こんにちは!2025年のジョージア旅も無事終了、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ジョージアという国の中で最も面積が小さく、最も観光客に見過ごされているエリアといえば、西部のグリア地方。
何を隠そう、ジョージア滞在も5年以上に及ぶのぶよ自身もグリア地方はずっとノータッチで通り過ぎるだけだったくらいなので、マイナーofマイナーといった称号(?)がふさわしいエリアと言えるかもしれません。
西には黒海ビーチ、東には小コーカサスの険しい山々が聳え、それらの間に広がる平野部では素朴な地方部らしい風景が広がるグリア地方。
THE・定番スポット!のような有名観光地にこそ恵まれていないものの、知れば知るほどに魅力が感じられる「ジョージアの隠れた秘宝」のような素敵なエリアなのです。
そんなグリア地方において最大の人口を有する町であり、経済的・文化的な中心として機能するのが、オズルゲティ(Ozurgeti / ოზურგეთი)です。

観光地としては全く整備されていないオズルゲティですが、人口は4万人ほどでグリア地方的にはとても大きな町。
一見すると、ソ連時代の建造物とリノベーションされた建物が混在する「よくあるジョージアの地方都市」といった印象を与えますが、滞在すればするほどに隠れた魅力に気が付くことができるはずです。
オズルゲティがどんな町であるのか…ひとことで表すなら「ジョージアでも唯一無二のレトロ感と絶品グルメの町」です。


オズルゲティは食材の宝庫であるグリア地方の中心的な町ということもあり、近郊の村から新鮮で質の良い食材が一堂に会する場所。
黒海からの湿った風が小コーカサス山脈にぶつかることで、適度な湿度を含んだ良質な空気が生み出されるそうで、温暖な気候と土壌の良さを背景とした絶品グルメの町という顔を持ち合わせているのです。
また、オズルゲティが位置するグリア地方といえば、ジョージア最大のお茶の産地としても有名。
近郊にはソ連時代に開発された茶畑や製茶工場が点在するアナセウリ地区があり、ジョージアのお茶文化を存分に堪能することができるのです。


このように、単なる「観光」以上の楽しみ方ができるのがオズルゲティの良さ。
町全体を包み込むようなソ連レトロ感も、活気あふれるバザールの雰囲気も、若者主導で進められているウォールアートプロジェクトも…全てが絶妙なバランスでこの小さな町を特徴づけています。

というわけで今回の記事は、オズルゲティの観光情報を徹底解説するもの。
見どころや絶品グルメが食べられるレストランはもちろん、個人での詳細なアクセス情報までを網羅しています。
もはや日本人旅行者など訪れるはずもないような地方都市ではありますが、オズルゲティはグリア地方観光の拠点としてはぴったり。
のんびりと滞在しながら周辺に足をのばしたり、名物グルメに挑戦したりするスタイルでの旅にはもってこいです!
オズルゲティ観光マップ
ピンク:ウォールアート&ソ連芸術
緑:オズルゲティ近郊の見どころ
赤:おすすめレストラン
紫:ゲストハウス
灰色:鉄道駅
茶色:近郊バスステーション
黄色:長距離バスステーション
オレンジ:アナセウリ行きマルシュルートカ発着ポイント
オズルゲティ市内の見どころ

オズルゲティ市内の見どころには限りがあり、そのほとんどはこぢんまりとした中心街に集中しています。
観光スポットを順番に周るスタイルよりも、この町独特のレトロでのんびりとした雰囲気を味わいながら気ままに散策するのがおすすめ。
オズルゲティ中心街にはとにかくたくさんのアート作品が点在しているので、お気に入りのものを探すのも楽しいです。
オズルゲティ中央広場

オズルゲティの見どころの多くが集中しているのが、中心街を東西に連なるオズルゲティ中央広場一帯。
歩行者専用のプロムナード兼公園のような空間となっており、市民の憩いの場として機能しています。
オズルゲティ中央広場を中心としたエリアは、近年の大規模リノベーションによって生まれ変わったもの。
外壁こそ新しくなっているものの、建物のほとんどはソ連時代の建造で、なんとも独特なソ連的風情が感じられます。
中央広場の東端に堂々と立つ巨大な建造物が、オズルゲティ・ドラマシアター(Ozurgeti Drama Theater / ოზურგეთის სახელმწიფო დრამატული თეატრი)。【マップ 青①】
ソ連時代に建設された文化施設で、現在でも現役で稼働しています。▼

