こんにちは!ルーマニア旅行中で、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
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ルーマニア西部、ハンガリーとセルビアの国境近くに位置するティミショアラは、ルーマニアの中でも異国情緒漂う町。
花と緑に囲まれた美しい街並みは、かつてこの地域を支配していたハンガリー風の重厚な建築に彩られています。
まるで映画の世界に入り込んでしまったようなティミショアラの美しい街並みは、
「ブカレストは醜い、ブラショフはただの観光地、クルジュ・ナポカはただの小さい町」
と大都市を揶揄するのが大好きなルーマニア人でも認めるほど。
そんなティミショアラが持つもう一つの顔が、「ルーマニア革命始まりの地」です。
1989年12月に起こった、独裁者チャウシェスクに対して民衆が立ち上がったルーマニア革命は、「血で血を洗う」と称されるほどに壮絶なものでした。
そのすべての発端となったのが、ここティミショアラなんです。
今回の記事では、とにかく美しいティミショアラ中心街の見どころとや他都市とのアクセス、おすすめホステル情報を解説します。
美しい街並みに見え隠れする、ルーマニア革命の痕跡も見逃せませんよ。
ティミショアラ観光マップ
青:観光スポット
黄色:鉄道駅
紫:おすすめホステル
ティミショアラの観光スポット
1.三成聖者大聖堂
ルーマニア正教の三成聖者大聖堂は、ティミショアラの中心街に堂々と佇む町のシンボル。
独特なデザインの尖塔と、カラフルな屋根が特徴的です。
内部はとても重厚な作りで、黒を基調とした壁に囲まれたほの暗い空間に灯りがともる世界。
入場は無料なので、せっかくなら入ってみるべきです。
2.ヴィクトリア広場
ティミショアラの中心街のど真ん中に位置するヴィクトリア広場は、今も昔も町の中心的な広場です。
大聖堂とオペラ座が広場の端に建ち、ハンガリー風の建物が並ぶ広場には季節の花が咲き乱れます。
ルーマニア革命当時、ティミショアラで民衆が集結したのもこのヴィクトリア広場。
後で紹介するルーマニア革命博物館には、当時のヴィクトリア広場の様子をとらえた写真が展示されていました。
正面に見える大聖堂からびっしりと広場を埋め尽くす、無数に集まった人々。
当時共産主義だったルーマニア。
絶対的な権力を誇っていたチャウシェスクの辞任を求めるためのデモが、ここティミショアラで勃発しました。
それがルーマニア全土に広がり、チャウシェスク夫妻の処刑で幕を閉じるルーマニア革命へとつながっていったのです。
3.国立オペラ劇場
ヴィクトリア広場に面して建つオペラ劇場は、一見すると政府関係の建物のような無骨さ。
他の町のオペラ座のような豪華な装飾や、バロック調の建築とは無縁です。
ルーマニア革命時に、ルーマニアで初めて自由を手に入れたティミショアラ。
歓喜に沸いた市民がこのオペラ劇場に登り、自由を叫んだといいます。
4.リベルタツィー広場
「自由の広場」を意味するリベルタツィー広場は、ティミショアラの中心街北部に位地しています。
この広場周辺の街並みは、まるで映画の世界のようにきれいに整備されていて大変美しいです。
ポルトガルのアゲダ(Ageda)が元祖である、宙に吊られた傘のアート。
今ではヨーロッパのいろいろな町で見られるようになりました。
ただし、ルーマニアの場合は、「人がいない夜に準備をする」という概念がなく、白昼堂々とおじさんたちが傘を設置していたのがなんとも笑えました。
ルーマニア人の建設や設営の遅さ・効率の悪さは、ルーマニア人自らがジョークにするほど。
ティミショアラでも、いったいいつ終わるのかわからないような工事やアート作品の設置準備がいたるところで行われていました。
5.ウニリイ広場
ティミショアラのランドマークとも言える、黄色のポップな教会を中心としたウニリイ広場。
広場を取り囲む建物はどれもカラフルでとてもきれいです。
ウニリイ広場周辺にはお得なランチメニューを提供するレストランが数多くあり、地元の人が仕事の休憩がてらやってくるような場所です。
6.ルーマニア革命ミュージアム
ティミショアラを訪れたなら是非立ち寄っておきたいのが、中心街北部にあるルーマニア革命ミュージアム。
個人が経営している小規模なミュージアムなのですが、所有者は、なんとルーマニア革命時に当時の政府軍によって銃弾を受けた「革命の生き証人」だそう。
ルーマニア革命始まりの地であるティミショアラで、その時何が起こっていたのか、克明に伝える存在です。
敷地内には、ベルリン市から寄贈された本物のベルリンの壁が展示してあります。
入館してまず通されるのは、ミュージアムオリジナルの動画を視聴する部屋。
ルーマニア革命がどのようにして発生し、どんな結果に至ったのか、わかりやすく解説しています。
革命以前のチャウシェスク政権時代の写真や、革命真っ只中の荒れ果てた街の写真、革命後に歓喜に沸く人々の写真など、とても印象的な写真の数々が展示されています。
特に印象的だったのが、ティミショアラのマリア広場で、地元の若者たちが路面電車を占拠して「チャウシェスクは辞めろ!」と叫んだ時の写真。
彼らの行動は他の乗客の喝采をあび、共産主義政権に不満を持っていたティミショアラの人々の間に瞬く間に広がりました。
このティミショアラでのデモに対して、チャウシェスク政権は「反逆者だ」とテレビのニュース番組で発言。
それに対する国民の反感は凄まじく、革命の波はルーマニア全土に広がっていったのです。
インフォメーション
ルーマニア革命ミュージアム
