こんにちは!コンヤに滞在中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
トルコ中部に位置するコンヤ(Konya)は、人々の信仰心の篤さで有名な町。
「トルコで最も信仰心が深い町」とも言われ、町を包み込む空気にも何となく凛としたものが感じられます。
オスマン帝国がトルコ全土を支配する前のセルジューク朝時代には首都とされた歴史もあるコンヤ。
現在でこそ歴史的な見どころの数は多くないものの、人々は豊かな歴史と宗教色色濃い独特の文化に誇りを持っています。
また、コンヤには独特の食文化も根付いており、ご当地グルメの数々を食べ歩くのも旅の楽しみの一つです。
今回の記事では、トルコの中でも独自の文化を持つコンヤ観光を楽しむための6つのポイントを紹介していきます。
旅行者泣かせのコンヤの市内交通システムや、トルコで滞在した中で最低最悪だった宿情報も解説しているので、コンヤ滞在の参考にしてください。
コンヤ観光を楽しむ6つの方法
黄色:オトガル(バスステーション)
緑:トラム駅
赤:おすすめレストラン
青:観光スポット
紫:最低最悪ホテル
1.メヴラーナ博物館でセマー儀式を学ぶ
コンヤと聞いてほとんどのトルコ人がイメージするのが、町のシンボルであるメヴラーナ博物館(Mevlana Müzesi)。
エメラルドグリーンの塔が目印の建物は、コンヤの観光ポスターにも利用されています。
実はこの博物館、元々はコンヤ発祥の旋回の舞であるセマー儀式を生み出したイスラム教神秘主義・メヴレヴィー教団の総本山だった建物に作られたもの。
メヴレヴィー教団のみならず、イスラム世界で知らぬ者はいない詩人・ルミが眠る棺がある霊廟があり、多くの人がこの神聖な雰囲気を感じようと訪れます。
現在でこそ宗教色は薄められ、博物館としてセマー儀式に関する展示がされているものの、祈りの町・コンヤの中心として堂々たる存在感は健在です。
「セマー儀式を見たいけど、わざわざコンヤまで行くのもなあ…」と思ったあなたに朗報。
イスタンブールやカッパドキアでもセマー儀式は開催されています。
カッパドキアの場合はかなり観光客向けで料金も高めですが、イスタンブールではかなりリーズナブル。トルコならではの体験となるはずです。
2.モスクをめぐって祈りの町を体感する
祈りの町・コンヤは「トルコで最も多くのモスクがある」とも言われる町。
その言葉に偽りはなく、角を曲がればモスクにあたるほどです。
ここでは、コンヤ中心街にある主なモスクを紹介します。
アジジイェ・ジャーミィ
コンヤで最も伝統的な建物が残るバザール地区にあるアジジイェ・ジャーミィ(Aziziye camii)は、1670年建造のモスク。
現在の建物は、火災に遭った後1875年に再建されたものです。
再建当時流行していた、オスマン帝国式のバロック&ロココ様式の影響が見られ、開放的で明るい内部の雰囲気が特徴的です。
カプ・ジャーミィ
アジジイェ・ジャーミィの近くに位置するカプ・ジャーミィ(Kapı Camii)は、1階部分がマーケット、2階がモスクになっている珍しい形のモスクです。
内部の雰囲気はアジジイェ・ジャーミィとは対照的で、薄暗く厳か。
バザール地区で働いている人や買い物に来た人が次々にお祈りをしに訪れる姿が見られました。
スルタン・セリム・ジャーミィ
メヴラーナ博物館前の広場に建つ大きなモスクが、スルタン・セリム・ジャーミィ(Sultan Selim Camii)。
オスマン帝国時代の1567年の建造で、当時の典型的な建築様式が見られます。
内部もかなり広大で、神秘的な雰囲気に満ち溢れていました。
3.バザール地区の伝統的な町並みを散策する
メヴラーナ博物館の西側に広がるエリアが、かねてよりバザール(市場)として機能してきた地区。
細い通りが碁盤の目のように連なり、その両側にコンヤ伝統の建築様式の建物が並ぶ雰囲気は圧巻です。
同じように碁盤の目状に整備された北マケドニア・ビトラ(Bitola)のオールド・バザールと雰囲気が似ているように感じました。
現在では主に洋服や靴を売る店ばかりが見られ、他のトルコの大都市同様、バザールとしての機能は限られているものの、「祈りの町」らしい静寂に満ちた独特の雰囲気は大きな魅力です。
4.新市街でトルコの地方都市らしさを味わう
