こんにちは!ジョージア滞在も丸3年!世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
3年もジョージアに居座っていると、「定番」とされる見どころや町はほぼすべて制覇してしまうもの。
ありとあらゆる絶景や聖地を訪れると、ちょっとやそっとのことでは感動しなくなる贅沢な病にかかりがちです。
そんなのぶよが、久しぶりに「うおぉぉぉぉ…ここはすごいぞ…!!」と思った地域があります。
それが、ジョージア中部のシダ=カルトリ地方に位置するザマ渓谷(Dzama Valley / ძამას ხეობა)。
ザマ渓谷は、小コーカサス山脈の大自然に抱かれた全長25kmほどの美しい渓谷地帯。
手つかずの大自然に対峙するかのように、人口数十人ほどの小さな村がいくつか連なるエリアです。
「ジョージアの山岳地域」と言われて、多くの人が思い浮かべるのは大コーカサス山脈エリア。
「定番スポット」とされるカズベキやメスティア、ウシュグリ村などの有名どころは、すべて大コーカサス山脈に位置しています。
いっぽうの小コーカサス山脈は、ジョージアの中でもかなりマイナーなエリア。
ネット上には情報がほとんどないため、訪れる人がとても少ないのが現状です。
そもそもマイナーな小コーカサス山脈エリアにおいて、もはや誰一人として知らない/行かないような場所がザマ渓谷。
そこにあったのは、観光客向けにお見せする用ではない、本物のジョージア地方部の美しさでした。
ザマ渓谷の素晴らしい点は、山の大自然だけではありません。
たったの25kmほどの狭い渓谷地帯であるにもかかわらず、ザマ渓谷には合計で81の修道院が点在しているのです。
さらに、ザマ渓谷の修道院のほぼすべてには、祈りを捧げながら生活を送る修道僧が居住しているのも独特。
まるで渓谷全体が修道院に囲まれた巨大な結界の中の聖域であるかのような、神秘的で静謐な雰囲気が漂っています。
そんなザマ渓谷を、麓の町の人は畏敬の念を込めてこう呼びます。
「祈りの谷」と。
さすがに81の修道院すべてをまわるのは不可能なので、主要なものだけを巡ったのですが、いずれも驚くほどにバラエティーに富んでいたのも印象的。
中世に建設された巨大なものから、洞窟内に掘られた聖地、岩山の頂上に聳える孤高の楽園まで…
「ジョージアは修道院や教会ばかりでお腹いっぱい…」という人でも、絶対に楽しめると思います。
というわけで、今回の記事はザマ渓谷の観光情報を余すところなく解説するもの。
見どころの紹介はもちろん、個人でのアクセスや訪問時のアドバイス、おすすめのレストランまで…とにかく旅行に必要な情報をすべて詰め込みました。
知名度は限りなくゼロに近い場所ながらも、ザマ渓谷の魅力はまさに底なし。
多くの旅行者が滞在拠点にするトビリシやゴリからのアクセスも悪くないので、これを機会に知ってもらえたら嬉しいです!
ジョージア中部の「祈りの谷」。ザマ渓谷とは?
ザマ渓谷が位置するシダ=カルトリ地方は、トビリシから車で1時間少々しかかからないにもかかわらず、訪れる旅行者が少ない穴場のエリア。
がっつり旅する旅行者の数はかなり限られており、その分「まだ見つかっていない感」にあふれた見どころが多く点在しています。
ザマ渓谷の歴史はとても古く、およそ2000年前にはシルクロード交易の中継地点としてすでに集落が存在していたと考えられているほど。
中世ジョージアのキリスト教文化黄金期や、その後の異民族侵入による混乱の時代においても、様々な歴史的できごとの舞台となってきました。
「トビリシからのアクセスが悪くない」と聞くと、旅行者にも地元の人にも便利そうに思えるもの。
しかしながら、首都への利便性の良さは激しい人口流出を招き、ザマ渓谷一帯の村々は文字通りの限界集落と化しています。
これといった産業もなく、冬場はマイナス10℃を下回るほどの厳しい気候となるザマ渓谷での生活は、「りんごかジャガイモしか育たない」と言われるほどに厳しいもの。
実際に訪れてみると、目に見えるほどの貧しさが感じられるかもしれません。
そんなザマ渓谷に暮らす人々にとって心の支えとなっているのが、渓谷一帯に点在する修道院の存在。
キリスト教の厳しい戒律を守りながら生きる僧たちが、人々の厳しい生活に寄り添うかのように、質素な生活を営んでいる場所です。
中世には多くの修道院が存在していたザマ渓谷ですが、その多くは近世の激動の時代に忘れ去られてしまいました。
