プリシュティナ発、世界遺産グラチャニツァ修道院へ【行き方を解説】

プリシュティナ発、世界遺産グラチャニツァ修道院へ【行き方を解説】

こんにちは!コソボをのんびり旅している、世界半周中ののぶよです。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)

コソボ唯一の世界遺産である、「コソボの中世建造物群」

リェヴィシャの生神女教会
ペーチ総主教修道院
ヴィソキ・デチャニ修道院
・グラチャニツァ修道院

※各スポット名をクリックすると、アクセスや見どころを解説した記事へと飛びます。

以上四つの、中世に建造されたセルビア正教の修道院や教会などから成る複合遺産です。

今回は、コソボの首都・プリシュティナの近郊に位置するグラチャニツァ修道院(Gračanica)への行き方や見どころを紹介します。

他の修道院とは一線を画す雰囲気のグラチャニツァ修道院。
そこはもはや、コソボではなくセルビアでした

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まずはプリシュティナのバスステーションへ

↑グラチャニツァ方面へのバスは4番プラットホーム発

グラチャニツァ修道院があるグラチャニツァ(Gračanica)の町までは、プリシュティナのバスステーションからバスが出ています。

グラチャニツァ行きのバスは存在せず、その先にあるジラン(Gjilan)行きのバスを途中下車してのアクセスとなります。

20分に1本の頻度でバスが走っているので、あまり時間を気にしなくても大丈夫です。

所要時間:15分
料金:€0.50(=¥59)

ここで注意したいのが、バスの運転手に行き先を確認する際に、間違っても「修道院(Monastery)へ行きたい」と言わないこと

旅行者の間では、
「バスに乗せてもらえなかった」
「違う場所で降ろされた」
などの噂が飛び交っているのが現状です。

というのも、コソボの人口の大部分を占めるアルバニア人にとって、セルビア正教の聖地であるグラチャニツァ修道院は忌まわしい存在そのもの

修道院の「しゅ」の字すら聞きたくないという人もいるほどです。

無駄なトラブルを避けるためにも、「グラチャニツァの町に行きたい」と言うのが懸命です。

コソボの中のセルビア?グラチャニツァの町

バスに乗ること15分ほどで、グラチャニツァの町に到着します。

バス停から修道院までは徒歩5分ほど
幹線道路沿いを歩いていくだけです。

グラチャニツァについてびっくりしたのが、看板や店の名前など全てがセルビア語で書かれていたこと。

アルバニア語で書かれたものは全く存在しません

セルビア語はラテン文字とキリル文字のどちらで表記しても良いという珍しい言語なのですが、グラチャニツァの町ではセルビア正教を象徴する伝統的なキリル文字表記が目立ちます。

↑スーバーの名前は「ドーブロチン」。「ドーブロ」はセルビア語で「良い」の意味

↑セルビア社会党の事務所。もれなくキリル文字、赤色、星マーク。

人々が話すのも、もちろんセルビア語。

店に入るとセルビア語で「ドベル ダン」と挨拶されます。

というのも、セルビア正教の修道院があるグラチャニツァの住民のほとんどはセルビア人なんです。

コソボというアルバニア人がほとんどの国の中にあるセルビア。
こんな小さな町でさぞ肩身が狭いのでは。と思っていましたが、セルビア的にはコソボはセルビア人の一部なので、あくまでも「自分の国に住んでいるだっけ」という感覚なのかもしれません。

↑ポスターももれなくセルビア語。

そして、グラチャニツァの町の車のナンバープレートは、ほとんどがセルビアのもの
(“SRB”はセルビア(Serbia)で、”RKS”がコソボ(Republic of Kosovo)のナンバーです)

なんというか、セルビア人としての意地のようなものを感じます。

修道院を通り過ぎて町の南端に行くと、セルビア人の英雄、ミロシュ・オブリッチの銅像が。
もちろん後ろに翻るのはセルビア国旗です。

ミロシュ・オブリッチは、14世紀にセルビア軍とオスマントルコ軍が戦ったコソボの戦いの際にこの地方で権力を持っていた貴族で、セルビア人にとってはコソボにおけるセルビア文化を象徴する人物です。

そんなグラチャニツァの町に漂うのは、そこはかとない退廃感。

心なしか、歩いている人々の表情も暗め。

コソボという国の民族問題を垣間見たような気がしました。

↑観光案内版はセルビア語と英語の二か国語表記。徹底的にアルバニア語を排除しています。

中世芸術の結晶!グラチャニツァ修道院

↑グラチャニツァ修道院の入口

グラチャニツァの町の中央にあるのが、世界遺産のグラチャニツァ修道院です。

コソボには他にも三つのセルビア正教会の修道院と教会が世界遺産に登録されていて、アルバニア人過激派からの攻撃を防ぐために厳重な警備が敷かれています。

旅行者はパスポートチェックを受けたり、パスポートを預けなければなりませんでした。

しかし、グラチャニツァ修道院の場合には、他の修道院のような厳重な警備はありません

パスポートチェックすらなく、入場することができます。

おそらく、セルビア人が居住するグラチャニツァという町の特性上、他の修道院に比べて攻撃を受けるリスクが少ないためでしょう。

しかしながら、修道院を取り囲む壁の上には鉄条網が設置されており、何だか物々しい雰囲気を感じさせます。

世界遺産の他の修道院と同様、グラチャニツァ修道院への入場は無料です。

肩や足を露出した服装では入場できないのでご注意を。

修道院の敷地内には、14世紀建造の教会が静かに佇んでいます。

この教会、実はもともとこの場所にあった6世紀頃の聖堂の遺跡の上に建てられたもの。

後期ビザンチン様式の教会は、コソボに住むセルビア人の宗教的・文化的中心地。
そのため、コソボ紛争の際のNATO軍のセルビアに対する報復攻撃の対象となり、二度の空爆に遭ったという歴史を持ちます。

↑修道院敷地内の表記は全てがセルビア語

教会内部のフレスコ画やイコン画は、コソボの他の世界遺産の修道院と同様に圧巻のひとこと
保存状態も非常に良く、中世の芸術の世界にひたることができます。

残念ながら教会内部の写真撮影は禁止ですが、その神聖な雰囲気はきっと忘れられないものとなるはずです。

↑現在でも修道僧の生活の場であるグラチャニツァ修道院

グラチャニツァ修道院からプリシュティナへの帰り方

↑プリシュティナ方面へのバス停

グラチャニツァ修道院からプリシュティナまでは、行きと反対方向のプリシュティナ〜ジラン間の長距離バスに途中乗車するだけ。
バス停は、行きで降りた所より北に50mほど歩いた場所にあります。

黄色:バス停
青:観光スポット

20分に1本バスが通るので、あまり時間を気にしなくても大丈夫。
19時過ぎまでバスが走っています。

バス停の標識には、誰かが貼ったシールが。

セルビア語なので何が書かれているかわかりませんが、「コソボはセルビア!」的な感じなのではないでしょうか。
(完全なる個人の想像です)

おわりに

↑やたらとセルビア国旗が目につく

コソボにありながら、セルビアの宗教や文化を守り抜くグラチャニツァ修道院。

修道院と町歩きを合わせても1〜2時間、プリシュティナからの往復の時間を合わせても3時間ほどみておけば十分に満喫できます。

プリシュティナに戻って来た後は、中心街の散策に出かけてもいいですし、再びバスに乗って、近郊のガディマ洞窟へと足をのばしてみるのもおすすめですよ。

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