体でも自家源泉を持つ温泉宿はおそらくここだけだと思います。
宿泊客は無料で温泉に入り放題なので、温泉三昧の滞在ができること間違いなし!
トモグヴィ村周辺には至極の観光スポットが溢れているので、観光面でも退屈することはありません。
Gueshouse Genoの基本情報
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Guesthouse Genoが位置するのは、トモグヴィ村北部の一角。
幹線道路から少し奥に入ったところにある広大な敷地全体が宿のものとなっています。
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部屋は良く言えばレトロ/悪く言えば古ぼけた感じですが、最低限の設備は整っています。
宿泊料金は、1部屋50GEL(=¥2500)。
一人利用でも二人利用でも同じ料金なのですが、一人の場合はちょっと割高感があるように感じます。(まあ温泉が無料で利用できるので個人的には許容範囲)
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ゲストハウス内にはキッチンと食堂があり、簡単なものなら調理することも可能。
昔は食事をつけてもらうこともできたそうですが、今は「面倒だから」という理由でやっていないそうです…(このやる気のなさよ)
Guesthouse Genoを経営するのは、宿の名前にもなっているゲノというおじさんとその家族。
全員アルメニア人だそうで、ジョージア語とアルメニア語、ロシア語が通じます。(逆に英語は通じない)
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ゲストハウスの敷地はとにかく広く、数か所の浴場と宿泊客用スペースの他に休憩用の小屋もいくつか設置されています。(すべてゲノの手作りだそう)
敷地内には小川が流れており、湯上がりにせせらぎの音に包まれながらビールを一杯…なんて最高の時間を過ごすことも可能です。
宿泊客は、無料で好きなときに何度でも温泉を利用することができるのは大きなメリット。
観光後に宿に到着して一日の疲れを癒したり、静寂に包まれながらの朝風呂も楽しめます。
ベッドがやや固めだったり、掃除が行き届いていなかったり、コンセントが壊れていたりと、ゲストハウスとしてのクオリティー的にはやや微妙な点が目立ったのは残念。
それを差し引いても、温泉三昧の滞在がしたい人にはおすすめです!
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Guesthouse Genoの温泉入浴レポート
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Guesthouse Genoの温泉浴場は、のぶよが確認しただけでも8室はあり、2~3人用の小さなものから大人数のグループでワイワイ利用できるプールサイズのものまでさまざま。
小人数で入浴する場合は、巨大プールの浴場ではなく、2~3人用or10人用くらいの屋内浴場の利用となるでしょう。
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宿泊客の利用のみならず、外からやって来る日帰り入浴客にも対応しており、常に人が来ては温泉を利用していきます。
地元の人の間ではなかなか有名なスポットなのかもしれません。(やたらとアルメニア語で会話しているグループが多かったので、アルメニア人に人気なのかも)
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庭の一角には温泉掘削用のポンプがあり、そのフェンスには温泉成分が凝固した湯の華がぶら下げられています。
これだけで天然温泉ということがわかり、温泉気分が高まるのを感じます。
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のぶよが通されたのは、10人ほどは余裕で利用できる屋内浴場。
かなり広々とした浴場はなかなかのレトロ感と風格が出た内装で、緑がかった色のお湯がびっしりと溜まっています。
個室の貸切利用なので、全裸での入浴ももちろんOK。
服を脱いで、いざ温泉にドボン!します。
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浴槽内の温泉の温度は場所よって変わるものの、だいたい39℃~41℃くらいと適温。
いっぽうの源泉はかなり熱めで、50℃近くはあります。
お湯はサラッとした湯ざわりで、硫黄の香りはゼロ。その代わりに鉄っぽいミネラルの香りが強く感じられます。
この日は7kmほど離れたヴァルジア近郊にある掘っ立て小屋温泉をすでに訪れていたのですが、そちらはほのかな硫黄の香り&ぬめっと系の湯ざわりだったので、Guesthouse Genoの温泉との違いにびっくり。
こんな目と鼻の先の場所で、泉質がまったく異なる温泉が湧いているというのもなんだかおもしろいです。
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ちょうど腰掛けられる階段がある場所が39℃ほどとぬるめの湯温だったので、もはや座ったまま温泉に浸かって一生このまま居られると思ってしまったほど。
近くの商店で買っておいたビールを飲みながらのミネラルたっぷりの温泉…もう最高すぎます…。
1日の疲れが吹っ飛ぶような極上の癒し時間を過ごすことができて、大満足でした。
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温泉に浸かった後のクールダウンは、敷地内の広々とした庭にいくつも設置された休憩用の小屋やベンチがおすすめ。
すぐそばを流れる小川のせせらぎの音に包まれ、日没前の柔らかな太陽光を浴びながらぼうっとしていると、なんだか日本のひと昔前の湯治宿でのんびりしているかのような不思議な感覚になりました。
心も体も芯からリラックスできるGuesthouse Genoの温泉。
別の場所に宿泊してGuesthouse Genoの温泉は日帰り入浴(有料)で済ませるのももちろんOKですが、好きな時に好きなだけ無料で温泉に入れることや、眠たくなったら部屋に直行して即爆睡できるのは宿泊客だけの特権です。
のぶよは時間がなかったので朝風呂は利用していませんが、ひとっ風呂浴びて一日を始めることができるのも宿泊客だけの特権です。(朝早い時間帯は日帰り入浴客の対応はしていないっぽかった)
Guesthouse Geno周辺の見どころ
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Guesthouse Genoがあるトモグヴィ村周辺には、知名度は高くないものの見ごたえは抜群のスポットが数多く点在しています。
トモグヴィ村を拠点にすればどこもアクセスしやすいので、観光をメインの目的にしてのトモグヴィ村滞在もおすすめです!
