こんにちは!ルーマニア旅行中ののぶよです。
ブカレストの喧騒やブラショフの観光地感に疲れたとき、近場の小さな町へ日帰り旅行をしてみるのはいかがでしょうか。
今回のぶよが訪れたのが、トランシルヴァニア地方にあるシナイア(Sinaia)という町。
シナイアは、首都ブカレストとトランシルヴァニア地方の中心都市・ブラショフの間に位置する、山の中のリゾートタウンです。
ルーマニアを東西に走るカルパチア山脈の麓にあり、夏は避暑地、冬はスキーリゾートとして賑わいます。
リゾートとしての滞在もいいのですが、シナイアにはルーマニア人の間でも人気がある「シナイア僧院」「ペレシュ城」などの観光スポットがあるのです。
しかも、小さな町なので、全てが徒歩圏内。
完全なるオフシーズンである2月に訪れたのぶよですが、「ピュアなルーマニアらしさ」を感じられる静かな町の雰囲気が気に入りました。
半日あれば十分満喫できるシナイアの観光スポットと周り方を紹介します。
シナイアをひとことで!
シナイア観光マップ
青:その他の観光スポット
黄:鉄道駅、ロープウェー乗り場
シナイアの必見観光スポットは3つ!
シナイアの町は丘の上にあり、観光スポットも全て丘の上部分に集約しています。
鉄道が発着するシナイア駅は、町の下の谷の部分に位置しているため、まずは駅正面の階段を登って、丘の上にアクセスしましょう。
階段を登った先は、後に紹介するディミトリエ・ギーカ公園 (Parcul Dimitrie Ghica)やカジノ(Casino Sinaia)があるエリア。
時間に余裕があればこれらを観光してもいいですし、時間に限りがある場合は飛ばしてシナイア僧院へと直行しましょう。(どうせ後でこのエリアに戻ってくるので)
駅からシナイア僧院までは徒歩15分ほどです。
シナイアの必見観光スポット1. シナイア僧院
1695年に完成したシナイア僧院は、山のなかにひっそりとたたずみ、神聖な雰囲気が漂っています。
この僧院の名前が「シナイア」という町の名前の由来となっているのですが、そもそもはエジプトのシナイ山というキリスト教の聖地にちなんでつけられたそう。
四方を石の壁で囲まれた外観は、まるで要塞のよう。
内部には建築当時からある古い教会と、後に造られた新教会の二つがあります。
フレスコ画が素晴らしい古い教会
シナイア僧院の奥にひっそりとたたずむ小さな教会は、一見白い壁の普通のルーマニア正教の教会ですが、正面入り口に施されたフレスコ画に圧倒されます。
天井までびっしりと描かれた、色褪せたフレスコ画は、かなりの歴史を感じさせます。
もちろん内部の装飾も素晴らしく、四方に描かれたフレスコ画が素晴らしいです。
続々とルーマニア人が入ってきて、お祈りをしていく姿が印象的でした。
皆何度も十字を切り、壁のキリストが描かれた部分にキスをして熱心にお祈りをささげます。
老若男女問わず、いまだに信仰深さが残っているように感じられる光景は、西ヨーロッパではあまり見ることができないものです。
内部の神聖な雰囲気が必見の新教会
続いては新教会。こちらは内部撮影禁止です。
最低限の明かりしか点けられていない教会内部の壁は黒く塗られていて、かなり薄暗くて神聖な雰囲気。
ここでも多くのルーマニア人が熱心にお祈りをささげていました。
インフォメーション
シナイア僧院 (Mănăstirea Sinaia)
住所:Strada Mănăstirii 2, Sinaia 106100
営業時間:8:00~18:00
料金:無料
シナイアの必見観光スポット2. ペレシュ城
シナイア僧院からペレシュ城までは、林の中を走るゆるやかな上り坂を徒歩10分ほど。
伝統的な衣装やお土産、軽食を売るかわいい屋台がいくつか出ていました。
林を抜けると視界に入るペレシュ城の姿には、思わず「うわー!」と言ってしまうほど。
建築に詳しくなくても、西ヨーロッパの城とはかなり異なったものだとわかります。
ルーマニア人の間ではかなり有名な観光スポットのようで、小雪のちらつく中でも多くの人で賑わっていました。
2月だというのになぜかクリスマスムードなペレシュ城。
庭園にはクリスマスツリーまでありました。
城内部への入場は有料で、英語かルーマニア語の内部ツアーに参加しなければなりません。
迷ったのですが、料金が高めだったのと、ヨーロッパの城は散々見てきたので、のぶよは内部に入場はしませんでした。
それでも、中庭と庭園への入場は無料で、それだけでも満足できます。
インフォメーション
ペレシュ城 (Castelul Peleș)
住所:Aleea Peleșului 2, Sinaia 106100
営業時間:9:15~17:00 (季節により変動)
定休日:月曜・火曜 (季節により変動)
料金:レギュラーツアー(1階部分のみ) /30LEI (=¥790)
