こんにちは!北マケドニアをのんびりと旅行している、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
マケドニア人が「マケドニアで最も美しい」と評価する、マケドニア南部の町・ビトラ(Bitola)。
多くの人で賑わうメインストリートには、マケドニアらしからぬ美しい建物が連なり、中欧とギリシャがミックスしたような独特の雰囲気。
「こんなに必要?」と疑問に思うほど多くのカフェが軒を連ね、おしゃれをした人々で賑わいます。
また、町の南部には、マケドニア人の誇りであるアレクサンダー大王の父、フィリッポス二世時代の都市の跡であるヘラクレア・リンケスティス遺跡が残っており、2500年前のマケドニア栄光の時代を感じることができます。
今回の記事では、そんなマケドニア第二の都市であるビトラの観光スポットやアクセス、ホステル情報を解説します!
ビトラの観光スポット
ビトラ観光地図
黄色:バスステーション/鉄道駅
紫:ホステル
青:おすすめ観光スポット
美しきメインストリート “シロク・ソカク”
ビトラの地元民はもちろん、マケドニア人全員が誇りに思っているのが、ビトラのメインストリートであるシロク・ソカク(Širok Sokak)です。
南北に1kmほど続く歩行者専用のメインストリートで、カフェやレストラン、商店が連なります。
シロク・ソカク沿いの建物の美しさは、全マケドニア人が賞賛するほどで、全くマケドニアらしくないヨーロッパ調の建物が連なります。
散々ヨーロッパのいろいろな町を見てきたのぶよ的には、「そこまで口を揃えて褒めたたえるほどか?」という感じでしたが、マケドニア的には奇跡のような美しさなのかもしれません。
なにしろ、首都がどこを目指しているのかわからないようなトンデモな町並みですから(笑)
シロク・ソカクを歩いていると、オープンカフェの多さに気が付くでしょう。
ビトラのカフェ文化はマケドニアではとても有名。
みんなできる限りおしゃれをして、オープンテラスのカフェで仲間たちと何時間も過ごすのがビトラらしいライフスタイルだそうです。
ローカルにならって、ちょっとおしゃれしてカフェで休憩するのも、ビトラを楽しむコツかもしれませんね。
シロク・ソカク北端には、ビトラのシンボル的存在の時計塔と、マケドニア人の誇りであるフィリッポス2世(アレキサンダー大王の父)の銅像が佇む中央公園があり、ここから川を渡ると次に紹介するオールド・バザールエリアへと至ります。
ローカル感漂う”オールド・バザール”
中央公園から川を渡ったところに広がるのが、オスマントルコ帝国時代に整備されたオールド・バザール(市場)エリア。
現在では市場というよりも、ローカル感漂う商店街のようになっています。
マケドニアの大きな町にはどこにでもある、オールド・バザールと呼ばれる、かつて市場だったエリア。
いずれもそこはかとない昭和感が漂っていて、「マケドニア一お洒落な町」ビトラも例外ではありません。
スタイリッシュでヨーロッパ感が強いシロク・ソカクと、ローカル感が漂いイスラムの香りがするオールド・バザール。
なかなか面白い対比だと思います。
土、日は多くの店が閉まるので、活気のある雰囲気を感じたいなら平日に行くのがおすすめです。
かつての栄華を現在に伝える遺跡、”ヘラクレア・リンケスティス”
ビトラ中心街から南に1.5kmほど。
住宅街の中に突如として表れるのが、マケドニアが栄華を誇ったマケドニア王国時代に起源を持つヘラクリア・リンケスティス(Heraclea Lyncestis)遺跡です。
遺跡としての規模は大きくはないものの、マケドニアの歴史を知る上でとても興味深いスポット。
というのもこの遺跡。
マケドニアが誇るアレキサンダー大王の父であるフィリッポス二世が、紀元前4世紀頃に築いた町であるためです。
かつては東ヨーロッパからインドまでの広大な地域を支配下に置いたマケドニア王国。
しかし、アレキサンダー大王死後はその栄華はあっという間に潰えてしまいます。
その後は他のバルカン諸国と同様に、ローマ帝国の支配下に置かれることになったマケドニア。
ローマ帝国時代には、ビザンティウム(現在のイスタンブール)とアドリア海沿岸のドゥラキウム(現在のアルバニア・デュラス)を結ぶエグナティア街道の中継地点として栄えたのがビトラの町でした。
そのため、ヘラクレア・リンケスティス遺跡に残っているのは、主にローマ帝国後期~ビザンツ帝国時代(4世紀~6世紀)のもの。
ローマ式浴場跡や、バジリカ(聖堂)跡など、かなり保存状態が良い遺跡を見ることができます。
かつてアクロポリスとして利用されていた小高い丘の上には、ローマ式の円形劇場が。
こちらも保存状態は良く、遺跡全体を眺めることができます。
ヘラクレア・リンケスティス遺跡で見逃せないのが、精巧なモザイク画の数々。
主にビザンツ帝国支配時代(4世紀~10世紀ごろ)のもので、鳥やブドウの木などをモチーフにしたモザイク画は素晴らしいのひとことです。