中心街の西側、アラーディンの丘を中心に広がるのが、コンヤ市民の生活の中心である新市街。
トラムの駅が位置するエリアで、観光スポットは少ないものの、コンヤの名物グルメをリーズナブルに提供する食堂や、無限にある変な服や靴を売る店など、安定のトルコ感が漂っています。
アラーディンの丘
トラムの線路にぐるりと取り囲まれた小高い丘がアラーディンの丘(Alaaddin Tepesi Parkı)。
緑あふれる公園となっており、コンヤ市民に人気の散策スポットです。
丘の中央に建つのはアラーディン・ジャミィ(Alaeddin Keykubad Cami)。
1221年のセルジューク朝時代の建造で、当時のイスラム様式の傑作とされています。
見学者が訪れることができるのはモスク内部のみですが、広大な敷地内には中庭や霊廟など多くの施設が併設されています。
キュルチュル・パルク
アラーディンの丘の北西に整備されたキュルチュル・パルク(Kültür Park)は、コンヤ新市街を代表する都市公園です。
市民の憩いの場として愛されており、特に夜にライトアップされた公園内の池はとても美しいです。
5.セルジューク朝時代の建物を鑑賞する
祈りの町とは別に、コンヤはセルジューク朝時代に首都であったという顔も持ちます。
セルジューク朝といえば、カイセリの町がかなり当時の雰囲気を色濃く残していたのですが、コンヤの場合は当時の建物がいくつか残るのみ。
カイセリに比べると見ごたえはやや劣るものの、石の装飾を得意としたセルジューク朝時代の美しい建築に触れることができます。
インジェ・ミナーレ・マドラサ
アラーディンの丘西側に建つ圧倒的な存在感の建物が、インジェ・ミナーレ・マドラサ(İnce Minare Taş Eserler Müzesi)。
かつてマドラサ(イスラム教の学院)として利用されたセルジューク朝時代の建物は、トルコ語で「尖ったミナレット(尖塔)」という意味のインジェ・ミナーレを持ちます。
石を削っての装飾を得意としたセルジューク朝時代の建築様式を象徴する建物は一見の価値があります。
現在、この建物は石工・木工博物館として利用されているので、興味のある人は入場してみるのもいいでしょう。
(入場料7TL=¥130)
シルチャリ・マドラサ
アラディーンの丘南側の街中にあるのが、シルチャリ・マドラサ(Sırçalı Medrese)。
セルジューク朝時代の典型的な建築様式も見ごたえがありますが、素晴らしいのは中庭の装飾。
青を基調にしたセラミックのタイルは、所々剝がれ落ちてしまってはいるものの、土色で無骨なものが多いセルジューク朝時代の建築物としては異色というべき装飾スタイルです。
6.名物グルメを制覇する
コンヤが有名なのは、セマー儀式など宗教的な部分だけではありません。
独特の食文化は高く評価されていて、トルコの他地域でもコンヤ料理のレストランが見られるほどです。
最も手ごろで有名なのは、エトリ・エクメック(Etli ekmek)というコンヤ風のピデ(ピザ)。
通常のピデに比べると、細長い生地が特徴なのですが、結局ピデであることに変わりはありません。
せっかくコンヤを訪れたなら、ここでしか食べられない独自の料理に挑戦したいもの。
というわけで、のぶよが食した二つのコンヤ名物グルメを紹介します。
いずれもかなりの絶品。
コンヤ以外ではなかなか食べる機会が少ないので、是非挑戦してみてください。
羊肉の常識が変わる!ティリット
コンヤ料理を代表するものとして必ず名前が挙がるティリット(Tirit)。
コンヤに来てティリットを食べないなんて、大阪に来てたこ焼きを食べないようなものです。
のぶよが訪れたのは、地元でかなり有名なティリットの専門店・“Mithat Tirit Salonu”。
ここのメニューはティリット、飲み物、デザートのみという潔さです。
ティリットとは、陶器の器にちぎったパンとヨーグルトを敷いて焼き、その上にグリルした羊肉と野菜を乗せた料理。
羊肉+ヨーグルト+パンというなんとも不思議な組み合わせなのですが、これが素晴らしいのです。
羊肉というと、臭みがあって固いイメージがあるかもしれませんが、このお店のティリットはそんな羊肉に対する考え方が変わること間違いありません。
完全に臭みがゼロの羊肉はとても柔らかくてジューシー。
特に濃い味付けをしているわけでもないのに、一体どうやって臭みを消しているのか不思議で仕方ありません。
