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アルメニア料理が揃う!エレバンの【SASフードコート】がグルメテーマパークだった。

こんにちは!冬のエレバンにのんびり滞在中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)

「ローズ・シティー」や「ピンク・シティー」の異名を持つ、アルメニアの首都・エレバン
その名の通り、「トゥファ」と呼ばれるピンク色の石造りの町並みが特徴の美しい町です。

エレバンの観光・滞在情報まとめページはこちら!

人口百万人を有するエレバンは、アルメニア経済や政治の中心。
それだけでなく、全国から人や物が集まるエレバンは、アルメニアのフードカルチャーの中心という一面もあります。

エレバンの飲食店情報まとめはこちら!

せっかくのエレバン滞在ということで、日々未知なるアルメニアン・グルメや安くて美味しい飲食店の発掘に励んでいる今日この頃。
心からおすすめしたいグルメスポットをご紹介しちゃいます。

それが”SAS Food Court“。▼

外観はショッピングセンターのよう

SASフードコートは、その名の通り様々な種類の料理が一堂に会する巨大なフードコートのこと。
アルメニアの伝統的な料理を中心に、各種サラダやファストフード類、スイーツに至るまで、数百種類の料理がこの場所で食べられるのです。

フードコートだからといって侮ることなかれ。

エレバン市内にいくつも存在するフードコートですが、いったいこのSASフードコートの何がそんなに特別で、のぶよの心を掴みにつかみまくったのでしょうか…

今回の記事では、「食のテーマパーク」さながらのSASフードコートの素晴らしさを思う存分に布教していきます。
実際にエレバンへ行く人にはもちろん参考になるでしょうし、見るからに美味しそうなアルメニア料理の数々を眺めるだけでも、一読の価値あり!…かも。

エレバンのグルメの殿堂!SASフードコートの基本情報

広々として明るい雰囲気

SASフードコートは、エレバン市内に数か所展開するチェーン式のフードコート。
中心部にも郊外にも支店があるのですが、のぶよがイチオシするのはエレバン中心街南側のエリアにあるこちらの店舗です。▼

エレバン中心街ど真ん中にあたる共和国広場からは徒歩20分ほどと微妙に離れており、エレバン地下鉄の駅もやや遠い場所にあるので、正直アクセス抜群とは言えません(まあ路線バスなどを利用すれば簡単に行けるけど)。

ではなぜ、あえてこの店舗をおすすめするのか…それは、料理の質も種類の豊富さも雰囲気も抜群に良いため。
他のSASフードコートの店舗だと敷地が狭いこともあり、料理の種類がやや限られてしまうのです。

のぶよイチオシのSASフードコートは中心街からやや離れているため、広々とした敷地が特徴的。
飲食エリアにはたくさんのテーブルがあるので「混んでて座れない…」なんてことにはまずなりませんし、開放的な明るい空間で存分に食事が楽しめるのです。

また、アルメニアらしい食文化にどっぷりと浸かれるのも、この店舗をおすすめする理由。▼

伝統のパン「ラヴァシュ」を窯焼きする女性たち
窯の中も見せてもらえる

SASフードコートの入口を入ってすぐの所で、数人の女性たちが器用に小麦粉生地をのばしては地中の窯の内壁に「えいっ!」と貼り付けている光景が見られます。

そう、これはアルメニア人にこよなく愛される主食「ラヴァシュ」(紙のように薄いパン)を実際に焼いているようす。
職人技そのものの手さばきと、焼きたてのラヴァシュの香ばしい香りに、入店早々感動させられます。

作り立て&焼きたてのラヴァシュの購入ももちろん可能!

また、フードコートの名前になっている「SAS」とは、アルメニアの大手スーパーマーケットチェーンのこと。
フードコートにはスーパーマーケットが併設されているので、食事のついでに買い物も済ませられるのが嬉しいです。

アルメニアのスーパーマーケット界におけるSASの位置づけは、激安スーパーでもなくお高級スーパーでもなく、「ちょっと良い商品が揃うプチ贅沢スーパー」といったところ。
そのため、商品棚には日本のインスタント麺やスナック類をはじめ、アジア食材も意外と充実しているのが日本人にとっては高ポイントかもしれません(ただ、輸入品なので値段はかなり高いけど)。

SAS Food Court(エレバン中心街南店)

・営業時間:全日9:00~0:30
・予算:1000AMD~1500AMD(=¥400~¥600)
※カード払い可/サービス料なし

知らないと戸惑う?SASフードコートのシステム

アルメニアはとにかく肉が美味しい!

