こんにちは!ジョージア国内をじっくり旅行中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
「山の国」ジョージアを代表する風景が見られる場所といえば、国土の北側にそびえるコーカサス山脈。
いくつかのコーカサス山脈エリアがあるジョージアですが、首都・トビリシからのアクセスの良さから旅行者の間で最も人気なのがカズベキでしょう。
カズベキには「ここだけは絶対に行くべき!」といった定番観光スポットがいくつかあり、初めての訪問ならこれらを制覇するのが最優先。
のぶよは2020年にカズベキに2週間滞在し、定番とされるスポットはもうすべて制覇したつもりでいました。
…が。
カズベキが持つ魅力は、そんな簡単に制覇できるものではありませんでした。
地元の人しか知らないような美しい谷間やトレッキングコース、観光地化とは無縁の伝統的な村まで…知れば知るほどにカズベキの深い魅力に気がつき、感服させられるのです。
よくガイドブック等で紹介されているような「カズベキでするべき〇〇のこと!」を制覇したリピーターは、いよいよ定番以外のカズベキの見どころへと足を伸ばすとき。
「知名度が低い=見ごたえが少ない」という方程式は、カズベキには当てはまりません。
むしろ、観光地化の波が到達していない小さな村や無名の自然スポットにこそ、カズベキが本来持つ魅力が詰まっているように思います。
今回の記事は、定番以外のカズベキ地域の見どころをまとめたもの。
カズベキ上級者向けに、合計で12個の魅力あふれる見どころや体験について解説しています。
のぶよが勝手に「裏カズベキ」と名づけたエリアの底なしの魅力、ぜひ感じてください!
- 裏カズベキの基本情報
- 裏カズベキ観光でしたいこと①:「アルシャの滝」の迫力を味わう
- 裏カズベキ観光でしたいこと②:「シオニ聖堂」のRPG感に酔う
- 裏カズベキ観光でしたいこと③:「サヒダリの奇岩」で天国と地獄の境目に立つ
- 裏カズベキ観光でしたいこと④:「プヘルシェ村の花畑」で絶景を独り占め
- 裏カズベキ観光でしたいこと⑤:「フルティシ村のソ連ロープウェイ」を眺める
- 裏カズベキ観光でしたいこと⑥:「ゴリスツィヘ村」を散策する
- 裏カズベキ観光でしたいこと⑦:「ヘヴァ渓谷」で非現実世界へ旅立つ
- 裏カズベキ観光でしたいこと⑧:「ザザの家」に泊まる
- 裏カズベキ観光でしたいこと⑨:「スノ村」で素朴なカズベキの雰囲気を味わう
- 裏カズベキ観光でしたいこと⑩:「コセリ村」で異世界に迷い込む
- 裏カズベキ観光でしたいこと⑪:「パンシェティ村」の絶景プールで泳ぐ
- 裏カズベキ観光でしたいこと⑫:「ヴァジャおじさんのヒンカリ」を食べる
- おわりに
裏カズベキの基本情報
裏カズベキとは?
カズベキ観光の定番スポットとして挙げられるのが、以下の4ヶ所です。
これらの定番スポットへのアクセス拠点&滞在拠点となるのが、ステパンツミンダ(Stepantsminda)の町。
様々なタイプの宿泊施設やレストラン、ツアー会社のオフィスにスーパーマーケットなど、旅行者に必要な施設がひととおり揃ったカズベキ地域の中心街のような存在です。
今回の記事で紹介している「裏カズベキ」とは、ステパンツミンダの南側のエリア。
多くの旅行者は、上記の定番スポットへのアクセスの途中に通り過ぎてしまうだけで、観光地化の波しぶきさえ到達していない素朴な雰囲気が残っています。
裏カズベキ見どころマップ
裏カズベキへのアクセス
裏カズベキ地域へのアクセスは、ステパンツミンダ(カズベキ中心街)へのアクセス方法とまったく同じ。
個人で移動する場合は、トビリシ~カズベキ間のミニバスを利用して、終点のステパンツミンダに到着する前に途中下車すればOKです。
この区間の移動情報詳細に関しては別記事にまとめているので、参考にしてください!
