こんにちは!2025年のジョージア旅もまもなくフィナーレ、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ジョージア中西部をのんびりと旅している今日この頃。
イメレティ地方から川を越え、お隣のサメグレロ地方へとやって来ました。
ジョージアの各地方の中では最も地味なイメージがあるサメグレロ地方ですが、ちゃんと有名観光地も存在しています。
それがマルトヴィリ(Martvili / მარტვილი)の町の近郊にあるマルトヴィリ渓谷です。

マルトヴィリ渓谷は、サメグレロ地方の東部を流れるアバシャ川が形成する峡谷地帯。
渓谷の両側にせり立った崖と、神秘的な色の川の水が織り成す風景で有名で、「ジョージア西部を代表する見どころ」として大人気となっています。
マルトヴィリ渓谷はサメグレロ地方に位置しているものの、お隣イメレティ地方の中心都市・クタイシからのアクセスが最も便利。
クタイシ近郊には他にも自然スポットが点在しており、マルトヴィリ渓谷を含めて「クタイシ近郊五大スポット」として人気です。
そんなマルトヴィリ渓谷ですが、入場は無料ではない点がネック。
しかも入場料はジョージア的にはかなり高額に設定されており、「正直、そんなに払ってまで行く価値ある…?」と思ってしまう人もいるかもしれません(のぶよもそう)。
マルトヴィリ渓谷に高い入場料を払ってまで行く価値があるのかどうかに関してはいったん置いておくこととして、無料で同じような渓谷美を楽しめるエリアがすぐそばにあることは、ほとんど知られていません。
それが、本記事内でメインで紹介している裏マルトヴィリ渓谷です。▼


裏マルトヴィリ渓谷は、本家マルトヴィリ渓谷(有料)から数十メートル離れただけの場所。
本家と同じアバシャ川が形成する渓谷美がとても美しく、なによりも人で溢れ返っていないので本来の自然美が楽しめるのです(しかも無料で)。
もうはじめにズバリ言ってしまいましょう。
裏マルトヴィリ渓谷を自分で周り、渓谷の美しい自然を満喫することこそが、マルトヴィリ観光のハイライトです。


マルトヴィリ渓谷の玄関口となるマルトヴィリの町にも、歴史ある修道院やサメグレロ地方の郷土料理が食べられるレストランなど、この地域の魅力を感じられる場所がたくさん。
マルトヴィリの宿は個性があって面白いところも多いので、数日間ゆっくりと滞在するにもぴったりだと思います。
そんなわけで今回の記事は、マルトヴィリの観光情報をがっつりと解説するもの。
定番のマルトヴィリ渓谷はもちろん、心からおすすめしたい裏マルトヴィリ渓谷や滞在に役立つ情報などてんこもりでお送りします。
定番とされるマルトヴィリを訪れる日本人旅行者は結構多いはず。
これからこの小さな町にやって来る旅行者のみなさんに、どうか本物のマルトヴィリ渓谷の魅力が伝わりますように…!
マルトヴィリ観光マップ
緑:裏マルトヴィリ渓谷の見どころ
赤:おすすめ飲食店
紫:おすすめ宿
黄色:バスステーション/ケーブルカー乗り場
マルトヴィリ渓谷観光情報

ジョージア西部地域を代表する一流景勝地といえば、泣く子も黙るマルトヴィリ渓谷(Martvili Canyon / მარტვილის კანიონი)。
アバシャ川が形成する石灰岩に挟まれた峡谷地帯で、ジョージアの国指定天然記念物に指定されています。【マップ 青①】
トビリシなどジョージア東部にいる人にはあまりピンと来ないかもしれませんが、クタイシでは「とにかくまずは行くべき超定番スポット」とされるのがマルトヴィリ渓谷。
その知名度は年々大きく上がっており、ジョージア人国内旅行者はもちろん、インドやアラブ諸国、中国人のグループ旅行者にも大人気となっています。
マルトヴィリ渓谷の基本情報(料金/営業時間/所要時間)

マルトヴィリ渓谷への入場は有料。
しかも大人20GEL(=¥1000)とかなり高額で、さらに渓谷内のマストアクティビティーであるボートツアー利用は別途20GELがかかります。
入場チケットの購入はオンラインでも可能ですが、渓谷入口のビジターセンターで直接購入するのが一般的。
夏場のピークシーズン(=7月半ば~8月半ば)はかなり混み合うそうなのでオンライン事前購入もアリですが、それ以外の時期なら現地で待ち時間無しでチケットの購入が可能です。

料金体系は大きく分けると以下の3種類。▼
・入場のみ:20GEL(=¥1000)
・入場+ボートツアー:20GEL(=¥2000)
・入場+ボートツアー+ジップライン:90GEL(=¥4500)
ジップラインとは、渓谷と渓谷の間に敷かれたロープをぴゅーんとするアレのことですが、正直ここで挑戦する必要はないでしょう。
しかし、ボートツアーは絶対に込みのチケットにすることをおすすめします(理由は後述)。

マルトヴィリ渓谷敷地内で観光客が立ち入り可能なのは、一周20分~30分ほどの遊歩道のみ。
遊歩道以外のエリアに関してはボートツアーを利用して水上から眺めることになります。
そんなわけで、マルトヴィリ渓谷の観光に必要な時間は、遊歩道20分+ボートツアー10分で、最低30分ほど。
のんびり過ごす場合でも、1時間ほどみておけば十分だと思います。
マルトヴィリ渓谷観光時の注意点

