こんにちは!セルビアの田舎をのんびりと旅行中。世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
数か月前、この景色の写真を見て圧倒されました。
切り立った谷間を縫うように、ぐねぐねと蛇行しながら流れる川が織りなす絶景。
この「谷間を這う水の大蛇」というべき絶景があるのは、セルビア西部のウヴァツ自然保護区域(Uvac Nature reserve)という場所です。
決めたら早いのぶよ。「セルビアに行ったら絶対行く!」と行き方をリサーチしたのですが、出てくるのはしょうもないまとめサイトばかり。
もちろんUVACへの行き方なんて載っているはずもありません。
行ったこともない人が適当に写真を引っ張ってきて適当に書いている記事をドヤ顔で掲載しているサイト、のぶよは大っ嫌いです(笑)
掲載順位が負けてるのが悔しいくらい。
日本語でだめなら外国語で!と思い、英語・フランス語で検索しても、ヒットするのは「Uvacへの車での行き方」や「Uvacへ行く現地ツアーへ参加した感想」などの情報ばかり。
やんごとなきお方はお金があってよろしいおすね。
セルビア観光局のサイトですら、素晴らしい写真や素晴らしい自然に関する情報を載せているのに、肝心の行き方はスルーですからね。
セルビア、まじでもうちょっと観光に力を入れてほしい。
もはや、完全に行き詰ったように思えました。
「せっかくの絶景。でもそのためにわざわざ車を借りたり高いツアーに参加するのなら行かなくてもいいか…。」なんて考えが頭をよぎったことを覚えています。
はい、結論から言います。
Uvacへは個人で、しかも車なしで行けます!
というわけで、実際に行ってきました。ものすごく感動しましたよ。
今回の記事では、実際にのぶよがUVACへ行った経験をもとに、Uvac観光の拠点となる村とホステル情報、詳細な行き方を写真付きで紹介していきます。
おそらく世界初っぽい、Uvacへの個人&車なしでの行き方の記事。
少しでも多くの人に、「なんか行けそう。頑張って行ってみようかな」と思ってもらえますように。
確実にウヴァツに行きたい場合は、ベオグラード発の現地ツアー参加がマスト。
ツアー会社の数はかなり少なく、ハイシーズンにはいっぱいになってしまうこともあるので、早めの予約を。
Uvac自然保護区域入口までの行き方
ウヴァツ(Uvac)は広大な自然保護区域。
一番の絶景ポイントであるモリトヴァ展望台(Vidikovac Molitva)へ行くするためには、まずハイキングコースの入口にアクセスしなければいけません。
Uvacへのゲートウェイ的存在となる場所は、ハイキングコース入口から6kmほど南に位置するスィエニカ(Sjenica)という小さな村です。
ホステルや商店など、滞在に必要最低限の施設は一応そろっているので、UVAC観光の拠点として1~2泊するのがいいでしょう。
Uvac地図
黄色:Sjenica村バスターミナル
紫:ホステル
青:Uvacハイキングコースのポイント
Uvac観光の拠点!Sjenicaへのアクセス
ベオグラードやニシュから直行のバスは走っていないスイェニカ(Sjenica)村。
一番近くの都市は、ノヴィ・パザル(Novi Pazar)で、一日十数本のバスが往復しています。
ノヴィ・パザルは、セルビアの中でもオスマントルコ色が強いエキゾチックな町。
周辺には世界遺産に指定されている修道院も点在しているので、Uvac観光の前の足慣らしに滞在してみるのもおすすめです。
ノヴィ・パザルからSjenicaまでは、ミニバスで1時間半。
料金は350DIN(=¥369)です。
Uvacハイキングコースの入口・Krstac村(地図1)へ
Sjenica村で荷物を置くなりホテルにチェックインするなりしたら、北7kmほどのところにあるクルスタツ村(Krstac)を目指します。
Sjenica→Krstacへは、一日一本バスが通っています。
しかし、14時Sjenicaバスターミナル発という全くもって利用価値のないタイムスケジュール。
ハイキングコースを歩く時間を考えると、14時からUvacへ向かうのは現実的ではありません。
したがって、Krstac村までは
徒歩(1時間)
ヒッチハイク(10分)
のいずれかの方法で移動するしかありません。
後に紹介するHostel Julijaは、Sjenica村からKrstac村へ向かう道の途中に位置しているので、少しでも歩く距離を短くしたい人にはおすすめです。
(ハイキングコース入口まで5kmほど)
のぶよは徒歩で移動することにしました。
セルビアの田舎らしいのどかな雰囲気が広がっていて、大自然を間近に感じられます。
1時間ほど歩いたところで、Krstac村に到着しました。
写真の分岐点が、Uvacハイキングコースへの入口です。
写真右方向にのびる坂を上っていきます。
UVACのハイライト、モリトヴァ展望台までの行き方
ハイキングコース入口から、Uvacで一番の絶景ポイントであるモリトヴァ展望台(Vidikovac Molitva)までは、約7kmの道のりです。
そこまでアップダウンはなく、初心者でも問題なく歩けるハイキングコースです。
ここからは、ハイキングコースのポイントごとに、ゴールであるモリトヴァ展望台までの行き方を紹介していきます。
Krstac村〜ビューポイント1 (地図2):1.1km / 15分
緩やかな坂道となっている未舗装道路を歩くこと15分。
最初のビューポイントに到着します。
蛇行している川の絶景に息をのむこと間違いなし!