この地に再び修道僧が集まって生活するようになったのは、ここ30年程のこと。
そのためザマ渓谷に点在する修道院には、中世に建設された建物をベースに新しくリノベーションされたものが多いです。
ジョージアにはそれこそ星の数ほどの修道院が存在していますが、修道院の聖地感や僧たちの生活スタイルはピンキリ。
お洒落な車でさっそうと町をドライブする僧もいれば、ぼったくり価格のお土産を売るようなけしからぬ修道院もあり、観光客が増えすぎてディズニーランド化した教会まで…
とにかく様々なタイプの修道院と修道僧が存在します。
その点、ザマ渓谷の修道院はどれも本物の祈りの場。
神の意志だけを感じ取りながら粛々と生きる修道僧たちの姿には、まるで中世ジョージアのキリスト教社会が再現されたかのような錯覚さえ覚えるほどです。
実際に訪れてみれば、どうしてこの地が「祈りの谷」と呼ばれるのか感じ取れるはず。
現世から(&スマホの電波から)切り離された聖域さながらの美しいエリアを、存分に満喫しに行きましょう。
ザマ渓谷の3つのエリア
旅行者がまず知っておきたいのが、ザマ渓谷は大きく3つのエリアに分けられる点。▼
「ザマ渓谷観光のアドバイス・注意点」の項で詳しく解説しますが、個人で旅するなら1つのエリア=1日と考えておくのが◎
ザマ渓谷入口エリアとザマ渓谷奥部エリアの標高差は800mほどあるため、同じ日でも気温が大きく異なります。
ザマ渓谷観光マップ
赤:おすすめレストラン
灰色:鉄道駅
黄色:カレリ中心街西側のロータリー(マルシュルートカ発着ポイント)
オレンジ:ザマ渓谷各村のバス停
茶色:商店
紫:ゲストハウス
ザマ渓谷入口エリア
旅行者にとって最もアクセスしやすいのが、ザマ渓谷入口エリア。
ムトゥクヴァリ川とザマ川の合流地点に位置しており、古くから交通の要所として栄えてきた歴史があります。
ザマ渓谷入口エリアだけであれば、ジョージア他都市から個人での日帰りも余裕。
悠久の歴史を現在に伝える二つの見どころをまわるのが基本となります。
南オセチアを望む望郷の城:サムツェヴリシ城塞
ザマ渓谷に訪れる旅行者を最初に出迎えるのが、一面の荒野にどーんとたたずむサムツェヴリシ城塞(Samtsevrisi Fortress / სამწევრისის ციხე)。【マップ 青①】
ジョージア東西を結ぶ幹線道路や、鉄道の車窓からも見えるほどの巨大な城塞で、独特の存在感を放っています。
サムツェヴリシ城塞の歴史に関しては謎に包まれたままの部分が多く、いつ、誰が建設したのかは未解明のまま。
少なくとも15世紀(600年前)には、ザマ渓谷一帯を治めていた貴族が居城としていたことが分かっています。
ひし形の敷地内の西側は高い見張り塔を備えた城塞部分、東側は教会を備えた庭園部分となっており、城塞部分は2009年に設立されたサムツェヴリシ修道院の僧が生活するスペースとなっています。
サムツェヴリシ城塞で旅行者が立ち入れるのは、東側の庭園部分のみ。
遠くから眺めると圧巻のサムツェヴリシ城塞ですが、敷地内に入るといたって普通の中世の城塞といった感じで、やや消化不良かもしれません。
しかしながら、城塞敷地内から眺める周囲の風景は必見。
周りに何も高い建造物がない丘の上に建っているため、シダ=カルトリ地方の大地を一望できるのです。
サムツェヴリシ城塞が位置するのは、ジョージア領内の未承認国家である南オセチア共和国との境界までたったの10km足らずの場所。
城塞敷地内の北側に見える山々とその麓に広がる大地は、もう南オセチアなのです。
ジョージアでありながらも、ジョージアからは何人たりとも行くことができない南オセチア共和国。
物理的な距離は近くても、心理的な距離は果てしなく遠い地を間近に望むサムツェヴリシ城塞には、「望郷の城」さながらの哀愁が漂っているように思いました。
サムツェヴリシ城塞とセットで訪れたいのが、城塞から南東500mほど先の丘の中腹にたたずむサムツェヴリシ聖ギオルギ教会。【マップ 青②】
教会の建設は中世初期にあたる7世紀(1400年前)だと考えられており、初期キリスト教建築に典型的な十字架型の敷地&八角形のドーム屋根を備えています。
その歴史的重要性から、サムツェヴリシ聖ギオルギ教会はジョージアの重要文化財に指定されているほど。
現在の建物は、1940年に発生した地震によって被害を受けて補修がされたものです。
建築自体も、絵になる風景も素晴らしいサムツェヴリシ聖ギオルギ教会ですが、敷地内からの眺めも圧巻。
