こんにちは!ジョージア滞在も5年目、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
近年、これまでにないほどに盛り上がりを見せるジョージアという国。
かつては「バックパッカーの聖地」なんて呼ばれていたコーカサス山脈の麓の小国は、徐々に人々に知られる存在となり、観光ブームや移住ブームに沸きつつあります。

ジョージアはかつてグルジアと呼ばれていた国。
つい30年前まで、ソヴィエト連邦(ソ連)の構成国でした。
ソ連からの独立直後の1990年代には暗黒時代を経験し、政治的混乱や犯罪率の高さ(誘拐などが多発していたそう…)が社会問題に。
そもそも「旧ソ連」というだけで「なんだかよく分からないけど危なそう…」なんて思ってしまう人もいるのではないでしょうか。
しかしながら、現在のジョージアの治安は全体的にかなり良好。
当時の暗黒時代を知る人からすると驚くほどに、安全に旅行&滞在ができる国となりました。
2014年に旧名のグルジアからジョージアへと国名変更をし、「旧ソ連の国」というイメージも少しずつ変わってきている気がします。

とは言え、安全神話が根付いた日本と同じ感覚で訪れてしまうと、思わぬ危険に巻き込まれたりする可能性もゼロではありません。
同じ都市でもエリアによって雰囲気の悪い場所もありますし、観光客を狙った詐欺や犯罪などの話も耳にします。
また、2022年以降は外国人旅行者が爆増したこともあり、それ以前にはなかった手口の犯罪や、外国人をターゲットにした悪質な事件もしばしば聞かれるように。
「ジョージアは夜でも女一人で道を歩けるほどに治安が良い」というのはこの国の大きな魅力であり、変なノマド系みたいな人々が殊更にアピールして養分を増やそうとしていた要素の一つでしたが、ここ1~2年ほどはちょっとそんな甘いことは言っていられない状況となりつつあります。
というわけで今回の記事は、ジョージアの治安面について徹底的に解説していくもの。
旅行者が訪れる機会が多い三都市の治安と危険なエリア情報をシェアしていきます。
【1ページ目】
・2025年最新!ジョージアの現在の治安
→ウクライナ情勢の影響
→コロナ禍の影響&アジア人差別
→トビリシの治安の悪化
→セクハラ大国
→ホスピタリティー詐欺
→トビリシ国際空港は魔境
→スリ被害の急増
→トビリシの反政府デモの影響
・ジョージアの都市別治安情報&危険エリア
→トビリシの治安&危険エリア
→バトゥミの治安&危険エリア
→クタイシの治安&危険エリア
【2ページ目】
記事後半では、ジョージア旅行の前に知っておきたい注意点やアドバイスも解説しています。
全てのぶよ自身が実際に感じた「このエリアちょっと嫌な感じ…」や「これは事前に知っておきたかった!」というリアルな治安情報やアドバイスなので、ジョージア旅行を計画している人にはきっと役に立つはず。(キラキラした面だけではなく「ここほんと危ないから気を付けて」「甘ったれた考えでジョージア来んな」とちゃんと言ってあげるのぶよのような人間が報われる世界、早よ)
まあ、そんな感じで、「これさえ読めば安心してジョージア旅行&滞在が楽しめる」といった内容の記事となっています!
ジョージアの現在の治安状況は?2025年最新情報
ある国や町の治安というものは、周辺国の情勢や旅行者の増減などの要因によって日々変化するもの。
ここ数年のコロナ禍や周辺国の情勢の影響も大きく、2025年のジョージアの治安状況は、数年前に比べて大きく変化していると感じる場面も少なからずあり、残念ながら全体的にジョージアの治安は急激に悪化しています。
ここでは、2025年のジョージア旅行・滞在の安全面において知っておきたい8つのテーマについて解説していきます。
あらかじめ犯罪の手口やパターンを知っておくことで防げる被害もあるので、どうかこれ以上の日本人旅行者の被害を出さないためにも、旅行者一人一人に気を引き締めてほしいです。
①ウクライナ情勢のジョージアへの影響は?

「ジョージア」と聞いた人の多くが真っ先にイメージするのが、ウクライナ情勢の影響ではないでしょうか。
黒海のすぐ対岸にはクリミア半島やウクライナがあり、ロシアとも国境を接しているジョージア。
もちろんウクライナ情勢の影響は小さなものではなく、2022年2月の侵攻当初は「次はジョージアがターゲットにされるのではないか」と危惧する声も多く聞かれましたし、緊張感もものすごいものがありました。
しかしながら2025年現在、日常生活や旅行する上では戦争の影響を感じる機会はほとんどありません。
旅行者にとって戦争の最も大きな影響となるのは、ガスや原油価格の高騰によりジョージアの物価が急騰したことくらいでしょうか。
そんな物価の急騰も、2024年に入って落ち着いてきた気もしますが。
物価面以外で、ウクライナ情勢の影響を直接感じる場面はなし。
状況がどのように変化していくかによる部分はありますが、2025年のジョージア旅行/滞在においては、あまり心配しすぎる必要はないと思います。
②コロナ禍の影響は?アジア人差別は?

