こんにちは!ウクライナをまったり満喫中の、世界半周旅行者・のぶよです。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ウクライナといえば、キエフ、リヴィウ、オデッサの三都市が定番の旅行先。
これらの都市だけを駆け足で巡って、ウクライナを後にする人も多いのではないでしょうか。
広大な国土を持つウクライナには、他にも独特な魅力を持った地方都市がたくさんあります。
今回の記事では、ウクライナ西部の個性あふれる二都市を紹介します。
西ウクライナにある北ブコビナ地方の中心都市で、西ウクライナ文化の中心地でもあるチェルニフチ(Chernivtsi)
「ヨーロッパ最後の秘境」・カルパチア山脈観光のゲートウェイとなるイヴァノ=フランキーフスク(Ivano-Frankivs’k)
ポーランドやルーマニアの国境に近いため、ウクライナ文化と周辺諸国の混ざり合った独特の雰囲気がいずれも力的な町です。
世界遺産の美しい大学!チェルニフチ(チェルノフチ)
「黒い町」という意味のチェルニフチ(ロシア語名:チェルノフチ)は、古都リヴィウと並び、西ウクライナ文化の中心的な都市です。
ルーマニアの国境へ30kmほどしか離れておらず、ウクライナ旅行へのゲートウェイとしての顔も。
観光の中心となるチェルニフチ大学を有するため、若者が多く、街は活気にあふれています。
かつては、南ブコビナ地方(ルーマニア領)と共に、ルーマニアの領土であったチェルニフチ。
ソ連による占領にを経て、現在はウクライナ領となっていますが、町の雰囲気や建築にはルーマニアらしさが強く感じられます。
チェルニフチ観光地図
青:観光スポット
黄色:鉄道駅/バスターミナル
チェルニフチの観光スポット
1.チェルニフチ大学
かつて、この地で宗教的中心の役割を果たしていたブコビナ・ダルマチア府主教の邸宅・修道院として19世紀末に建てられた建造物群は、チェルニフチのシンボル。
かつてはオーストリア=ハンガリー帝国領だったブコビナ地方。
チェコ人建築家によって設計された建物からは、全くウクライナ感を感じません。
屋根の装飾はチェコやスロバキアでよく見られるものですし、建物の外観はポーランド風。
このような様々な建築様式の融合が評価され、世界遺産に登録されています。
現在ではチェルニフチ大学の校舎として利用されており、学生の姿が目立ちます。
世界遺産の中で学業に励むなんて、なんだか素敵じゃありませんか。
左側にあるのは、もともとは神学校&聖堂として造られた建物。
内部の雰囲気は当時の様子を思い起こさせます。
正面に建つのは、かつての府主教の邸宅部分。
きっとかなりの権力を持っていたのでしょう。
右側には、かつての修道院だった建物が。
これらの重厚な建物に囲まれた中心には庭園があり、学生たちの憩いの場となっていました。
インフォメーション
チェルニフチ大学(旧ブコビナ・ダルマチア府主教の邸宅)
住所:Kotsyubyns’koho St, 2, Chernivtsi, Chernivets’ka oblast, Ukraine
料金20UAH(=¥82)
2.ラトゥーシャ(市庁舎)
チェルニフチのこじんまりとした市庁舎は、市街地の中心部に位置しています。
パステルブルーの外観がとても美しいです。
3.劇場広場
市庁舎のすぐそばにある劇場広場は、その名の通り劇場の前に広がる広場です。
周辺の建物はとても豪華に装飾されていて、ウクライナとルーマニアの建築様式が見事に融合しています。
4.コビリャンスコル通り
チェルニフチ中心部にある、歩行者専用のメインストリートがコビリャンスコル通り。
通り沿いの建物の感じはもはやウクライナではありません。
ルーマニアのような、ポーランドのような、とにかく上手いこと調和がとれていて散策が楽しいです。
通り沿いにはおしゃれなカフェやオープンテラスのレストランも点在していて、若者の姿が目立ちます。
ウクライナにいながら、中欧の旧市街を歩いているような気分になるはず。
チェルニフチ観光のポイント
チェルニフチ観光の所要時間
チェルニフチ観光自体は、半日もあれば済んでしまいます。
大きな町ではないので、基本的に徒歩での観光となります。
ただ、チェルニフチからルーマニアのスチャヴァへ抜ける場合は、バスが一日二便のみ。いずれも早朝発のものしかないため、必然的にチェルニフチに一泊することになるでしょう。
チェルニフチの市内交通
旅行者が到着する鉄道駅は中心街の北に2.5kmほど、バスターミナルは南に2.5kmほどと、それぞれ離れて位置しています。
