こんにちは!ジョージア滞在も2年半、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
「ジョージアの音楽」と聞いて、具体的な曲名や歌手名が浮かぶ人はかなりの少数派ではないでしょうか。
「そもそもどんなスタイルの曲なのか想像もつかない…」という人がほとんどだと思います。
ジョージアには各地方ごとに古くから伝わる伝統的な音楽が存在しており、現在でも宴の乾杯前にはお祝いの歌が歌われるのもごく普通のこと。
ポリフォニー(混声合唱)など宗教に関連した音楽も根付いており、アップテンポの音楽に合わせて踊るジョージアンダンスもポピュラーです。
そう、実はジョージアは音楽大国なのです。
伝統に則った音楽ももちろん素敵なのですが、個人的にジョージアの音楽文化においてすごいなと思うのが、伝統的なスタイルとモダンなスタイルの融合。
演奏やメロディーライン、コーラスなどは伝統を守りながらも、現代風に聴きやすくアレンジされたポップソングの数々は、他の国の音楽とは一線を画した魅力を放ちます。
というわけで今回の記事は、ジョージアで誰もが知る定番曲から個人的なおすすめ曲まで10曲をまとめたもの。
伝統的な音楽ではなく、ここ数年で流行ったポップソングを中心に選んでいます。
遠く離れた日本から、コーカサスの山国に思いを馳せられるはず。
もちろん、実際にジョージアを旅行する際のお供にもピッタリだと思います!
- ジョージアのおすすめ音楽①:”Mtvare”/ Mgzavrebi
- ジョージアのおすすめ音楽②:”Sapexurebi” / Megi Gogitidze
- ジョージアのおすすめ音楽③:”Kakhuri” / Trio Mandili
- ジョージアのおすすめ音楽④:”Ai Mtazeda” / 33a
- ジョージアのおすすめ音楽⑤:”Dabadebis dghe” / Gela Gnolidze
- ジョージアのおすすめ音楽⑥:”Megobaro” / Rezo Da Bavshvebi
- ジョージアのおすすめ音楽⑦:”Chemo Tbilisi Qalaqi” / Sakhe
- ジョージアのおすすめ音楽⑧:”Mikvarxar Metki” / Megi Gogitidze
- ジョージアのおすすめ音楽⑨:”Erti gogo Ise Shemikvarda” / Shai Gal
- ジョージアのおすすめ音楽⑩:”Sakartvelo” / ara
- おわりに
ジョージアのおすすめ音楽①:”Mtvare”/ Mgzavrebi
はじめに紹介するのは、ジョージアで最も有名なバンドのひとつ・ムグザヴレビ(Mgzavrebi / მგზავრები)。
ヒット曲を多く持ち、ジョージア国内のみならず海外でのライブ活動も精力的に行っている、伝説的な知名度を誇るグループです。
ムグザヴレビの曲は、ジョージアの伝統的な音楽スタイルをベースにしながら、ポップで聴きやすい曲調にアレンジされたものが中心。
初めてジョージアの音楽に触れる人でもさらりと聴け、万人向けだと思います。
数ある名曲の中でも、彼らの知名度を一躍引き上げたのが「ムトゥヴァレ」(Mtvare / მთვარე)という一曲。
「ムトゥヴァレ」とは、ジョージア語で「月」の意味。
タイトル通り、どこか幻想的なメロディーラインと儀式的な楽器の音色が特徴的で、コーラスの美しい歌声も心地良いです。
ジョージアのおすすめ音楽②:”Sapexurebi” / Megi Gogitidze
ここ数年、飛ぶ鳥を落とす勢いでヒット曲を連発しているシンガーがメギ・ゴギティジェ(Megi Gogitidze / მეგი გოგიტიძე)。
少しかすれた力強い歌声と、体が自然と動き出すようなメロディーライン、覚えやすいサビの歌詞が特徴的です。
彼女の代表曲といえば、「サペフレビ」(Sapexurebi / საფეხურები)。
ジョージア語で「ステップ」の意味ですが、タイトルの通り思わずステップを踏みたくなるリズムがクセになります。
サビの”ერთი ორი სამი, სამი ორი ერთი“は、「いち に さん、さん に いち」という意味。
一度聴いたら耳から離れない中毒性はなかなかのものです。