2年間に渡って世界で猛威をふるった新型コロナウイルス。
ここジョージアでも2020年3月から2022年7月に渡ってさまざまな制限が課せられていましたが、2025年現在はすべての制限が撤廃されており、以前と同じように自由な渡航&旅行が可能です。
各制限が撤廃されたことにより、コロナウイルスの影響を感じる場面こそ激減しましたが、ひとつ注意しておきたいのが(コロナをきっかけとした)アジア系に対する差別。
コロナ禍中のジョージアでは差別が日常茶飯事で、それはそれはひどいものでした。
・市場で「コロナ!」と叫ばれる
・AirBNBで部屋を借りて、隣人が「コロナが隣に来た!」と警察に通報する
・レストランや美容院など、アジア系であるために入店拒否
・温泉施設のサウナ内で「コロナは出ていけ!」と言われる
2025年現在は、こうしたあからさまなアジア系に対する差別を受けることはほとんどありません。
しかしながら、ジョージアの人々から差別意識が消えたわけではないので、「そうしたことも起こり得る」と考えておく方が良いかと思います。
③トビリシの治安は急激に悪化している
ジョージアの首都・トビリシは、人口百万人を有する大都市。
コロナ禍で外国人が消え去ったときの世紀末感が嘘だったかのように、現在では観光客の姿が多く見られるようになりました。
観光客が増えてくると、それを狙った軽犯罪がどうしても横行してしまいがちなもの。
特に、2年以上続いたコロナ禍により生活に困窮する人も増えたトビリシでは、「外国人旅行者=お金を持っているカモ」と捉えられる可能性もゼロとは言えません。
ここ2年ほどの間のトビリシで起こった、外国人がターゲットとなった主な犯罪は以下の通りです。
・2021年7月:ポーランド人男性が胸を刺される
・2021年8月:ムタツミンダ山でハイキングしていたオーストラリア人女性が殺害される
・2022年初頭:ぼったくりバーでの被害が次々に報告されるように
・2022年12月:旧市街のぼったくりバー一斉摘発
・2023年1月:中心街の少年強盗団に対して日本国大使館から注意喚起
などなど。これ以外にも未解決のままの事件や強姦事件などが発生しています。
2020年や2021年初頭は、そもそもロックダウン中で外国人の数が限られていたこともあり、外国人をターゲットに絞った犯罪の話はほとんど耳にしませんでした。
以前は夜でもイヤホンで音楽を聴きながら歩けるほどに治安が良かったトビリシですが、2021年7月の国境開放以降に外国人旅行者が戻って来たことにより、ぼったくりや詐欺、暴力行為などが多く報告されるようになっています。
(特に、お金を持っているイメージのアジア系やアラブ系がターゲットにされている感も強い)
こう書くと、なんだかトビリシが怖そうな町に思えてきてしまいますが、海外旅行における最低限の注意さえ怠らなければ大丈夫。
パリやローマ、バルセロナなど、日本人御用達の西欧の大都市に比べると、まだまだトビリシは安全な町です。
・身の回りのものに注意を払っておく
・貴重品やスマホをを手にしながら歩かない
・知らない人にはついていかない
・地下鉄車内では背後に注意する
・最初に値段を確認しておく
・トビリシの危険エリア&危険時間帯をあらかじめ把握しておく
いずれも海外旅行の基本中の基本ではありますが、これさえできない日本人旅行者が昨今のジョージアには増えてきているのが現状。
せっかく当ブログをお読みの人には安全なトビリシ滞在を楽しんでほしいので、ぜひとも最低限の注意は怠らないようにしてください。
④セクハラと性被害
2022年から2025年にかけて、旅行者の数が順調に戻りつつあるジョージア。
同時に、日本人女性旅行者がセクハラ(というか性被害)に遭うという話をとてつもなく多く耳にするようになりました。
・トビリシで流しのタクシーに乗っていたら運転手に迫られた
・宿泊しているゲストハウスでオーナーが勝手に部屋の鍵を開けて入って来る
・配車アプリで呼んだタクシー車内で暴行されそうになった
・ローカル酒場で仲良くなった地元民に無理やりキスされた
正直、日本人旅行者の母数がそこまで多くないジョージアという国で、ここまで頻繁に嫌な思いをする女性旅行者が出てくるというのは異常事態。
外国人だからといってなめられているという要因もあるでしょうし、「言葉のできない旅行者だから泣き寝入りするだろう」なんて最低最悪な考えもあるのでしょう。
セクハラ被害が多く聞かれるのが、女性一人で夜間にタクシーを利用する場合や、地元の男しか行かないような店に女性だけで行った…なんて場合。
もちろん加害側が悪いのは当たり前ですが、あなたが女性であるならこうした状況に身をおかないためにあらかじめ対策を練っておくのも大切です。
・タクシー等の密閉空間になる移動手段を一人で利用しない
・女性一人で行動しない
・複数人であっても、女性のみでローカル酒場等に行かない
・暗くなったら女性一人で外を歩かない
正直ジョージアは、旅慣れていない女性が一人でローカルなスポットに入り込んでも大丈夫なほどには、旅するハードルが低い国ではありません。
「女性一人旅でもヨーロッパや東南アジアのようなスタイルで滞在できる!」などと想像していると、思わぬところで嫌な思いをしてしまうことも考えられます。
良い人とやましいことを考えている人を見分けるのはとても難しいと思いますが、被害に遭ってからでは後の祭り。
周辺諸国を旅して来た女性でさえ「ジョージアがここまでセクハラがひどいとは思わなかった…」と言うくらいなので、あなたが女性の場合はとにかく気を付けて。
また、2025年9月には、日本人女性旅行者がタクシー運転手に暴行・強姦されるという衝撃的な事件が発生しました。
アゼルバイジャンからジョージアへと陸路国境越えした直後に利用したタクシーで、知らない山奥に連れ去られ…といった恐ろしすぎる話で、正直これまでの「セクハラ大国ジョージア」からフェーズが変わったような印象さえ受けます。
近年は配車アプリなどの普及によって、気軽にタクシー移動する旅行者も増えてきていますが、よくよく考えて見れば、知らない人と密室空間で時間を共有するというのはリスクを伴うもの。
他の乗客の存在があるマルシュルートカ(乗り合いミニバス)など公共交通機関の方が確実に安全ですし、在ジョージア日本国大使館も公共交通機関の利用を勧告しています。
そんなわけで。都市部であっても地方部であっても、昼間であろうが夜間であろうが、女性だけでのタクシー利用は極力控えるようにしましょう(もちろん男性が被害に遭わない保証はないので、男性でも気を付けて)。
「配車アプリを使えば大丈夫では?」なんて甘い考えの人は、トビリシ市内で配車アプリを利用したにもかかわらずドライバーにセクハラされた日本人女性のケースもいくつかあるという点をお忘れなく。
のぶよ的には、嫌な思いをしないためにも「ジョージアでは配車アプリであろうと流しのタクシーであろうと、一人で(or女性だけで)タクシーに絶対に乗らない」をマイルールにして旅するのが良いと思います。
⑤ホスピタリティー詐欺