歩けない距離ではないものの、荷物を持っての移動は正直しんどいでしょう。
加えて、鉄道駅から中心街までは上り坂です。
便利なバス路線は、1Aの路線バス。
鉄道駅~中心街~バスターミナルを結んでいます。料金は5UAH(=¥21)。
チェルニフチのホステル情報
Coin Apartment Hostel
住所:Kazarmennyi Ln, 7, Chernivtsi, Chernivets’ka oblast, Ukraine 58000
料金:120UAH(=¥499)
部屋:8ベッドドミトリー
立地:7/10
中心街まで徒歩5分ほどの好立地。鉄道駅やバスターミナルへ向かう1Aのバスがすぐ近くから発車するので便利。
アクセス:10/10
ホステルの看板がちゃんとあり、入口の扉も鍵がかかっていないので、何の問題もなくホステルに入れる。受付が24時間対応なのも良い。
スタッフ:8/10
基本的にみんないい人。特別に愛想がいいわけではないけど、こちらがきいたことにはちゃんと答えてくれる。
清潔さ:9/10
トイレ、シャワーなど、一日に何回も掃除しているのでかなり清潔。そして全体的にデコレーションがモダン。
設備:3/10
共用部分はあるものの、なんとキッチンがありません。
各部屋に湯沸し器や電子レンジがありますが、他に誰かが寝ていたらなかなか使いにくいもの。
なのに立派なカフェテリアは併設されています。「コーヒー飲むなら金払え!」ってことでしょうか。
トイレ、シャワーともに6室ほどあるので数は十分ですが、シャワーのお湯がぬるま湯でした。
wi-fi:4/10
共用部分は問題なくつながるが、部屋ではほぼつながりませんでした。
雰囲気:3/10
こういったモダンなホステルあるあるで、みんな個人主義で、あまりアットホームな感じがしません。
共用部分も、談話室というよりも廊下にソファーが設置されているだけという感じで、みんなそれぞれ好きなことをやっています。
ゲストは、ほとんどウクライナ人で、なんだかここに長期で住んでいるような人もちらほら見かけました。
総合:6.6/10
この値段で、こんなモダンできれいなホステルに泊まれるのがウクライナの素晴らしいところ。
あまり他の旅行者とコミュニケーションをとらない主義の人なら大満足かもしれません。
のぶよ的には、もう少し汚くてもいいから、もっとこぢんまりとしたアットホームな宿が好みです。
カルパチア山脈への入口!イヴァノ=フランキーフシク
「小リヴィウ」とも呼ばれる美しい街並みが広がる、イヴァノ=フランキーフシク。
「絶対に名前をフルで言えない町リスト」に見事ランクインしそうなこの町は、こじんまりとした旧市街の中に観光スポットが集中しています。
ウクライナ西部の他の町と同様に、ポーランド、オーストリア、ソ連と様々な大国によって支配されてきた複雑な歴史を持ちます。
ソ連崩壊前に、西ウクライナにおける反ソ連運動の中心的役割を担った町でもあるイヴァノ=フランキーフシク。
現在も残る市庁舎には、ソ連時代ははタブーであったウクライナの国旗が掲げられていたそうです。
イヴァノ=フランキーフシクを訪れる旅行者の大半は、街の南部に広がるカルパチア山脈へのゲートウェイとして、この町に滞在するのではないでしょうか。
イヴァノ=フランキーフシクからカルパチア山脈の村や町へは、鉄道やバスで簡単にアクセスできます。
「ヨーロッパ最後の秘境」とも言われるカルパチア山脈の大自然を感じる旅の出発点として、イヴァノ=フランキーフシクは最適な場所でしょう。
イヴァノ=フランキーフシクの観光地図
青:観光スポット
黄色:鉄道駅/バスターミナル
イヴァノ=フランキーフシクの観光スポット
1.市庁舎
ソ連風の建物でありながら、町における反ソ連運動の中心的役割を担った市庁舎。
町の中心に堂々と建っています。
市庁舎がある広場を取り囲む家々は、なんだかルーマニア風。
しかしチェルニフチに比べると、洗練されていない、素朴なウクライナらしさが感じられます。
2.アルメニア教会
かつて多くの人口がいたアルメニア人によって建てられた教会は、市役所広場の裏側にひっそりと建っています。
現在はウクライナ正教の教会となっているのですが、内部には「治癒のイコン」と呼ばれるイコン画があり、触れると病気が治ったり健康になったりするという言い伝えがあるそう。
3.ヴァージン・メアリー教会
市役所広場のそばにある、パステルイエローの外観が美しいヴァージン・メアリー教会と鐘楼。
それにしても、チェルニフチに比べると、どこへ行っても人が少ないイヴァノ=フランキーフシク。
