こんにちは!ジョージア滞在ももう6か月目ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ジョージアの首都・トビリシから北に20kmほど。
クラ川とアラグヴィ川の二つの川が合流する地点に開けた小さなムツヘタ(Mtskheta / მცხეთა)の町は、世界遺産に指定されているジョージア正教の修道院や聖堂を持つ町です。
小さなムツヘタの町のどこからでも見える、アラグヴィ川の対岸の山の頂上にたたずむのが、6世紀建造のジュワリ修道院。
もちろんこちらも世界遺産に指定されているのですが、町からの交通手段がないため、多くの旅行者はここに立ち寄らずに観光を終えてトビリシへ戻ってしまいます。
しかしながら、ムツヘタに来てジュワリ修道院に行かなければ何の意味もありません。
というのも、この場所はジョージア正教の中でも最上級に神聖な場所として、人々の信仰を一身に集めているためです。
山の頂上にあることもあって、ジュワリ修道院からの眺めは圧巻。
ムツヘタを代表する絶景が見られるのもポイントです。
今回の記事では、公共交通手段でのアクセスができないムツヘタのジュワリ修道院への徒歩でのアクセスを徹底解説したもの。
実際に歩いてみると道のりは結構複雑で、注意点もいくつか感じたのでシェアしていきたいと思います。
世界遺産!ムツヘタのジュワリ修道院へのアクセス方法3通り
ジュワリ修道院へ向かうバスやマルシュルートカ(ミニバス)は存在しません。
・タクシー
・現地ツアー
・徒歩
のいずれかでのアクセスとなります。
①ムツヘタ/トビリシからタクシー
最も簡単かつ旅行者の間でポピュラーなアクセス手段が、ムツヘタの中心街からタクシーをチャーターすること。
タクシーといっても、地元のおじさんたちが自家用車でお小遣い稼ぎにやっているものが多く、正規のものではない場合がほとんどです。
ムツヘタのバス停でマルシュルートカを降りると、客待ちのおじさんたちが「ジュワリ?タクシー?」と必ず声をかけてくるので、何の苦労もせずに利用することができるでしょう。
料金の相場はムツヘタ中心街~ジュワリ修道院の往復(観光の間の待機時間込み)で1台20GEL(=¥704)ほど。
複数人ならみんなで割ることができるので、かなりお得だと思います。
ちなみにムツヘタ行きのマルシュルートカが発着するトビリシのディドゥベ・バスターミナル(Didube)にもムツヘタまでの片道+ジュワリ修道院往復のタクシー移動を提案してくる客引きがいるので、個人でムツヘタまで移動するのが面倒な場合は利用するのも良いかもしれません。
ただしこちらは相場がないので、料金は要交渉です。
②現地ツアー
ムツヘタまでマルシュルートカで移動したり、現地でタクシーをチャーターすることが面倒な場合や、他の見どころも含めて効率良く観光したい場合は、トビリシ発着の現地ツアーに参加するという手もあります。
そもそもの物価が格安なジョージアなので、現地ツアーに参加してもかなりリーズナブルなのも嬉しいですね。
ジュワリ修道院やムツヘタを訪れるツアーはほぼすべてがトビリシの発着。往復の交通手段を考える必要がないのが最大のメリットです。
ツアーによっては、スターリン博物館があるゴリやウプリスツィ洞穴住居群をセットでまわる超お得&効率的なものも!
③徒歩
タクシーや現地ツアーを利用しない派の、のぶよのようなどケチな旅人であっても、ジュワリ修道院は両手を広げて受け入れてくれます。
山の上にあるとはいえ、歩いていけない場所なんてこの世にありませんから。
しかしながら、修道院まではハイキングコースが整備されているわけではありません。
何の標識もない道なき道を歩いたり、車が猛スピードで行き交う高速道路を避けて歩く必要があるため、実際の修道院までの道のりはは結構複雑。
次の項で、実際にのぶよが歩いたコースを紹介します。
「体力と気力だけはある!」という人のお役に立てますように…(笑)
ジュワリ修道院までの徒歩ハイキングコース
ジュワリ修道院が建つ山は、標高にして200mほど。
ムツヘタ中心街からは直線距離だと1kmも離れていません。
さほど高い山ではなく、距離も近くに感じるので簡単に歩いて行けるように思えますし、実際に歩いてみると全く難しいコースではありません。
しかしながら、その道のりの途中はかなり難あり。
・アラグヴィ川を渡るための橋が限られている
・修道院がある山の前に交通量の多い高速道路があり横断できない
・標識などが一切ない
などの理由から回り道をしなくてはならず、距離にして4kmほど/所要1時間ほどのコースとなります。
地図&事前知識なしで歩くのはほぼ不可能(というか危険)です。
ここからは、ムツヘタ中心街のバス停からジュワリ修道院の道のりを写真付きで詳しく解説していきます。
赤:ジュワリ修道院
緑:徒歩コース/目印
1.バス停~橋
トビリシ~ムツヘタ間を結ぶマルシュルートカ(ミニバス)は、実はムツヘタ旧市街が終点ではなく、そのさらに北にあるムツヘタの新市街まで向かいます。
ジュワリ修道院へ徒歩で歩く場合は、少しでも距離を短くできるように、上の写真のバス停で降りるのがおすすめです。
(旧市街で降りてしまうと+500mほど歩くこととなります)
バス停がある幹線道路からは、ずっと東方面に歩いていきましょう。
広大なテアトロニ公園(地図①)の中を歩いていきます。
途中までは舗装道路ですが、途中からは林の中を歩くコースになります。