荒野に浮かび上がるかのようなサムツェヴリシ城塞の遠景と、その後ろに聳える南オセチアの山々を同時に眺めることができます。
絵画のような美しい聖地:キンツヴィシ修道院
ザマ渓谷全体において、ジョージア人旅行者に最もポピュラーなスポットが、キンツヴィシ修道院(Kintsvisi Monastery / ყინწვისის მონასტერი)。【マップ 青③】
完成は13世紀初頭(800年前)で、中世ジョージア王国で最大の黄金期となったタマル女王の治世中に当たります。
当時の王国の栄光と富を反映するかのように、大規模な造りが特徴的。
外壁は小さな煉瓦を積み上げた造りとなっており、これも13世紀初頭に流行したスタイルです。
山々の深い緑を背景にした存在感も、こだわり抜かれた外観も素晴らしいキンツヴィシ修道院ですが、内部も圧巻のひとこと。
内壁からドーム屋根の内側部分までびっしりとフレスコ画に覆われており、まるで神が宿っているかのような神聖な雰囲気でした。
キンツヴィシ修道院は、麓のキンツヴィシ村から300mほど標高が高い場所に位置しています。
舗装道路が敷かれていますが、歩いて登るのはけっこう大変。
しかしながら、修道院への道の途中から眺める大地のパノラマは素晴らしいものでした。▼
ジョージアの人々がどうしてこの場所に神聖なものを感じ、現在でも巡礼に訪れる人が後を絶えないのか…
実際にキンツヴィシ修道院に足を踏み入れてみると、その理由が肌で感じられるはずです。
ザマ渓谷中央エリア
ゆるやかな上り坂となっている舗装道路を進んでいくと、ザマ渓谷中央エリアに入ります。
このエリアからが、81の修道院を有する「祈りの谷」の本領発揮。
幹線道路沿いに次から次へと姿を現す聖地はどれも圧巻ですし、道路から外れた山の中にも多くの修道院が点在しています。
ここでは、比較的アクセスしやすい三ヶ所の修道院を紹介します。
可愛らしい庭園と異世界感:オルトゥバニ女性修道院
高い鐘楼と円形ドームを備えたチャペルがシンボルのオルトゥバニ女性修道院(Ortubnis dedata Monastery / ორთუბნის დედათა მონასტერი)は、ザマ渓谷の深い山々を背景にひっそりとたたずむ聖地。【マップ 青④】
建設は16世紀~17世紀(約400年前)にかけてとやや遅め。
この時代のジョージア東部は、異民族の侵攻による混乱の時代(13世紀後半~15世紀)と、その後のペルシア帝国(現在のイラン)による支配時代(17世紀~18世紀)のちょうど間に当たる時期です。
当時のジョージアでは単体の国家が成立しておらず、各地域を有力な諸侯が治める国家分裂時代。
オルトゥバニ女性修道院は、当時ザマ渓谷一帯の有力者であったツィツィシュヴィリ家によって建設されました。
オルトゥバニ女性修道院の中核となるチャペルは、まるでトルコのハマムを思わせるような円形のドーム屋根が独特。
ジョージアの宗教建築物の中でも、このスタイルのものはかなり珍しいように思います。
また、修道院の敷地内で必見なのが、東側に整備された庭園部分。
女性修道院らしく細部にまでこだわられた庭園は、可愛らしいオブジェや色とりどりの花々で飾られた美しいもの。
残念ながら庭園内部の写真撮影は禁止されていますが、この場所で暮らす修道女たちの独特のセンスを感じながらの散策が楽しめます。
「修道僧の楽園」:ムゾヴレティ修道院
のぶよ的に、ザマ渓谷全体で最大のハイライトとなるスポットが、ムゾヴレティ修道院(Mzovreti Monastery / მზოვრეთის მამათა მონასტერი)。【マップ 青⑤】
切り立った岩山の頂上にたたずむ「孤高の聖地」といった立地もものすごいのですが、修道院内部は完全なるファンタジーの世界です。
ムゾヴレティ修道院は、千年前の城塞の敷地を利用して造られたもの。
修道院の成立こそ2008年と新しく、聖地としての歴史は浅いですが、この場所で感じられる神の存在は本物です。
ムゾヴレティ修道院の敷地内の庭園や建造物は、とにかくどこを見渡しても現実離れしているのですが、これはこの地で暮らす修道僧たちが聖書の内容を具現化したもの。
自分たちが思い描く神の世界を現実世界に再現し、その地でただ神に祈りを捧げながら生きているのですから…
麓の村の人たちがこの場所を「修道僧の楽園」と呼ぶのにも納得がいきます。
「修道僧の楽園」ことムゾヴレティ修道院を訪れるなら、ジョージア正教の歴史や聖書の内容を少しでも知っておくのがおすすめ。
