こんにちは!ウクライナにのんびり滞在中。世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ウクライナ西部に広がるカルパチア山脈は、「ヨーロッパ最後の秘境」とも呼ばれています。
観光地化が進んでいないため、美しい大自然と、そこで伝統的な文化を守りながら暮らす人々の姿が今でもみられる貴重な地域です。
そんなカルパチア山脈の谷間にあるヤレムチェという小さな町に滞在したのですが、ここが全てにおいて完璧でした。
日本では全く知名度がないヤレムチェですが、のぶよは全力でこの町を推したいです。
なんなら観光大使をしたいくらい(笑)
そんなヤレムチェ最強説と、ヤレムチェの観光スポット、アクセスを紹介します。
ヤレムチェ観光地図
青:その他観光スポット
黄色:鉄道駅/バスステーション
赤:おすすめレストラン
紫:おすすめ宿
ヤレムチェ最強説1:手軽に楽しめるハイキング
ウクライナ南西部に広がる広大なカルパチア山脈地域へのゲートウェイ的な役割を果たすヤレムチェ。
町の周辺にはいくつかのハイキングコースが整備されており、どれも初心者でも楽しめる難易度の低いものです。
のぶよは、その中の一つであるマコヴツャ山(Mt.Makovutsya)の山頂を目指すコースを歩いてきました。
山頂といっても、たかだか984mの山なので、ゆっくり歩けば誰でも登れます。
ハイキングコースはほぼ一本道で、黄色のマークで道が示されているので安心です。
マコヴツャ山ハイキングコースの詳細
山頂までの片道:3.9km
所要時間:往復4時間
入山料:25UAH(=¥103)
コメント:結構岩場が多いので、できれば登山靴などを用意した方がいいかもしれません。のぶよはそんなお金も装備もないのでスニーカーで挑みましたが、余裕でした。
マコヴツャ山ハイキングコースのおすすめスポット
1.ヤレムチェの町を一望する展望台
歩き始めて20分ほどで到着する展望台からは、先ほどまで居たヤレムチェの町全体が一望できます。
ヤレムチェが山に囲まれた谷に位置していることがよくわかりますね。
このあたりは結構きつい上り坂が続きます。
2.尾根
出発から1時間ほど。上り坂がいったん終わり、尾根のような平坦な道を歩くことになります。
このあたりからはもっと遠くのカルパチアの山々や、ヤレムチェの町が見えてとても気持ちがいいです。
後で紹介するSkeli Dovbushaという、パワースポットの大岩方面へ下る分岐点もこのあたりにあります。
3.マコヴツャ山の集落&山カフェ(?)
「集落」と呼べるのかわかりませんが、数件の家々が山の斜面に建っている地区。
木造の伝統的な様式で建てられた家と、その奥に広がるカルパチア山脈の大自然には、思わず息をのむはず。
住人が飼っているヤギや羊が放し飼いにされていて、草を食んでいる様子はなんとものどか。
この集落内には一軒のカフェがあり、木製のテラスでお茶やコーヒーをいただけます。
鳥の鳴き声や風に揺れる草木の音、時々聞こえる「べえええぇぇ」というヤギの効果音も含めて、至福の時間を演出してくれます。
しかしこの場所が本当にカフェとして営業しているのかは謎。
なぜなら、のぶよが訪れた時は、ここに住んでいるらしいおじさんが、自分用のコーヒーをわざわざ淹れてくれたからです。
この場所が何なのか聞きたくても言葉が通じずに断念。
興味がある人は、是非試してみてください(笑)
こちらの集落から山頂までは目と鼻の先。
ですが、最後にかなりの急な上り坂が待ち構えています。
4.山頂
急坂を上りきると、ウクライナカラーの十字架だけがぽつんと佇むマコヴツャ山の頂上に到着です。なんて気持ちがいいんでしょう!