しかしUvacの本気はこんなものではありません。先へ進んでいきましょう。
ビューポイント1〜キャンプ場 (地図3):1.1km / 15分
ビューポイントから歩くこと15分。
急な下り坂を下った先にあるのがキャンプ場です。
キャンプサイトの他に、数件のレストランがあり、お昼ご飯を食べることも可能です。
ボートレンタルなどもあり、車でやってきた人たちでにぎわっていました。
ここまでは車でのアクセスが可能なUvacですが、ここから先はハイキングコースのみとなります。
キャンプ場の端にある、やや見つけにくいゲートをくぐり、自然の中を歩いていきます。
キャンプ場〜ビューポイント2 (地図4):2.6km / 40分
緩やかなアップダウンが続くハイキングコース。
川はあまり見えなくなりますが、山々が連なる風景や巨岩などが美しいです。
歩くこと40分ほどで、急に視界が開け、Uvacの蛇行している川を望むビュースポットへと到着します。
かなりの解放感と美しい景色に感動まちがいなしですよ!
ビューポイント2〜 モリトヴァ展望台 (地図5):1.8km / 30分
二つ目のビューポイントから、ゴールであるモリトヴァ展望台までは、絶景の連続。
左手に蛇行する川の絶景を望みながら、緩やかな上り坂を歩いていきます。
どこを取っても絵になる風景が広がっているので、少し歩くペースを落として景色を堪能しながら進んでいきましょう。
休憩時間も含めてスタートから2時間ほどで、Uvac一番の絶景スポットでありゴール地点でもあるモリトヴァ展望台に到着します。
大自然の中にぽつんと佇む小さな展望台からの風景は、圧巻のひとこと。
写真で見た景色が目の前に広がり、かなり感動します。
自分の足でここまでたどり着いたという達成感も相まって。
ここで一つアドバイスを。
他に観光客の姿があれば、満面の笑顔で「写真撮ってあげようか?」とサービス精神を見せてあげましょう。
その理由は後程。
展望台付近には、レストランなどの設備はなく、数件の伝統的な家があるだけ。
まさに「秘境」と呼ぶにふさわしい場所です。
UvacからSjenica村への戻り方
世界でもここでしか見られない絶景を堪能した後は、現実に心を戻さないといけません。
Sjenica村から歩くこと14km。
ようやくたどり着いたモリトヴァ展望台で、旅行者の頭の中にはある葛藤が生まれます。
「同じ道をまた歩いて帰らないといけないのか…。」
もちろん、それも可能です。
ただ、合計で30km近く歩くことになるので、相当な体力と精神力が必要になってくることは言うまでもありません。
ここで一つ、Sjenica村へ戻る魔法のような方法をお教えしましょう。
それは、ヒッチハイクです。
とはいっても、ただひたすら道路わきで止まってくれる車を待つようなハードなものではありません。
おそらく世界で一番簡単なヒッチハイクです(笑)
モリトヴァ展望台の近くには、車で楽々とやってきた人のための駐車場(地図6)があります。
そう、モリトヴァ展望台へは、ハイキングコース以外の道を通っての車でのアクセスが可能なんです。
そして、セルビアではかなり有名な絶景スポットであるモリトヴァ展望台には、多くの観光客が車でやってきます。
レンタカーでやってくる外国人観光客もたくさんいます。
さらに、モリトヴァ展望台は、ハイキングコース入口であるKrstac村から一本道の最深部に位置している場所。
ここから先へ行く道路はありません。
つまり、モリトヴァ展望台に来た車は100%、Krstac村へ戻るのです。
そのうちの80%くらいは、Sjenica村方面へ向かいます。
なので、絶景を堪能して上機嫌なマイカー旅行者に、「メインロード(Krstac村)まで乗せてくれない?」とちょっと声をかけるだけであら不思議。