住所:Strada Popa Șapcă 3-5 / Oituz ne. 2B, Timișoara 300057
営業時間:平日 8:00~16:00 / 土曜 9:00~14:00 / 日曜定休
料金:10LEI(=¥260) ※写真撮影料別途10LEI
7.ベガ川遊歩道&バラ公園
中心街南部を流れるベガ川沿いには、気持ちの良い遊歩道が続いています。
おしゃれなカフェもいくつかあり、川沿いでちょっと一休みするには最適なロケーション。
また、遊歩道の反対側はいくつかの公園が広がる緑あふれるエリア。
特に美しいと評判なのが、バラ公園です。
その名の通り、たくさんのバラが植えられた公園で、季節になるとそれは素晴らしいとのこと。
のぶよが訪れた4月はまだ時期ではありませんでしたが、どこか気品に満ちた公園の散策はとても気持ちが良かったです。
ティミショアラのまわり方
ティミショアラ観光に必要な日数
全ての見所が、小さな中心街に集中しているティミショアラ。
半日もあればゆっくりとすべての見どころをまわれ、ハンガリーの雰囲気溢れる美しい街並みを堪能できます。
天気が良ければ、ベガ川沿いに点在する公園でのんびり過ごすのもおすすめ。
川沿いの遊歩道には、こじゃれたカフェなどもあってとてもいい雰囲気です。
ティミショアラの市内交通
ティミショアラ観光のの移動の基本は徒歩です。
中心街に宿泊していれば、どこへ行くのも徒歩で最大10分ほどと、かなり便利。
反対に、中心街でない場所に宿泊する場合は、路面電車や路線バスを利用することになります。
ティミショアラのターミナル的存在であるティミショアラ北駅は、中心街から西へ2kmほど離れています。
徒歩で25分、もしくは路線バス14番でアクセス可能です。
ティミショアラ~他都市の移動
ルーマニア国内の他都市への移動
ルーマニアの他都市とはかなり距離があるティミショアラ。
どの都市へ向かうにしてもかなりの時間がかかってしまうのが難点です。
首都ブカレストまでは、鉄道で13時間ほど、クルジュ・ナポカまでは7~9時間ほどの所要時間です。
いずれも料金は80LEI ~(=¥2117)。
夜行列車もあるので、上手に利用すれば宿泊費を節約することも可能です。
トランシルヴァニア地方のブラショフへは直行の列車やバスは運行されておらず、どこか別の都市での乗り換えが必要になります。
隣国(セルビア/ハンガリー)への国際移動
ティミショアラは、ハンガリー、セルビアの国境にほど近い町。
いずれの国にも移動することが可能です。
ハンガリーの首都・ブダペストまでは、Flixbusという格安バス会社が1日2往復~しています。
早めに予約をすればかなりの低料金で利用できることもあるのでおすすめです。
地図上ではかなり近い、ティミショアラとセルビアの首都・ベオグラード。
しかしこの区間の移動はなかなかトリッキーで、2019年現在、直行列車の運行はありません。
(以前はあったものの利用者が少なくて廃止されたそうです)
以前は、ルーマニア・セルビアの国境地点でそれぞれの国のローカル列車が連絡していて、乗り換えはあるものの比較的簡単に移動できたそうなのですが、こちらも現在は廃止されています。
この二都市間を結ぶ路線バスもないため、プライベートのシャトルバス会社を利用するしか方法がありません。
ティミショアラ~ベオグラード間を実際に国境越えした様子もレポートしています。
同じルートで移動する人は参考になるはず。
ティミショアラのおすすめホステル
Bella Vita Hostel
住所:Strada Vasile Alecsandri 5, Timișoara 300078
料金:40LEI(=¥1056)
部屋:10ベッドドミトリー
立地:9/10
鉄道駅から2kmほど、ティミショアラ中心街にあり、全てが徒歩圏内。
スーパーマーケットがあるショッピングセンターへも徒歩5分と便利です。
アクセス:2/10
看板などは何もなく、かなり見つけづらいのが難点。
チェックインを別のホステル(徒歩5分ほど)でしなければならず、面倒くさい。
事前に到着時間を連絡しなければいけないのもマイナスポイントです。
スタッフ:10/10
ラウルというルーマニア人がオーナーで、お母さんと一緒にホステルを経営しています。
かなり感じが良く、市内の観光情報を完璧に教えてくれたり、ベオグラードまでのバスを手配してくれたりとお世話になりました。
清潔さ:5/10
部屋はかなり綺麗に掃除されていますが、共用部分のキッチンやバスルームは微妙。
そもそも建物が古いので仕方がないのかもしれません。
設備:7/10
キッチン用品はある程度揃っており、湯沸かし器や冷蔵庫もあります。
シャワーとトイレが一つしかなくやや不便。お湯はしっかり出ました。
wi-fi:10/10
共用部分、部屋共に完璧でした。
雰囲気:6/10
他に宿泊客がいなかったため何とも言いかねますが、小さなホステルで静かな雰囲気。
共用部分が広くないので、団らんする場所に困るかもしれません。
総合:7.0/10
全てにおいて「まあ普通」といったところ。
ティミショアラ最安値で中心部に宿泊できる利点はかなりのものです。
おわりに
花と緑あふれる、美しい街並みを誇るティミショアラ。
なんだかのんびり滞在したくなるような素敵な町で、のぶよ的にかなり気に入った町の一つです。
革命始まりの地だけあって、新しいものに対してオープンな雰囲気も感じられるはず。
観光するだけではなく、町の空気を感じながらのんびり過ごしてみるのもおすすめですよ。
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