よく「ジョージアには伝統のホスピタリティーがある」と耳にしますし、それは真実。
ジョージアでは「客人は神が与えた使い」と考える伝統があり、客人に見返りを求めることなくもてなす文化はちゃんと残っています。
地方部のゲストハウスに宿泊すれば、食べきれないほどの食事やワインが出てきてもてなしてくれるのは至って普通のこと。
道端で宴会をしていたおじさんグループに手招きされ、さんざん飲み食いさせてもらう…なんてこともよくありますし、道を歩いていたら家に招かれてそのまま泊まらせてもらえることも実際に何回もありました。
そんな懐の広いジョージア流のおもてなしは、この国が誇る美徳の一つに違いありません。

しかしながら、この伝統も近年の観光ブームによって少し変化してきているよう。
外国人観光客の増加によって、それまでは「せっかく来た客人をもてなしたい」の一心で色々と世話を焼いたりもてなしてくれていたのが、「外国人をもてなすとお金になる」と考える人も出てきているように思います。
一般的な手口としては「温かく歓迎している態度を見せながら、結局は法外な料金を請求する」というもので、のぶよは「ホスピタリティー詐欺」と呼んでいます。
・「ワイン飲むか?」と声をかけられて飲んでいたら、最後に法外な値段を請求される
・ゲストハウスで「町まで車で行くから乗っていくか?」と誘われ、後でガソリン代を請求される
幸運にも、こうした「ホスピタリティー詐欺」にのぶよ自身は遭遇したことはありません。
しかしながら、ジョージアを短期で旅する外国人(特に2023年)は結構な割合でこうした場面に遭遇して、言い合いになったりした経験があるのだとか…
もちろん、ほとんどの人は「旅行者からお金をせしめよう!」なんて考えておらず、物珍しさから旅行者に声をかけてきたり、純粋なホスピタリティーであれこれと世話を焼いてくれる人ばかり。
しかしながら、中には金に目がくらんでしまった人も存在するのが今のジョージアの現状なのかもしれません。
お金などにあまりこだわらない、良い意味でのどんぶり勘定さがジョージアの良いところだと思うので、昨今のこの傾向はとても残念…
誰が純粋なおもてなし心で、誰が金目当てなのかを見た目や態度だけで判断するのはほぼ不可能ですし、対策しようがないのが実情です。
かといって「声をかけてくる人=全員金目当て」と割り切って無視してしまうのも、せっかくの温かなおもてなしの機会を無下にしてしまって、もったいないように思います。
最終的には自分の人を見る目を養うしかないのですが、少なくとも「ジョージアは良い人ばかりだけど、中には悪い人もいる」と理解しておくのが良いでしょう。(まあ世界中どこでも当たり前だけど)
⑥トビリシ国際空港は魔境

ここ数年よく聞くようになったのは、トビリシ国際空港でのぼったくり被害。
特に、ジョージアに初渡航する日本人旅行者の被害が驚くほどに増加しています。
まず気を付けなければならないのは、トビリシ空港~トビリシ市内間の移動時に利用するタクシー。
近年日本人旅行者でぼったくりタクシー被害に遭う人が後を絶たず、向こうも日本人をカモにしようとしている感さえあります。
海外旅行が初めてなのにわざわざジョージアに来た!なんてライト層が増えた結果、最低限の交渉や自己防衛すらできず、到着早々見事にぼったくりタクシーに引っ掛かる日本人たち。
法外な値段を支払ってしまう→味を占めたドライバーが次の日本人を狙う…といった感じで、正直なめられてます。
・乗車前に「市内まで50ラリ」と合意したのに、降車時に「0が一個足りない!500ラリだ!お前が聞き間違えたんだ!」と恫喝されて怖くて支払ってしまった
・正規の空港タクシーだと思って利用したら白タクで、法外な料金を請求された
・「市内まで50ラリ」で同意して乗車したのに、降車時に「ラリじゃない!ドルだ!俺はそう言った!」と恫喝され、50ドル相当(=150ラリほど)を支払わされる