マルトヴィリ渓谷観光にはいくつかのルールが定められており、訪問客は遵守する必要があります。
まず、渓谷全体で遊泳禁止となっている点に注意。
泳ぎたい場合はもはやマルトヴィリ渓谷はスルーで、後述する裏マルトヴィリ渓谷一択です。
マルトヴィリ渓谷の入場自体は雨天でも可能ですが、メインのボートツアーは雨天時や強風時には運行されない点に注意。
また、身長100cmに満たない人はボートツアーへの参加自体が不可とされています。
また、渓谷内の遊歩道はとても簡単なものですが、階段を上り下りする場面があるので、足腰が強くない人には向きません。

観光のメインとなるボートツアーは、手漕ぎゴムボートで渓谷を上流方面百数メートルほど走り、同じルートを戻るだけのもの。所要時間はたったの10分ほどです。
各ボートには係員が乗船しているものの、参加者にもオールが渡されて漕がされるので心の準備をしておきましょう。
ゴムボートと聞くと安全性が気になりますが、ボート上でよっぽどの動きをしない限りは転覆するリスクはなし。
ライフジャケットを着用した状態でのツアーとなるので、安心して自然を楽しめます。
高額な料金の価値はある?

さてさて…気になるのが、「マルトヴィリ渓谷は高額な入場料を払ってまで入場する価値はあるのか」という点。
単刀直入に言ってしまうと、入場だけしてボートツアーに参加しないなら、金into theどぶです。
その理由はただ一つ。
マルトヴィリ渓谷敷地内に敷かれた遊歩道とそこから見える風景は、めっちゃくちゃしょぼいためです。


▲この「ちょっとした小川がある公園感」、伝わりますでしょうか…
正直、東京や大阪などの大都市にもこれくらいの遊歩道が整備された無料の公園ならいくらでもありますし、これに20ラリ払うのは狂気の沙汰だと思います。
しかしながら「遊歩道がしょぼいなら行く意味がない」と単純に考えてしまうのはNG。
ボートツアーに参加すれば、マルトヴィリ渓谷名物の「川の両側に聳える崖を進む」といった体験ができますし、言ってしまえばこのボートツアー体験のために99%の観光客はわざわざここにやって来るわけです。
しかしまあ、そのボートツアーが入場+20ラリと高額で、しかもボート乗船はたったの10分ほどとかなり短いもの。
夏場のハイシーズンは多くのボートが狭い渓谷に溢れ返り、「観光客がボートでぷかぷか浮かぶ人工プール」のような状態となるそうです(絶対行きたくない)。

▲マルトヴィリ渓谷の入口付近も、THE観光地といった感じで好みが分かれるかも。
量産されたお土産が並び、手抜き料理を高額で売る屋台が点在し、タクシードライバーが旅行者に声をかけ…と、観光地化の波に飲み込まれてしまったスポット感がぷんぷん漂います。

というわけで、たった10分のボートツアーであろうとどうしても有名な風景を見たい人は、合計40GEL(=¥2000)を払ってでもマルトヴィリ渓谷に行くべき。
逆にボートツアー代をケチって入場だけで済ませようと考えているなら、そもそも行かないことをおすすめします。
正直、マルトヴィリ渓谷の「作られた自然スポット」といった感じの場所に高額な料金を払うよりも、後述する裏マルトヴィリ渓谷(完全無料)を訪問する方が、絶対に満足度は高いはずです。
マルトヴィリ市内~マルトヴィリ渓谷間の移動方法
マルトヴィリ渓谷を訪問する旅行者を悩ませるのが、交通手段の乏しさ。
クタイシからマルトヴィリ渓谷まで直行のバスなどがあれば良いのですが、残念ながら存在せず、タクシーや現地ツアーを利用するしかないのが現状です。
公共交通機関でマルトヴィリ渓谷へアクセスしたい場合、拠点となるのは南に6kmほど離れたマルトヴィリの町。
ここでは、マルトヴィリ中心街~マルトヴィリ渓谷間のアクセス情報に絞って解説していきます。
タクシー

マルトヴィリ市内~マルトヴィリ渓谷間の移動の最定番はタクシー。
マルトヴィリ中心街には客待ちのタクシーが多くたむろしており、向こうから「カニオニ?(=渓谷?)」と声をかけてくるので、簡単に利用できます。
市内~渓谷間は6km/10分もかからないほどですが、さすがは一大観光地とあってタクシー料金相場は高めです。▼
・マルトヴィリ市内~マルトヴィリ渓谷片道:20~30GEL(=¥1000~¥1500)
・マルトヴィリ市内~マルトヴィリ渓谷往復+観光時の待機時間1時間:60~80GEL(=¥3000~¥4000)
・半日チャーター:80~100GEL(=¥4000~¥5000)
・一日チャーター:150GEL(=¥7500)
正直、片道だけ利用しても帰りに困ってしまうので、基本は往復チャーターすることになるでしょう。
せっかくタクシーを利用するなら半日や一日チャーターして、マルトヴィリ渓谷だけでなく周辺の他の見どころもセットで周るのが効率的です。
マルシュルートカ