ドラマシアターの正面ファサード上部には見事なレリーフが。
こちらはグリア地方出身のアレクサンドル・ツツナヴァという映画監督の姿をオマージュしたものだそうです。
ドラマシアターから道路を挟んですぐ西側、近代的な警察署の建物の影に隠れるようにあるのが、グリエリ浴場(Gurieli’s bath / გურიელის აბანო)。【マップ 青②】
オズルゲティを含むジョージア西部地域がビザンツ帝国の影響下にあった5世紀(1600年前)に建設された浴場跡で、現在のオズルゲティに残る史跡の中で最も古い建造物とされています。▼


グリエリ浴場の規模はかなり小さなものですが、かつては二階建ての立派な建物だったそう。
保存は全くちゃんとされていないため荒れ放題で、言われなければこれが浴場跡だとは気が付けないほどです。
オズルゲティ中央広場を西へと歩いていくと、プラタナスの木々の隙間から顔を覗かせる美しい教会が。
オズルゲティのメインの祈りの場である聖母昇天教会(Assumption Church / ღვთისმშობლის მიძინების საკათედრო ტაძარი)です。【マップ 青③】▼


聖母昇天教会は、白亜の外観とともに内部も真っ白で統一された美しい造り。
中心街ど真ん中と言う場所柄もあってか、多くの人が立ち寄っては祈りを捧げていく姿が常に見られます。
オズルゲティ中央広場の最も西側には、周辺の建物とは意匠を大きく異にした優雅な雰囲気の建物が。
こちらは1860年代に完成したグリエリ宮殿(Guriei Palace / გურიელის სასახლე)と呼ばれるもので、元々は当時半独立状態にあったグリア地方の侯爵一族の宮殿として建設されたものです。【マップ 青④】▼

パステルイエローの外壁と、曲線が上手く用いられたデザインは、当時のオズルゲティの雰囲気を現在に伝える貴重なもの。
現在の宮殿はジョージア正教会の所有となっており、一般人が内部に立ち入ることができない点が残念です。

▲グリエリ宮殿のすぐ隣には、グリア地方地方部の伝統的な様式の建物がぽつりと残っています。
こちらはエクヴティメ・タカシュヴィリ考古学博物館(Ekvtime Takaishvili Archaeological Museum-Reserve / ექვთიმე თაყაიშვილის სახელობის მუზეუმ-ნაკრძალი)と呼ばれる場所。【マップ 青⑤】
グリア地方の伝統的な建築や歴史的資料を展示する無料のミニミュージアムとなっています。


オズルゲティ中央広場周辺から少しはずれると、まるでどこか地方部の小さな村のような雰囲気になるのも面白い点。
グリア地方の伝統的な様式である半木造の民家もちらほらと残っており、素朴で昔ながらの風景を堪能することができます。
オズルゲティ・バザール

個人的にオズルゲティ観光のハイライトだと思うのが、中心街南側一帯の広大な敷地に広がるオズルゲティ・バザールの散策。【マップ 青⑥】
ジョージアのある程度の規模の町であれば必ずあるバザール(市場)ですが、「時が止まったような雰囲気」という点においてはオズルゲティのバザールの右に出る場所はないかもしれません。
もはや2025年の風景とは思えないような、レトロで昔ながらの雰囲気がかなり色濃く残っており、迷路のようにごちゃごちゃした敷地内をただ歩いているだけでも楽しいです。


オズルゲティ・バザールには屋内市場という概念が存在しないのも特徴的。
すべての露店は屋外に並んでおり、雨よけ&日よけのビニールシートで覆われています。

オズルゲティ・バザールで売られているのは、近郊で採れた新鮮な野菜・果物類をはじめ、自家製の加工食品や衣料品、何に使うのか見当もつかないような道具類まで何でもござれ。
グリア地方の特産品であるお茶やヘーゼルナッツ、黒海で採れた新鮮なハムシ(カタクチイワシ)まで、食の宝庫グリア地方を象徴するようなラインナップです。


バザールの敷地のすぐ外は、大小さまざまな商店が立ち並ぶ「市場の延長」といった雰囲気。
オズルゲティ全体で最も活気があるエリアで、朝から夕方まで常に多くの人で賑わっています。


オズルゲティのバザールに漂う雰囲気や、なんとも言えない時が止まった感は、まさに絵に描いたような古き良きジョージアそのもの。
観光客がほとんどやって来ない町ということもあってか、露店の人たちが外国人に興味津々である点も面白いです。

観光地化が進みつつあるジョージアという国において、ここまで人の感じが素朴でローカルな雰囲気が強く残っているオズルゲティのバザールは、もはや奇跡のような存在。
滞在中に何度も通いたくなる、奥深い魅力を味わい尽くしましょう。
エカディアの聖ギオルギ教会