バス停からテアトロニ公園を東へと1kmほど歩いたところで、アラグヴィ川に架かる橋(地図②)に到着します。
歩行者専用ですが、実はこちらがムツヘタで唯一アラグヴィ川の東西をつなぐ橋。
そのそもアラグヴィ川の東岸には高速道路とジュワリ修道院があるだけで民家は一軒もないので、他に橋を造る必要がないのかもしれません。
コンクリート製の丈夫な橋の上からは、美しい色のアラグヴィ川の流れが見られます。
2.高速道路沿いの脇道
橋を渡ったら、少し坂を登った右側にあるこちらの門をくぐって数十メートル歩くと、もの凄い交通量の高速道路にぶつかります。
高速道路を横断して向こう側に渡ってしまうのが最短ルートなのですが、やめておきましょう。
というのも、交通量が多く見通しの良い直線道路なため、どの車ももの凄いスピードを出しているため。
物理的に高速道路沿いを歩いていくことも可能ですが、こちらも相当危険&法律的にOKなのかわかりません。
のぶよのおすすめは、上の写真の分岐点(地図③)の右側に延びる沿道を進んでいくこと。
障害物で封鎖されてはいますが、別に立ち入り禁止なわけではなく、命には代えられません。
沿道を進んでいくと、廃墟となったレストランが二軒並んで立っています(地図④)。
奥のレストランのすぐ横に延びる獣道を進んでいきます。
獣道は20mほどだけで、その先は砂利道が広がっています。
工事用の重機があり、何かの工事をしているようでした。
廃レストランから砂利道を歩くこと400mほどで、高速道路の下をくぐって向こう側へ渡れるトンネル(地図⑤)があります。
これをくぐると、ジュワリ修道院がある山の麓へと到着です。
3.トンネル~山道
トンネルを出ると、右手の山の頂上に目的地であるジュワリ修道院が見えます。
しかしながら、右に行って修道院まで最短距離で登ろうとしても、切り立った崖で道がないため不可能。
分岐点(地図⑥)でいったん左に曲がって、山の稜線に沿うように登っていくしかありません。
分岐点を左に曲がって700mほどは緩やかな坂道が続きますが、山道入口(地図⑦)付近で右に曲がると、木々の間を結構な上り坂が続くコースになります。
800mほど登ると、次に紹介する舗装道路に合流します。
4.舗装道路
山道を登って舗装道路(地図⑧)に合流したら、もうジュワリ修道院はすぐそこ。
平坦な道を400mほど歩けば修道院入口に到着です。
のぶよは歩くのが早い方なので、50分ほど(途中道に迷ったりしつつ)で到着できましたが、一般的な人でも1時間ほど見ておけば問題なく歩けると思います。
あとは神聖な雰囲気漂う修道院内部を見学したり、ムツヘタの町の絶景を眺めたりとのんびり過ごしましょう。
観光には1時間もみておけば十分すぎるくらいです。
ジュワリ修道院へ徒歩でアクセスする際の注意点
ジュワリ修道院までの徒歩でのルートを写真付きで徹底的に解説しました。
これでルートに関してはバッチリなはずですし、スニーカーでも全く問題なく歩ける簡単な道のりなのですが、実際に歩いてみると危険だと感じた場面がいくつかありました。
ここではジュワリ修道院に徒歩でアクセスする場合のアドバイスや注意点などをシェアしていきます。
高速道路は横断NG!
徒歩ルートの途中で、あえて高速道路沿いを歩かないコースを紹介しました。
実は歩く前には「まあ渡れるでしょ!」と思っていたのぶよでしたが、実際にこの高速道路を目の当たりにするとそんな考えは吹き飛びました。
2車線の道路はどちらの方面もかなり交通量が多く、どの車も猛スピードなので本当に危険です。
ジョージアで最も神聖な聖堂のおひざもとでそんなことをしてバチが当たるのも怖いので(笑)、おとなしくこの記事で紹介している回り道ルートを行くことを強くおすすめします。
虫・ヘビ・野生動物に注意
ハイキングコースとして整備されているわけではない、ジュワリ修道院への徒歩ルート。
標識がないのはもちろん、虫やヘビ、野犬などに遭遇する確率が強いことも覚えておきましょう。
ジョージア全体に言えることなのですが、野犬は本当にどこにでもいます。
それぞれ縄張りがあるようで、気づかずに立ち入るともの凄い勢いで吠えまくってきます。
こちらが何か危害を加えたり刺激しない限り、噛まれる可能性は高くはありませんが、向こうは野生動物。
注意を払うに越したことはありません。
ヘビに関しては、生きているものを茂みで数匹と、鳥に頭を潰されて瀕死の状態のものを一匹見ました。(とても気持ち悪いので写真は自重します)
また、修道院の敷地内ではジョージアをはじめコーカサス地方にしか生息していないコーカサス・アガマというトカゲに遭遇しました。
(最初はイグアナかと思いましたが、後にこれだと判明しました。Twitterってすごい。)
こんにちは。調べてみたら、ジョージアの生物関連サイトで出てきたこれが似ていますがどうでしょうか。日本語名が分からないのですが、学名はParalaudakia caucasiaで、アガマ科(Agamidae)のトカゲです。https://t.co/hLAAmuGZwU
— Remi Kumagai (@nordlys75) July 5, 2020
珍しいもののようなので、これも修道院のご利益かもしれません(笑)
暑さ対策
徒歩コースの写真を見るとわかりますが、山道以外では日陰がほとんどありません。
夏場はかなり暑くなって、日差しも強いジョージアなので、6月~9月に訪れる場合は水分の用意や帽子などの暑さ対策は必須だと思います。
長ズボンは絶対!