裏カズベキ観光でしたいこと①:「アルシャの滝」の迫力を味わう
コーカサスらしく一面の緑が美しい山の中腹。断崖絶壁を勢いよく流れ落ちる美しい滝がアルシャの滝(Arsha waterfall / არშის ჩანჩქერი)です。【マップ 青①】
第一の滝と第二の滝、二つの滝から構成されており、どちらも水量豊かで大迫力。
カズベキエリアの定番スポットとして有名なのはロシア国境に近いグヴェレティの滝ですが、アルシャの滝もそれに負けないほどの見ごたえがあります。
滝自体も素晴らしいですが、滝壺からのパノラマも圧巻。
カズベキ地域の谷間と山々の風景が、視界の限り広がります。
アルシャの滝に至る道は車両アクセスが不可能であるため、正真正銘の「自分の足で歩いた人だけが見られる絶景」。
とはいえ、初心者でも楽しんで歩けるので、カズベキ滞在に余裕がある人にはぜひおすすめしたいです!
裏カズベキ観光でしたいこと②:「シオニ聖堂」のRPG感に酔う
カズベキ地域の谷間を一望する高台に堂々とたたずむ中世の建造物が、シオニ聖堂(Sioni Basilica / სიონის სამნავიანი ბაზილიკა)。【マップ 青②】
9世紀頃(1100年前)の建造であるとされ、まるでRPGゲームの世界に迷い込んだかのような異世界感たっぷりの風景が最大の魅力です。
建設当時からこの地域の人々の信仰を一身に受けてきた聖堂は、周囲の緑あふれる風景もあいまってとても神々しい雰囲気。
カズベキ地域の村に点在する石塔も含めて必見です!
裏カズベキ観光でしたいこと③:「サヒダリの奇岩」で天国と地獄の境目に立つ
地図にすら載っていない穴場の見どころを探しているなら、サヒダリの奇岩(Sakhidari rock monument)はピッタリな場所。【マップ 青③】
まるで地獄の入口を思わせるような、黒く禍々しい雰囲気の渓谷地帯で、地面からニョキニョキと生えたかのような柱状の岩が特徴的です。
サヒダリの奇岩で面白い点は、真っ黒な奇岩地帯のすぐ反対側にコーカサスらしい緑でいっぱいの天国のような風景が広がっていること。
天国と地獄の境目に立っているかのような強烈なコントラストは、実際に訪れた人だけが味わえるものです。
裏カズベキ観光でしたいこと④:「プヘルシェ村の花畑」で絶景を独り占め
見渡す限りの高山植物のお花畑が見られるのが、プヘルシェ村(Pkhelshe / ფხელშე)の村はずれ。【マップ 青④】
急峻な山々を背景に、緑と黄色の絨毯がどこまでも広がっていく光景を目にすると、「コーカサスに来たんだ…」と感動が湧いてくるはずです。
お花畑周辺には、人の姿はゼロで人工の建造物も遠くにちらほら見えるだけ。
もはや楽園そのものな極上の風景を堪能しましょう。
裏カズベキ観光でしたいこと⑤:「フルティシ村のソ連ロープウェイ」を眺める
④プヘルシェ村の少し西に位置するフルティシ村(Khurtisi / ხურთისი)は、テレク川が形成する深い渓谷を望む高台にひらけた集落。【マップ 青⑤】
渓谷を挟んだ反対側にはジョージア軍用道路が敷かれ、多くの交通量があるのですが、フルティシ村側は完全なる静寂に包まれています。
そんなフルティシ村のシンボルが、深い渓谷を渡るために敷かれたソ連時代のロープウェイ。
かつては村の人々の唯一の移動手段として活躍していたものですが、故障したまま放置されて宙ぶらりん状態となっています。
コーカサスの緑に呑み込まれそうな村と、哀愁漂うソ連ロープウェイのコントラスト…
好きな人にはたまらない風景なのでは?