キリスト教徒ではない&スピリチュアル系に縁がないのぶよですが、ムゾヴレティ修道院訪問後はなんだか人智を超えたパワーのようなものを感じたくらいなので、この場所の祈りの力は本物だと思います。
とにかくすべてにおいて現実離れした聖地・ムゾヴレティ修道院。
訪問した際の詳細なレポートは別記事にまとめているので、そちらもあわせてどうぞ!▼
洞窟内の黄金チャペル:サルキネティ修道院
ザマ渓谷の中でも最も新しい修道院の一つが、サルキネティ修道院(Sarkineti Monastery / სარკინეთის მონასტერი)。【マップ 青⑥】
2008年から建設が開始され、2011年に修道院として機能しはじめた場所です。
歴史的価値はほとんどないサルキネティ修道院ですが、この場所を特別なものにしているのが、岩山を削ってその内部に築かれた洞窟教会の存在です。
ジョージアには洞窟の中に掘られた教会を備えた洞窟住居群がいくつかあり、ヴァルジアやウプリスツィヘなどが有名。
ここサルキネティ修道院は、1400年前に築かれた洞窟住居を持つシオ・ムグヴィメ修道院を模して造られたもので、聖人シオ・ムグヴィメリに捧げられたものです。
ごつごつした岩肌にぽっかりと空けられた入口を通り、薄暗い通路を数メートル歩いた先に広がる光景には、きっと目を疑うはず。
天井から壁まで360°、黄金のフレスコ画が施されたチャペルが待ち受けているのですから。▼
チャペルには明かりを取るための窓が3ヶ所設置されており、やんわりとした自然光が黄金のチャペルを輝かせます。
ピッカピカのフレスコ画は圧巻ですし、優雅な曲線を描くアーチ式天井の造りも見事です。
サルキネティ修道院の見どころはこの洞窟チャペルのみとなりますが、訪れる価値は十分にあり。
煌びやかな洞窟チャペルから再び外の世界に戻ると、なんだか洗礼を受けたかのような清々しい気持ちになるはずです。
ザマ渓谷奥部エリア
日程と体力に余裕があるならぜひとも足を延ばしてほしいのが、ザマ渓谷奥部エリア。
ザマ渓谷で一般の人が住む最後の村であるグヴェルジネティの先に広がる峡谷地帯です。
ザマ渓谷奥部エリアは、スマホの電波すら届かないほどの完全なる僻地。
一般人は一人も居住しておらず、各修道院の僧たちだけが生きる地となります。
こんな不便な場所でも修道僧が暮らす聖地は多く点在しており、スケジュールが許す限り見学していきたいもの。
ザマ渓谷の最奥部では、小コーカサス山脈の雄大な自然風景を象徴するバテティ湖が、わざわざここまでやって来た旅行者を賞賛するかのように美しい風景を見せてくれます。
川沿いの聖なる地:ハンズタ修道院
ザマ渓谷奥部エリアには、美しい修道院がいくつも点在しています。
中でも、のぶよ個人的にとても思い出深いのがハンズタ修道院(Khandzta Monastery / ხანძთის მამათა მონასტერი)。【マップ 青⑦】
そもそもの計画では、さらに先のバテティ湖近くまで行ってテントを張って一夜を明かそうと思っていたのですが、あまりの人の気配のなさに躊躇したのぶよ。
「修道僧が住んでいる場所の近くなら大丈夫」と考え、たまたま訪れたのがこのハンズタ修道院でした。
修道院の敷地内にテントを張るなんてバチ当たりなことはできないので、敷地のすぐ外にテントを張らせてもらおうと考え、薄暗くなりつつある山合いの修道院を訪ねて許可をもらおうとしたのが全てのはじまり。
応対してくれたのは、まだ三十代くらいの若い修道僧。
事情を説明すると、あれよあれよという間に修道院の宿坊スペースに案内され、夕食の豆の煮込みをごちそうになり、なんと薪ストーブまで焚いてくれたのです。
ジョージアの修道院には、遠くから来た巡礼者向けに宿坊が用意されている場合が多いのですが、旅行者向けではなくあくまでも巡礼者向け。
宿坊は修道僧の生活スペースに位置している場合がほとんどなので、一般の旅行者はまず目にする機会がない空間だと思います。
案内してくれた若い僧はとにかくいろいろと世話を焼いてくれ、朝はコーヒーまで淹れてくれたほど。
のぶよは巡礼に訪れたわけではないのですが、そんなことは関係ないとばかりに優しく接してくれます。
とても興味深かったのが、ここハンズタ修道院で暮らす僧たちの日常が垣間見られた点。
生活用水は敷地内を流れる川の水と天然の地下水で済ませ、屋外に設置された大きなテントのようなスペースで調理と食事を済ませます。