ヘラクレア・リンケスティス遺跡ですごかったのが、見学者用の歩道がほとんど整備されていない点。
つまり、見学客は2000年前の遺跡に登ったり、1000年以上前のモザイク画を踏んづけながら遺跡を散策することになるのです(笑)
「こんなんでいいの?」と思ってしまいますが、いいんです。
それがマケドニア(笑)
見るだけでなく、全身で楽しめる古代遺跡(笑)、ヘラクレア・リンケスティス。
そういう方向で売り出したら、もっと観光客が来そうなものですが、いかがでしょうか。
(のぶよ以外に、家族連れが一組いるだけで、なんとも寂しい雰囲気でした。)
遺跡内では現在でも発掘作業が続けられています。
もしかしたら世紀の大発見がなされ、一躍注目を浴びる日が来るかもしれません。
インフォメーション
ヘラクレア・リンケスティス遺跡
営業時間:全日 8:00~18:00
料金:120Den(=¥227)
ビトラへの行き方・アクセス情報
ビトラへのアクセスは、バスか電車のいずれかとなります。
バスステーションと鉄道駅は隣り合わせになっており、いずれも中心街までは徒歩10~15分ほどの距離に位置しています。
スコピエやプリレプなど北方面へ向かうなら、鉄道が安くて便利。
オフリドへは鉄道が走っていないため、バスを利用することとなります。
ビトラ~スコピエ間の移動
北マケドニアの首都・スコピエとビトラ間の移動は、安くて景色が良い鉄道がおすすめ。
都合に合う時間帯の列車がない場合は、バスを利用することとなります。
バス
運行頻度:1時間に1本
所要時間:3時間半
料金:470Den(=¥895)
鉄道
運行頻度:1日3本
所要時間:3時間半
料金:210Den(=¥400)
ビトラ~オフリド間の移動
世界遺産の町・オフリドとビトラ間は、1日6~10本のバスが走っています。
所要時間:1時間半
料金:210Den(=¥400)
ビトラ~プリレプ間の移動
超穴場の絶景スポット「マルコの塔」を有するプリレプ(Prilep)への移動は鉄道が便利。
ビトラ~スコピエを結ぶ路線が、途中必ずプリレプを経由します。
バスも多くの本数が走っているので、時間帯によっては利用価値があります。
バス
運行頻度:1日10本
所要時間:1時間
料金:130Den(=¥247)
鉄道
運行頻度:1日3本
所要時間:40分
料金:98Den(=¥185)
ビトラの宿情報
Hostel Domestika
料金:600Den(=¥1142)
部屋:トリプルルーム一名利用 (バス・トイレ付)
立地:7/10
バスステーション・鉄道駅から徒歩5分。
荷物を持って長い距離を歩く必要がない便利な立地です。
中心街へも徒歩5~10分ほどで観光にも便利。
周りには商店の一つもなく、食事や買い物には少々不便でした。
アクセス:8/10
少し奥まった場所にありますが、バスステーションから中心街方面に歩いていくと、看板が目に入るので簡単に見つけられます。
入口のドアは常に開いており、従業員がいつもいるので簡単にチェックインできます。
スタッフ:7/10
マケドニア人のおばさんたちが経営しているホステル。
一人のおばさんはとても親切で、いろいろと話しかけてくれたのですが、もう一人は必要最低限のコミュニケーションといった感じでした。
清潔さ:6/10
この値段で個室に宿泊できるので、あまり大きなことは言えませんが、とにかく設備が古いです。
清掃はされており、いちおう清潔には保たれているものの、やはりボロさは否めません。
設備:8/10
かつてレストランだったのか、かなり本格的な厨房があり、自炊も可能です。
開放的な庭もあり、のんびりとくつろぐことができます。
wi-fi:6/10
場所にもよるのですが、wi-fiは不安定に感じました。
特に、部屋のwi-fiの電波が弱く、動画を見るとフリーズしてしまいます。
雰囲気:7/10
ホステルとは名ばかりで、実際は個室のみのゲストハウスといったところ。
庭に行けば、他の宿泊客とコミュニケーションをとることもできますが、基本はみんな個室で過ごしている感じでした。
格安で静かに滞在したいならアリだと思います。
総合:7.0/10
この値段で、バスステーション近くの個室に宿泊できるコストパフォーマンスの良さが一番の魅力な宿。
施設の古さは否めませんが、決して汚いわけではないので、気にしない人なら快適な滞在ができると思います。
中心街の観光にも、バスステーションや鉄道駅へのアクセスにも便利な立地も魅力的でした。
おわりに
首都のスコピエや世界遺産のオフリドばかりに注目が集まる北マケドニア。
ヘラクレア・リンケスティス遺跡以外には、そこまで目立った観光スポットはないビトラですが、良い意味で「マケドニアの日常」に出会える町です。
ビトラを愛し、ゆったりした日々の生活を楽しむ人々のライフスタイルを覗けることが、ビトラの一番の見どころかもしれません。
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