トビリシ国際空港~トビリシ市内間のタクシー料金の相場は、時間帯や市内のどこまで行くかにもよるものの、30GEL~50GEL(=¥1500~¥2500)。
空港の到着ロビーにある正規のエアポートタクシーを利用した場合はもう少し相場が上がり、60GEL~100GEL(=¥3000~¥5000)ほどです。
ジョージア到着早々のトラブルを防ぐためにも、トビリシ国際空港~市内の移動では流しの客待ちタクシーは絶対に利用しないように心がけましょう。
配車アプリでタクシーを呼ぶ、正規のエアポートタクシーを利用するなどが安心ですし、トビリシ市内路線バスの空港路線を利用すれば1GEL(=¥50)で移動でき、絶対にぼったくられることはないので、個人的には路線バスを利用しない手はないと思います。

また、トビリシ国際空港での日本人旅行者のぼったくり被害が多く聞かれるのが、空港ロビー内の両替所。
米ドルやユーロはもちろん、ジョージアでは珍しく日本円の両替にも対応していて便利なのですが、ここの両替所はかなり評判が悪いです。
お札一枚~数枚分少ない額を渡されたという旅行者の話が後を絶えないので、どうしても利用する場合は両替直後にその場で正しい額がもらえているかの確認を忘れずに。
そもそもトビリシ国際空港の両替所はレートがかなり悪いので、大きな額を両替するのはやめておくのが良いでしょう。
トビリシ以外の国際空港(クタイシやバトゥミなど)では、幸いにも日本人旅行者がぼったくりや詐欺被害に遭ったという話はあまり聞きません。
しかしながら、昨今の旅行者の増加とともに、外国人をターゲットに悪徳な商売をするタクシードライバーは湧いてくるもの。
トビリシかそれ以外の町かにかかわらず、空港~市内の移動時には十分すぎるくらいに注意するのがベストです。
⑦スリ被害の急増

つい数年前のジョージアでは、欧州の大都市のようなスリ被害はあまり報告されていませんでした。
スマホ片手に町を歩いても特に問題はありませんでしたし、地下鉄やバスの車内でもそれほど周囲に警戒する必要はないほど、軽犯罪とは無縁な状況でした。
しかしながら、2023年あたりからトビリシ市内に2路線ある地下鉄の車内における子供の集団による強盗事件が多く報告されるように。
強盗集団は子供数人のグループで行動しており、地下鉄が混雑する時間帯にターゲットを取り囲むようにして金品を盗むのが定番の手口。
中には、堂々と羽交い絞めにして力づくでバッグを奪うといったケースも発生しています。

地下鉄車内以外でも、街中のバス停でバスを待っている際に自転車に乗って近づいてくる強盗に気が付かず、手に持っていたスマートホンを盗られたという被害もいくつか起きており、盗難の手口も欧州化している印象です(政治はEU離れ&ソ連回帰しつつあるのになんとも皮肉…)。
また、上記のような力づくの強盗ではなくとも、地下鉄やバスの車内で財布やスマホなどの貴重品がいつの間にか抜き取られているという被害も、ここ数年多発しています。
トビリシの地下鉄はもちろんのこと、2025年にはバトゥミの路線バス車内でスリ被害に遭った日本人の話もありました。
スリ被害に遭うのは、圧倒的にアジア系の旅行者ばかり。
犯罪者側も「アジア人=警戒心が薄いカモ」のように考えているようで、日本人は格好のターゲットとなってしまいます。
・公共交通機関利用時は混雑する時間帯・車両を避ける
・リュックは後ろではなく前がけ
・口の閉まらないカバンは持たない
・スマートホンはストラップ等につないだ状態で持ち歩く
こうした基本的なスリ対策は、現在のジョージアでは必須。
数年前にSNSなどでアピールされていた安全神話はもう過去の話であるということを改めて認識し、被害に遭わないような自己防衛を心掛けるしかありません。
⑧反政府デモの影響

2024年10月のジョージアの議会選挙における不正を追及することを目的に、現在に至るまでトビリシを中心に反政府デモが続いています。
現在のジョージア政府はGeorgian Dream党(=「ジョージアの夢党」とも)が与党となっており、ロシア寄りの政策を次々と打ち出していることや、EUへの加盟交渉を凍結するという決定などに怒った民衆が連日デモを行っており、規模の増減こそあれど2025年に至るまで休みなく抗議活動が続けられています。
2025年に入ってからはデモの勢いはやや下火になりつつありますが、選挙前後の期間や現政権による新しい政策の発令後には多くの人が集まる傾向があり、暴力的な一面を帯びる場合も多々。
治安部隊によるデモ隊の強制排除や、デモ隊による放火なども頻繁に発生しており、旅行者が巻き込まれる事態も十分に考えられます。
2025年現在、反政府デモが行われるのは基本的にトビリシのみで、市内最大のメインストリートであるルスタヴェリ通り沿いがメイン。
具体的には、ルスタヴェリ通り北端の英雄広場(Heros’ Square)~地下鉄リバティー・スクエア駅間の3kmほどの区間です。▼