買い物等で町に出ることはほとんどないそうで、日用品や食材などは巡礼に訪れた人からの喜捨/近隣の他の修道院からのおすそ分けで多くをまかなっているのだとか。(つまり、のぶよに淹れてくれたコーヒーなんてものすごく貴重なもの)
暖かいコーヒーを飲みながら、朝の日課だという水汲みをする修道僧の姿をぼうっと眺めていると、まるで中世に迷い込んでしまったかのようです。(手伝おうとしたけど断られた)
こんなところまでやって来る外国人は本当に珍しいようで、修道僧もこちらに興味津々。
日本のことを色々と尋ねられたり、仏教について聞かれたり、あるいはこの場所での生活についてこちらから尋ねてみたり…とにかくいろいろな話をしました。
ハンズタ修道院自体は観光スポットでもなんでもありませんが、のぶよにとっては「祈りの谷」と呼ばれるこの場所を象徴するような思い出の地。
もし立ち寄る人がいたなら(おらんか)、柔らかな表情の僧がきっと温かく迎えてくれると思います。
ザマ渓谷最奥部の宝石:バテティ湖
ザマ渓谷の最奥部に位置するバテティ湖(Bateti Lake / ბატეთის ტბა)は、湖底までくっきりと見えるほどに澄みきった水を讃える美しい湖。【マップ 青⑧】
ここまで長い道のりを旅してきた人間だけが堪能できる、極上の自然風景が最大の魅力です。
バテティ湖への入口となる幹線道路の分岐点からは、およそ2kmほどの山道が続きます。
いちおう車が通った轍は湖まで続いているものの、あまりの悪路のため普通車でのアクセスは絶対に不可能。
4WD車でなければバテティ湖までは乗り入れることができませんし、タクシーをチャーターした場合であっても、分岐点付近から湖までは徒歩で往復する必要があります。
片道45分ほどの険しい道のりの先には、天国のように美しい風景が広がっていました。▼
深い緑色をしたバテティ湖の湖面は、いっさいの波やうねりがなく静止画のよう。
周囲の山々を完璧に反射した鏡張りの風景が見事で、果てしない自然美に言葉が出ないほどの感動を覚えます。
このときは9月末でしたが、紅葉はまだ始まって間もない感じ。
年にもよるでしょうが、10月1週目~2週目あたりが紅葉のピークだと思います。
ザマ渓谷一帯で話した地元民たちがみんな「バテティ湖は本当に綺麗だから絶対に行け」と口を揃えるのも納得。
自分以外に人はおらず、鳥の鳴き声も風の音も聞こえないほどの静寂に支配された鏡張りの風景の湖は、まさにザマ渓谷を旅した人間に与えられるご褒美そのものでした。
ジョージア中部の名物グルメが食べられる!ザマ渓谷のおすすめレストラン
ザマ渓谷には飲食店の数がとにかく少なく、観光の拠点となるカレリの町を抜けた後は食事場所のオプションがかなり限られてきます。(カレリの町ですら、飲食店はほとんどない)
ザマ渓谷においておそらく唯一のレストランがJoseph(ჟოზეფი)【マップ 赤】
シダ=カルトリ地方の中心的な町であるゴリに本店があるお店で、店名はおそらく「ヨセフ・スターリン」にちなんだものでしょう(白目)。
Josephの飲食スペースはすべて個室となっており、宴会用の大部屋などもある大規模なレストラン。
ミニバスを貸し切ってザマ渓谷を観光するジョージア人団体観光客の定番食事スポットとしても機能しているようで、のぶよが訪れた土曜日の午後は数十人の団体で大賑わいとなっていました。(個室席でよかった…と心から思った)
こういった幹線道路沿いの団体観光客狙いの大規模レストランは、どこの国でも当たり外れが激しいもの。
しかし、ここJosephは間違いなく当たりの店です。
メニューはとにかく豊富で、ジョージア料理のほとんどすべてが網羅されているほど。
ここシダ=カルトリ地方の名物グルメもいくつかあるので、せっかくなら挑戦してみましょう!
のぶよが注文したのは、ゴリが本場だとされるゴリ風カツレツ(Goruli Kotleti)。
フライドポテト付きで14.5GEL(=¥725)とかなり強気な値段ではありますが、背に腹は代えられません。
牛挽き肉100%のカツレツは、あっさり風味で焼き加減も完璧なほわっほわ食感。
ナイフを入れると肉汁がじゅんわりと染み出してきて、付け合わせのポテトとの相性も抜群でした。
個人的には、ゴリの伝説の食堂で食べたゴリ風カツレツの方が好みでしたが(値段も安いし)、Josephのカツレツもかなりの絶品。
せっかくこのエリアに来たなら、試してみる価値アリです!