オズルゲティの中心街からブジュジ川を挟んだ対岸、小高い丘の上に凛と佇む白亜の教会がエカディアの聖ギオルギ教会(Ekadia’s St. Giorgi Church / ექადიის წმ. გიორგის სამრევლო)。【マップ 青⑦】
バトゥミやコブレティ方面からオズルゲティへと向かう際に最初に目に入る建造物であり、オズルゲティ中心街からもその神々しい姿が間近に見えます。


教会が立つ場所には元々中世に別の教会があったそうですが、長い歴史の中で廃墟に。
現在の建物は後年になって再建されたもので、歴史的価値は薄めです。
しかしながら、わざわここまで足をのばすべき最大の理由は、教会敷地内からの眺め。
オズルゲティ中心街の町並みとブジュジ川のゆったりとした流れはもちろん、小コーカサスの山々までを一望することができるのです。▼

エアディアの聖ギオルギ教会は、オズルゲティ中心街から徒歩20分ほど。
距離的には1kmもないほどですがまあまあな勾配の坂道を登ることとなるので、心の準備をしておきましょう。
ウォールアートめぐり

ここ数年のオズルゲティは、オズルゲティ中央広場周辺エリアの再開発プロジェクトとともに大きく生まれ変わりました。
再開発プロジェクトの一環として地元の若者たちによって進められたのが「アートの町」としてオズルゲティをPRすること。
リノベーションされた建物の壁に色鮮やかでポップなウォールアートを施すのがメインの活動となっており、地元アーティストはもちろん海外アーティストも参加する一大ムーブメントとなっています。
オズルゲティ中心街を歩いていると、とにかくたくさんのウォールアートに出会うはず。
ここではのぶよが滞在中に発見したアート作品をいくつかピックアップしてみました。
ゴミスムタの風景【マップ ピンク⑨】

オズルゲティの南にある小コーカサスの山村・ゴミスムタがテーマの美しい作品。
現地の乗馬文化が色濃く反映されており、淡い色合いも素敵です。
ソ連アートめぐり

ここ数年の間に進められたウォールアートプロジェクトに加えて、オズルゲティにはかつてのソ連時代に施されたソ連アートが点在しているのもポイント。
モザイクアートからレリーフ、銅像まで…再開発で美しく生まれ変わった町を彩るアクセントとして、どれも独特な存在感を放っています。
オズルゲティの地ビール「オズルゲトルディ」を味わう

オズルゲティで絶対に忘れてはいけないのが、この町ならではの地ビール「オズルゲトルディ」(Ozurgetudi)を味わうこと。
オズルゲトルディはTonusiというレストラン併設の醸造所で生産されているご当地ビールで、ここグリア地方内でしか出回らないという幻のビールです。
Tonusiでももちろん飲むことができますが、オズルゲティ中心街にはオズルゲトルディをペットボトルに注いで売ってくれるビール屋もいくつか。
利用しやすいのは、バザール近くにあるこちらのビール屋です。【マップ 青⑧】▼


ビールは1Lから注文することができ、価格は1Lあたり4GEL(=¥200)とリーズナブル。
オズルゲトルディはもちろん、バトゥミのご当地ビールである「バトゥムリ」も置いてあるので、ジョージア西部ご当地ビール飲み比べもできます。

オズルゲトルディの味わいは、キレが強めな正統派ダークラガー。
湿度が高いオズルゲティの気候と絶妙にマッチするすっきり感は、クセになること間違いなしの美味しさです。
オズルゲティ周辺の見どころ
市内の見どころはかなり限られているオズルゲティですが、近郊には気軽に足をのばせるスポットがたくさん。
市内観光よりも、むしろ近郊スポットへの訪問がオズルゲティ観光のハイライトとなるでしょう。
ここではオズルゲティ周辺に数ある見どころの中から、アクセスしやすくサクッと訪問できる場所をいくつか紹介します。
シェモクメディ修道院

オズルゲティ近郊で必見のスポットが、シェモクメディ修道院(Shemomedi Monastery / შემოქმედის მონასტერი)。【マップ 緑①】
オズルゲティ中心街から5kmほど離れたシェモクメディ村の小高い丘の上に堂々とたたずむ姿が、とても印象的です。
シェモクメディ修道院を訪問した旅行者がまず感嘆するのが、修道院の建物の外壁に使用されている石の色。
青みがかった石とオレンジっぽい色の石がマーブル模様のようになっており、独特の姿を見せます。