ジョージアのおすすめ音楽③:”Kakhuri” / Trio Mandili
近年、ジョージア人の若者の間で人気の動画投稿SNS。
そこから誕生したスターが、トリオ・マンディリ(Trio Mandili)というティーンエイジャー女子三人組のグループです。
彼女たちは、ジョージア東部のカヘティ地方の小さな村で暮らす一般人。
ジョージアのギター「パンドゥリ」を片手に伝統的な曲を歌う姿をSNSに投稿したところ、ジョージア国内はもちろん国際的にも話題となり、あれよあれよとスターダムにのし上がりました。
おすすめ曲の「カフリ」(Kakhuri)は、ジョージア語で「カヘティ地方風の」という意味。
カヘティ地方に伝わる民謡のような曲ですが、不思議と古さを感じさせません。
彼女たちの出身地である村の風景に響き渡る美しい歌声は、まるでコーカサスの山の神に捧げられた歌のよう。
のびやかで澄んだ三者三様の声のハーモニーと素朴なメロディーラインが印象的です。
ミュージックビデオは彼女たちが暮らす素朴な村をロバを連れて歌いながら歩いているだけのシンプルなものながら、インパクトは絶大。
どうして彼女たちが爆発的な人気を博したのか、なんとなく分かるような気がします。
ジョージアのおすすめ音楽④:”Ai Mtazeda” / 33a
ジョージア人におすすめの歌手をたずねると、かなりの高確率で返ってくるのが33აというグループ。
ジョージア語では「オツダアティ アニ」 と読み、1990年代半ばから現在にかけて精力的に活動するバンドです。
33აの音楽における特徴は、ジョージアの伝統音楽に忠実なメロディーラインと、伝統楽器を用いた演奏スタイル。
同じ男性バンドで伝統音楽をベースにしたスタイルの①ムグザヴレビと比較されることも多いですが、「ムグザヴレビはちょっとキャッチーすぎるから33აの方が良い」と言う人も少なくありません。(特にジョージア地方部で支持が大きい気がする)
数多くの名曲で知られる33აですが、最も有名な曲のひとつが「アイ・ムタゼダ」(Ai Mtazeda / აი მთაზედა)。
日本語にするなら「あれが山々だ」といったところ。
コーカサスの険しい山々の風景とそこで暮らす人々の姿が目に浮かんでくるような、情景深い一曲です。
ジョージアのおすすめ音楽⑤:”Dabadebis dghe” / Gela Gnolidze
2022年にジョージアで最も流行っていた一曲が、「ダバデビス・ドゲ」(Dabadebis dghe / დაბადების დღე)。
どこの食堂に行ってもテレビからこの歌が流れていたくらいで、国民的ヒットソングの一つのような位置づけです。
ひと昔前のロシアン・ポップスを彷彿とさせる曲調と、どこまでもバブリーなバンド感。
歌詞を知らなくとも体が勝手に動き出してしまうほどに、抜群のノリの良さが特徴です。
まるで魔法の呪文のようなタイトル「ダバデビス・ドゲ」は、「誕生日」の意味。
最近では誕生日パーティーの定番曲としても定着しているようで、この曲が流れるやいなやその場の人々がみんな踊り出す…なんて光景に出会えるかもしれません。
ジョージアのおすすめ音楽⑥:”Megobaro” / Rezo Da Bavshvebi
トビリシを中心に活躍するレゾ・ダ・バヴシュヴェビ(Rezo Da Bavshvebi / რეზო და ბავშვები)は、「これぞトビリシのスタイル!」と唸りたくなるような曲を生み出す天才。
「古き良きものを大切にしながらも新しいものを取り入れ、自分たちのスタイルに変容させる」というトビリシらしい気質が、彼らの音楽からは感じられます。
バンド名は「レゾ(メインボーカルの名前)と子供たち」の意味で、トビリシ出身の仲間同士でバンドを結成したのがはじまりだそう。
ミュージックビデオのロケ地はすべてトビリシ市内となっており、滞在したことがある人にとっては懐かしい風景がきっとたくさんあるはずです。
ジョージアの伝統的な音楽とは一線を画した曲たちはどれも面白いのですが、個人的なおすすめが「友達」という意味の「メゴバロ」(Megobaro / მეგობარო)と名付けられた一曲。
サイケデリックさを感じるメロディーに、なんともゆる~い雰囲気のボーカル。
“მეგობარო გაიღვიძე მეგობარო გაიცინე“とひたすらに同じフレーズを繰り返すサビが頭から離れなくなる、中毒性のある一曲です。