デモの規模が大きくなればなるほど、暴力沙汰や強制排除などの状況になりやすいのがポイント。
また、デモ隊によってトビリシの大動脈であるルスタヴェリ通りの周辺が封鎖されてしまうと、路線バスやタクシーなど地上交通は迂回を強いられることとなるため、深刻な交通渋滞が起こります。
デモに巻き込まれないためにも、交通渋滞にはまってしまわないためにも、現状ではトビリシでの滞在エリアはルスタヴェリ通り沿い周辺を避けるのがベター。
マルジャニシュヴィリ地区(Marjanishvili)など、ムトゥクヴァリ川の東岸地区を拠点にする方が安心ですし、市内観光にもそこまで不便を感じないと思います。
ジョージアの都市別治安情報

ジョージア全体を通して治安は概ね安定しており、旅行時に必要な最低限の注意さえ払っておけば問題なく旅行することができます。
しかしながら、世界中どこでも大きな都市には色々な種類の人が集まるのも事実。
一人で出歩くには向かないような雰囲気のエリアや、観光客の足元を見てくるぼったくりが蔓延しているスポットもあります。
ここでは、日本人旅行者の多くが足を運ぶであろうジョージアの三大都市の治安状況と、各都市で注意が必要な危険エリア情報を解説していきます。
トビリシの治安&危険エリア

ジョージアの首都であるトビリシ(Tbilisi)は、100万人が暮らす同国最大の都市。
各地への交通のハブとなる町でもあるので、旅行者は必ず訪れることになるでしょう。
その歴史は5世紀(1600年前)にまで遡り、帝政ロシア時代の美しい建物やペルシア(現在のイラン)支配時代の雰囲気が残る旧市街がとても絵になる、「文明の交差点」の称号にふさわしい町です。
しかしながら、インターネットやSNS上でよく発信されている「トビリシの美しい町並み」は、実はごくわずかな部分を切り取ったもの。
町の9割は、半世紀以上続いたソ連統治時代の町並みで構成されています ▼

のぶよは、このソ連の香りが漂う町並みこそがトビリシの本質だと考えているのですが、初めて訪れた人は、なんとなく陰惨で退廃的な町だという印象を受けるかもしれません。
誤解しないでほしいのですが、「ソ連的な雰囲気=治安が悪い」というわけではありません。
(もしそうなら、トビリシの9割以上のエリアは治安が悪いことになってしまいます)
むしろ、トビリシで注意すべきエリアのほとんどは、中心街や旧市街など外国人観光客が多く集まるキラキラ地区に集中しています。
ぼったくりや地元民同士の喧嘩こそ日常茶飯事ですが、観光客を狙った強盗や傷害事件などの話はパリやローマなど西ヨーロッパの大都市に比べると少なめ。
そう、トビリシの治安は大都市にしてはかなり良い方なのです。
とはいえ、やはり最低限の注意は必要。
近年の観光ブームによって、外国人相手の詐欺なども出てきていますし、なんとなく雰囲気が悪いエリアも点在しています。

トビリシの危険エリア①:スタジアム周辺

トビリシの観光エリアからは少し離れてはいるものの、多くの旅行者が訪れる機会があるトビリシ中央市場周辺。
トビリシ中央駅前の広大なスペースを占める市場は、喧騒と活気に満ちた空間。
ローカルになった気分で見学を楽しみたい場所です。
市場自体には特に危険はないのですが、注意したいのは市場の敷地の北西側にある巨大なスタジアムの周辺 ▼
昼間はそれなりに車も通り、人も多いので全く問題がありませんが、日が暮れると人通りがとても少なくなるので一人で歩くのは怖いかも。
夜になると怪しげな人が集まり、売春目的の人も多く集まるポイントとなっています。
市場の敷地自体も昼の活気が嘘のように人通りが少なくなり、野犬が闊歩し出す世紀末な雰囲気となるので、暗くなってから一人で訪れるにはあまりおすすめできないエリアです。
トビリシの危険エリア②:ピース・ブリッジ周辺

トビリシ旧市街と、クラ川を挟んだ対岸のリケ公園を結ぶピース・ブリッジは、トビリシ観光の目玉の一つとなる場所。
リケ公園内には観光ハイライトのナリカラ砦に上るロープウェイ乗り場もあり、旧市街からもすぐなので、旅行者は必ず一度は通ることになる橋です。
ピース・ブリッジで注意が必要なのは、しつこいツアー勧誘や物売り。
橋の近くから遊覧船ツアーが催行されているのですが、このツアーの勧誘が本っっっつ当にしつこいのです。
学生がアルバイトで勧誘していて、おそらく観光客を呼び込めばコミッションでお金がもらえるシステムであるためだと思うのですが、とにかく声をかけまくっています。
反応してしまうともう最後。
どこまでも着いてきて、遊覧船ツアーの素晴らしさを語られます(笑)
興味があれば参加したら良いと思いますが、のぶよは「もう前に利用したから!」と言って足早に立ち去るようにしています。
また、香水や偽ブランド品を売りつけようとする若者も多く、中には葉っぱを売るような人もいるのが現状。
「ピース・ブリッジで英語で話しかけてくる現地人=面倒くさい」と考えておきましょう。
トビリシの危険エリア③:ルスタヴェリ通り南側(リバティー・スクエア駅周辺)