SASフードコートがどんな場所か分かったら、いよいよ実際に足を運んでみましょう。

日本で「フードコート」というと、ラーメン屋/ピザ屋/ハンバーガー屋など異なる店がずらりと並んでいて、好きな店で注文して飲食スペースで食べる、という流れが基本でしょう。
SASフードコートも、基本的な流れは日本のフードコートと同じなのですが、以下のシステムが大きく異なります。

SASフードコート独自のシステム

・異なる店が並んでいるわけではなく、サラダコーナー/BBQコーナー/メインコーナーなど料理の種類別にコーナーが分かれている
・お会計は先にレジで一括注文し、自分で各コーナーに出向いて目的の料理を提供してもらう

詳しく見ていきましょう。

メイン料理コーナー

まずは、飲食スペースを囲むように設置された各料理のコーナーを一周し、自分が食べたいものを探しましょう。
「サラダコーナーでシーザーサラダ、スープコーナーで豆のスープ、BBQコーナーで豚肉炭火焼き」のような感じ。

食べたいものが決まったら、各コーナーに設置されたレジに並び、注文します。

この時のポイントは、コーナーの違いにかかわらず注文したいものを全て一括で注文すること。
先述の「シーザーサラダ一つ、豆のスープ一つ、豚肉炭火焼き一つ」とレジの人に全て伝え、合計金額を支払います。

言葉の分からない旅行者的には、目の前にある料理を指差し注文できるわけではなく、食べたい料理の名前を覚えておかなければならないのが最大のネックかもしれません。

お会計後にもらえるレシート

▲ お会計が済むと、レジの人に上の写真のような切り込みの入ったレシートを手渡されます。
切り込みは、注文した料理のコーナー別に分かれている(写真だと、上はスープコーナー用/下はサラダコーナー用)というわけ。

あとはこのレシートを対応する各コーナーの盛り付け担当の人に渡して、料理を提供してもらえばOKです。

レシートはアルメニア語表記オンリーで、「どれがシーザーサラダでどれがBBQ…?」と混乱すること間違いなしですが、各コーナーの担当者にレシートをまるっと見せれば必要なものだけ切り取って料理を提供してくれるので、そこまで心配しなくても大丈夫です。

ピザコーナー
アルメニア風ピザ「ラフマジョ」を目の前の窯で焼いてくれる

各コーナーを周って注文した料理がすべて揃ったら、飲食コーナーの好きな席に座りましょう。

このとき、各コーナーのレジ脇に置いてあるパンを取るのも忘れずに。
SASフードコートではパンはどれだけ食べても無料なのが嬉しいです。

無料のパン。伝統柄の布で埃よけされているのもアルメニアらしい
調理に時間がかかる場合は呼び出し器が渡される

0▲ BBQ系やヒンカリなど調理に5分~10分ほどかかる料理を注文した場合は、各コーナーの担当者に呼び出し器が手渡されます。

出来上がったら呼び出し器が鳴って教えてくれるという、日本のフードコートと全く同じシステム。
ぼうっとつっ立って焼き上がりを今か今かと待たなくて良いのが嬉しいです。

遠く離れたアルメニアで、なんだか日本的な細かさや気配りが感じられるような…?

SASフードコートのおすすめアルメニア料理

衝撃的に美味しかった「鶏肉とキノコのサラダ」

さてさて、もうSASフードコート利用に関する知識は十分なはず。
ここからは、実際にSASフードコートでどんな料理が食べられるのか一挙公開していきます。

リーズナブルに食べられるアルメニアの伝統の味から、斬新な組み合わせの料理まで…庶民的なフードコートでさえ感じられるアルメニアの奥深い食文化をぜひとも堪能してください!