山頂だからと言って特に何かあるわけではないものの、頂上に登るということ自体が満足感を与えてくれるはず。
5.フツル族のパワースポット、Skeli Dovbusha
2.の尾根の分岐点から南へ下っていくと、ヤレムチェでは結構有名らしい巨大な岩、Skeli Dovbushaがあります。
「どうせただの岩でしょ」と甘く見ていたのぶよですが、実際に目の当たりにすると、その巨大さと不思議な形に積み重なった岩の姿に圧倒されました。
実はこの岩、カルパチア地域に古くから住むフツル族が神聖な場所として崇めるパワースポットだそうです。
深い森の中にひっそりと佇む巨大な岩は、確かに不思議な力が宿っていそう。
周りに人っ子一人いなかったのもあって、そう信じてしまいたくもなります。
ヤレムチェ最強説2:フツル族の伝統文化が至る所で感じられる
カルパチア山脈地域に住むフツル族は、現在でも彼らの伝統的な文化を守りながら生活をしています。
ヤレムチェの町は観光の中心地としてある程度近代化してはいるものの、彼らの伝統文化にいたるところで触れることができます。
フツル族のマーケット
ヤレムチェで一番の観光スポットであるプロビ滝周辺には、観光用ではあるものの、フツル族の民芸品や刺繍、自家製の食材を売るマーケットが開かれています。
比較的新しく整備されたようなマーケット。
フツル族の伝統的な家をモチーフに作られています。
川沿いに広がるマーケットはなかなかの絶景スポット。
プルト川の急流を眺めながらコーヒーを飲むこともできます。
マーケットのすぐ近くには、急流・プルト川が数段にかけて流れ落ちるプロビ滝が。
正直、滝というよりもただの段差といった感じですが、川と山の風景はとても美しいので一見の価値ありです。
プロビ滝の周りをぐるっと一周できる遊歩道も整備されています。
伝統的な家々
ヤレムチェ駅の東側は、幹線道路が通り、新しい建物やお店が並ぶ町の中心地。
駅の西側には、昔ながらの伝統的な様式で作られた木造の家々が建ち並んでいます。
すぐ近くにそびえたつ山と、斜面に点在する昔ながらの家々。どこを切り取っても絵になる風景です。
木造教会
ヤレムチェの町中にもいくつかある木造教会。
フツル族の伝統的な様式で建てられているのですが、ほとんどは「半木造」。
基本は木で作られているのですが、屋根はアルミなどで補強されているものです。
100%木造の教会は、町の北3kmほどの所にぽつりと建っています。
その名も「聖イリヤ教会」。
壁、扉から屋根まで、全てが木で作られており、その姿は本当に美しいの一言です。
ヤレムチェ最強説3:レストランが安くて美味しい
都市部に比べると、田舎では食事の選択肢が大きく狭まってしまうこともしばしば。
また、観光地化となっている村などでは、全てが観光地プライスでげんなりしてしまうことも。
その点、ヤレムチェは程よく観光地化されているといった感じで、食事をとる場所には困りません。
駅前にはスーパーマーケットもあるので買い物の心配もなし。
いくつかあるレストランの中で、のぶよが3日間通い詰めたのがこちら、Cafe Kolomyyaです。
一軒「チープな食堂」といった雰囲気なのですが、チープなのは値段だけ。
料理は本当に絶品です。
ボルシチ、ヴァレニキ(水餃子)などの定番のウクライナ料理から、カルパチア地方の郷土料理までいろいろな種類のメニューがあります。
驚くのがその値段。
・ボルシチ300g(ガーリックトースト付き):30UAH(=¥123)
・メインディッシュ:25UAH~(=¥103)
・ビール500ml:24UAH(=¥99)
と、本当にやっていけんの?と心配になるような料金設定です。
しかも、出来合いの料理が並ぶセルフサービスの食堂ではなく、全部が手作りのレストランでこの値段です。
ウクライナの超有名チェーン店、プザタ・ハタもびっくり。普通にこっちの方が安いです。
さらにこのレストランのポイントは、全ての食事をフツル族の伝統的な陶器の食器で提供してくれること。
ウクライナで食器にまでこだわったレストランはなかなかお目にかかれるものではありません。
もちろん味は最高。
特にお勧めしたいのが、こちらのレストランのオリジナルメニューらしい「クリョツキ・パ・コロミャツキー」。
じゃがいもをすりつぶした生地を丸めて、中に鶏ひき肉とハーブを入れたものを、キノコや野菜が入ったサワークリームの中で煮込んだものです。
正直、ウクライナで食べたものの中で一番おいしかったです。
他にも、定番のボルシチやヴァレニキ(ウクライナ風水餃子)、ヤレムチェ風ポテトパンケーキなど、いろいろな絶品料理をいただきました。
若い男の子がウエイターをしていたのですが、ほとんど英語を話せない彼は、かなり恥ずかしがりながらも英語で話してくれました。
絶品料理とフツル文化を感じられ、温かい気持ちになれる、心からおすすめしたいレストランです。
インフォメーション
Cafe Kolomyya
住所:Svobody St, 255А, Yaremcha, Ivano-Frankivs’ka oblast, 78500
営業時間:全日 9:00~22:00
コメント:朝食も提供していて、オムレツが20UAH(=¥84)で食べられます。
もはや朝昼晩お世話になりたい神がかったレストラン。
ヤレムチェ最強説4:宿が激安&最強
ハイキングで自然に触れ、伝統的な文化に感動し、美味しい食事で満たされたら、後はゆっくりと寝るだけ。
基本的にどんなところでも寝られるのぶよ。
宿泊先に求めるのはただ一つ。安さです。
残念なことにホステルがないヤレムチェの町。
「ホテルかB&Bの個室しかないのか…高くつくけどまあしょうがないかあ。」と考えていたのぶよ。
その考えは見事に裏切られることとなります。
今回利用したのがこちらのログハウス風の宿、「アナスタシア(“Анастасія”)」。
ツインルームを一人で利用して、1泊200UAH(=¥840)です。
え?料金間違ってない?