マルトヴィリ市内~渓谷を直接結ぶマルシュルートカ路線は存在しないものの、渓谷入口を通過してさらに先の小さな村へ向かうマルシュルートカはいくつか存在しています。
マルトヴィリ中心街南側のバスステーションからディディ・チュコニ(Didi Chkoni / დიდი ჭყონი)行きやサルヒノ(Salkhino / სალხინო)行きなど、渓谷入口のさらに北に位置する村への便を利用して途中下車すればOK。
時間帯にもよりますが、1時間~2時間に1本は運行しています。
このエリアでマルシュルートカを利用する際に注意したいのが、時間帯によって便数が大きく増減すること。
どの路線も小さな村の住民が買い物等でマルトヴィリに出るために利用するものなので、午前中は各村→マルトヴィリ方面/午後はマルトヴィリ→各村方面がメインとなり、その時間を外すと一気に便数が減るのです。
例えば、旅行者は午前中に市内→渓谷へと移動したいものですが、この時間帯にこの方向へと走る便はかなり少なめ。
帰りも同様で、午後に各村→渓谷→市内方面へと向かう便はかなり少ないので、数時間待つ場合も考えられます。
のぶよの場合は、行きは11:00マルトヴィリ発ディディ・チュコニ行きの便に乗れましたが、帰りは1時間半ほど待っていても一台もマルシュルートカが来なかったため、6kmほど歩いて市内へと帰りました。
徒歩

不確かなマルシュルートカのスケジュールにはあまり期待しすぎず、さくっと徒歩で移動してしまうのも◎
マルトヴィリ中心街~マルトヴィリ渓谷間は6kmほどの道のりで、所要時間は片道1時間半ほど。
幹線道路沿いを延々と歩いていくだけの簡単なルートで、アップダウンもほとんどありません。


徒歩で移動するのはまあ疲れはしますが、サメグレロ地方の美しい田舎風景がたくさん見られる点も◎
ハイキング的な醍醐味は全くない道のりではありますが、個人的には片道は徒歩で移動するのもアリだと思います。
心からおすすめ!裏マルトヴィリ渓谷

観光の定番であるマルトヴィリ渓谷のあれこれについて解説してきましたが、本題はここから。
マルトヴィリ観光の真髄が詰まった裏マルトヴィリ渓谷を紹介していきます。
裏マルトヴィリ渓谷は、本家マルトヴィリ渓谷のすぐ南側とすぐ北側に点在する、滝や峡谷地帯のこと。
本家と同じアバシャ川が形成した渓谷で、本家にも負けない(もしかしたら本家以上)の美しい渓谷美が見られます。

裏マルトヴィリ渓谷へのアクセス方法は、本家マルトヴィリ渓谷へのアクセス方法と全く同じ。
以下で紹介するすべての見どころを徒歩で周っても2時間ほどみておけば余裕なので、本家マルトヴィリ渓谷観光とセットで裏マルトヴィリ渓谷を堪能することも可能です。
アブヘシの滝

裏マルトヴィリ渓谷の最も南に位置するのが、アブヘシの滝。
滝周辺ではアバシャ川の美しい流れが見られ、夏場はスイミングスポットとして地元の子供たちが集まるそうです。【マップ 緑①】
アブヘシの滝への行き方は簡単。
マルトヴィリ渓谷へと至る幹線道路沿いにあるミニマーケット付近の分岐から未舗装の道路を百メートルほど下っていくだけです。▼


分岐から未舗装道路を下っていくと、ちょっとした屋外レストランのような施設が。
ここから山道を数十メートル先に進めば滝に到達します。


アブヘシの滝は高さ十メートルほどで、完全に天然の滝ではなく、人工の堰を通って水が流れ落ちるもの。
滝のすぐそばには水力発電所の建物がありますが、機能しているのかどうかは謎です。

滝を流れ落ちた水はアバシャ川の流れに混じり、青とも緑ともつかない不思議な色合いの滝壺を形成しています。
このときは11月の末でさすがに泳ぐことはできませんでしたが、意外にも水はそこまで冷たくありませんでした。


滝自体も結構な迫力なのですが、のぶよ的にすごく良かったのが、滝から少し下流にある峡谷風景。
深い青緑色の水がゆったりと流れてゆく情景は、自然の雄大さを強く感じさせるものです。


他に人の姿はひとつもなく、鳥の鳴き声だけが響き渡る渓谷風景。
すぐそばにある本家マルトヴィリ渓谷と同じ川なのに、体感できる雰囲気は全く異なるものです。

迫力のある滝と神秘的な峡谷風景を満喫したら、アバシャ川を対岸へと渡り、次のスポットへと歩いていきましょう。
水力発電所付近の吊り橋は閉鎖されていて渡ることができませんが、滝入口のミニマーケットから100mほど南へ行ったところに車両も通行可能な橋が架かっています。
絶景の橋

マルトヴィリ渓谷をぐるりと迂回するように歩いた先には、鉄製の橋が架かっています。【マップ 緑②】
ここが、渓谷を上から眺められるポイント。
本家マルトヴィリ渓谷の北端にあたる場所に架けられた橋からは、十数メートル下の渓谷を神の視点で見られるのです。
この橋はマルトヴィリ渓谷のビジターセンターからすぐ近くにあるものの、訪れる人は少なめ。
アブヘジの滝から行く場合は、平坦な舗装道路を15分ほど歩くだけです。▼


高い場所からマルトヴィリ渓谷の自然美が眺められるというだけでも訪問する価値があるのですが、この橋が素晴らしい点はもう一つ。
本家マルトヴィリ渓谷のボートツアーの折り返しポイントとなっているため、渓谷をゆっくりと進むボートの姿が見られるのです。

両側を切り立った崖に挟まれた渓谷地帯をボートが行き交う風景は、宮崎県の高千穂峡を彷彿とさせるもの。
川の神秘的な色合いと崖に生える草木の緑が絶妙にマッチしており、そこを青いボートがゆっくりと進んでいく風景は、まるで浮世絵の世界のようです。


本家マルトヴィリ渓谷で高いお金を払ってボートツアーに参加しても、上からボートを眺めることはできないもの。
正直、「峡谷をボートが進むマルトヴィリ渓谷らしい風景」が見たいなら、この橋から眺めるのがベストなのではないかと思います。
ミニ・マルトヴィリ

本家マルトヴィリ渓谷から北に1kmほど。
ガチェディリという集落の手前にあるのが、地元の人に「ミニ・マルトヴィリ」と呼ばれる峡谷地帯です。【マップ 緑③】
ミニ・マルトヴィリは幹線道路沿いからアバシャ川へと少し下った場所にあり、入口部分にはゲートが。
以前は完全に自由に立ち入り可能だったのですが、現在は入場料2GEL=¥100を払うようになっています。


ハイシーズンであれば料金徴収係がいるのでしょうが、このときは誰もおらずゲートは開けっ放し。
有料になってしまったのは残念ではありますが、本家マルトヴィリ渓谷に比べれば2ラリなんて可愛いものです。
2ラリ分の小銭を置いて、いざミニ・マルトヴィリへ…!