グリル系

まずは、アルメニアが誇る肉の炭火焼きバーベキューコーナーからご紹介をば。

アルメニアでポピュラーなのは、鶏肉、豚肉、牛肉、羊肉の四種類。
これらを炭火で焼いたものの総称が「ホロヴァツ」(Khorovats / խորոված)と呼ばれ、その中に「キャバブ」(Qabab / քաբաբ=挽き肉を棒状に固めて炭火焼きにしたもの)や「イキビル」(ikibir / իկիբիր=小ぶりの肉と脂肪を交互に串に刺して炭火焼きにしたもの)などの、細かな分類が存在しています。

肉好きには天国
巨大な炭火焼きマシンで豪快に焼いてくれる

BBQコーナーには数十種類の串刺し肉がずら~~~り。
中にはサーモンの串や内臓系の串まであり、全てその場で炭火焼きにしてくれます。

肉汁がものすごい…

▲ のぶよが注文したのは、小ぶりの羊肉を串刺しにしたガラン・イキビル(Garan ikibir / գառան իկբիր)。
たっぷりの玉ねぎとハーブとともに、ラヴァシュで巻かれた状態で提供されます。

ラヴァシュに染みわたるほどにたっぷりの肉汁と、完璧な塩加減、そして信じられない柔らかさ…
羊肉なのに臭みはいっさいなく、それでいてちゃんと羊ならではの風味が感じられる絶品でした。

1200AMD=¥480と豚肉や鶏肉よりもやや高めではありますが、この価格で絶品の羊肉が食べられるなら超リーズナブルだと思います!

ベーカリー系

これはヒンカリではなく、アルメニア伝統の羊肉の包み焼き「フルジン」

続いては、巨大なオーブンを備えたグリルコーナー。
たっぷりとチーズがのったグラタンのような料理や、若鶏をじっくりとローストしたカツのようなもの、彩り豊かなピザまで、さまざまな料理が揃っています。

見た目からして絶対に美味しい
ピザは好きな種類を一切れずつ注文できる

グリルコーナーの端にはシャウルマ専用コーナーも併設されており、巨大な肉の塊をお兄さんが熱心に削っていました。

「こんなに色々な料理があるのに、あえてファストフードのシャウルマを食べる人なんているのか?」と思っていたのですが、かなり多くの人が集まっていたので、実はSASフードコートのシャウルマは美味しいのかも…?

サラダ系

続いてはサラダや前菜類を取りそろえたサラダコーナーへ。

旧ソ連圏定番のヴィネグリェット(ビーツのサラダ)や、皆大好きシーザーサラダなどの定番はもちろん、ハーブとひきわり小麦のサラダ「タブレ」(Taboule / տաբուլ)などアルメニアらしいものも豊富に揃っています。

それよりなにより、サラダコ-ナーに置かれた前菜類の美しさは感動もの。
アルメニア料理は見た目にこだわったものがとても多いのですが、その食文化に根付く美意識を具現化したようです。▼

野菜をラヴァシュで巻いたもの
かぼちゃのパンケーキ

サラダコーナーからののぶよのおすすめの一つが、「パスツ・トルマ」(Pasuts tolma / պասուց տոլմա)。
「トルマ」とはアルメニアの伝統的な料理の一つで、挽き肉とお米をキャベツやぶどうの葉で包んで煮込んだものです。▼

パスツ・トルマ

パスツ・トルマは、そのトルマのベジタリアンバージョンといったところ。
挽き肉の代わりにブルグル(ひきわり小麦)や豆などを使用し、キャベツに包んでトマトソースとともに煮込むのです。

軽く食べられるのに満足感があって◎

すっきりしたハーブの清涼感と、豆や穀物の楽しい食感。柔らかなキャベツとトマトの奥深い風味…
肉は入っていないとはいえ、かなり食べ応えのある一品です。

そしてそして…このサラダコーナーはもとより、SASフードコート全体においても最もおすすめの料理の一つがこれ。
ハヴィ・スンコフ・アフツァン」(Havi snkov aghtsan / հավի սնկով աղցան)…直訳すると「鶏肉とキノコのサラダ」です。…が…▼

サラダの概念が変わるビジュアル

この鶏肉とキノコのサラダは、茹でて細かく裂いた鶏肉とバターでソテーしたマッシュルームをマヨネーズで和え、なんとクロワッサンにたっぷりと詰めたもの。

なんとも斬新で、果たしてこれがサラダという分類で良いのか謎は深まりますが、とにかくSASフードコートに行ったらこれを食べてください。まじでものすんっっっごく美味しいので

ただ、食べ方がものすごく難しい

旨味たっぷりの鶏肉とキノコが、あっさり風味のマヨネーズと抜群のコンビネーション。
たっぷりとふりかけられたディルの爽やかな風味もよく合います。

特筆すべきが、具を包んでいるクロワッサン自体の超絶な美味しさ
芳醇を極めたようなバターの濃厚な風味と小麦本来の豊かな味わいが楽しめ、サクサク&しっとり食感が素晴らしいです。

