こんにちは!ジョージア滞在も1年、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ここ数年でよく話題に上るようになったジョージアでの長期滞在/移住。
「○万円でこんなに良い部屋に住めます!」なんてお洒落な写真とともにSNSにアップされた投稿を見ると、「確かにコスパ抜群だな…」と思ってしまいますよね。
いや、それは間違いではありません。
「払う金額 / 得られるもの」という面で考えるなら、ジョージアはかなりコスパが良い国だと思います。
そんなコスパ抜群のジョージアでアパートを借りての滞在ですが、一つ大きな盲点があります。
それは、アパートの暖房設備に関して。
のぶよは普段、「ジョージア移住情報!」的な記事は書かないタイプなのですが、今回に限ってはどうしても書いておこうと思いました。
なぜなら、滞在時の満足度に大きくかかわるから。
下手したら、ただでさえ極寒の冬場を極寒の部屋で過ごすことになりかねないのです。
「ある程度のところなら大丈夫でしょ?」
「トビリシは寒いだろうけど、海沿いのバトゥミなら冬でも温暖なのでは?」
「セントラルヒーティングが完備されてるって何かで見たけど?」
そう疑いの気持ちすら抱かない人にこそ、「現地で現在進行形で冬を過ごしている人の生の声」として読んでいただきたいです。(し、役に立つと思います)
ジョージアのアパートの暖房設備ってどんな感じ?
ジョージア都市部の暖房設備は、大きく分けると以下の3つ。
・エアコン 激レア
・セントラルヒーティング 近年人気
・ガスストーブ 普通
日本のようにこたつがあるはずもなく、床暖房がある部屋なんて聞いたこともありません。
地方部へ行けば薪ストーブも現役で活躍していて、それが唯一の暖房だったりすることもザラ。
ここからはジョージア都市部でポピュラーな3つの暖房設備の、いったい何が問題なのかそれぞれ見ていきましょう。
エアコン
ジョージアの都市部でエアコンがある個人宅はいったいいくつあるのだろうか…
そう不思議に思うほどに見かける機会が少ないエアコン。
ジョージアで長期滞在/移住する人の3分の2以上が選ぶ町がトビリシですが、夏は灼熱/冬は極寒という内陸型の気候であることはあまり話題に上らない気がします。
トビリシ市内でエアコンが備え付けられている冷暖房完備のアパートは本当にごくわずかで、もし付いているとしたら家賃の相場もかなり上がります。
(おそらくバトゥミなど他都市でも事情は同じだと思う)
一部のショッピングセンターや最新型のバスを除けば、公共施設でもエアコンがついている場所はかなり限られています。
また、たとえエアコンがついている部屋を選んだとしても、ひとたび電気が止まれば無用の長物と化してしまいます。(詳細は次の項で)
セントラルヒーティング
「ジョージアの家にはセントラルヒーティングがあってポカポカ~」
という人もいるようですが、ジョージアの家はどこでもセントラルヒーティング完備というわけでは全くありません。
首都・トビリシ全体を見ても、セントラルヒーティング完備のアパートはかなり少数派。
築5年以内の新しい物件くらいなのではないでしょうか。
「セントラルヒーティング付きの新しめの物件に絞って探せばよいのでは?」
と思う人もいるかもしれませんが、セントラルヒーティングだって完璧なわけではありません。
一番困るのが、電気が止まったとき。
想像しにくいかもしれませんが、ジョージアでは都市部であっても停電・断水・ガスのストップは日常茶飯事。
工事のために一時的に地区全体のライフラインがストップする場合こそ事前通達がありますが、そうでなく突然電気がストップすることもかなり多いです。(感覚的には月に1~2回)
ほとんどの家のセントラルヒーティングは電気で動いているため、ひとたび停電になると途端に部屋は極寒に。
エアコンやストーブと異なり、ジワジワと空気を温める性質のものなので、電気が復旧した後も数時間~半日以上は寒いまま…なんてこともあるでしょう、
停電以外でも、セントラルヒーティングには思わぬ落とし穴がもう一つ。
それは、勝手に温度を上げ下げできない場合が多いという点です。
セントラルヒーティングのスイッチを入れたり、温度調節をしたりするのはアパートの大家さんである場合が多く、調節するための機械には鍵がかけられているのが普通。
いつもより寒いからといって、好きなように温度調節をするのが難しいのです。
そして、多くの家ではセントラルヒーティングの温度は低めに設定されているのが普通。
ジョージアでは物価に対しての電気代/ガス代がかなり高く、どこの大家さんもできる限り光熱費を節約しようとするためです。
「電気代・ガス代込み」を謳っている物件であっても「ただし、月○○ワットまで。それ以上は実費(しかも結構高い)」というのもよくあること。
入居時の交渉はもちろん必要不可欠。
絶対に寒い思いをしたくないなら、少し家賃に上乗せして支払ってでも暖房の温度を上げてもらうようにするくらいしか対策がありません。
ガスストーブ