オプショナルツアー(1階、2階) /60LEI (=¥1600)
※写真撮影代別途35LEI (=¥930)
シナイアの必見観光スポット3. ペリショール城
ペレシュ城の目と鼻の先にあるのが、こちらのペリショール城。
みんなペレシュ城で満足してしまうためか、ほとんど人がおらずひっそりとしていました。
ペレシュ城と比べるとかなりこぢんまりとしたペリショール城ですが、かわいらしい外見と中庭を見るだけでも足を延ばす価値があります。
ペリショール城からシナイア駅や中心街へは下り坂で、徒歩20分ほど。
途中の「ルーマニアの田舎感」が感じられる古い街並みを眺めながら、ゆっくりと散策しましょう。
インフォメーション
ペリショール城 (Castelul Pelișor)
営業時間:9:15~16:15 (季節により変動)
定休日:月曜・火曜 (季節により変動)
料金:20LEI (=¥530)
※写真撮影代別途35LEI (=¥930)
時間があれば立ち寄りたい!シナイアのその他の観光スポット
ディミトリエ・ギーカ公園 (Parcul Dimitrie Ghica)
シナイア駅前から丘の上へ続く階段を登った先にある公園。
避暑地シナイアだけあって、園内にはおしゃれなホテルが何軒か建っています。
ちょっとした屋台やカフェテリアも出ているので、天気が良い日の休憩にはぴったり。
カジノ (Casino Sinaia)
ディミトリエ・ギーカ公園をシナイア僧院方面に歩いて行くと目に入る優雅な外観の建物。
リゾート地・シナイアを代表する建物であるカジノです。
スキーシーズンもほぼ終わった2月末は観光客も少なく、かなりひっそりとしていましたが、一応営業中だったようです。
モロモツの十字架 (Crucea Molomoț)
ペリショール城からシナイア駅方面へと坂を下っていく途中、道端にひっそりとたたずむ小さなモロモツの十字架は、実はシナイアの歴史を語る上でかかせないもの。
共産主義時代に禁止されていたキリスト教の信仰。
共産党員がシナイアにやってきた際に、もともとシナイア僧院にあったこの十字架は取り外され、捨てられてしまいます。
それをある地元の人がこっそりと保管して、共産主義時代が終焉を迎えたのちに現在の場所に置いたものなんです。
500年以上続くシナイア僧院の歴史、共産主義時代のルーマニア、それぞれの時代を現在へとつなげている象徴的な存在です。
シナイア中心街
リゾート地らしい上品な雰囲気が漂うシナイアの中心街。
ショッピングセンターやレストランなどがあり食事や買い物に便利なエリアです。
中心街からは、シナイアの町のすぐそばにそびえたつカルパチア山脈の山々へと簡単にアクセスできるロープウェーが運航されています。
夏は絶好のハイキングスポットとなるシナイア。
ロープウェーで山の中腹まで昇ったら、初心者でも気軽にカルパチア山脈の大自然の中を歩けるハイキングコースが整備されているそうです。夏にも来てみたいな。
ブカレストから日帰りでシナイアを訪れる場合は、ブカレスト旧市街の宿泊がおすすめ。
観光の中心である旧市街は、ブカレスト市内の中心部に位置しているためどこへ行くのにも便利。
地下鉄を利用すれば、距離が離れた見どころや鉄道駅までも一本でアクセス可能です。
シナイアをもっとのんびりと観光したい場合は、宿泊してみるのもアリ。マウンテン・リゾートらしく、ホテルの質はかなり高く、ゴージャスな滞在が楽しめます。
夏場なら、ロープウェイを利用してハイキングを楽しむこともできるので、なおさらシナイア宿泊がおすすめです。
おわりに
カルパチア山脈の大自然に抱かれた、小さくて上品な雰囲気が漂うシナイアの町。
トランシルヴァニア地方の歴史を感じられるスポットもあり、ブカレスト、ブラショフからの日帰り旅行にはかなりおすすめです。
シナイアには安いホステルがないので、節約旅行の場合はわざわざ一泊するよりも、ブカレスト~ブラショフ間の移動の途中に半日立ち寄って観光するのが効率も良く安く上がるはず。
のぶよの場合は朝11時頃にシナイアへ到着し、夕方5時頃の電車でブラショフへと向かったので、滞在時間は6時間ほど。
それでも時間を持て余すほどだったので、ペレシュ城やペリショール城の内部へ入場したとしても、半日あれば十分にシナイアの町を満喫できると思います。
シナイアとブラショフ、ブラン城などトランシルヴァニア地方の見どころを一日でまわるなら、現地ツアーを利用する以外に方法はなし。
基本的にブカレスト発のものが多いが、たまにブラショフ発のものも。
・カルパチア山脈の真珠シナイア&ドラキュラ城 日帰り観光ツアー<貸切チャーター/ブカレスト発>
・ドラキュラ城 日帰り観光ツアー<終日/日本語 or 英語/昼食/ブカレスト発>
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