…いや、どうですか?素晴らしすぎませんか?
白っぽい色の崖に囲まれた峡谷は、まさにマルトヴィリ渓谷そのままのイメージ。
川の水は信じられないほどの透明度で、川底はおろか地球のマントルまで見通せそうです(何言ってんの?)。
他に人影はいっさいなく、この静寂とピュアな渓谷美を独り占めできるのも◎
幹線道路からすぐそばにあるとは思えないほどの静寂に、心が研ぎ澄まされていくような感覚になります。


ミニ・マルトヴィリは遊泳自由だそうで、夏場は地元の人たちのスイミングスポットとして隠れた人気を誇るそう。
こんなに綺麗な水の中で泳ぐなんて、どう考えても最高すぎる体験になるんじゃないかと思います。

こんな感じで、とにかくもうかなりの感動を覚えたミニ・マルトヴィリ。
裏マルトヴィリ渓谷における文句無しのハイライトだと思いますし、自然の美しさを五感で感じることができる素晴らしい場所だと思います。
ガチェディリ渓谷

ミニ・マルトヴィリからすぐ北にあるガチェディリ渓谷は、裏マルトヴィリ渓谷観光のフィナーレ。
「渓谷」と言うよりも、アバシャ川の水量を調整する水門が形成する滝&渓谷といった感じです。【マップ 緑④】


ガチェディリ渓谷自体は半人工であり、「絶対に見るべき!」といった場所ではないので、ミニ・マルトヴィリのついでに見学していくのが◎
マルトヴィリ市内方面へ戻るマルシュルートカはガチェディリ渓谷すぐそばを通過するので、待ち時間を利用してサクッと観光しましょう。
マルトヴィリを見守る圧巻の聖地!マルトヴィリ修道院

このエリアの人々の信仰の中心として抜群の存在感を誇るのが、マルトヴィリ修道院(Martvili monastery / მარტვილის მონასტერი)。【マップ 青②】
中心街を見渡す高台に広がる敷地は、マルトヴィリ・チュコンディディ聖堂(Martvili-Chkondidi)を中心とした比較的小さなものです。
もともとこの場所には巨大な楢の木があり、サメグレロ地方でキリスト教が受容される以前から民間信仰の象徴として聖地のように扱われてきました。
キリスト教受容後の7世紀頃には楢の木があった場所に最初の聖堂が建てられましたが、アラブ人の侵入によって破壊され、現在の聖堂が建てられたのは10世紀になってからのことです。
聖堂の名前にもなっている「チュコンディディ(Chkondidi)」は、この地域で話されるメグレル語の「楢(Chkoni / ჭყონი)」が語源となっているそうです。
マルトヴィリ・チュコンディディ聖堂の内部に一歩足を踏み入れると、壁から天井までをびっしりと覆うフレスコ画に驚くことでしょう。▼

これらは14世紀~17世紀にかけて描かれたもので、すべてがオリジナル。
年月の経過とともに色褪せてしまっていますが、それこそが長い歴史を語っているようです。


ジョージア国内に数ある聖堂の中でも、圧倒的な威厳と神聖さを誇るマルトヴィリ・チュコンディディ聖堂。
フレスコ画のみならず、聖堂の地面にあるエカテリネ・ダディアニが眠る墓にも注目です。▼

エカテリネは、19世紀にサメグレロ地方を治めたダディアニ家の王子・ダヴィットの妻で、当時は大きな影響力を持っていた人物。
夫のダヴィットは、サメグレロ地方最大都市であるズグディディのシンボルであるダディアニ宮殿を建設したのに対し、エカテリネはダディアニ宮殿に併設された植物園を造成させました。
ミラノやヴェルサイユからわざわざ植物を持ってこさせるほどのこだわりだったそうで、当時のダディアニ家がどれほどに強い権力を有していたのか想像できます。

▲マルトヴィリ修道院の敷地内北側の一角には小さな礼拝堂があり、縦長のフォルムはかなり独特。
ジョージアではあまり見かけることがない様式で、マルトヴィリ修道院を代表する風景を演出しています。

礼拝堂は聖堂よりも後の時代に造られたため、内部のフレスコ画はかなり新しい印象ですが、注目すべきはこの礼拝堂独特の造り。
断崖絶壁の崖に建設されたこの礼拝堂は、崖の下と上の高台を結ぶ塔のような役割を担っており、崖下部分と4階部分(聖堂がある高台の広場)の2か所に入口があって内部を上り下りできるという、とても不思議な構造となっているのです。


マルトヴィリ修道院の独特の地形を利用した小さな礼拝堂。
のぶよは遊園地のトリックハウスを思い浮かべました(笑)
長い歴史を誇るマルトヴィリ修道院は、地元の人はもちろん、ジョージア全国からお祈りに訪れる人が絶えないほどの聖地。
敷地内に漂う空気は異教徒でも神聖さが感じられるものなので、ぜひとも訪問してみましょう。