いえいえ、本当にこの値段です。しかも低価格だからと言って侮れない宿のクオリティー。
高台に位置している宿からは、ヤレムチェののどかな町並みと、背後にそびえたつカルパチアの山々が一望できます。
庭にはブランコがあり、無料のコーヒーや紅茶を飲みながらゆっくり過ごすのもいいでしょう。
さらに、バーベキューセットや暖炉がついた小屋も自由に使えます。さすがに一人でバーベキューはしないけど(笑)
宿の人も、宿泊客もみんないい人ばかりで、ほとんどがウクライナ人。
言葉は通じませんがなぜかビールをもらったりしました。
宿が良いかどうかって、結構その町に対する印象の良しあしに影響するもの。
というのが持論ののぶよ。
すでに素晴らしすぎたヤレムチェの滞在を、さらに完璧なものとしてくれたのがこちらの宿でした。
ヤレムチェへのアクセス
ヤレムチェの最寄りの大きな町はイヴァノ・フランキーフスク(Ivano-Frankivsk)です。
バスや鉄道などがこれら二つの町を結んでいます。
また、西ウクライナ最大都市のリヴィウから直通の列車も1日1本運行しています。
バスの場合は、イヴァノ・フランキーフスクで乗り換えとなることが多いようです。
イヴァノ・フランキーフスク~ヤレムチェ間の移動
鉄道
所要時間:1時間半/1日3本
料金:3等 31UAH(=¥128)
バス
所要時間:1時間半/1日1本
料金:100UAH(=¥410)
リヴィウ~ヤレムチェ間の移動
鉄道
所要時間:ウクライナ鉄道で7時間半。
料金:90UAH(=¥371)
おわりに
他の人に本当に心からお勧めしたい・お勧めできる場所が、世界にはいくつあるでしょうか。
のぶよの中で、ヤレムチェはそんな場所の一つとしてに見事に殿堂入りを果たしました(笑)
本当は、ウクライナ最高峰であるホヴェルラ山(Mt. Hoverla)に登頂しようと考えていたのですが、あいにく4月中はまだ山開きしておらず、登ることができないようなので泣く泣く諦めたのは内緒。
(5月からは登れるそうです。)
ホヴェルラ山へは登れませんでしたが、大きな町での教会や城塞などの観光が主となるウクライナにおいて、数日間自然の中に身を置くだけでかなりリフレッシュできました。
「山登りはちょっと…」という人も、ただ何もせずに宿のブランコに揺られながら、本でも読んで一日をのんびり過ごしてみるのもいいのでは。
どんな風に過ごそうと、きっと「来てよかった!」と思える、そんな魅力がヤレムチャにはあるのですから。
コメント
現在ヨーロッパ周遊していて、楽しく拝見させてもらってます。
ところで、なぜこの村に行こうと思ったのでしょうか?
また情報はどこから入手したのでしょうか笑
ass様
コメントありがとうございます!
ヤレムチェを訪れたのは、ウクライナ滞在中にキエフやリヴィウなどの都市滞在ばかりであることに気づいて、「どこか自然を感じられそうな場所はないかなあ」なんて探していたところ、「カルパチア山脈」というキーワードを見つけたのが始まりです。
リヴィウで宿泊していたホステルの従業員がこの地域の出身で、ヤレムチェという村を教えてくれ、宿を検索してみたら格安だったのと、直通の列車(しかも安い)があったので行ってみることにしました。
現地での情報は全くなかったので、全て自分の目と耳と足でを使って得た情報です(笑)