ジョージアの一般家庭において最もポピュラーな暖房器具がガスストーブ。
トビリシだけを見ても、3分の2以上の物件ではガスストーブのみだと思います。
築5年以上経っているような物件や、明らかなソ連時代のアパートなどは、まずガスストーブしか備え付けられていないと考えておきましょう。
このガスストーブ、なかなかパワフルで温かいのですが、これも完璧ではありません。
ガスの供給がストップした日に動かないのはもちろんのこと。
信じられないかもしれませんが、風の強い日には火がつかないことがあるのです。
これも物件によりけりですが、古めの物件では、ストーブからの熱を外に放出するためのパイプが最低限の長さしかないことが多く、日本のように外側でちゃんと風よけのカバーがされていないものも。
つまり、ひとたび強い風が吹くと、外の空気がパイプを伝って中に入り、火を消してしまうのです。
「いやいや、そんなことある?」
と思うでしょう。あるんですよそれが。
見極め方としては、煙突のようにアパート上部にパイプが伸びている場合は大丈夫。
そうでなく、バルコニー部分に短いパイプがちょこんと出ているだけという場合は、風の日は使えなくなる可能性大と考えておきましょう。
「バトゥミは冬でも温暖!」の真実
黒海沿岸のバトゥミは、東部のトビリシとは全く異なる気候の町。
気温だけ見ると、冬でもマイナスになることはありませんし、「暖房にそこまで気をつけなくても大丈夫かも?」と思えてしまいます。
が…そこには大きな落とし穴が。
12月 | 1月 | 2月 | 3月 | ||
トビリシ | 最高/最低気温 月間降水量 | 8℃/-1℃ 23mm | 6℃/-3℃ 22mm | 8℃/-1℃ 25mm | 12℃/2℃ 34mm |
バトゥミ | 最高/最低気温 月間降水量 | 13℃/5℃ 303mm | 10℃/3℃ 242mm | 10℃/3℃ 189mm | 13℃/5℃ 145mm |
バトゥミの冬の何が問題なのかというと、恐ろしいほどに高い湿度。
気温はそこまで低くなくても、湿度が高いだけで体感気温はかなり低く感じられるのです。
「東ヨーロッパで最も雨が多い町」として知られるバトゥミは、年間を通してジメジメした亜熱帯のような気候。
しかし気温の上ではトビリシほどには極寒とはならないため、暖房設備がしっかりしていない物件が多いのも問題点。
冬場にバトゥミに滞在する場合は、暖房設備に関してしっかりと確認することをおすすめします。
とにかく寒いジョージアの物件。地元の人はどうしてる?
エアコンはほとんどなし、セントラルヒーティングはぬるい温かさ、ガスストーブは風で止まるし、おまけに電気代・ガス代は高い…
など、ジョージア都市部の暖房設備の問題点について話してきました。
では、この国の一般の人々はどうやって冬を乗り越えているのでしょうか。
答えは簡単。服を着こむのです。
のぶよのアパートのオーナーの家によく招かれるのですが、外の気温が5℃以上の日ならガスストーブは一番弱い設定。
そんなので部屋が温まるはずもなく、オーナー夫妻も息子も、外で着るようなジャケットにマフラー着用と完全防備で食事しています。
モコモコのコート着用で、お酒を飲んで体を温める。
それがジョージア伝統の冬の過ごし方。
私たち外国人にはなかなか難しい&耐えられない寒さかもしれませんが、一般のジョージア人家庭では暖房は最小限で質素に過ごしていることだけ、頭の片隅に入れておくのも悪くないかなと思います。
まとめ:とにかく入居前に確認を!
というわけで、ジョージアにこれからやってきて冬の期間を過ごす予定の人に、注意喚起も込めたアドバイス記事を書きました。
どうしてこんな記事を書こうと思ったかというと、気温0℃以下の日にガスストーブが付かず、単純にイライラした結果です(笑)
お金さえ払えば、エアコン完備の物件やセントラルヒーティングの温度を上げてもらうこともできるのでしょうが、それだと結局「コスパ抜群」とはならないような気がします。
(それだけ電気代・ガス代は割高)
とは言え、風が吹き荒れる日にガスストーブに悪戦苦闘するのもイヤなものですよね。
とにかく、これから来る人にアドバイスは一つだけ。
どんなに安くてお洒落で最新設備っぽい部屋であっても、暖房設備だけはまじで要事前チェック!
コメント
ジョージアはいつか観光で行ってみたいと漠然と思っているのですが、ホテルのエアコン事情も分かりますか?
タカアキ様
コメントいただきありがとうございます!
ジョージアのホテルのエアコン事情ですが、ホテルによって大きく変わってきます。
ある程度の値段がするようなホテルであれば設置されている場所がほとんどですが、個人経営のエコノミータイプのホテルやゲストハウスではついていない場合が多いです。
格安ゲストハウスを除けば、暖房面はある程度しっかりしている場所が多いですが、冷房が備わっている場所はかなり少ないので、夏場は扇風機だけでしのぐ場合も多いかと思います。
ご参考いただければ嬉しいです!
ご回答ありがとうございます。
いつ行けるのか目処もたってないですが、参考に致しますね!