先述の野生動物の話に関連するのですが、このルートを歩く場合には必ず長ズボンを着用するようにしましょう。
ヘビが多く見られたので、万が一咬まれた時のことを考えると長ズボン着用時の方がリスクが低いと思います。
また虫も多くいたので、足をカバーすることで虫刺されを予防することも可能です。
そもそも、半ズボンなど肌を露出した服装では修道院内部への入場はできません。
(半袖は可能)
午前中がおすすめ!
ジュワリ修道院を見学するなら、おすすめの時間帯はズバリ午前中。
最大の見どころであるムツヘタ旧市街と二つの川が交わった地点の絶景は、修道院から西の方向に位置しているため、午後は逆光で何も見えなくなってしまいます。
のぶよは早寝早起きできるタイプではないので(笑)、修道院に到着したのは13時頃でしたが、ギリギリ綺麗に見ることができたという感じでした。
遅くとも13時頃までには修道院に到着できる(=ムツヘタ中心街に正午までに到着する)ようにプランニングするのがおすすめです。
おわりに
というわけで、久しぶりにバックパッカー的なマニアックな記事を書いてみました。
こんなに情報たっぷりでお送りしたところで、結局みんな日本人同士で割り勘してタクシーで向かうのか…と考えるとやりきれない気はします(笑)
「絶景は自分の足で登って見るもの」が座右の銘な旅人のお役に立ったなら嬉しいです。
逆に、この記事を読んで、「私には無理そう…」「野犬やヘビはちょっと…」という人は、現地ツアーで訪れるのもアリですよ!
トビリシの宿泊におすすめのエリアは、リバティー・スクエア周辺の中心街。
観光の中心となる旧市街やナリカラ要塞などは徒歩圏内で、ショッピングや食事にも抜群のロケーションです。
地下鉄赤線が通っているので、移動や近郊へ足をのばす場合もとても便利です。
コメント
こんにちは、
「さぼわーる。」いつも楽しく拝読しています。
本日、Jvari修道院を訪れ、徒歩で下山しました。
地図⑤のトンネルですが、2023年02月16日現在、かなりの量の水が溜まって池のようになっているため、歩行者の通行は難しいです。(現地の人々が車で、車ごと池を渡るような感じで通行してました)
必要のない報告かもしれませんが、のぶよさんのブログの情報が充実しているからこそ、私たちの他にも、この記事を読んで「歩いてみようかな」と思う人が今後もいると思います。念のため、コメントさせていただきました。
დიდი様
コメントいただきありがとうございます。
ジュワリ修道院に至る徒歩ルート上のトンネルに関してですが、この時期は雨や雪解け水が溜まってしまっている状態だったのではないかとお察しします。頂いた情報をもとに、記事内に注意事項として掲載させていただこうとおもいます。
ご報告いただきありがとうございます。引き続き、楽しいジョージア滞在となりますよう、また当サイト内の情報が少しでもお役に立てますよう願っております!
小山のぶよ
情報ありがとうございます。登りで実際に通行してみましたが、やめた方がいいです。野犬が多すぎます。(特にレストランの先の工事現場)
野犬が群れを成してるようで、5-6匹から同時に追いかけられました。間一髪で茂みに逃げ込んでから石を投げて、相手が怯んだ隙に走って逃げられましたが、絶対歩かないほうがいいです。
あの場で襲われたら救急車も呼べないと思うので、死亡のリスクがあります。
上記ですが、かすり傷がついていたため、念のため
狂犬病ワクチンを注射しました。色々聞いて回りましたが、僕のときはトビリシで狂犬病ワクチンを打っているのは以下の施設しかありませんでした。
途中から日本で打つ場合は、英語の診断書が欲しいと医師と受付に言えばもらえます。受付は英語通じないため、グーグル翻訳でジョージア語に変換して伝えました。ご参考までに…
【施設名】
Center for Immunization and Prevention
【住所】
10a Tashkenti St, Tbilisi
【金額】
24ラリ
→1回あたり、5回の注射必要なため、全てトビリシで打つなら計120ラリ。
【営業】
狂犬病ワクチンは24時間やってるらしいです。