教会の前の大きな広場にも人影はまばらでした。
4.ネザレジュノスチ通り
歩行者専用の、イヴァノ=フランキーフシクのメインストリートがネザレジュノスチ通り。
街で一番活気がある場所で、多くの人でにぎわっていました。
周辺の建物は美しく、ウクライナ感とルーマニア感を同時に感じられます。
しかし、やっぱりチェルノフチに比べると、どこかあか抜けない印象です。
イヴァノ=フランキーフシク観光のポイント
イヴァノ=フランキーフシク観光の所要時間
イヴァノ=フランキーフシク観光は、正直3時間もあれば十分といったところ。
特に際立った観光ポイントがあるわけではなく、徒歩で散策しながら独特の町の雰囲気を感じるのが主になります。
イヴァノ=フランキーフシクの市内交通
旅行者が到着する鉄道駅は中心街の東に1kmほどの場所にあり、十分徒歩圏内です。
一方、リヴィウやチェルニフチ、ヤレムチェなどの他の町へ行く長距離バスのバスターミナル2は、中心街から北へ3.5kmほどに位置しており少々不便。
便利なバス路線は、22番の路線バス。
鉄道駅~中心街~バスターミナル2を結んでいます。料金は4UAH(=¥16)。
イヴァノ=フランキーフシクのホステル情報
Travel Station
住所:Zaliznychna St, 49, Ivano-Frankivs’k, Ivano-Frankivs’ka oblast, Ukraine 76000
料金:130UAH (=¥540)
部屋:8ベッドドミトリー
立地:10/10
鉄道駅から徒歩15秒という最強の立地。朝早い電車に乗る場合でも大丈夫です。
中心街までは徒歩15分ほどと、こちらも文句なし。
下の階に、この地域限定のファストフード店、Chicken Hutがあり、24時間営業しています。
アクセス:2/10
ホステルの入口には鍵が掛かっており、インターホン等はなく、ただホステルの名前と電話番号が書いてあるだけ。
つまり、チェックインの際に電話で連絡をしなければなりません。
昼12時~夜11時以外の時間に行っても、誰も電話に出ないので、ホステルに入ることすらできない可能性も。
スタッフ:7/10
ウクライナ語オンリーの若い男の子でしたが、どうにかコミュニケーションがとれます。常にモップ掛けをしたり洗濯をしたりとまじめに働いていたのが印象的でした。
清潔さ:8/10
常にスタッフが掃除をしてくれているのでかなり清潔です。ただ、洗面台の水の流れが悪すぎました。
設備:7/10
共用部分は広く、テラスもあってとても開放的です。なぜか四六時中、テレビでミュージックビデオが流れています。
キッチンはついているものの、コンロはなく、簡単なものしか作れません。
冷蔵庫、洗濯機もあり、なんと無料で洗濯をさせてくれました。
wi-fi:10/10
完璧。共用部分も部屋でも問題なし。
雰囲気:7/10
ほとんどゲストがおらずほぼ貸し切り状態だったので断言はできませんが、悪くはないと思います。
ウクライナでよくいる、ホステル在住の人々の姿もありませんでした。
もう少し旅行者が増えれば、かなりワイワイできそうなホステルです。
総合:7.5/10
のぶよ的に結構お気に入りのホステルの一つです。立地、雰囲気、設備ともに良いです。
ただ、ホステルへのアクセスだけはなにか対策をしてほしいもの。SIMカード買わない派ののぶよは、建物1階にあるChicken Hutのwi-fiをひろって、Skypeで通話をしました。
しかも電話したところでスタッフが全く英語を話せないので、意思疎通がかなり困難です。
チェルニフチ~イヴァノ・フランキーフシクの移動情報
チェルニフチ・イヴァノ=フランキーフスク間の移動
今回紹介した二つの都市間の移動に限っては、鉄道の方が本数も多く早いので便利です。
さらに、鉄道は格安な料金なのも魅力的。
中心地から離れたバスステーションまでわざわざいかなくてもいいのも嬉しいです。
バス
一日1~2便。
150UAH(=¥624)
所要3時間半
鉄道
一日3本(4:38、7:48、20:11)
3等で52UAH(=¥216)
所要2~3時間
ウクライナ国内の他都市からのアクセス
いずれの町にも、キエフ・リヴィウ・オデッサなど、ウクライナ国内の各都市からの長距離バスや夜行列車が走っています。
他の地域から距離が離れているチェルニフチとイヴァノ=フランキーフシクへのアクセスは、夜行列車が快適で便利です。
宿泊費の節約にもなりますし。
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