シェモクメディ修道院の敷地は12世紀(900年前)建造のメインの聖堂と、16世紀(500年前)建造の変容教会、同じく16世紀に建設された鐘楼の三つの建造物で構成されています。
中でも圧巻なのが、最古の建造物であるメイン聖堂。
聖堂内は壁から天井に至るまでオリジナルのフレスコ画でびっしりと覆われており、何とも言えない神聖な雰囲気が漂っています。

メイン聖堂内のフレスコ画は事案の流れとともにかなり傷んでいるものの、これもまた味わい。
現在フレスコ画の修復プロジェクトが進められており、将来的にはもうオリジナルのフレスコ画は見られなくなってしまかもしれません。


メイン教会に併設される形でたたずむ変容教会は、規模はやや小さめではあるものの圧巻。
変容教会内には、西ジョージアで最も格式が高い聖地の一つであるザルズマ修道院から持ち込まれたイコン画が保存されていることでも知られています。


シェモクメディ修道院は、中世以降の混乱の時代において、各地からイコン画や貴重な宝物が持ち込まれてきた歴史を持つ場所。
そのため、ジョージア西部がオスマン帝国の支配下にあった時期でも、この場所ではキリスト教文化が細々と守り抜かれてきたのです。


シェモクメディ修道院は建築や歴史も素晴らしいですが、敷地内からの眺めの良さでも有名。
修道院すぐそばの場所にあるビューポイントからはグリア地方の大地の風景と、コーカサスの山々の風景を一望することができます。
アナセウリ

オズルゲティ中心街の南3kmほどの丘陵地帯に広がるのが、アナセウリ(Anaseuli / ანასეული)という地区。【マップ 緑②】
オズルゲティから簡単にアクセスすることができ、滞在中にぜひとも訪れたいスポットです。
アナセウリといえば、グリア地方の特産である茶葉の一大生産地として栄光を極めた場所。
ジョージアがロシア帝国の支配下にあった19世紀にグリア地方一帯で始められたお茶栽培は、その後20世紀のソ連時代に機械化が進められ、ここアナセウリには茶畑が造成され製茶工場がいくつも建てられました。


しかしながら、1991年のソ連崩壊によってアナセウリでのお茶生産は完全にストップ。
茶畑や製茶工場の多くはその後30年以上に渡って放置されることとなり、現在ではかつて「ジョージアのお茶の都」だった時代の残骸が点在するだけとなっています。
かつてのアナセウリには、ソ連構成国全域から多くの労働者がやって来てはお茶の生産に携わっていたそうで、最盛期の人口はなんと20万人を数えたのだそう。
労働者とその家族が生活していた共同住宅や、秀逸なモザイクが施された子供向けの公園などが点在しており、アナセウリの黄金時代を今に伝えます。


もはや完全に「終わってしまった地区」という雰囲気のアナセウリですが、地区内には唯一現役で稼働しているお茶工場があります。▼

こちらのお茶工場は、アナセウリで生産された茶葉を加工して緑茶や紅茶が生産されている場所。
希望すれば無料で工場内部の見学も可能ですが、お茶の収穫期以外は工場はストップしている点に注意しましょう(のぶよが訪問した12月は完全にお休み状態だった…)。


のぶよの場合はお茶の製造工程を見ることはできなかったものの、職員の人が誰もいない工場内部を案内してくれました。
なんともレトロな機材が並ぶ工場内には、茶葉を乾燥させるためのコーナーや仕分け用のコーナーなどがあり、まさにこの場所でお茶が作られていることが分かります。

アナセウリ一帯には、ロシア帝国時代~ソ連時代にかけて造成された茶畑も点在しており、お茶の時期であれば訪問してみるのも◎
例年5月半ばには新茶の収穫が行われるそうで、運が良ければ茶摘みの見学や参加もさせてもらえるかもしれません。
オズルゲティのレストラン&食堂情報

オズルゲティがあるグリア地方は、ジョージア西部地域を代表するグルメエリア。
温暖な気候と良質な水に支えられた素材を使用した料理の数々はどれも美味しく、どこで何を食べてもはずさないと断言できるほどに食のレベルが高いです。
ここでは、オズルゲティ滞在中にぜひとも訪問したい飲食店をいくつか紹介します。
グリア地方ならではのご当地グルメが味わえる店もあるので、旅の醍醐味が堪能できるはず!
①とにかく美味しい居酒屋風レストラン【Pirosmani】

オズルゲティの地元の人たちに人気の店で絶品料理が食べたいなら、問答無用で行くべき店がPirosmani。【マップ 赤①】
オズルゲティ鉄道駅からほど近い場所に位置している大衆居酒屋のようなお店です。


