ジョージア軍用道路の個人でのミニバス移動・アクセス情報
ジョージア軍用道路沿いの見どころを観光しながらトビリシ~カズベキ間を移動する方法は、全部で4種類あります。
①タクシーチャーター
②現地ツアー
③観光マルシュルートカ(ツーリストミニバス)
④ローカルマルシュルートカ(ミニバス)
①~③に関してはもはやイージーモードなので、ここでは触れません。
別記事にてまとめているので、そちらを参考にしてください ▼
ここでは「個人で公共交通手段を利用してジョージア軍用道路をガッツリ観光したい!」という人向けに(果たして居るのだろうか…)、このエリアのローカルマルシュルートカ路線について解説していきます。
トビリシから乗車する場合
はじめに知っておきたいことが、ジョージア軍用道路を走るミニバスはすべてトビリシを基点として4つの路線がある点 ▼
本記事内で紹介しているジョージア軍用道路の4つのエリア(ムツヘタ/アナヌリ~パサナウリ/グダウリ/カズベキ)のどこに行くかによって、どの路線を利用するか使い分けるのがポイントです。
・ムツヘタ行き:20分~30分に1本
・パサナウリ行き:1日2本 (13:00 / 18:00)
・グダウリ行き:1日4本 (9:00 / 9:30 /11:00 / 17:00)
・カズベキ行き:1時間に1本 (全日8:00~19:00の間)
※時間は全て2021年6月現在のもの
ジョージア軍用道路を走るミニバスは、4種類いずれもトビリシ市内北部のディドゥベ・バスステーション(Didube Bus Station)の発着。
ディドゥベ・バスステーションは、ジョージア国内各地へのミニバスが発着する巨大なターミナル。
行き先によって大きく二つのターミナルにわかれており、ジョージア軍用道路方面へのバスが発着するのは駅から100mほど離れたところのターミナルです ▼
【トビリシ→ムツヘタ】
ムツヘタ行きのマルシュルートカは、ターミナルの最も東側に位置するチケットオフィスのすぐ横に停車しています。
行き先表示はジョージア語のみなので文字が読めないと何が何だか…ですが、その辺の人に「ムツヘタ?」と尋ねればちゃんと教えてくれるはず。
ムツヘタ行きのマルシュルートカが停車している場所のすぐ脇にはチケットカウンターがあり、ムツヘタへ向かう際のチケットはこちらで事前購入します。
【ムツヘタ→トビリシ】
ムツヘタ観光を終えてトビリシに戻る際も、行きと同じ路線のミニバスを利用します。
ムツヘタ市内には複数のバス停がありますが、最もわかりやすいのは旧市街北側のバス停 ▼
時刻表などは表示されていませんが、30分に1本ほどの運行なので、待っていればそのうち来ます。
最終のトビリシ行きマルシュルートカは20:30頃とのこと(季節によって変わるかも)なのでご注意を。
ムツヘタからの帰りの運賃は、トビリシに到着する際に運転手に直接支払えばOK。
料金も行きと同額の1.5GELです。
【トビリシ→パサナウリ方面】
トビリシ~パサナウリ間の直行ミニバスは1日2本しかなく不便。
パサナウリの先にあるグダウリ行きやカズベキ行きのバスを途中下車するのが便利です。
いずれの便も、トビリシでの出発地はディドゥベ・バスステーションのカズベキ行きの便が出発するターミナルの発着です。
乗車時に「パサナウリに行きたい!」と運転手に念押ししておけば、ちゃんとパサナウリで降ろしてくれるはず。
グダウリ/カズベキ行きのバスを合わせれば本数もかなり多くなるので、驚くほど簡単に移動できてしまいます。
【パサナウリ→トビリシ方面】
パサナウリからトビリシへと戻る方法は、大きく分けて2つあります。
【①パサナウリ→トビリシの始発マルシュルートカに乗車】
パサナウリ始発のトビリシ行きの便は1日2便(9:00 / 14:30)しかありません。
日帰り観光の場合は、実質14:30パサナウリ発のものしか利用できないでしょう。
トビリシからパサナウリにやってきたマルシュルートカは、村北端の教会前の広場で折り返してそのままトビリシに戻ります。
パサナウリ始発なので、100%乗車できる(=必ず空席がある)ので安心ですね。
【②グダウリ/カズベキ発のマルシュルートカに途中乗車】
パサナウリ始発のマルシュルートカ以外でも、トビリシに戻ることはいちおう可能。
北に位置するグダウリ発やカズベキ発トビリシ行きのマルシュルートカは必ずパサナウリを経由するので、空席さえあれば乗せてくれます。
グダウリ発/カズベキ発のいずれかのマルシュルートカは30分~1時間に1本はパサナウリを通るので安心。