ソ連ロープウェイ以外にも、フルティシ村周辺には絵になる風景がたくさん。
⑥ゴリスツィヘ村~④プヘルシェ村~フルティシ村の間には道があるので、数時間かけてのんびりと散策するのがおすすめです。
裏カズベキ観光でしたいこと⑥:「ゴリスツィヘ村」を散策する
のぶよが裏カズベキ地域の中でも一番好きだった村の一つが、ゴリスツィヘ村(Goristsikhe / გორისციხე)。【マップ 青⑥】
特に目立った見どころがあるわけではなく、よくあるジョージア地方部の鄙びた集落といった雰囲気ですが、村の周辺の手つかずの大自然が素晴らしかったためです。
村の周辺で採れる赤っぽい石で造られた民家や石壁が連なるゴリスツィヘ村の風景は、どこを切り取っても絵になるものばかり。
のぶよ的激推し宿の⑧ザザの家もこの村にあるので、裏カズベキエリアの滞在拠点としておすすめの村です。
裏カズベキ観光でしたいこと⑦:「ヘヴァ渓谷」で非現実世界へ旅立つ
⑥ゴリスツィヘ村と④プヘルシェ村を隔てるヘヴァ川の上流には、ヘヴァ渓谷(Kheva gorge / ხევა ხეობა)と呼ばれる断崖絶壁の渓谷地帯が連なっています。【マップ 青⑦】
もはや地図にも載っていないほどのマイナーなスポットなのですが、その風景は裏カズベキに数ある絶景スポットの中でもトップクラスの美しさ。
どこまでが現実でどこまでが夢の中の世界なのか…その境目が曖昧に感じられてしまうほどの天国感に包まれていました。
もはや知名度がゼロの極みであるヘヴァ渓谷を訪れる旅行者は、限りなくゼロ。
ハイキングコースが整備されているわけでもなく、高山植物が咲き誇る草原を進んでいくことになります。
⑧ザザの家のオーナーであるザザおじさんに頼めば喜んで連れて行ってくれるはずなので、初夏にこのエリアに滞在する人はぜひ!
地図にすら載っていないへヴァ渓谷。色彩の洪水すぎてもはやあの世だった。
— 小山のぶよ🇵🇹世界半周中の翻訳してる人 (@nobuyo5696) July 6, 2022
こんな誰も知らない極上の場所が次から次へと出てくるジョージアのポテンシャルとはいったい… pic.twitter.com/ta1fdmiHlo
裏カズベキ観光でしたいこと⑧:「ザザの家」に泊まる
数々の絶景や知られざるスポットが「これでもか!」とばかりにゴロゴロ点在している裏カズベキ。
その魅力はすでに伝わっているかもしれませんが、のぶよがここまでこのエリアへの滞在を推す最大の理由が、ザザの家にあります。【マップ 青⑧】
ザザの家とは、ザザおじさんが営む小さなゲストハウスのこと。
その人柄がとにかく素晴らしく、観光地化が進むジョージアでは半ば消えつつある伝統のホスピタリティーを存分に感じることができます。
ザザの家の推しポイントは、この項だけでは到底語り切れないので、別記事で存分に熱弁しています。
「この宿に泊まるためだけにでも、裏カズベキを訪れる価値がある」と胸を張って言えるほどの極上宿でした。
裏カズベキ観光でしたいこと⑨:「スノ村」で素朴なカズベキの雰囲気を味わう
裏カズベキエリアの中でも、おそらく最も旅行者が多くやってくる(とはいえかなり少ない)のが、スノ村(Sno / სნო)。【マップ 青⑨】
カズベキ定番スポットの一つであるジュタバレーへと続く道沿いにあるため、多くのツアー会社が写真撮影タイムとして停車する村でもあります。
ほとんどの旅行者は、たった5分くらいスノ村の写真撮影をして足早に去っていきますが、のぶよ的にはかなりもったいないと思います。
・黒っぽい石造りで統一されたスノ村内
・「ジョージアのモアイ像」とも呼ばれるスノの岩石彫刻群
・スノ村近くにあるスノバレーの小さな村々
など、ここスノ村を拠点として周辺の穴場の見どころへと足をのばすのがおすすめ。
旅行者で溢れかえるカズベキ中心街から10kmも離れていないとは信じられないほどに、静寂に包まれた村での滞在。
一大観光エリアであるカズベキの印象を大きく変えてくれるはずです!