外観も店内もかなり凝った造りになっており、店内には個室席や大宴会場も完備されているPirosmani。
価格帯はそこまで安いというわけではないものの、高いわけでもないといった感じ。豊富なメニューはどれも自家製でちゃんと調理されています。






とにかく何を食べてもはずれないPirosmaniですが、ぜひとも挑戦したいのが豚肉のオーストリ。
オーストリとは牛肉とトマトを煮込んだシチューのことですが、豚肉が使用されるのはここグリア地方くらいなのでかなり珍しい一品です。


たっぷりの玉ねぎとともに煮込まれた豚肉は、信じられないほどのとろっとろ食感。
見た目的にはこってりしているように思えますが、塩気は薄め&油の量も控えめであっさりとしています。
また、グリア地方をはじめとするジョージア西部地域の名物であるプハリの盛り合わせも絶品。
プハリとは野菜のくるみ和えの総称で、Pirosmaniでは定番のなすやパプリカに加えて、エカラという山菜のプハリも食べられます。▼


いずれの料理もボリューム満点かつ味つけはあっさり目で、愛情をこめて調理されているのが舌で感じられるような優しい味わい。
オズルゲティでご当地感のある食事がしたい人には、心からおすすめしたい素敵なお店です。
②家族経営のローカル居酒屋の絶品料理【Maspinzeli】

オズルゲティでローカルな雰囲気のお店を探しているなら、鉄道駅近くのMaspinzeliという家族経営の居酒屋がおすすめ。【マップ 赤②】
レトロな外観とやや独特なセンスの店内の雰囲気が特徴的で、こちらも地元の人たちが集まる場所です。


Maspinzeliのメニューはかなり豊富で、価格帯はすでに紹介したPirosmaniよりもやや安め。
メニューはジョージア語表記のもののみというハードモードですが、店の人たちが優しいので助けてもらえるはずです。





Maspinzeliでぜひとも食べてほしいのが、鶏肉と卵とお酢のスープであるチヒルトゥマ。
チヒルトゥマはジョージア東部カヘティ地方が本場とされる料理ですが、オズルゲティのチヒルトゥマも負けていません。


▲注文が入ってから調理されているためか提供にはやや時間がかかるものの、その美味しさは確かなもの。
鶏出汁の旨味が存分に出たスープが細胞の隅々に渡るまで染み渡るほどの深い味わいで、あっさりとした味付けも素晴らしいです。
お店のお兄さんがおすすめしてくれたヒンカリも、文句なしの絶品。
やや厚めの手作りの生地の中には、あっさりした味付けの挽き肉がたっぷりと詰まっており、肉本来の旨味が存分に感じられます。


家庭的であっさりとした味付けの絶品手作り料理が食べられる小さな居酒屋の料理は、どれもどこかほっとするような優しい味わい。
リーズナブルな価格で食事したい人にはもちろん、オズルゲティならではのローカル感に浸りたい人にもおすすめのお店です。
③大人気の肉汁びっちゃりバーガー!【Terrace Pub】

伝統的なジョージア料理以外のものが食べたいときは、鉄道駅の向かいにあるTerrace Pubへ行ってみるのも◎【マップ 赤③】
その名の通りヨーロッパのどこかの国にありそうな小さなパブをテーマにしたお店で、オズルゲティの若者の間で話題になっているお店です。


Terrace Pubのメニューは、パブらしい軽食からジョージア料理の定番までが揃ったもの。
価格帯も安めで、色々と試してみたくなるラインナップです。▼


のぶよが注文したのは「オズルゲティで一番美味しい」と噂されるハンバーガー。
手作りのパテに濃厚なチェダーチーズと特製ソースが入ったもので、これがもう信じられないほどに肉汁でびっしゃびしゃなのです。

ひと口かぶりつくだけでもパテから漏れ出した肉汁が滝のように滴り落ち、ジューシーで芳醇な肉の風味は感動もの。
ソースもべっちゃりとしておらず、全体的に「肉の美味しさを味わうためのバーガー」といった感じです。
とても食べにくいのが難点ではありますが、とにかく美味しさは抜群。
定番のジョージア料理以外でもレベルが高い料理が食べられるという点に、グルメの町オズルゲティの底力が感じられます。
④オズルゲティ最古のビール工場併設店で絶品ヒンカリ!【Tonusi】

オズルゲティのバザール地区の端でひっそりと営業しているTonusiは、地元の人々に強く支持される庶民的なレストラン。【マップ 赤④】
Tonusiは元々オズルゲティ初のビール醸造所としてオープンした場所で、現在でも自家製のビール「オズルゲトルディ」が店の裏で生産されているのが特徴。
自家製ビールとともに食事ができるレストランが後から併設され、現在の店の形になりました。


