こんにちは!アルメニアに5ヶ月滞在した世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
アルメニア北部のロリ地方(Lori Marz / Լոռի)は、急峻な山々に囲まれた緑あふれるエリア。
すぐ北にジョージアとの国境があり、古くからコーカサス地域の交易路の中継地点として栄えてきました。
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ロリ地方には合計で3週間ほど滞在したのですが、とにかくたくさんの見どころがあることに驚きました。
長い歴史を象徴する修道院の数々や、緑あふれる自然風景…
さまざまな魅力があるロリ地方には、ご当地グルメや郷土料理が数多く存在する点も旅行者にとっては嬉しいポイントです。
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今回の記事では、アルメニアの中でもロリ地方でしか食べられないご当地グルメや名物料理を6品紹介していきます。
地元で「伝説の店」と噂される、ロリ地方名物グルメを提供するレストラン情報も載せているので、旅行の際にはぜひ挑戦してください!
ロリ地方で絶対食べたい!名物グルメ6品
①ツァンディル
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これぞロリ地方!といったグルメが、ツァンディル(Tsandil / Ծանդիլ)。
麦とトウモロコシ、豆を煮込んだスープで、程良い塩加減のあっさりした風味が特徴的です。
使われる材料は、いずれも保存食として長期保存が可能なものばかり。
長く厳しい冬でもどうにかして栄養を摂ろう、と考えた昔の人の知恵が詰まった一品です。
②ハシル
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次に紹介するグルメは、またまたロリ地方らしく(?)茶色い見た目のハシル(Khasil / Խասիլ)。
「ポヒンズ(Pokhinz / Փոխինդ)」と呼ばれる小麦の一種を粉状にしたものを、茶色く色が変わるまで炒り、水を入れて炊き上げたものです。
ヨーロッパによくある「ポリッジ」に似たような料理で、どろっとした食感が特徴的。
ハシル自体には味がついていないので、バターや塩を入れて自分で味付けをするのが定番です。
③ヴァナゾル風ピロシキ
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ロリ地方の最大都市であるヴァナゾル(Vanadzor)の名物が、ヴァナゾル風ピロシキ。
「ピロシキ」とは、ロシア発祥の具入りパンのことで、アルメニアでも全国的にポピュラーな軽食です。
一般的なピロシキの具は、つぶしたジャガイモや牛ひき肉が普通ですが、ヴァナゾルではやや独特。
ヴァナゾルのピロシキの具は豚肉か鶏肉である場合が多く、それもひき肉ではなくゴロンとした肉が入っているのです。
スパイスを用いてやや濃いめに味付けされた肉と、ふわふわのパンのハーモニー…
ヴァナゾル以外の町では見かけなかったので、訪れる際にはぜひ挑戦してほしいです!
④カルカンダク
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ロリ地方北部のアラヴェルディの町で食べたカルカンダク(Karkandak / Կարկանդակ)も独特でした。
「カルカンダク」は、先に紹介したピロシキのような具入りパンのことを指すのですが、アラヴェルディのカルカンダクはまるで日本の「おやき」のよう。
直径10cmほどの円形の生地の中に、鶏肉が入っています ▼
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生地はもっちもちで、具の鶏肉はハーブで味付けされた爽やかな風味が特徴的。
軽食にはピッタリの一品です。
⑤コンチョル
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ロリ地方の人々の知恵の結晶とも言えるのが、コンチョル(Konchol / Կոնչոլ)。
「ブレイクファスト・スープ」とも表現され、どこの家庭にもある材料で作られています。
硬くなったパンに、玉ねぎのみじん切りと溶き卵を入れたお湯を豪快にかけてふやかしたものに、ニンニク入りヨーグルトを大量に投入していただきます。
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「パンと卵とお湯とヨーグルト…?」と不気味に感じる人もいるかもしれませんが、これが意外と美味しいのです。
「せっかく買ったパンが翌日には硬くなっちゃう…」とお困りのあなた…
— 小山のぶよ🇵🇹世界半周中の翻訳してる人 (@nobuyo5696) December 9, 2021
アルメニア北部の郷土料理【コンチョル(կոնչոլ)】を作るのです🇦🇲
硬くなったパンに卵やヨーグルトとお湯入れてスープにした「アルメニアのお茶漬け」的な位置づけ(?)
これ、想像の100倍は旨い。アルメニア人すげえってなる😳 pic.twitter.com/WY9VLUfNsz
古くなった主食のパンを有効活用するという意味では、日本のお茶漬けに通じるものがあるような気がします。
⑥オズン・レモネード
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デベド渓谷に面した断崖絶壁の上に広がるオズン村(Odzun / Օձուն)の名物が、この村で造られているオズン・レモネード。
オズン村のみならず、ロリ地方北部の町ではどこでもポピュラーなソフトドリンクです。
「レモネード」とは名ばかりで、洋ナシ味やタラゴン味、コーラ味(!)なるものまで…
いずれも結構甘さが強めで、子供が好きそうな味だと思います。
ロリ地方を旅していると、一度は見かける機会があるはず。(スーパーなどでも普通に売られています)
数種類あるフレーバーを制覇するのも良いかもしれません!
ロリ地方グルメが食べられる!アラヴェルディのおすすめレストラン
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ロリ地方北部エリア観光の中心となるアラヴェルディの近郊には、今回の記事で紹介しているロリ地方名物がふんだんのに揃ったレストランがあります。
アラヴェルディの人で知らない人ははまずいないほどの有名店で、旅行者のみならず地元の人からも絶大な支持を得ている存在です。
(というか、こんな田舎で2020年のパンデミックと戦争を乗り越えて営業ができているお店は、総じて地元の人から人気が高いということ)
その伝説のレストランが、アラヴェルディ中心街から東に5kmほどの場所にあるAtorikというお店。
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内装はロリ地方の伝統的なデザインがテーマとなった温かみのある感じ。
個室が基本となりますが、夏場はデベド川に面したテラス席も開放されるそうです。
一見すると、ちょっとお高めなレストランなのかと感じてしまいますが、値段はとてもリーズナブルです。
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Atorikのメニューは、前菜やスープから定番のホロヴァツ(アルメニア風BBQ)、トルマやボズバシュなどのアルメニア料理の定番が多くそろっています。
同時に、ロリ地方の名物も文句なしの品ぞろえ。
当記事で紹介しているものはほとんどコンプリートされていると思います。
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のぶよはアラヴェルディ滞在中に3回もAtorikを訪れましたが、さすがは地元の人に支持され続けているだけあるというもの…何を食べても美味しかったです。
店の人も気さくな雰囲気で(英語は全く通じませんが)、一人でも気持ちよく対応してくれた点も◎
アラヴェルディ中心街からはやや距離がありますが、わざわざ足をのばす価値大だと思います!
(ハフパット修道院への分岐点近くに位置しているので、修道院観光の帰りにマルシュルートカを途中下車して立ち寄るのがおすすめ!)
おわりに
日本では、というかアルメニア人の間でもあまり知名度が高くないロリ地方の名物料理とおすすめレストランを紹介しました。
いったいどれだけの人に需要があるのか謎ではありますが(笑)、のぶよのように「ご当地グルメを制覇したい!」というマニアックなタイプの旅行者の心に刺されば嬉しいです。
アルメニア料理の世界は本当に奥深く、定番料理から地域ごとの郷土料理までバリエーションがとても豊富。
他の地域のグルメも、今後紹介していけたらと思います!
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