連日の果てしない徒歩旅ではまともな食事を食べていなかったため、大盤振る舞いでもう一品注文してみることにしました。
とにかくメニューが多いので何にしようか迷いに迷ったのですが、結局はご当地グルメを食べることに決定。
それが、オスリ・ハチャプリ(12GEL=¥600)です。▼
オスリ・ハチャプリとは、南オセチア共和国(ジョージア的には「シダ=カルトリ地方 ツヒンヴァリ地域」)発祥だとされるチーズ入りのパンのこと。
見た目は、シダ=カルトリ地方の西隣に位置するイメレティ地方名物の「イメルリ・ハチャプリ」にそっくりですが、似て非なる料理です。
ジョージアに数種類存在するハチャプリですが、基本的には小麦粉生地+チーズの組み合わせだけであることが普通。
いっぽうのオスリ・ハチャプリは、牛乳で練った小麦粉生地にチーズとピュレ(マッシュドポテトの水分多めなバージョン)を混ぜた具を挟んで焼き上げるのが独特です。
また、オスリ・ハチャプリは、焼きあがった生地の表面に溶かしバターをたっぷりと塗るのが特徴的。
もはや芳醇の極みなハチャプリなのです。
小麦粉とバターの芳醇な香りを堪能しながら持ち上げてみると、液体状にとろけたチーズ芋がでゅるりんと滴り落ちてくるほど…もはや飲み物です、こんなの。
牛乳で練られた生地は、薄めなのにもっちもち。
具のチーズの濃厚な風味とじゃがいものほのかな甘みが存分に感じられ、塩気もちょうどよい感じ。とにかくもう、めっちゃくちゃ美味しいです。
オスリ・ハチャプリを提供する店は、トビリシなどジョージアの他地域ではまず存在しないため、正真正銘のシダ=カルトリ地方の名物料理。
のぶよ的に、ジョージアに存在する数種類のハチャプリの中でもダントツに美味しいと思うので、騙されたと思って食べてみてほしいです!
ザマ渓谷唯一のレストラン”Joseph”。
一見するとややお洒落な雰囲気ですが、全個室となっているため一人での利用も気兼ねなくできた点も嬉しいポイントでした。
価格帯は、ジョージア地方部にしてはやや高めでトビリシの中級レストランに近いですが、正直ちょっと奮発する価値があると思います。
食べきれなかった料理は無料で持ち帰り可能なので、多めに注文してザマ渓谷観光時の食料を確保するのもアリかもしれません。
ザマ渓谷へのアクセス・行き方
ザマ渓谷へのアクセス拠点となるのがカレリ(Kareli / ქარელი)という町。
とても小さな町ではあるものの、この地域の中心的な町としてそれなりに栄えています。
ご想像の通り、ザマ渓谷へのアクセスは絶望的に不便ではあるものの、個人で移動&観光するのも不可能ではありません。
その場合は、以下の2ステップで移動する必要があります。
・ステップ①:ジョージア他都市→カレリへ移動
・ステップ②:カレリ→ザマ渓谷各エリアへ移動
ザマ渓谷への移動ステップ①:ジョージア他都市(トビリシ/ゴリ/ハシュリ)→カレリへ移動
まずは、ジョージアの各都市からカレリへと移動します。
カレリへのアクセス拠点となるのは、トビリシ/ゴリ/ハシュリのいずれかの町。
いずれの町からも鉄道とマルシュルートカの二種類の交通手段があります。
いっぽうで、クタイシからカレリへのアクセスは、かなり不便なので個人的にはおすすめしません。
クタイシ~カレリ間の直行のアクセス方法は、クタイシ~トビリシ間の1日1本の鉄道のみ。
マルシュルートカの場合は直行便がないため、クタイシ→ハシュリ→カレリと乗り継ぐ必要があります。
各都市~カレリ間の移動オプション①:タクシー
最も簡単かつ快適に観光するなら、タクシーの利用が便利。
拠点となるトビリシ/ゴリ/ハシュリのいずれかの都市からでも、カレリまで片道でタクシーを利用することができますし、公共交通機関で移動しにくいクタイシ~カレリ間の移動にも便利です。
・トビリシ~カレリ間片道:50GEL(=¥2500)
・トビリシから1日チャーターして見どころを周る:150GEL~200GEL(=¥7500~¥10000)
・ゴリ~カレリ間片道:15GEL(=¥750)
・ゴリから1日チャーターして見どころを周る:100GEL~120GEL(=¥5000~¥6000)
・ハシュリ~カレリ間片道:20GEL(=¥1000)
・ハシュリから1日チャーターして見どころを周る:100GEL~120GEL(=¥5000~¥6000)
・クタイシ~カレリ間片道:80GEL(=¥4000)
・クタイシから1日チャーターして見どころを周る:200GEL~300GEL(=¥10000~¥15000)
ザマ渓谷の各見どころ間を歩きたくない場合は、タクシーを1日チャーターして見どころをサクッとまわるのもおすすめ。
メインの見どころに限れば、タクシーを利用して日帰りでザマ渓谷をまわることも不可能ではありません。
各都市~カレリ間の移動オプション②:マルシュルートカ
鉄道のスケジュールが予定と合わない場合は、マルシュルートカ(乗り合いミニバス)を利用しての移動も可能です。