マルトヴィリの中心街から修道院までは、緩やかな上り坂を2kmほどの距離。
舗装道路でアップダウンもそこまでないので徒歩でも十分にアクセス可能ですが、快適にアクセスするなら中心街からロープウェイを利用するのもおすすめです。【マップ 黄色】

このロープウェイは、ソ連時代末期の1980年代後半に敷かれたもの。
マルトヴィリ中心街から修道院へとお祈りに行く人向けに建設されたもので、現在でも往復1GEL(=¥50)という破格の料金で空中散歩が可能です。


ソ連ケーブルカーと聞くと、安全性などが気になるところですが、マルトヴィリのケーブルカーに関しては(たぶん)大丈夫。
2012年にリノベーション工事がされたそうで、現在に至るまで特に問題なく運行しています。
中心街の乗り場から修道院までは、およそ3分ほどの空の旅。
楽々移動できるのはもちろん、上空から眺めるマルトヴィリの牧歌的な風景もなかなかに素敵です。

ジョージアのソ連ロープウェイあるあるなのですが、同乗する係員のおじさんは何故か扉を全開にしたままにするのはご愛敬。
ちょっぴりスリルのある空の旅で山上の聖地を訪れるプラン、結構楽しめるのでおすすめです!
マルトヴィリ周辺の観光スポット
マルトヴィリ周辺には、有名ではないものの魅力的な見どころが点在しており、滞在中に足をのばすのがおすすめ。
どれもマルシュルートカでアクセスすることができる場所ですが、マルトヴィリ周辺の公共交通手段はかなり不便な場合が多く、決まった時刻表もないのがネック。
タクシーで移動することももちろん可能ですが、のぶよ的にはマルトヴィリ中心街/宿泊先で自転車をレンタルしてサイクリングがてら観光するのがおすすめです。
バルダ渓谷

悪い意味で観光地化されてしまったマルトヴィリ渓谷を諦めたのぶよが訪れたのが、バルダ渓谷(Balda Canyon / ბალდის კანიონი)。
実はマルトヴィリ渓谷もバルダ渓谷も、同じアバシャ川流域にあるもの。
バルダ渓谷の方が上流に位置しており、ここまでやってくる観光客もほぼいない穴場スポットとなっているのです。
渓谷沿いには簡単なハイキングコースがあり、観光のハイライトとなるカグの滝までの森林浴を楽しむことができます。
入場無料&他に人の姿はゼロという自然スポットらしい体験をしたいなら、断然おすすめです。
ノカラケヴィ

マルトヴィリの西18kmほどの平原に突如として表れるのが、ノカラケヴィ(Nokalakevi / ნოქალაქევი)と呼ばれる遺跡。
サメグレロ地方がビザンツ帝国の支配下にあった4世紀~6世紀頃に栄えた町の跡地で、初期キリスト教の教会や城塞、巨大な城壁が見る者を圧倒します。

現在でも発掘が続けられているノカラケヴィ。
ジョージア語で「かつて町があった場所」を意味する名前の通り、過ぎ去った栄光の時代に思いを馳せられる場所です。
ノカラケヴィ温泉

ノカラケヴィの遺跡自体も素晴らしいのですが、のぶよ的にかなり良かったのが遺跡から3kmほど先の山の中に湧く温泉でした。
観光地化は全くされておらず、利用も自由。
硫黄の匂いは健在で、温泉成分が凝固した「湯の滝」まで見られます。

源泉はかなり熱いので、近くを流れる川の水をうまく引き込んで自分だけの露天風呂を作るのがこの温泉の入浴スタイル。
童心に還った気持ちで露天風呂作り&川の流れる音だけが響く静寂でつかる本物の温泉で、きっと心も身体もリラックスできるはず!
サメグレロ地方の名物を味わう!マルトヴィリのおすすめレストラン3軒

マルトヴィリの中心街には、飲食店の数は少なめ。
数軒ある店はいずれも観光客向けというよりも地元客がターゲットで、どこもローカルな雰囲気が素敵です。
ここでは、マルトヴィリ滞在中に訪問したい飲食店三軒を紹介します。
それぞれタイプが異なる店なので、予算や好みに合わせて選びましょう。
サメグレロの郷土料理を食べるなら!【Katkha Restaurant】

昔ながらの居酒屋らしい雰囲気で食事がしたいなら、Katkha Restaurantがおすすめ。【マップ 赤】
外観はなんとも質素な感じですが、地下にある食事スペースは細部に渡ってこだわられた内装となっています。


店内には個室席もあり、地元の数人組客に大人気。
いつ訪問しても、個室でワイワイと宴会している人たちがおり、根強い支持を受けている店であることが分かります。
Katkha Restaurantのメニューはこんな感じ。
価格帯的には安くもなく高くもなく…といった感じです。▼



このお店の最大の特徴が、マルトヴィリが位置するサメグレロ地方の郷土料理の豊富さ。
せっかくマルトヴィリに来たなら、他の地域では味わえない地元の味に挑戦してみましょう。

まずはサメグレロ地方ど定番のサメグレロ風ハルチョーとエラルジ。
「この二つの料理はセットで食べるもの」という感覚が、ここサメグレロ地方ではポピュラーです(日本で言うならご飯と味噌汁的な名コンビ?)。

サメグレロ風のハルチョーは、たっぷりのくるみペーストにこれまたたっぷりのスパイスを入れて牛肉を煮込んだもので、複合的なスパイスの風味と辛味はインドカレーのよう。
ジョージアで一般的なハルチョーは「スープ」という扱いであり、くるみは入らないのが普通なので、サメグレロ風ハルチョーはもはやハルチョーとは別の料理だと言えます。