裏カズベキ観光でしたいこと⑩:「コセリ村」で異世界に迷い込む
⑨スノ村を拠点として訪れたい場所の一つが、スノバレー。
中でも指折りの美しい風景が見られるのが、深い山々に挟まれた谷間をのぞむコセリ村(Koseli)です。【マップ 青⑩】
コセリ村の現在の人口は、なんと82歳の老人たった一人。
実際に村内に足を踏み入れてみると、ほぼすべての家が廃墟と化してしまっていることに気が付くでしょう。
コセリ村の荒れ果てた路地を歩いていると、自分が見ている光景が果たして現実のものなのか分からなくなる錯覚に陥るかも。
それほどに、この「死にゆく村」に漂う雰囲気は異質なもので、まるでここだけ別の世界線に存在しているようでした。
裏カズベキ観光でしたいこと⑪:「パンシェティ村」の絶景プールで泳ぐ
カズベキ中心街から3kmほどしか離れていないにもかかわらず、観光地化の波がほとんどやって来ていない貴重な村があります。
それがパンシェティ(Pansheti / ფანშეტი)。【マップ 青⑪】
高台に建つ石塔に抱かれるような村は、カズベキ地域の二つの谷間が交わる地点に位置しています。
そのため、古くからこの地域の防衛の最重要拠点としての役割を担ってきたそうです。
素朴な村の雰囲気も、歴史ある石塔からの絶景も魅力的なパンシェティですが、その村はずれにある天然炭酸水プールも必訪。
コーカサスの山々を間近に眺めながら、シュワシュワの水の中でスイミング…これ以上に五感を使って大自然を楽しむ方法など他にないと思います!
裏カズベキ観光でしたいこと⑫:「ヴァジャおじさんのヒンカリ」を食べる
カズベキ地域は、ジョージア風小籠包「ヒンカリ」が美味しいことで有名。
各家庭で手作りされることが多く、スパイスの調合や包み方などは大きなバラつきがあります。
さらに、カズベキ地域の各村には「ヒンカリ作りの名人」として誰もがその名を知る人物が一人は存在するのだとか。
裏カズベキエリアに滞在する際に絶対に忘れてはいけないのが、ヴァジャおじさんのヒンカリを食べること。
ヴァジャおじさんとは、⑥ゴリスツィヘ村に住むヒンカリ名人のことで、自宅で作ったヒンカリを冷凍してカズベキ地域一帯の商店やレストランに卸売りしているのだそうです。
ヴァジャおじさんが作るヒンカリは、山岳地域らしく平べったい形&もっちりとしたやや厚みのある生地が特徴的。
具は牛豚の合い挽きでハーブ類は入っていませんが、この地域で採れる種類の花を乾燥させたものをスパイスとして使っているのだそうです。(なんとなくカレーっぽい味がしたのはたぶんそのため)
裏カズベキ地域の商店で売られているヒンカリの大部分は、ヴァジャおじさん作のものだそう。
ジョージア広しと言えどもここでしか味わえないご当地ヒンカリ。忘れずに挑戦してください!
おわりに
カズベキ観光で日程に余裕がある人や、リピーターにおすすめしたい「裏カズベキ」の魅力を一挙紹介しました。
果たしてこんなマイナーなスポットの数々を訪れてくれる人が存在するのかどうか疑問でしかありませんが、「定番観光地とは別のカズベキの一面が見たい!」という人には心からおすすめしたい場所ばかりです。
カズベキ観光の定番とされる見どころの素晴らしさは、もちろん極上。
いっぽう、本記事で紹介した裏カズベキの無名スポットの数々は、その穴場感や秘境感もあいまって、訪れる人にさらなる感動を与えてくれます。
裏カズベキを訪れるなら、7月~8月がベストシーズン。
目にするものすべてが天国な極上エリアの風景を独り占めしちゃいましょう!
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