各都市~カレリ間の直行マルシュルートカの詳細情報は以下の通りです。▼
カレリ側のマルシュルートカ発着ポイントは、中心街西側のロータリー付近です。【マップ 黄色】
各都市~カレリ間の移動オプション③:鉄道
ほとんど知られていないのですが、トビリシ~ボルジョミ間には1日2往復のローカル鉄道が走っており、カレリの鉄道駅にも停車します。
ジョージアの鉄道チケット予約サイトTkt.geの検索では表示されないのですが、ちゃんと存在しているのでご安心を。
ジョージア鉄道の公式サイトでは時刻表も掲載されています。
トビリシ発着だけでなく、途中駅のゴリやハシュリなどでの途中乗下車が可能であるのもポイント。
ゴリやハシュリ、ボルジョミなど沿線の駅から、直接カスピへとアクセスすることももちろん可能です。
便番号 | トビリシ発 | ゴリ発 | カレリ着/発 | ハシュリ発 | ボルジョミ着 |
618 | 6:35 | 8:25 | 8:55 | 9:20 | 10:45 |
686 | 18:50 | 20:40 | 21:00 | 21:35 | 23:10 |
(太字は現実的に利用しやすい便)
便番号 | ボルジョミ発 | ハシュリ発 | カレリ着/発 | ゴリ発 | トビリシ着 |
617 | 5:55 | 7:30 | 8:05 | 8:25 | 10:11 |
685 | 15:30 | 17:05 | 17:41 | 18:00 | 20:05 |
(太字は現実的に利用しやすい便)
トビリシでの発着駅はトビリシ中央駅(Tbilisi Central Station)。
ゴリとハシュリでは、それぞれの町に一つしかない鉄道駅の発着です。
いずれの町から乗車する場合でも、駅構内のチケット売り場であらかじめチケットを購入する必要があります。
カレリ側の鉄道発着ポイントは、中心街の東端に位置するカレリ鉄道駅。【マップ 灰色】
鉄道駅~カレリ中心街間は徒歩10分ほどです。
ザマ渓谷への移動ステップ②:カレリ→ザマ渓谷へ移動
タクシー/鉄道/マルシュルートカのいずれかでカレリに到着したら、いよいよザマ渓谷へ向かいます。
カレリ~ザマ渓谷の移動オプション①:カレリでタクシーチャーター
カレリ中心街西側のロータリー付近【マップ 黄色】には客待ちのタクシーが常に待機しているので、問題なく乗車ができるはず。
料金は交渉次第となりますが、だいたい100GEL~150GEL(=¥5000~¥7500)ほどが最低金額。
どこまで行くのか/何か所立ち寄ってもらうかなどによって大きく変わってくるでしょう。
注意したいのが、タクシーで行けるのは舗装道路が敷かれている見どころに限られる点。
本記事内で紹介している見どころでは「修道僧の楽園」とバテティ湖の2か所への道が未舗装道路となり、分岐点でタクシーを待機させて自力で数km歩く必要があります。
カレリ~ザマ渓谷の移動オプション②:カレリ→ズグデリ間マルシュルートカ
カレリ~ザマ渓谷間は、いちおうマルシュルートカを利用しての移動も可能です。
しかしながら、スケジュールや路線的にかなり不便である点は否めません。
この区間の移動に利用できるのは、以下の2種類の路線。▼
①トビリシ~カレリ~オルトゥバニ~グヴェルジネティ(Gverdzineti)間マルシュルートカ
・トビリシの発着地:ディデゥベ・バスステーション【MAP】
・運行頻度:1日1往復(トビリシ発14:00/グヴェルジネティ発8:00)
・所要時間:1時間40分
・料金:11GEL(=¥550)
②カレリ~ズグデリ(Zghuderi)間マルシュルートカ
・運行頻度:1時間に1本(11:00~17:00の間)
・所要時間:20分
・料金:2GEL(=¥100)
①のトビリシ~カレリ~オルトゥバニ~グヴェルジネティ間の便は、ザマ渓谷入口エリアとザマ渓谷中央エリアを網羅しているため、一見すると便利そう。
しかしながら、1日1往復の絶望的に不便なスケジュールなのがネックです。
この便を利用してのザマ渓谷日帰り観光は不可能で、必ずどこかの村で宿泊する必要があります
②のカレリ~ズグデリ間マルシュルートカは本数的に比較的利用しやすく、ザマ渓谷入口エリアへのアクセスにはとても便利。
しかしながら、ザマ渓谷中央エリアやザマ渓谷奥部エリアへは行かず、ズグデリ(Zghuderi)という村が終点なのが難点です。
カレリ~ザマ渓谷の移動オプション③:徒歩
タクシーをつかいたくない&絶望的に不便なマルシュルートカについてあれこれ考えるのが面倒&自分の足で行けない場所などないと信じている、そんなのぶよタイプの人は、カレリからザマ渓谷の各見どころを徒歩で移動してしまうのもアリです。
カレリからザマ渓谷方面の道路はほぼ完全に舗装されており、とてもゆるやかな上り坂の舗装道路が延々と続くだけの道のりなので、普通に体力がある人であれば余裕で歩けます。