不思議な見た目の白い物体・エラルジはとうもろこし粉を炊いたものに名産のスルグニチーズをたっぷりと混ぜた、のび~る系主食。
これに激辛のサメグレロ風ハルチョーをかけながら食べるのが、この地域での定番となっています。
サメグレロ風ハルチョーもエラルジもなかなかの美味しさで大満足。
店の雰囲気も気に入ったので再訪することにしました。▼

メインは、サメグレロ地方ならではのゲブジャリアという料理と、ヒンカリ。
ゲブジャリアは、スルグニというサメグレロ名産のモッツァレラのような食感のチーズをヨーグルトとミントで軽く煮込んだもの。
スルグニのふわっふわ食感とさっぱりしたミントヨーグルトソースがとてつもなく相性抜群で、目を見開くほどに美味しいです。


ヒンカリの具の挽き肉の味つけは、激辛王国サメグレロらしくかなりのピリ辛具合。
普通ヒンカリを辛く味付けすることはないので、ここにもサメグレロならではの食文化が感じられます。
そんなわけで、サメグレロ地方ならではの味をがっつり堪能できるKatkha Restaurant。
マルトヴィリの店の中ではやや価格帯は高めではあるものの、一度は訪問してみる価値があります。
格安で食事できる食堂!【Sardafi】

予算を抑えながらサクッと食事したいなら、マルトヴィリ中心街でひっそりと営業するSardafiがおすすめ。【マップ 赤】
レストランというよりも食堂といった感じのお店で、価格帯は安め。
地下に広がる店内は結構な広さで、半個室席もいくつかあります。


Sardafiのメニューはかなり豊富で、ジョージア料理の定番系はもちろん、サメグレロ地方の郷土料理もいくつか。
しかし、メニューに書かれていても「今日はない」といった料理もかなり多いので(ジョージアの食堂あるある)、結局は定番系を注文することになると思います。







のぶよが注文したのは、「クチュマチ」というサメグレロ地方の名物料理。
牛の内蔵を下茹でし、大量の油でじゃっと揚げ焼きにしたものです。

味に関しては「まあ…」といった感じでしたが、かなり油が多く使用されていたのが印象的。
他の料理がどうなのかは分かりませんが、こちらもジョージアの食堂あるあるで全体的に油多めな味つけなのではないかと思います。

Sardafiには、マルトヴィリ限定の激レアドリンク「マルトヴィリ・レモネード」が置いてあるのも◎
すっきりした味わいとやや強めの甘みが特徴的な炭酸飲料で、マルトヴィリ以外には出回らないので一度は挑戦してみましょう。
地方部の食堂にしては店のおばちゃんたちの対応も良く、なんとなくほんわかした温かな雰囲気なのも◎
味はそこそこですが、安く食事したい人にはぴったりなお店だと思います。
芸術的な美味しさのカバビ!【Alberos Kebab】

マルトヴィリで一風変わった料理が食べたい人が問答無用で行くべきなのが、Alberos Kebab。【マップ 赤】
外観は完全なる掘っ立て小屋ですが、内部は意外とモダンな感じになっています。


この店の名物は、店名にもなっているケバブ(ジョージア語では「カバビ」)。
ジョージアで「カバビ」というと、棒状に固めた挽き肉を炭火で焼いた料理を指します。
Albero’s Kebabのカバビは牛と羊のミックス挽き肉が使用された珍しいもの。
このカバビにお米、サラダとラバシュ(薄いパン)がセットになって20GEL(=¥1000)と、まあまあ良心的な価格です。
陽気な店のお兄さんたちに絡まれながら待つこと10分ほど。
なんとも美しい見た目のカバビが到着しました。▼

ジョージア料理というよりも、アルメニア料理やトルコ料理を彷彿とさせる見た目。
メインのカバビの味はもちろん絶品で、ちゃんと羊肉の風味が感じられるものです。
日本人的に何より嬉しいのが、カバビに添えられるお米。
カバビから漏れ出た肉汁を絡めて食べるライス…いやあもう最高の極みです。

お店の人の対応も良く、明るくて気の良い感じなのはサメグレロ地方ならでは。
ジョージアではあまり見かけないスタイルの肉料理を存分に楽しみたい人にはおすすめです。
マルトヴィリへのアクセス・行き方

マルトヴィリへのマルシュルートカが出ているのは、主にクタイシかセナキ(Senaki / სენაკი)の二つの町から。
クタイシ発着の方が便数がかなり多いので便利です。
サメグレロ地方で最大の町であるズグディディからのアクセスは、直行マルシュルートカがないため不便。
ズグディディ~マルトヴィリを移動したい場合、必ずセナキを経由してマルシュルートカを乗り換えることになります。

ジョージア西部最大の都市・クタイシ~マルトヴィリ間は、直行のマルシュルートカが1時間に1本と頻発していてかなり便利。
クタイシの中央バスステーションの、マクドナルドの裏手の一角からの出発です。
サメグレロ地方最大の都市であるズグディディ(Zugdidi)方面~マルトヴィリ間の移動はかなり不便。
ズグディディ~マルトヴィリを直接結ぶマルシュルートカは存在せず、途中にあるセナキ(Senaki / სენაკი)という町で乗り換える必要があります。

ズグディディ→セナキ方面のマルシュルートカは、ズグディディ中心街南側の自由広場西側のマクドナルド付近から1時間に1本ほど運行しています。▼
セナキ→ズグディディ方向の便も1時間に1本運行しており、セナキの鉄道駅前にあるバスステーションからの出発です。▼