・トモグヴィ城塞:渓谷を一望する「天空の城」
・ゼダ・トモグヴィ村:伝統家屋と教会が残る廃村
・ヴァルジア:中世に作られた洞窟住居
・ヴァルジア掘っ立て小屋温泉:掘っ立て小屋に湧く名湯
・ヘルトヴィシ城塞:伝説息づく名城
これらのスポットをすべて個人でまわるには、2日間~3日間の日程が必要。
その滞在先として、トモグヴィ村はぴったりな場所に位置しています。
このエリアに点在する各見どころのまとめや観光モデルプラン、移動方法に関しては別記事でまとめているので、ぜひ参考にしてください!▼
Guesthouse Genoへのアクセス
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Geno Guesthouseがあるトモグヴィ村へは、アハルツィヘ~ヴァルジア間のマルシュルートカ(乗り合いのミニバス)を途中下車するアクセスが基本。
ほとんどの場合は、アハルツィヘ→ヴァルジアへと移動し観光を済ませた後で、トモグヴィ村に移動してGuesthouse Genoに滞在するプランを組むことだと思います。
ヴァルジアからトモグヴィ村へのアクセス方法は、以下の2種類。
ヴァルジア~トモグヴィ間の7kmほどの区間は、息を呑むほどの渓谷の絶景が広がるルート。
もし時間と体力が許すなら、ゆっくりと徒歩で移動するのもおすすめです!
①ヴァルジアからマルシュルートカ
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サクッと移動したい場合や歩きたくない場合は、ヴァルジア→アハルツィヘ方面のマルシュルートカをトモグヴィ村で途中下車するのがおすすめ。
この区間のスケジュールは以下の通りです。
・アハルツィヘ→ヴァルジア方面:10:30 / 12:20 / 16:00 /17:30
・ヴァルジア→アハルツィヘ方面:8:45 / 13:00 / 15:00
※最新のスケジュールはアハルツィヘのバスステーションで確認を!
マルシュルートカを利用すれば、ヴァルジアからトモグヴィ村まではたったの15分ほど。
運賃は運転手のさじ加減によるものの、2GEL=¥100ほどが基本です。
②ヴァルジアから徒歩
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ヴァルジアからトモグヴィ村までは、徒歩で移動することも可能です。
この区間には2つの徒歩ルートがあり、それぞれ所要時間や距離、難易度が異なる点がポイント。▼
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・緑ルート(幹線道路沿い):6.5km / 2時間 / 高低差 ▲▼129m
・赤ルート(トモグヴィ城塞トレッキングコース):7.4km / 3時間 / 高低差▲▼215m
体力と時間に合わせてどちらのコースか選ぶこととなりますが、トレッキングシューズがなかったりあまりトレッキングの経験がない場合は、無難に緑ルートにしておくのがおすすめです。
(上のマップ内に記載した通り、赤ルートにはヤバすぎる急坂があるため)
緑ルート(幹線道路沿い)
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ヴァルジアからトモグヴィ村まで6.5km/2時間ほどの道のりの緑ルートは、ずっと幹線道路沿いを歩くだけの簡単なもの。
アップダウンはやや多めなものの危険な場所などはなく、初心者向けの徒歩ルートです。
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幹線道路沿いの道はトレッキング感こそあまりないものの、周囲はとにかく絶景続き。
深い谷間が形成するダイナミックな風景を眺めながらの楽しい徒歩ルートです。
赤ルート(トモグヴィ城塞トレッキングコース)
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ヴァルジア~トモグヴィ間のもう一つの徒歩ルートが、7.5km/3時間の赤ルートです。
幹線道路沿いを歩く緑ルートから川を挟んで反対側にのびるトレッキングコースで、車両の通行は不可能。
完全に徒歩移動する人専用のコースとなっています。
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コース上の風景は、とにかく素晴らしいのひとこと。
異世界あふれる谷間の風景を独り占めしている感覚になり、気分は「大自然の中をトレッキング!」そのものです。
…と、良いところをお伝えしてきましたが、このルートは万人向けではありません。
なぜなら、コース途中にあるトモグヴィ城塞へと登る坂が信じられないほどの急坂だからです。
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「距離560mで高低差200mを一気に登る」と言えば、どれほどの急坂か伝わるでしょうか…
傾斜のすごさに加え、坂の途中はもはやロッククライミングのような状態で進まなければならない箇所も多くあり、正直ものすごく危険です。
トモグヴィ城塞に登らずに迂回しようとしても川にぶち当たってしまうため、この急坂を登るしか道はありません。
スニーカーでは危険ですし、トレッキングの経験が浅い人はこちらのコースは避けるのがベター。
子連れや脚力に自信がない人はそもそも論外です。絶対に緑コースを歩くようにしてください。
おわりに
おそらくジョージアで唯一の温泉付きゲストハウス”Guesthouse Geno”の宿泊&入浴レポートと、トモグヴィ村周辺の観光情報をあわせて解説しました。
ヴァルジア周辺エリアの観光において、トモグヴィ村はとても便利な場所。
温泉目的の場合はもちろん、このエリアの観光拠点としてもGuesthouse Genoはおすすめです!
この地域には他にも温泉が湧いている地が多くある点も忘れてはいけません。
ジョージアの温泉を制覇したいのぶよのような旅行者には、理想郷のようなこのエリア。
たっぷりと時間をかけて、旅を楽しむのがおすすめです!
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