トビリシ方面への最終マルシュルートカは、グダウリ発17:00(=パサナウリを17:40頃に通過)ということです。
一つだけ頭に入れておくべきなのが、すでに満席の場合は途中乗車を断られることが多い(=停まってくれない)こと。
のぶよの経験上、1人や2人なら絶対に乗せてくれますが、3人や4人だと断られる場合もあると思います。
というか、3人や4人で移動&観光するならタクシーをチャーターしてしまった方が良いかと…。
【トビリシ→グダウリ】
グダウリ行きのミニバスは1日4本とやや不便なので、カズベキ行きの便を途中下車するのもアリ。
グダウリ行き/カズベキ行きのいずれの便も、トビリシでの出発地はディドゥベ・バスステーションのカズベキ行きターミナルの発着です。
【グダウリ→トビリシ】
知っておきたいのが、グダウリの町は二つのエリアに分かれているのがポイント。
・幹線道路沿いの中心街エリア
・リゾートホテルが建ち並ぶ高台エリア
トビリシ行きのマルシュルートカが発着するのは、中心街エリアのスーパーマーケット”Smart”前のバス停です ▼
または、カズベキ発トビリシ行きのマルシュルートカに途中乗車するのもアリ。
ただし空席がある場合のみ停車してくれるので、運任せの要素はあります。
(夏のハイシーズンでなければ、まあ空席があるはず)
【トビリシ→カズベキ】
ディドゥベ・バスステーションのカズベキ方面ターミナルへと足を運ぶと、「カズベキ?」と声をかけてくる人(おそらく運転手)が必ずいるので、目的のバスが簡単に見つけられます。
外国人旅行者が多いためか、行き先はジョージア文字でなくローマ字で”KAZBEGI”と表記されているので迷うことはありません。
勝手に乗り込んで、空いている席に座ってしまってOK。
出発時刻が近づくと、料金を集める係(運転手ではない)がやってくるので、運賃の10GEL(=¥350)を支払いましょう。
出発時間の30分前までには乗車しておこう!
席が空いてさえいれば、出発直前でも問題なく乗車できるミニバスですが、のぶよ的には出発時刻の最低30分前までには席をとっておくことをおすすめします。
トビリシ~カズベキ間を結ぶジョージア軍用道路は、かなりの絶景が続く道。
できれば窓際の席&前方の席をとって、カズベキの険しい山々に向かっていく気分を存分に満喫したいためです。
おすすめは、何と言っても助手席。
前方に広がるパノラマの風景を独り占めすることができます。
助手席以外では、進行方向右側の窓際の席がおすすめ。
アナヌリ城塞や谷間の風景が広がるのは9割方こちら側であるためです。
また、ミニバスの座席数は20席もないほどと限られているので、多くの観光客が利用する夏場(7月~8月)は出発時間前に満席になることも多いそう。
次の便を待つ羽目になってしまうので、やはり早めに行って座席を確保しておくのが良いでしょう。
【カズベキ→トビリシ方面】
カズベキ→トビリシ方面へのマルシュルートカは、カズベキの町の中心部にあるバス停の発着 ▼
こちらも1時間に1本ほどの頻度で出発しているので便利です。
トビリシまで直行で戻る場合は行きと同様に、運賃の10GELを事前に支払えばOK。(運賃を集めに来る係の人がいる)
グダウリやパサナウリなど途中の町で下車したい場合は、運転手に料金交渉するのが基本です。
(最悪、10GELのフル運賃を払えば途中下車自体は可能です。)
途中の町で乗車/下車する場合
ジョージア軍用道路沿いの町のどこかで、バスを途中乗車/下車する場合は、出発地と目的地の間を走るいずれかの路線を利用すれば良いだけ。超簡単です。
・アナヌリ~パサナウリ間の移動:カズベキ線/グダウリ線/パサナウリ線 のいずれか
・アナヌリ~グダウリ間の移動:カズベキ線/グダウリ線 のいずれか
・グダウリ~カズベキ間の移動:カズベキ線のみ
注意したいのが、夏のハイシーズンにはバスがすでに満席となっていて、途中乗車できない場合もあること。
ジョージアのミニバスは座席数以上の乗客を乗せることはしないので、空席がなければこちらが合図しようと停車すらしてくれません。
こればかりは運まかせになってしまうのですが、7月/8月の超ハイシーズンの土日を避ければ、だいたい数席は空いているので問題なく途中乗車できるのが普通です。
ジョージア軍用道路観光のプランニングのコツ
ジョージア軍用道路観光の必要日数
ジョージア軍用道路の観光に必要な日数は、移動手段によって大きく変わります。
タクシーチャーター/現地ツアー/観光ミニバスを利用する場合は、半日でトビリシ~カズベキ間を移動しながら途中の見どころに立ち寄ることが可能。