セナキ~マルトヴィリ間の移動は、1日5本のマルシュルートカを利用します。
セナキのバスステ~ション発/マルトヴィリのバスステーション発のいずれも10:00/13:00/15:00/17:00/18:30と固定されたスケジュールだそうです。
マルトヴィリの宿情報

マルトヴィリ市内は、家族経営のゲストハウスから都市型の中規模ホテルまで、宿の選択肢が結構豊富。
宿代相場も比較的安めなので、数日間滞在する場合でもぴったりです。
マルトヴィリにはなぜか個性的な宿が目立つのがポイント。
ここではのぶよか実際に泊まった二軒の宿を紹介します。
大自然の中のツリーハウス宿!【Eagle’s nest】

まず紹介する宿が、中心街から徒歩10分ほどの好立地にあるEagle’s nest。
日本語にすると「鷲の巣」となりますが、その名の通りツリーハウスをウリにしている独自路線のゲストハウスです。
ツリーハウス内部には寝室やキッチンを備えた部屋があり、格安の料金で宿泊することが可能。
ツリーハウスは宿のオーナーの手作りとあって、なんとも言えないやっつけ仕事感が漂うものですが、その辺はまあ…ジョージアなので…

ツリーハウス部屋はいわば半屋外であるため、快適さの面ではやや微妙。
しかし、木の上の秘密基地で寝泊まりするという経験は、誰もが一度はしてみたいと思ったことがあるのではないでしょうか。


この宿にはツリーハウス部屋の他に木造コテージ部屋も数棟あり、快適さを考えるなら断然こちらがおすすめ。
ツリーハウス&コテージがある敷地はかなり広々としており、アバシャ川の絶景を目の前に望みながらのんびりと過ごすことができます。
・部屋タイプ:トリプルルーム一人利用 ※シャワー&トイレ付き
・料金:30GEL(=¥1500)
・立地:8/10
マルトヴィリ中心部から徒歩10分ほどの場所にあります。
バスステーションや各コンビニなどまですぐ行ける立地なのでとても便利。
宿の敷地内からはアバシャ川の流れを一望でき、サメグレロ地方の田舎らしいのんびりとした景観も素敵です。
・アクセス:6/10
宿泊予約サイトで表示される場所とは別の場所にあるのがネック。
予約後に宿のオーナーからメッセージが来て正しい住所を送ってくれるのですが、メッセージを見逃してしまうとえらいことになります。
宿には看板等は出ておらず、本当にここで合ってるのか不安になってしまいそう。
しかし場所さえ分かればチェックインはとてもスムーズです。
・スタッフ:7/10
早口のおじさんがほぼ一人で経営しています。
おじさんは英語は話せないものの、なんというか情熱的?な人なので、まあなんとかコミュニケーションできるでしょう。
家族が住む建物と宿泊棟は完全に別であるため、ホームステイ感はかなり薄め。
逆に、プライベートな時間や空間を重視する人には良さそうです。
・清潔さ:4/10

一見すると、木造のコテージなどは綺麗にされている印象ですが、掃除はとてつもなく甘いです。
窓枠に埃が溜まっていたり、前の宿泊客が使った食器がそのまま流しに放置されていたりと、かなり適当。
シャワーなど水回りに関してはまあ問題ないレベルでしたが、こちらもちゃんと清掃されているのかは微妙です。
・設備:7/10

滞在に必要なものは全て揃っており、冷蔵庫やガスコンロ、洗濯機などは自分専用のものを使用できます。
また、コテージにはエアコンがあるので、真夏や冬の滞在でも快適でしょう。
ツリーハウス部屋に関しては、仕方のないことではあるものの設備がかなり劣る点に注意。
すきま風が入ってくるのでかなり寒いですし、いちいち上り下りするのは想像以上に大変です。
・ベッド&部屋:9/10

シーツはかなり清潔で、ベッドもふかふかなのが◎
枕はかなり柔らかめですが、十分快適に眠れます。
総木造で温かみのある雰囲気もなかなかに良かったです。
・Wi-Fi:7/10
インターネットは敷地内全体で接続できますが、電波の強さは場所によって大きく変わります。
宿泊する部屋によっては電波がかなり弱いことも考えられるので、作業などにはあまり向かないかもしれません。
・雰囲気:10/10

この宿で最も素晴らしいのが、広々とした敷地の野趣あふれる雰囲気。
庭はとても広く、ハンモックやBBQコーナーが設置されており、グループでワイワイと楽しむこともできます。
ツリーハウスという独特なアイディアも素敵ですし、目の前のアバシャ川へと下りてのんびり過ごすことも可能。
自然の中で快適な時間を過ごしたい人にはぴったりです。
・総合:7.3/10
総合的に、かなり快適に過ごせる宿です。
清掃が甘いことが大きなマイナスポイントではありますが、そこまで潔癖でない人には気にならないレベル。
モダンで快適なホテル滞在よりも、自然の中でゆったり滞在するのが好きな人向きだと思います。
独特なヴァイヴスのホステルで田舎暮らし体験!【Karma Hostel】

フレンドリーな雰囲気の中で楽しく過ごしたい人におすすめなのが、Karma Hostel。
マルトヴィリ中心街からは少し離れた場所にあり、観光やアクセス面を考えるとやや不便。
しかしこの宿の雰囲気はとても独特で、ハマる人にはハマるはずです(他の人と交流するスタイルでの滞在が苦でないなら)。