個人的には、ズグデリ村行きのマルシュルートカと徒歩を組み合わせて、ザマ渓谷の3つのエリアに点在する見どころを数日間かけてまわるのが最も効率的だと思います。
ザマ渓谷観光時の注意点・アドバイス
ネット上にほとんど情報のないザマ渓谷。
ジョージア人の間では修道院巡礼の定番エリアとしてある程度知られてはいるものの、ほとんどはトビリシからミニバスを貸し切っての日帰りツアーで訪れます。
個人で訪れる人はほぼゼロであるため、旅行者向けの施設は全くと言ってよいほどに整備されていません。
なので、ザマ渓谷訪問時は事前のプランニングが命となります。
ここでは、実際に個人でザマ渓谷を旅した経験をもとに、観光時のアドバイスや注意点を解説していきます。
ザマ渓谷観光の必要日数
ザマ渓谷の観光に必要な日数は、移動手段とどこまで細かく観光するかによって大きく変化します。
アクセス拠点となるカレリの町からタクシーチャーターで主要な修道院をサクッとまわるだけなら、丸一日あれば十分。
しかし、タクシーをチャーターする場合でも、日帰りで最奥部のバテティ湖訪問は時間的に難しいと思います。
というのも、先述の通りタクシーは修道僧の楽園やバテティ湖までは行ってくれないため。
これら2か所は自分の足で結構な距離を歩かなければならないため、観光には予想以上に時間がかかることを覚えておきましょう。
個人でマルシュルートカ/徒歩でザマ渓谷をまわる場合は、日帰りは絶対に不可能。
どのエリアまで足をのばすかによりますが、ザマ渓谷の3エリアのそれぞれで1日は必要(=最低3日間)と考えておきましょう。
宿泊オプションはかなり限られる
ザマ渓谷全体に言えることが、宿泊施設がほとんど存在しないこと。
ホテルなどはいっさいなく、村人が自宅の一部を旅行者向けに開放しているゲストハウスでの宿泊となります。
ザマ渓谷奥部エリアに関しては、ゲストハウスどころか一般の村人が一人も住んでいません。
バテティ湖など奥部エリアまで足をのばしたい場合は、ザマ渓谷中央エリアのグヴェルジネティ村に一軒だけあるゲストハウスから日帰りで往復する or キャンプ のいずれかの選択肢しかありません。
【ザマ渓谷の宿をすべて見る!】
必要なものはすべて持参する
ザマ渓谷にほとんど存在しないのは、宿泊施設だけではありません。
商店や飲食店の類もほとんどないので、必要な食料や飲料はすべて持参する必要があります。
ズグデリ村を越えた先のザマ渓谷中部エリア&奥部エリアには商店は一軒もありません。
そのズグデリ村の商店でさえ、品揃えは良いとは言えないものです。
アクセス拠点となるカレリの町には、朝8:00から営業しているチェーンのコンビニ(Ori Nabizi / Magniti / Family)やスーパーマーケット、パン屋などが揃っているので、必要なものはすべてカレリで揃えておきましょう。
野生動物に注意
ザマ渓谷での宿泊をキャンプで済ませようと考えている人に注意してほしいのが、野生動物。
ザマ渓谷一帯には、熊やイノシシ、オオカミなどが生息しており、遭遇リスクもゼロではありません。
人が住んでいる村の周辺ではまず問題ないですが、人というか村自体がないザマ渓谷奥部エリアでは要注意。
のぶよのように、修道院のすぐそばにテントを張らせてもらうなどの予防策は必須です。
宗教施設訪問に適した服装を
ザマ渓谷の見どころの大部分を占める修道院は、例外なく現役の聖地として機能している場所。
もはや言うまでもないことですが、ジョージアでの宗教施設訪問時のドレスコードの遵守は必須です。(というか、ちゃんとした服装でないと入れてくれない)
・男性:膝が隠れるズボン / 肩が隠れるシャツ / 踵が隠れる靴
・女性:男性のドレスコード + 東部を隠すスカーフ ※長ズボン不可
以外と盲点なのが、女性は長ズボン(=脚のラインが見える服)の着用が不可だという点。
ジョージアの修道院の中でも、女性の長ズボンが容認されている場所とそうでない場所はバラバラですが、ザマ渓谷のほとんどの修道院では長ズボン不可です。
面倒ですが、長スカートを着用して訪問するか、長ズボン着用の場合は腰に巻ける大きな布などを持参するなどしましょう。
おわりに
おそらく世界で初めての、ザマ渓谷観光ガイドをお送りしました。
もはやいったいどこに需要があるのか不明すぎますが、もしこれを読んで興味を持ってくれる人がいたなら書き手冥利に尽きます。
「ジョージアの有名どころはもうほとんど行った!」という人にはもちろんおすすめですし、ゴリ滞在時のデイトリップ先を探している人にも、ザマ渓谷はぴったり。
交通は不便極まりないですし、旅行者向けの施設もまったくと言って良いほどに整備されていませんが、それこそ穴場エリアだという証。
観光地化された「聖地」とはまったく異なる「本物の聖地」らしい神聖な雰囲気と大自然の雄大さを、五感で感じる旅に出てみてはいかがでしょうか。
コメント