底からはヨーグルトをたっぷりと吸ったパンが顔を出し、羊肉との相性も抜群です。
特筆すべきが、そのボリューム。
他の肉に比べて高価な羊肉が、これでもかというくらいに乗っています。
複数人ならシェアするのもアリかもしれません。
味、ボリュームともに大満足だったティリット。
ランチ時間(12時半~13時半)になると混雑するので、その時間帯を避けて訪れるのがおすすめです。
インフォメーション
Mithat Tirit Salonu
住所:Aziziye, Yusufağa Sk. 21/A, 42030 Karatay/Konya
営業時間:全日11:30~19:00
予算:ティリット38TL(=¥709)
体の芯から温まる!アラバス・チョルバス
コンヤの名物は肉料理が多く、どれもガッツリしたものばかり。
ずっとガッツリ食べるのも、あまり胃に優しいとは言えません。
次に紹介するコンヤ名物は、朝食にもおすすめのスープ料理、アラバス・チョルバス(Arabaşı Çorbası)。
コンヤにあるチョルバズス(Çorbacısı)と呼ばれるスープを主に出す食堂なら必ず置いてある定番のスープです。
のぶよがいただいたのが、”Konya Lezzet”という食堂。
ドネルケバブも置いてあるものの、ここのアラバス・チョルバスは絶品でした。
アラバス・チョルバスは、鶏肉を骨ごと煮込んだ濃厚でとろみのある口当たりが特徴。
一口食べると、口の中に鶏肉の旨味が広がります。
トルコ全土で食されるチキンブイヨンスープであるタヴク・チョルバ(Tavuk Çorba)は具が入っていないのが普通なのですが、アラバス・チョルバスはかなり濃厚な鶏の風味に加えて、茹でて裂かれた鶏肉がたっぷりと入っている点が特徴的です。
スープの表面はパプリカのオイルで覆われ、熱を逃がさないように工夫されているのもポイント。
冬は極寒となる内陸部のコンヤで、心も体も温まる優しい味わいのスープです。
インフォメーション
Konya Lezzet
住所:Şükran, Emir Seyfettin Sk. No:8, 42040 Meram/Konya
営業時間:朝~夜7時頃
予算:アラバス・チョルバス9TL(=¥168)
旅行者の敵!コンヤの市内交通
コンヤのトラム路線
コンヤのトラム路線は、オトガル〜市内中心部のアラーディン駅(Alaadin)を結ぶ路線と、アラーディン駅からメヴラーナ博物館前を通って市内東部のアドリイェ駅(Adliye)まで行く2路線のみ。
アラーディン駅〜メヴラーナ博物館間は徒歩でも十分歩ける距離なので、旅行者が利用するのはオトガル〜アラーディン駅間の往復に限られると思います。
コンヤのオトガルから市内への移動
↑コンヤのオトガル
他の町からの長距離バスが発着するコンヤのオトガル(バスターミナル)には、トラムのオトガル駅(Otogar)が併設されています。
↑標識に従って200mほど歩いたところにトラム停留所がある
ここからどの路線も中心街のアラーディン駅(Alaadin)までを単純往復しているのでとても簡単です。
オトガルから中心街までは30分ほど。
コンヤのトラムは10分に1本運行しており、なんと24時間走っています。
(0時以降は1時間に1本の割合)
馬鹿としか思えない!コンヤのELカードシステム
コンヤの市内交通(トラム・バス)を利用するには、ELカードというチャージ式のICカードが必要で、現金で1回券を購入することはできません。
トルコのある程度の大きさの都市の多くに導入されているこのシステムですが、トラム2路線のみのコンヤに関してはその存在価値が謎。
オトガル〜中心街を往復するだけの旅行者にとって、もう二度と使わないICカードを購入しなければいけないのはかなり不便です。
ELカードは、各トラム停留所にある有人販売所での購入となり、自動販売機の設置はありません。
(そこをを有人にするなら、変なICカードシステムを導入しなくてもいいのではと強く思います。)
↑ご想像の通り、常に行列ができているELカード売り場
しかもこの有人販売所、7時〜23時までしか空いていないため、せっかく24時間トラムが走っているのに意味がありません。
ELカード自体の値段は5TL(=¥93)。
ここに2回利用分のチャージ金額1.5TL(=¥28)が加算され、合計6.5TL(=¥121)がかかります。