店内は一階の室内席に加え、二階には開放的なテラス席も。
広々としていて雰囲気も良く、店員の感じも悪くありません。
Tonusiではぜひとも自家製のビールを頼みたいものですが、それ以外のフードメニューもかなり充実。
グリア地方ならではの郷土料理も数品置かれており、豊富なメニューの中から何を注文しようか迷ってしまうかもしれません。


グリア地方郷土料理も良いのですが、のぶよ的にこのお店のおすすめ料理はヒンカリ。
数回訪問しては毎回ヒンカリを注文しているのですが、味にブレがなくいつでも最高に美味しいヒンカリを提要してくれるのです。

Tonusiのヒンカリは、肉の旨味が強く感じられる絶妙な味付け。
「グリア塩」と呼ばれるグリア地方ならではのスパイスソルトが使用されており、ややピリ辛の風味が肉の味を最大限に引き立てています。


ヒンカリが美味しいレストランはジョージア全国に存在しますが、のぶよ的にTonusiのヒンカリはかなり上位にランクインする美味しさ。
注文は最低10個からとなる点がネックとなりますが、本当に感動的に美味しいのでぜひとも食べてみてほしいです。
オズルゲティの宿情報
オズルゲティを訪問する旅行者を悩ませるのが、宿泊施設の少なさ。
観光地化がほとんど進んでいないこともあってか、ジョージアの同規模の町と比べてオズルゲティの宿泊施設はとにかく数自体が限られているのです。
ちゃんとしたホテルタイプの宿にも限りがあり、宿代相場も概して高めなので、正直オズルゲティはのんびりと数日滞在するのには向かない町かも。
宿の選択肢が豊富で宿代相場がかなり安いコブレティを拠点に観光するのも一つの手かもしれません。
ここではのぶよがオズルゲティで宿泊した町で最安値のゲストハウスを紹介します。
心からおすすめ!という宿ではないものの、オズルゲティ&周辺観光にはかなり便利な立地です。
【Hostel Ozurgeti】

・部屋タイプ:トリプルルーム一人利用 ※トイレ/シャワー共用
・料金:40GEL(=¥2000)
・立地:10/10
オズルゲティの中心街すぐそばにある最高の立地が◎
バザールまで徒歩3分、バスステーションがあるエリアまでも徒歩7分ほどで、商店や飲食店に困ることもありません。
・アクセス:4/10
宿には看板は出ておらず、一見すると普通の民家であるため、かなり分かりにくいのがマイナス。
到着後は宿の人に直接電話して来てもらう必要があるので、なかなか面倒です。
チェックイン自体はスムーズですが、もう少し入口を分かりやすくしてほしいところです。
・スタッフ:7/10
愛想の良い家族が自宅の離れをゲストハウスとしている、ジョージア地方部によくあるスタイル。
家族が住む棟とは別の建物に宿泊するので、チェックイン時以外にはほとんど絡みはありません。
・清潔さ:8/10
建物にはやや年季が入っているものの、清掃はしっかりとされています。


部屋もトイレやシャワーも問題なく清潔で、キッチンも殺風景ながらも掃除はちゃんとされています。
・設備:6/10

宿泊予約サイトには「エアコンあり」と記載されていますが、実際には扇風機か電気ヒーターを使用することになるのがマイナス。
それ以外は必要なものはだいたい揃っているので、不便を感じることはありません。
気になったのが、部屋のコンセントの少なさ。
ベッド横にコンセントはあるのですが充電するには微妙な位置なので、かなり不便を感じました。
また、節約のためか湯沸し器の電源が基本的にOFFにされており、シャワーを浴びたい際は宿の人に言ってボイラーをONにしてもらい、お湯が沸くまで1時間ほど待たねばならないのもストレス。
キッチンの調理器具に関してはある程度揃っており、不満はありませんでした。
・ベッド&部屋:8/10

部屋はかなり広々としており、開放感があります。
ベッドの寝心地も悪くありませんが、枕が少し柔らかすぎたのが個人的にマイナス。
また、部屋には豆電球が一つしかないため、電気をつけてもやや暗い感じがしました。
・Wi-Fi:8/10
インターネットは宿の敷地全体で問題なく接続できます。
スピードはまあ可もなく不可もなくといったところですが、普通に使用する分には特に問題ありませんでした。
・雰囲気:7/10