クロワッサンと中の具の究極のコンビネーションが味わえる、鶏肉とキノコのサラダ。
これを食すためだけにでも、わざわざSASフードコートに足を運ぶ価値があると思います(割と本気で言ってる)。

メイン&スープ系

アゼルバイジャン料理がルーツのひよこ豆と羊肉のシチュー「ピティ」

最後に紹介するのが、スープ類やメインディッシュが数十種類ずらりと並ぶコーナー。
アルメニア料理の真髄たる煮込み料理や一品料理がほぼ全てここに揃っている!と言っても過言ではないほどの、充実したレパートリーです。

レストランだと値が張る料理もリーズナブル
伝統のトルマも食べられる

アルメニアのナショナルディッシュの一つと言われる羊肉のシチュー「ハシュラマ」(Khashlama / Խաշլամա)や、挽き肉を丸めて茹でたもってり食感の「キュフタ」(Qyufta / քյուֆտա)などの伝統料理が、レストランよりもかなりリーズナブルな価格で食せるのは嬉しいところ。

盛り付けはレストランのようにお洒落なものではないですが、味のレベル自体はかなり高めだと思います。

メインコーナーでまず挑戦したいのが、「ハリサ」(Harissa / հարիսա)。
1700年前にアルメニアが世界で初めてのキリスト教国となった際から現在に伝わる、麦と鶏肉とバターのおかゆのような料理です。

映えない…けど旨い!
日本人は絶対に好きな味!

ハリサは、じっくりと煮込んだ鶏スープで麦を炊き、仕上げにバターを溶かしこむだけのシンプルな料理。
しかしながら、鶏の果てしない旨味とバターの芳醇な風味がとろとろ食感の麦飯と絡み合い、もう信じられないほどに美味しいです。

そして、先ほどの鶏キノコクロワッサンサラダとともにのぶよが超絶おすすめしたい料理が、「パンロヴァプール」(Panlov apur / պանրով ապուր)。
直訳すると「チーズのスープ」となるのですが、実際どんなものかというとこんな感じ。▼

やはり映えない…でも激うま!
果てしないチーズのコクと具材の旨味

少し黄色がかった白いスープは、アルメニア地元のチーズとバターを新鮮な牛乳にたっぷりと溶かし込んだもの。
具材は鶏肉、にんじんやじゃがいもなどの根菜、そしてマッシュルームといったところです。

食べてみるとわかるのですが、このパンロヴァプール、まじでチーズの濃厚さがものすごいです。
固体であるチーズをそのままに液体にしたかのような、信じられないほどのチーズ感…もはや「飲むチーズ」と言ってもまったく大げさではないほど。

そして、パンロヴァプールの味の最大の決め手となるのが、たっぷりと入った乾燥ミント

こってりしているはずなのに飽きずに食べきれるのは、おそらくこのミントのおかげ。
ミント独特のツンとした爽やかな風味が、チーズの濃厚な味わいに素晴らしいアクセントを加えてくれるのです。(書いててまた食べたくなってきた…)

アルメニアは隠れたスイーツ天国

本記事内で紹介したもの以外にも、SASフードコート内にはとにかく多種多様の料理が揃っています。

のぶよは挑戦していませんが、百種類近くのスイーツが並ぶデザートコーナーや、コーヒースタンド、アイスクリームコーナーや寿司コーナーまで…
とにかくここに行っておけば何かしら食べたいものが見つかるはずです!

おわりに

食のテーマパークさながらのエレバンのグルメスポット・SASフードコートについて、ものすごい熱量で紹介してきました。

ここまで読んだあなたは、もう「絶対行きたい!」という気持ちになっていることでしょう(笑)
もうとにかく、エレバンに来る機会があるなら問答無用で行ってみてください。後悔はさせません…!

もはやSASフードコートだけに毎日通っておけば、アルメニア料理の大半が制覇できてしまいそうな気もしないではないですが、もちろんエレバンには他にも極上のグルメスポットがたくさん。
SASフードコートを基本の拠点に定めながらも、他の店も色々と試してアルメニアの食文化の奥深さを満喫するのがベストだと思います!

アルメニアの食文化と絶品料理を総まとめしています!
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Lonely Planet Georgia, Armenia & Azerbaijan

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