1回の利用分だけのチャージはできないという、これまた謎のシステム。
後から追加でチャージする場合も、先述の有人販売所で行います。
外面を良くして最新のシステムを導入したものの、結局そのシステムを活かしきれていないとうトルコの悪い部分が凝縮したようなコンヤの市内交通システム。
誰かに指摘してほしいです。
「何なの?頭悪いの?」と(笑)
コンヤの(最低最悪)宿情報
ホステルが存在しないコンヤでは、ホテル宿泊しか選択肢がないのが痛いところ。
いつものように、町で最安値のホステルに宿泊したのぶよですが、これがトルコ旅史上最低最悪でした。
これからコンヤを訪れる人に嫌な思いをしてほしくないので、ホテル情報を書き残しておきます。
Kosk Otel
料金:98TL(=¥1831)
部屋:シングルルーム (バス・トイレ付)
・立地:8/10
トラムのアラディーン駅から徒歩10分ほど、バザール地区の近くに位置する安ホテルです。
メヴラーナ博物館などの観光スポットは全て徒歩圏内で便利です。
・アクセス:10/10
看板が出ており、入口のドアは常に開いています。
フロントは24時間対応で常に人がおり、何の問題もなくチェックインできました。
・スタッフ:3/10
トルコの安ホテルあるあるで、年寄りばかりがフロントで働いているのですが、英語はなんとか通じます。
愛想はかなり悪く、こちらが何か聞いても答えなかったり、面倒くさそうな顔をするなどとにかく最悪でした。
コンヤの町自体もなんとなく冷たい感じの人が多いように感じたのですが、このホテルの従業員は最たるもの。
いやいや仕事しているのが丸出しのじじいばかりで、かなりむっとさせられました。
・清潔さ:2/10
ひとことで言います。汚いです。
全面喫煙可なため、室内はたばこの香りで満ち溢れています。
ベッド自体は清潔なものの、バスルーム・トイレは何年掃除していないのかわからないレベルでした。
・設備:2/10
この値段でこれだけ?というほど、何もない部屋です。
エアコンすらなく、セントラルヒーティングが作動しない昼間の時間帯はとにかく寒いです。
(暖房について受付に聞いても知らん顔された)
湯沸かし器等もなく、いちいち一階の食堂まで行ってお湯を汲まなければなりません。
・wi-fi:7/10
wi-fiは問題なく動きますが、若干速度が遅めに感じました。
・雰囲気:3/10
とにかく暗い雰囲気のホテルです。
受付のじじいの人柄かもしれませんが、ホテル全域がなんだかどんよりとした空気に包まれています。
総合:5.0/10
これまでトルコで泊まった中でも最も高い宿泊費のくせに、最もクオリティーが低かった最低最悪のホテル。
人、清潔さ、設備のどれをとっても良い所は皆無です。
中心街にあるという立地だけに存在価値があると思います。
悪いことは言いません。もう何百円か高くついたとしても是非他の場所を選びましょう。
(まじでおすすめしないので、このホテルの予約リンクは貼りません。コンヤ全体の宿を検索できるリンクを貼っておきます。)
おわりに
↑コンヤはどこでもセマー儀式推し
祈りの町・コンヤの観光を100%満喫するためのポイントを解説しました。
なんだかんだ言っても最も大切なのは、先述の最低最悪ホテルに泊まらないことかもしれません(笑)
ある町の印象を決める際に、宿の良さは意外と大きなポイントとなります。
のぶよの場合、本当は3日間くらい滞在したかったのですが、宿があまりにも最悪(しかもこれより安いところが他にない)だったため、1泊だけで後にすることにしました。
冬場はかなり冷え込むものの、その厳しい気候でさえも祈りの町を演出するのに一役かっているように感じられるほど、神秘的で清らかなコンヤの雰囲気。
今回紹介しきれなかった(というか滞在を縮めたため食べられなかった)名物グルメもまだまだあるので、是非良い宿に宿泊して、他にはない雰囲気の町の観光を満喫してください。
ネット規制の影響で、Booking.comでの予約ができないトルコ。代わりの宿泊予約サイトではAgodaがおすすめです。
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とにかく情報量が半端じゃありません。人と違う場所へ行ってみたい人は是非!
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