サメグレロ地方の魅力の一つである「古き良きジョージアの田舎」感が漂う集落で、伝統家屋を改装した建物に宿泊できるのはもちろんのこと。
他の旅行者と交流したり、動物たちと触れ合ったり、地元産の野菜を使った食事を楽しんだり…と、田舎暮らし体験ができる点も魅力的です。
Karma Hostelの魅力については、別記事で存分に語っているので、興味のある人はぜひ!
正直、「この宿に泊まるためだけにでも、マルトヴィリを訪れる価値がある」と言えるかもしれません。▼
マルトヴィリ観光の注意点&アドバイス
マルトヴィリはジョージア地方部によくある小さな町といった感じで、インフラ面での不便はなし。
あらかじめ用意しておくもの等も特になく、必要なものはすべて現地で手に入ります。
しかしながら、ノープランでマルトヴィリを訪問するのはリスクが高いかも。
マルトヴィリ観光のメインは渓谷が見せる自然美にあるので、訪れる季節や天気がとても重要となります。
ここでは、マルトヴィリ観光のプランニングの際に役立つアドバイスや注意点について解説していきます。
マルトヴィリ観光におすすめの季節

マルトヴィリがあるサメグレロ地方はジョージアの中でも温暖なエリアとされ、冬でも雪が積もることはほとんどありません。
なので、マルトヴィリ観光は年間を通して可能です。
しかしながら、観光ハイライトとなる渓谷の風景が美しく見えるのは、4月~11月にかけて。
冬場はやはり物寂しい茶色の風景となってしまうので、やはり見劣りしてしまうかもしれません。
夏場の深い緑に囲まれた渓谷も素敵ですが、7月と8月のマルトヴィリ渓谷はとにかく混雑する点に要注意。
本家マルトヴィリ渓谷は大量のボートで芋洗い状態となりますし、裏マルトヴィリ渓谷の穴場の見どころでさえ多くの人が訪れるので、正直かなり疲れると思います。
そんなわけで、緑の渓谷風景なら4月~6月が◎
紅葉風景なら10月半ば~10月末がピークです。
マルトヴィリ観光に必要な時間/日数

マルトヴィリ渓谷の観光に必要な時間は、遊歩道とボートツアーを合わせても40分ほど。
かなりゆっくり歩いた場合でも1時間みておけば十分です。
これに、裏マルトヴィリ渓谷の観光時間(2時間)とマルトヴィリ修道院の観光時間(30分)を合わせると、3時間ほど。
各見どころへの移動時間を考えても、半日もかからずに全てを制覇できます。
あとは、マルトヴィリ近郊の見どころにどこまで足をのばすかによって、日数を追加すればOK。
個人で周るなら一つの場所に一日/タクシーで周るなら丸一日あれば全ての近郊スポットを制覇できます。
ぼったくりタクシーに注意

マルトヴィリはジョージア西部随一の観光地。
渓谷の入口はもちろん、玄関口となるマルトヴィリ中心街でもぼったくり価格のタクシーがまかり通っている点に注意しましょう。
マルトヴィリ中心街~渓谷間のタクシー料金の相場がかなり高めであるのは、観光地の殿様商売であることを考えれば、まあ仕方のないこと。
注意したいのは「150ラリでマルトヴィリ周辺の秘密の場所を周ろう!」などと声をかけてくる、自称ツアーガイド兼タクシードライバーです。
本家マルトヴィリ渓谷に加えて、本記事で紹介している裏マルトヴィリ渓谷のいくつかのスポットとバルダ渓谷を周るのが、ぼったくりタクシーツアーの定番。
距離や所要時間を考えてもせいぜい50ラリくらいが相場ですが、何も知らない観光客にはかなりふっかけてきます。

また、マルトヴィリ渓谷入口付近に連なる露店のお土産は、どれもかなり質が低いのに高価なので絶対に買わないように。
渓谷入口エリアではレストランもかなり高価(&手抜き料理)だそうなので、食事や買い物はすべてマルトヴィリ中心街で住ませるようにしましょう。
マルトヴィリ観光とセットで訪問したいクタイシ近郊の見どころ
マルトヴィリはクタイシから単純往復で訪問するのも良いですが、せっかくなら近郊の他の見どころにも足をのばしたいもの。
クタイシ近郊には「定番5大スポット」とされる有料の見どころが5ヶ所点在しており、いずれもクタイシから見て北西部のエリアに位置しています。
個人的にはどれも「わざわざお金を払って入場するような見どころに行かなくても…」といった感覚が率直なものですが、定番系は制覇しないと気が済まない!という人だっているはず。
これら5大スポットのうち、今回紹介したマルトヴィリと組み合わせて周りやすいのは、オカツェ渓谷とキンチュハの滝です。


いずれもクタイシからすぐの場所で自然を手軽に満喫できることで人気のスポット。
個人的には、いずれのスポットに関しても高い入場料を払う価値は残念ながら見出だせませんでしたが、マルトヴィリ渓谷の観光とセットでまわるには絶好の場所に位置しているので、興味のある人は訪問してみるのも良いでしょう。
おわりに
サメグレロ地方東部エリアの観光・滞在の中心としておすすめなマルトヴィリの観光情報を解説しました。
お隣のイメレティ地方の中心都市・クタイシからの距離も近いのでアクセスしやすく、周辺にも珠玉の見どころが豊富なマルトヴィリ。
渓谷ばかりが有名で、ほとんどの旅行者はそれ以外の場所をスキップしてしまいがちですが、ゆっくり滞在しながら自分のペースで穴場スポットを周るのも楽しいです。
マルトヴィリがあるサメグレロ地方には、他にも美しい自然スポットがたくさん。
独自の郷土料理を食したり、田舎暮らしを体験したりと、一般的な「観光」とはひと味違った楽しみ方ができる素敵なエリアです。



















































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