トビリシのメインストリートであるルスタヴェリ通りは、帝政ロシア時代の重厚な建物が建ち並ぶお洒落な雰囲気。
通り沿いにはミュージアムやショッピングセンター、レストランなどが多く建ち並び、旅行者は必ず足を運ぶことになるでしょう。
ルスタヴェリ通り自体の雰囲気は全く悪くなく、治安が悪い印象も受けないと思います。
このエリアで注意が必要なのは地元の人ではなく、観光客相手に声をかけてくる外国人。
(特に、ルスタヴェリ通り南側の地下鉄リバティースクエア駅周辺 ▼)
「どこから来たの?」
「俺は○○(ドバイ/アメリカなどが多い)から来た!」
「知り合えてうれしい!外国人仲間欲しかったんだ!」
「今からおすすめのバーに行くんだけど、一緒に行かない?」
はい、もうわかりますね。
ぼったくりバーに連れて行かれて法外な料金を請求される詐欺です。
トルコの首都・イスタンブールでかつて(今も?)横行していた手口と全く同じで、ある程度旅をしている人ならまずひっかからないでしょう。
いっぽうで、近年のジョージアブームに乗ってこの国に来た人は、「初海外がジョージア」なんてこともザラ(すごすぎ)。
危険を察知できる肌感覚が身についていない人は、「外国人の友達ができるチャンス!」なんて安易について行って、痛い目を見ることになります。
日本で同じ状況になった場合、見ず知らずの外国人に誘われて、果たして同じようについて行くのでしょうか…いま一度、海外旅行の基本的な注意事項について考えてほしいです。

また2023年になって、ルスタヴェリ通り最南端に位置する地下鉄リバティー・スクエア駅(Liberty Square)の出口付近で、複数人の少年強盗団が力ずくで観光客から金目のものを強奪するという事件も複数報告されており、日本国大使館から注意喚起がされています。
リバティー・スクエア駅周辺はトビリシ中心街の心臓部分にあたる場所であり、旅行者であっても必ず足を運ぶことになる場所。
貴重品などには十分に注意し、周囲への警戒を怠らないようにしましょう。
トビリシの危険エリア④:モエダニ広場北側のナイトライフストリート

トビリシ旧市街の中心となるのが、モエダニ広場(Moedani Square)と呼ばれる広場。
ナリカラ要塞とおもちゃのような町並みが望めることで人気で、いつ行っても多くの観光客で賑わう場所です。
このエリアで注意したいのは、モエダニ広場北側に位置するカフェやシーシャバーが連なる狭いストリート。

エキゾチックな雰囲気のナイトライフエリアといった雰囲気で、ラグジュアリー感を前面に押し出したテラス席が魅力的なのですが、このエリアの飲食店にはぼったくり店が多いことで有名。
以前は自分が気を付けていれば防げたような手口でも、時を追うごとにどんどん巧妙化しているのでご注意を。
中国人観光客がカモにされているという話もよく聞くので、外見が似ている日本人観光客も被害に遭いかねません。(実際に被害に遭った日本人の話も聞いたことがある)
・マッチングアプリ等で知り合った美女と合う際に「おすすめのお店がある」と誘われ、飲食店へ。言葉もわからぬままに色々と注文され、法外な料金を請求される。(お店と美女はグル)
・クレジットカードで支払いをする際に、ゼロを一つ多く付けた金額で請求される。
良い噂はひとつも聞かない、モエダニ広場北側のナイトライフストリート。
現地で知り合った人(ジョージア人の場合も外国人の場合も)が「このエリアに食事/飲みに行きたい!」などと言い出したら、まず疑ってかかるべきだと思います。
トビリシの危険エリア⑤:ダヴィット・アグマシュヴィリ通り

マルジャニシュヴィリ地区の南部に連なるダヴィット・アグマシュヴィリ通り(Davit Aghmashvili)は、近年リノベーションが完了したばかりの歩行者専用ストリート。
ヨーロッパ調の美しい町並みが観光客に人気で、レストランやカフェが連なる華やかな雰囲気です。
ここで注意したいのは、外国人観光客に対するぼったくりや詐欺。
ダヴィット・アグマシュヴィリ通り沿いのお店の8割以上は、コロナ禍中のロックダウンによって一時は閉鎖され、ロックダウン終了後に新しいオーナーに買い取られたお店がほとんど。
以前は良心的な商売をしていたお店であっても、新しいオーナーの下で「ぼったくり飲食店」として再オープンしたようなお店もいくつかあると言われています。
そもそもこのエリアの飲食店は外国人向けのお店ばかりで、高い&美味しくないと良いところは皆無&利用価値はゼロ。
ぼったくられるリスクを背負ってまで足を運ぶ意味はないと思いますし、北方向の地下鉄マルジャニシュヴィリ駅方面に500mほど歩くだけで、ローカルで良心的な絶品店はいくらでもあります。
トビリシの危険エリア⑥:トビリシ国際空港

トビリシの空の玄関口であるトビリシ国際空港は、多くの旅行者にとってジョージアで初めて足を踏み入れる施設。
どこの国でもそうなのですが、一国の首都の国際空港には右も左も分からない旅行者を狙った犯罪が多く発生する傾向があり、トビリシ国際空港はその最たるものです。
この場所で最も悪名高いのが、ぼったくりタクシー。
こぢんまりとした空港の建物を出て、いざトビリシ市内へ…!と意気揚々としている旅行者を最初に待ち受けるのが、ターミナル前のタクシーの客引き。
正規のタクシーもあるにはあるのですが、大半は白タク(自家用車を使って無許可でタクシー業務をしている一般人)です。