いっぽう、個人でミニバスを利用して移動する場合は、各エリアの観光に1日かかると考えておきましょう。
ムツヘタ周辺エリア:1日~1日半
ムツヘタ周辺エリアはジョージア軍用道路観光の一部として考えるよりも、トビリシからの日帰りスポットとして考えるのがおすすめ。
タクシーをチャーターしてしまえば、本記事内で紹介しているエリア内の3つのスポット(ムツヘタ旧市街/ジュワリ教会/シオ・ムグヴィメ修道院)を1日でまわることが可能です。
個人でまわる場合は、ムツヘタ旧市街&山の頂上にあるジュワリ教会で1日&シオ・ムグヴィメ修道院で半日と、2日間に分けて訪れる必要があります。
アナヌリ~パサナウリ間エリア/グダウリエリア:それぞれ1日
タクシーや観光マルシュルートカを利用する場合は、アナヌリ~パサナウリ間エリアとグダウリ周辺エリアをサクッと半日ほどで観光しながらカズベキまで移動することが可能。
個人でミニバスを利用してまわる場合は、それぞれのエリアに1日ずつ(=合計2日)する必要があり、いずれかの町に宿泊することになるでしょう。
カズベキ周辺エリア:最低2日間
カズベキ周辺エリアには、今回の記事で紹介している「ジョージア軍用道路沿いの見どころ」以外にも観光スポットがとにかく目白押し。
1日ですべてをまわるのは絶対に不可能ですし、宿泊を含めたプランニングが鉄則です。
どこまで見たいか/ハイキングをするか…等、旅の目的によってカズベキの滞在日数は大きく変わるもの。
のぶよ的には、カズベキはカズベキ単体としてプランニングするのがおすすめ。
ジョージア軍用道路のその他エリアの観光とは分けて考えるのが良いと思います。
ジョージア軍用道路観光のおすすめ季節
ジョージア軍用道路を訪れるなら、観光可能な季節は5月~10月にかけて。
中でも、降水量が少ない6月~9月がベストシーズンとなります。
のぶよが訪れたのは初夏と夏本番の間にあたる6月末でしたが、一面の緑に覆われた山々の風景の中を歩くのはとても気持ち良かったです。
(記事内の写真を見てもらえれば、どれほど緑一色だったか伝わるはず)
反対に、11月~4月はおすすめしないどころか、道路が一面雪に覆われてしまうので、移動や観光すること自体が難しくなります。
ちなみに、軍用道路沿いのグダウリは、ジョージアでも有数のスキーリゾート。
スキー目的の場合は、12月~3月がシーズンとなります。
個人で移動&観光するならカズベキ→トビリシ方向がおすすめ
ジョージア軍用道路沿いの見どころは、トビリシ→カズベキ/カズベキ→トビリシのいずれの方向に移動しながらの観光も可能です。
しかし、個人でミニバスを利用しながら周る場合はカズベキ→トビリシ方向が断然おすすめ。
その理由は以下の2つです。
理由①:標高が高いところ→低いところと移動することになるので、歩く際に体力的に楽
理由②:途中の町が始発のトビリシ行きミニバスがある
理由①は特に、グダウリ周辺エリアに関して。
このエリアの個人での観光は徒歩が基本となるのですが、もし反対方向にしてしまうと上り坂の割合が多くなってしまい、体力的にキツいと思います。
理由②は、このエリアのバス路線はすべてトビリシが基点であるため。
ジョージア軍用道路沿いの各町を始発→カズベキに行くバス路線は存在せず、トビリシ~カズベキ間のミニバスを途中乗車するしか選択肢がありません。
(=先述の通り、すでに満席で途中乗車できないリスクがある)
カズベキを起点に南に下って行くルートなら、途中の町(グダウリやパサナウリ)が始発のミニバス路線があるので、確実に次のポイントまで移動することが可能。
トビリシまで戻る際のハードルもグッと低くなります。
おわりに
ジョージア軍用道路沿いの見どころと、個人でまわる人向けの情報アレコレを解説しました。
正直、こんなに事細かく情報を書いたところで、99%の旅行者はタクシーチャーターや現地ツアー等でサクッと移動&観光を済ませてしまうことでしょう。
しかし、自分でローカルバスを利用して時間をかけてまわった見どころの数々は、見え方が大きく異なってくるもの。
タクシーで絶景ポイントに停車して数分の写真撮影→次のスポットへ…なんてスタイルの旅では絶対に味わえない、このエリアの深い魅力を堪能できることを保証します!
ジョージア滞在で日程に余裕がある人や、全身でコーカサス山脈の大自然を感じたい人には強くおすすめしたいです。
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