宿名は「ホステル」となっていますが、実際は個室が二部屋だけのゲストハウスなので、他の宿泊客との絡みなどは一切なし。
一日を通してかなり静かなのですが、ちょっとうらぶれたような暗い雰囲気を感じるかもしれません。
宿泊棟の下にはちょっとした中庭があり、中心街とは思えぬほどにのんびりした雰囲気の中でくつろぐことも可能。
アパート滞在のような感覚でプライベートな空間を大切にしながら過ごしたい人には良いかなと思います。
・総合:7.4/10
全体的に「もう少し色々と手をかければ良くなるのに…」といった印象の宿でした。
キッチンの設備は整っているのにあまりにもやっつけ工事な殺風景さだったり、部屋が無駄にだだっ広くて薄暗いのもややマイナス。
正直、これで40GELは高すぎるかなというのが正直な感想です(30GELだったらまあOK)。
しかしながら、立地だけはとにかく抜群。
数日間の滞在であればまあ快適に過ごせますし、宿泊にあまりお金をかけたくない人にはおすすめです。
オズルゲティのアクセス・交通情報

オズルゲティを訪れる旅行者を困らせるのが、市内に交通ターミナルが複数あること。
長距離便か近距離便かによって以下の通りに発着ポイントが大まかに分かれているのですが、例外も多々あるので注意が必要です。
・鉄道(トビリシのみ):鉄道駅【マップ 灰色】
・グリア地方内の短距離移動:近郊バスステーション【マップ 茶色】
・ジョージア他地域との長距離移動:長距離バスステーション【マップ 黄色】
・グリア地方の山岳地域:近郊バスステーション【マップ 茶色】
オズルゲティはグリア地方の交通のハブとして機能している町なので、近郊交通はかなり充実している印象。
夏季限定でゴミスムタやバフマロなどグリア地方山岳地方方面へのマルシュルートカも運行しており、旅行者の強い味方です。
オズルゲティ~グリア地方内の近郊交通

オズルゲティ~グリア地方内の各町間の移動手段は、マルシュルートカのみ。
基本的に中心街東側の近郊バスステーションの発着【マップ 茶色】となりますが、いくつか例外もあるので注意が必要です。

オズルゲティ~シェモクメディ修道院間には新型の路線バス5番が走っており、旅行者でも利用しやすいです。
路線バスはオズルゲティ中心街の駐車場が始発ポイントとなりますが、近郊バスステーションを必ず経由してシェモクメディ方面へ向かうルートをとります。【マップ 茶色】
2025年現在の時刻表は以下の通りです。▼

シェモクメディ修道院の入口にあたる分岐点に到着したら下車し、あとは修道院まで20分ほど登り坂を歩いていくだけです。

路線バス5番は修道院入口よりもう少し先の集落が終点となり折り返すルートなので、帰りは修道院入口の分岐点からオズルゲティ方面へ走ってくるバスに途中乗車すればOKです。

オズルゲティ~アナセウリ間にはマルシュルートカが走っているので便利。
オズルゲティバザール近くのT字路から毎正時(10:00/11:00…)の出発です。

アナセウリに到着したマルシュルートカは、集落の最も奥まで向かってそのままオズルゲティに折り返すルート。
帰りの便も簡単に乗車することができます。

グリア地方の黒海ビーチリゾートであるウレキ~オズルゲティ間には、マルシュルートカが走っています。
ウレキ行きのオズルゲティでの発着ポイントは長距離バスステーション【マップ 黄色】なので注意しましょう。

ウレキ→オズルゲティ方面の場合は、ウレキ鉄道駅の北100mほどの駐車場にあるバスステーション(らしきもの)の発着です。▼
オズルゲティ~ジョージア他都市間の長距離交通

オズルゲティ~ジョージア各都市間の長距離交通は、基本的にマルシュルートカがメイン。
トビリシとの間のみ2日に1本鉄道が走っているので、日程が合うならこちらを利用することも可能です。
長距離便のオズルゲティ側の発着ポイントは、例外なく長距離バスステーション【マップ 黄色】なので分かりやすいです。
【鉄道】
トビリシ~オズルゲティ間の移動なら、鉄道を利用することも可能です。
・トビリシ発9:00→オズルゲティ着16:18
・オズルゲティ発8:35→トビリシ着15:55
※いずれも2日に1本の運行なので注意
マルシュルートカ利用時よりも安く、ゆったりとした座席で快適に移動ができるのもメリット。
所要時間はやや長めですが、スケジュールさえ合えば断然鉄道利用がおすすめです。
【マルシュルートカ】
トビリシ~オズルゲティ便のトビリシ側の発着ポイントは、市内北部のディドゥベ・バスステーション。
1時間に1本ほどと頻発しており、利用しやすいです。
オズルゲティ側の発着ポイントは、中心街の長距離バスステーション。【マップ 黄色】
こちらも1時間に1本ほどと頻発しており、利用しやすいです。