白タクであろうと良心的なドライバーは多いのですが、そもそもジョージアではタクシーはメーター制ではなく、乗車前の言い値が基本となる点に要注意。
この国のタクシーのシステムや料金相場を知らない観光客に対して、相場の数倍~数十倍をふっかけてくる悪徳ドライバーも多く存在します。
トビリシ国際空港~トビリシ市内間のタクシー料金の相場はだいたい30~50GEL(=¥1500~¥2500)と決まっています。
しかしながら、こちらが外国人(しかも英語もロシア語もできない金持ちそうなアジア系)だと見るや否や、「中心街まで300GEL!!(=¥15000)どのタクシーもそうだ!!」とふざけ散らかした価格をふっかけてくるのもザラです。
しかし、乗車前にぼったくり価格をふっかけてくるドライバーはまだましな方。
中には、乗車前の交渉で30GELと決定したのに、トビリシ市内に到着して降車時に支払おうとしたら「300GELだ!!俺はそう言った!お前が間違って理解した!」とゴネるような糞ドライバーまで存在するそうです。(まじ滅びろ)
日本人旅行者で「勢いよく言われて怖くて1万円以上も払ってしまった…」なんて話をちらほら聞きま
すが、絶対に払ってはダメです。
万が一こうしたケースに遭遇してしまった際は、必ず警察を呼びましょう。(誰かがぼったくり価格を払ってしまう=日本人ちょろいと思われる=次に来た日本人が被害に遭う…の悪循環が実際に生まれていて、「日本人=カモ」という認識になっています。)

こうした被害に遭わないためには、あらかじめ空港~市内の移動手段をちゃんと考えておくのが最重要。
トビリシ国際空港~トビリシ市内間の移動には、以下の選択肢があります。
①配車アプリでタクシーを呼ぶ
②正規のエアポートタクシーを利用
③トビリシ市内路線バスを利用
トビリシ国際空港~トビリシ市内間のエアポートタクシー利用法や、トビリシ市内路線バスでの格安移動方法に関しては別記事で詳細に解説しています。▼
どうか、トビリシ到着早々に嫌な思いをする日本人が一人でも減りますように…
バトゥミの治安&危険エリア

黒海沿岸のリゾート都市・バトゥミ(Batumi)。
「市街地のすぐ目の前に海」という絶好のロケーションから、移住者による人気が高まってきている町です。
雑多な雰囲気のエリアが多いトビリシに比べると、海がすぐそばにあるバトゥミはかなり開放的な雰囲気の町。
治安面の問題は全くなく、夜でも安心して出かけられるほどです。
特に夏場は多くの人がビーチ沿いや町中で夜が更けるまで楽しい時間を過ごす「フェスティバル・シティー」さながらの雰囲気となります。

バトゥミの危険エリア①:旧市街南側エリア(オールド・バスステーション周辺)

「バトゥミ」と検索してヒットするような情報の多くは、観光エリアとなる旧市街~シーサイドエリアのものか、その南にあるタワーマンションが建ち並ぶ「キラキラバトゥミエリア」のいずれか。
これらのエリアなら夜中でも問題なく歩けるのですが、旧市街の南側にあるバザールエリアだけは少々注意が必要 ▼
地元の人々が集まる商店が所狭しと並ぶローカルな雰囲気で、ソ連時代の町並みが連なる面白いエリアではあるのですが、夜になると全ての店が閉まって人通りがほぼゼロとなります。
女性が夜に一人歩きするのにはかなり怖い雰囲気だと思います。
犯罪などが横行しているという話は聞きませんでしたが、特にこのエリアに夜に行く理由もないので、わざわざ近づく必要もないでしょう。
バトゥミの危険エリア②:チャヴチャヴァゼ通りの交差点

バトゥミのメインストリートであるチャヴチャヴァゼ通り(Chavchavadze St.)は、いつでも多くの車が行き交う大通り。
片側3車線ずつのこの通りを渡るためには、信号待ちをしなければならないことが多いです。
この信号待ちの数十秒の時間に、気を抜かないように要注意。
というのも、信号待ち中にスマホに夢中の歩行者を狙った強盗事件が数件報告されているためです。
強盗犯は単体であることもあれば、物陰に仲間が隠れている場合も。
中には、力ずくで服をつかんでくるような場合もあります。
最も気をつけるべき交差点は、バトゥミ市内東部のトビリシ・スクエア(Tbilisi Square)のすぐ西側の交差点。▼
この場所は、信号待ちの車に物乞いをする人が数人集まるポイントとなっているのですが、中には歩行者を狙った強盗が紛れ込んでいます。(のぶよも実際に子供に洋服をつかまれたことがある)
また、バトゥミ市内西部のブラックシー・ゲートの周りの交差点でも強盗が発生しているそう。▼
このあたりはキラキラタワーマンションやカジノ併設ホテルが多く建つエリアで、お金持ち外国人を狙った強盗が数件報告されています。
バトゥミはトビリシに比べてのんびりとした開放的な雰囲気が特徴的で、治安も概して良好。
しかしながら、気をつけるべきところは気をつけながら滞在しなければなりません。
バトゥミの危険エリア③:プーシキン通り以南