ジョージアのおすすめ音楽⑦:”Chemo Tbilisi Qalaqi” / Sakhe
トビリシのおじさん三人組のグループ・サヘ(Sakhe / სახე)は、ひと昔前の歌謡曲を彷彿とさせるレトロでメロウな曲が得意なバンド。
エキゾチックな編曲と芯のある太い歌声が特徴的です。
「私のトビリシ旧市街」という意味の「チェモ・トビリシ・カラキ」(Chemo Tbilisi Qalaqi / ჩემო თბილის ქალაქო)は、エキゾチックな雰囲気香るトビリシ旧市街の魅力がギュッと詰まった一曲。
ミュージックビデオはすべてトビリシ旧市街で撮影されており、映像美はかなりのもの。
古くから文明の十字路として栄えてきた町の美しさに改めて感動させられます。
ジョージアのおすすめ音楽⑧:”Mikvarxar Metki” / Megi Gogitidze
②”Sapexurebi”で強烈な印象を放ったメギ・ゴギティジェ(Megi Gogitidze / მეგი გოგიტიძე)のヒット曲をもうひとつ。
「ミクヴァルハル・メトキ」(Mikvarxar Metki / მიყვარხარ მეთქი)を紹介します。
タイトルは、「愛していると言ったのに」といった意味。
哀しい歌なのかと思って聴いてみると、「らーいらいらいらいらいらいらららーい♪」とノリノリの曲調にびっくりします。
思わず体が動き出すようなリズムにひたっていると、サビではいきなり修羅場モードに。
叫びながらまくしたてるような歌い方とリズムの変化に、さらなる驚きが待っています。
そしてサビの修羅場モードが終わると再びゆったりとしたリズムに戻り、「らーいらいらいらい♪」と楽しそうに歌うメギ・ゴギティジェ。
ミュージックビデオ内では、彼女の表情を使った表現力にも注目です!
ジョージアのおすすめ音楽⑨:”Erti gogo Ise Shemikvarda” / Shai Gal
ジョージアの国内交通手段の定番といえば、マルシュルートカ(乗り合いミニバス)。
その車内でなぜかかなりの確立でドライバーがかけたがる一曲が、シャイ・ガル(Shai Gal / შაი გალ)の「エルティ・ゴゴ・イセ・シェミクヴァルダ」(Erti gogo Ise Shemikvarda / ერთი გოგო ისე შემიყვარდა)です。
「ある女性と恋に落ちた」という意味の長いタイトルは、そのままサビのフレーズとなっておりインパクト抜群。
エキゾチックなメロディーも、やや前時代的なリズムの感じも、なんだか妙に癖になる一曲です。
ジョージアのおすすめ音楽⑩:”Sakartvelo” / ara
最後に紹介するのが、のぶよ個人的にジョージアで一番好きなアラ(ara / არა)というバンド。
彼らの音楽スタイルは、「トビリシ流ニュースタイルのヒップホップ&ロック」といったところで、ジョージアの伝統的な音楽からはかけ離れたものです。
全体を通して特徴的なのが、心地良い軽めのメロディーライン。
スローなロック調なのかと思いきや、いきなりラップ調になり、さらにサイケデリック調に…と、一曲の中に様々なスタイルを詰め込むのが面白いです。
おすすめしたい曲がたくさんあるアラですが、個人的に最もイチオシの一曲が「サカルトヴェロ」(Sakartvelo / საქართველო)というタイトルのもの。
ご存じの通り「サカルトヴェロ」はこの国の国名「ジョージア」という意味です。
ラップ部分に詰め込まれたジョージア語の硬い子音の響きの連続がとにかく格別。
決して自分で歌える気はしないものの、この歌をスラスラと歌えたら相当格好良いと思います!
おわりに
ジョージアの定番ソングから個人的なおすすめバンドまで、10曲を紹介しました。
「お…これは…!」ピンときた歌手/曲はあったでしょうか。
日本ではほとんど知られていないジョージアの音楽について、少しでも興味を持つきっかけとなれば嬉しいです!
ジョージアの音楽に興味を持つと、ジョージア語についても知りたくなってくるもの。
現地で使えるジョージア語の基本表現をまとめた記事も書いているので、あわせて読んでみては?
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