ジョージア西部最大の都市・クタイシ~オズルゲティ間も、直行のマルシュルートカが30分~1時間に1本と頻発しています。
クタイシの中央バスステーションの建物裏手からの出発です。
オズルゲティ側の発着ポイントは、中心街の長距離バスステーション。【マップ 黄色】
こちらも1時間に1本ほどと頻発しており、利用しやすいです。

バトゥミ~オズルゲティ間のマルシュルートカは、バトゥミ旧市街近くのミニバス・ターミナル(オールドバスステーション)の発着。
1時間に1本運行しており、すべての便がコブレティを経由してオズルゲティが終点となります。
オズルゲティ側の発着ポイントは、中心街の長距離バスステーション。【マップ 黄色】
こちらも1時間に1本ほどと頻発しており、利用しやすいです。

コブレティ~オズルゲティ間には直行のマルシュルートカはないため、バトゥミ~オズルゲティ便を途中乗下車してのアクセスとなります。
コブレティ鉄道駅前のバス停でオズルゲティ方面へと向かうマルシュルートカを待機していればOKです。▼
オズルゲティ→コブレティ方面への移動も、バトゥミ行きを途中下車すればOK。
バトゥミ行きはオズルゲティの長距離バスステーション【マップ 黄色】から1時間に1本出発しています。
オズルゲティ~ゴミスムタ/バフマロ間の交通

グリア地方観光のハイライトとなる、小コーカサス山脈エリア。
ゴミスムタとバフマロの二大スポットが有名で、それぞれの村に夏季限定でオズルゲティからマルシュルートカが走っています。

個人でゴミスムタへアクセスする場合は、オズルゲティ中心街東側にある近郊バスステーション【マップ 茶色】から夏季限定で2日に1本のマルシュルートカがゴミスムタまでを結んでいます。
ゴミスムタ側の発着ポイントは、村の中心部にある広場。
夏季限定&スケジュールは毎年変更となる可能性があるので、事前の現地確認はお忘れなく。
オズルゲティ~ゴミスムタ間のマルシュは、基本的に座席の予約等は必要ありません。
当日出発時刻の少し前までにバスステーションで待機していれば問題なく乗車が可能です。
しかし、ピークシーズンにあたる7月半ば~8月半ばにかけての利用は、念のため前日までに運転手に電話連絡して席を押さえてもらうのが良いでしょう(オズルゲティのバスステーションの窓口の優しいおばさんに電話してもらうのが良いかも)。


オズルゲティ~ゴミスムタ間の道は完全に舗装されていますが、かなりのグネグネ道なので車酔いしやすい人は注意。
ゴミスムタ便のマルシュルートカの後方には広々とした荷物スペースがあるため、この区間に関しては荷物の心配は不要。
混雑具合にもよりますが、スーツケースでも問題なく積めると思います。

個人でバフマロへアクセスする場合、オズルゲティ中心街東側にある近郊バスステーション【マップ 茶色】から、夏季限定で1日1本のマルシュルートカがバフマロまでを結んでいます。
オズルゲティ~バフマロ間のマルシュは、基本的に座席の予約等は必要ありません。
当日出発時刻の少し前までにバスステーションで待機していれば問題なく乗車が可能です。
しかし、ピークシーズンにあたる7月半ば~8月半ばにかけての利用は、念のため前日までに運転手に電話連絡して席を押さえてもらうのが良いでしょう(オズルゲティのバスステーションの窓口の優しいおばさんに電話してもらうのが良いかも)。


オズルゲティ~バフマロ間の道は完全に舗装されていてスイスイと進みますが、とにかくカーブが多くものすごい山道なので車酔いしやすい人は要注意。
2時間ほどの道のりの途中で一回休憩がありますが、それ以外は基本的にノンストップで進みます。
マルシュルートカの後方には広々とした荷物スペースがあるため、この区間に関しては荷物の心配は不要。
混雑具合にもよりますが、スーツケースでも問題なく積めると思います。
おわりに
オズルゲティの観光情報を徹底解説しました。
おそらく、オズルゲティに関する情報をここまで詳しく解説しているのは日本初であるはず。
この記事内の情報をベースにしながら、自分なりにオズルゲティという町の魅力を発掘してもらえたら何より嬉しいです。
個人的には、オズルゲティ観光はバフマロやゴミスムタなど小コーカサス山脈エリアの旅行と組み合わせてのプランニングがおすすめ。
グリア地方が誇る美しい風景の数々は、ジョージア旅行における忘れられない思い出となるはずです!






















































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