バトゥミのメインストリートであるチャヴチャヴァゼ通り(Chavchavadze St.)の一本南を走るプーシキン通り(Pushkin St.)。
バザールエリアにも旧市街にも徒歩圏内で、ローカル食堂や安宿が多く点在しているストリートで、旅行者にとってはバトゥミの滞在拠点となる場合も多いです。
プーシキン通り自体には特に危険はなく、夜間でもある程度の人通りがあるのですが、注意すべきはプーシキン通りより南のエリア一帯。
昼間、夜間を問わず人の影はあまり多くなく、ガラの悪い地元の若者がたむろしているような感じで、お世辞にも安全な雰囲気ではありません。▼
プーシキン通りより南側のエリアには特に見どころはなく、旅行者がわざわざ足を運ぶ理由はありません。
宿を選ぶ際は、できるだけこのエリアを避けてプーシキン通りよりも海側の立地の宿を選びましょう。
バトゥミの危険エリア④:聖母降誕教会東側の公園

バトゥミ旧市街の南端に堂々とたたずむ聖母降誕教会は、バトゥミ観光のハイライトの一つともなる建造物。
キリスト教の祭祀などが行われる場所でもあり、比較的多くの人が行き交う場所です。
交通量の多いチャヴチャヴァゼ通り沿いに位置していることもあり、教会周辺には常に人の姿があるため、特に昼間であれば何の問題もなく観光&散策が可能です。
注意したいのは、教会のすぐ東側(裏側)にある小さな公園。▼
実際に公園内に足を踏み入れてみると分かるのですが、なんとも言えない退廃的な空気と、訳ありっぽい人たちが常に溜まっている光景が見られます。
実際にこの場所を拠点に寝泊まりしている人もおり、地元の人の話では違法薬物の取引や売春の拠点となってしまっているという話も。
昼間であれば特に問題ないですが、夜間はとにかく雰囲気が良くないので、公園内には入らず外側の通りを歩くようにしましょう。
バトゥミの危険エリア⑤:旧鉄道駅前(現TBC銀行)

バトゥミのメインストリート・チャヴチャヴァゼ通り沿いにある美しい建物は、旧バトゥミ中央駅の建物。
かつてはトビリシからの鉄道はこの場所まで乗り入れていたのですが、現在ではジョージア最大手の銀行であるTBC Bankのオフィスとなっています。
この旧鉄道駅の建物の裏側(=チャヴチャヴァゼ通り沿い)は、浮浪者のたまり場となっているエリア。
昼間でも暇そうな男たちが数人集まって飲酒しているような感じで、歩行者をじろじろと値踏みするような視線で眺めてきたりと、とにかく雰囲気が良くないです。
また、浮浪者エリアからチャヴチャヴァゼ通りを挟んだ反対側の歩道は、売春婦が集まるエリア。
午後遅い時間になると数人の女性がたむろするようになり、道行く男性に声をかけたりしてきます。
強盗などの被害は聞きませんが、この100mほどの区間だけかなり雰囲気が悪いのは、旅行者であろうと肌で感じられるはず。
特に夜間は薄暗くなるので、できれば別の通りを歩いてこの区間を避けるのが安心でしょう。
クタイシの治安&危険エリア

トビリシに次ぐ大都市であるクタイシ(Kutaisi)は、ジョージア中央部~西部観光の拠点となる町。
お洒落な雰囲気の旧市街とこぢんまりとした新市街は、どちらもヨーロッパ風の美しい町並み。
それらを見下ろす高台に、バグラティ大聖堂が凛と佇んでいます。
クタイシは大都市の割にものすごくのんびりした雰囲気が漂っているのが特徴的。
トビリシやバトゥミに比べると治安の問題も少なく、安心して観光を楽しめる町です。
トビリシとはまた異なる喧騒に満ちた市場を散策したり、近郊に点在する観光スポットをまわったり…
ゆっくりと流れる時間を味わいながらの滞在が楽しめるでしょう。

クタイシの危険エリア①:バスステーション周辺

クタイシで唯一注意が必要なエリアが、中心街から4kmほど離れた中央バスステーション周辺。
トビリシやバトゥミなど、ジョージアの他都市とを結ぶマルシュルートカ(乗り合いミニバス)が発着する場所なので、多くの旅行者がクタイシで最初に目にする光景でもあります。
中心街のスッキリとまとまった雰囲気とは対照的に、市場が併設されたバスステーションの建物の周りには安定のカオスな雰囲気が漂っているのがポイント。
その辺の路上でビニールシートを広げて謎の雑貨や野菜を売っている人たちが集まり、ジョージアという国を象徴するような光景です。
治安面では全く問題はないように感じましたが、こうしたローカル感極まりない場所では外国人は注目の的。
クタイシにはあまり多くの観光客が訪れないこともあってか、トビリシやバトゥミに比べて良くも悪くも視線を感じたように思います。
だからと言って特に何かされたりするわけではないので、ご安心を。
他都市からクタイシにやって来て初めて経験することが「ジロジロ見られまくる」なので、気になる人は心の準備をしておきましょう(笑)




































コメント
そろそr旅行したくなってきた頃に記事メッサ出してくれるの超助かりまする。。。
PpPpPp様
コメントをいただきありがとうございます!また、お返事が遅くなりまして申し訳ございません。
そろそろ、以前のように旅行がしやすい状況になってきた今日この頃、ぜひとも当ブログ内の記事をご参考いただければ何よりです!