車に乗って悠々と戻ることができるんです。
先ほど、モリトヴァ展望台で他の観光客に媚を売り、撮影係に徹することをアドバイスしましたが、それはこのヒッチハイクのための伏線。
「気持ちよく写真撮ってやったんだから、乗せてってくれよな」という無言のプレッシャーを相手に与えるための作戦でした。(笑)
断言します。100%誰かが乗せていってくれます。
Sjenica村まで行く車に当たる可能性も高いので、行きのハイキングが嘘のように、あっという間にホテルまでたどり着けてしまいますよ。
Sjenicaのホステル情報
Uvac観光の拠点となるSjenica村には、数件の格安ゲストハウス(一泊10ユーロ~)が点在しています。
バスターミナル近くの宿をとってもいいのですが、村には本当に何もありません。
Uvac観光が目的なら、以下で紹介する、少しでも歩く距離を縮められる宿に泊まるのがおすすめです。
Hostel Julija
住所:Jezdimira Lovića 81 36310 Sjenica, Republika Srbija Sjenica RS, Sjenica 36310
料金:900DIN(=¥949)
部屋:6ベッドドミトリー(キッチン付)
立地:5/10
バスターミナルから2kmほど離れた場所にあり、お世辞にも立地は良いとは言えません。
ただ、Uvacへ行くのが目的なら、ハイキングコース入口に少しでも近いのは魅力的かも。
すぐそばに、食材を売っている商店があって便利です。
アクセス:7/10
看板などはなく、Google Mapの表示よりも少し南側にあるので迷います。
奥の民家にいる人が管理しているので、建物を見つけてしまえば問題なくチェックインできるはず。
スタッフ:6/10
少し英語が話せるお姉さんが対応してくれました。
特段温かい対応というわけでもなく、あくまでも事務的な感じです。
清潔さ:9/10
部屋・バスルームともにとても清潔です。ドミトリー内にはキッチンがあり、そちらも清潔でした。
設備:7/10
シャワーはちゃんとお湯がでますし、キッチンにはオーブンや電気コンロがあり自炊も可能なのが嬉しいところ。
まわりにレストランなどは一軒もないため、自炊することとなるでしょう。
キッチン用品はもう少し充実していてほしかったです。
wi-fi:7/10
共用部分、部屋共に問題ありませんが、速度が遅めに感じました。
雰囲気:7/10
ホステルという名がついているものの、実際は一軒家を改装してホステルっぽくしている宿です。
たまたまツーリング中のセルビア人グループと1泊をともにしましたが、言葉はわからなくてもみんなで飲んだり話したりと楽しかったです。
総合:6.9/10
安宿が見つけにくい地方部で、この値段で宿泊できるのが最大の魅力です。
他に何もないSjenica村の果てに位置しており、Uvac観光のためだけにあるような場所と言えます。
おわりに
かなり詳細に、Uvac自然保護区域へのアクセスを解説しました。
正直、個人で行きやすい場所ではありません。
しかし、やる気とガッツさえあればなんとかなります(笑)
おすすめは、紹介したホステルに二泊すること。
Uvac観光の前日から宿泊してコンディションを整えて、当日ハイキングにのぞむことができますし、ハイキング後は疲れ果てていることでしょうから、他の町へ移動するのはなかなか大変だからです。
一人でも多くの人に、セルビアの大自然の魅力を自分の足で歩いて感じていただけたら嬉しいです。
確実にウヴァツに行きたい場合は、ベオグラード発の現地ツアー参加がマスト。
ツアー会社の数はかなり少なく、ハイシーズンにはいっぱいになってしまうこともあるので、早めの予約を。
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