こんにちは!ジョージア滞在も1年、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
当ブログの新企画・「トビリシローカルさんぽ」の第八回。
今回は、ソ連時代に開発されたトビリシの居住エリアであるサブルタロ地区(Saburtalo)を散策します。
普通の観光客はまずやってこないようなエリアで、有名な観光スポットもほとんどありません。
しかしながら、トビリシという町の素顔に触れられるのがサブルタロ地区の最大の魅力。
ソ連時代の建造物やアートも点在しており、好きな人にはたまらない散策コースとなっています!
1600年の歴史を持つ、ジョージアの首都・トビリシ。
「トビリシローカルさんぽ」とは、この町に滞在して1年となったのぶよが市内10エリアを散策するもの。
歴史スポットやローカルな見どころ、おすすめのお店などを紹介していくユルめな企画です。
どの散策コースも所要時間は2時間~4時間ほど。
・時間が空いたときにサクっと散策
・複数のコースを組み合わせてガッツリ散策
など、トビリシに長期滞在する人向けの情報たっぷりです!
サブルタロ地区さんぽコースの概要
・スタート :地下鉄サブルタロ線ステート・ユニバーシティー駅
・ゴール:地下鉄1号線ディドゥベ駅
・所要時間:3時間~4時間
・おすすめの時間帯:午前中~夕方
サブルタロ地区さんぽのスタートは、地下鉄サブルタロ線の終点であるステート・ユニバーシティー駅(State University)。
最初の見どころは、今回のさんぽコースのいきなりのハイライトかもしれません。
その名も、「トビリシ・スカイブリッジ」▼
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三棟のソ連時代の集合住宅が陸橋で結ばれているという、不思議なつくりの建物。
一部のマニアの間で「トビリシで最も写真映えするスポット」と言われているとかいないとか…。
サブルタロ地区の中心的なエリアが地下鉄サブルタロ線・デリシ駅(Delisi)周辺。
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安定のソ連的な町並みが広がる「コンクリート・パラダイス」の散策を楽しみましょう。
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さんぽコース後半は、のぶよが勝手に「旧ソ連街道」と名付けた、ソ連時代の巨大建造物が点在しているエリアをまわり、ゴール地点の地下鉄1号線ディドゥベ駅へと向かいます。
全部徒歩でまわることももちろん可能ですが、結構な距離となるため相当しんどいはず。
地下鉄や路線バスなどの市内交通を上手に利用しながら歩くのがおすすめです!
「コンクリート・パラダイス」!デリシ地区
サブルタロ地区の散策のスタート地点となるのは、地下鉄サブルタロ線のステート・ユニバーシティー駅。
駅前こそきれいに整備されていますが、駅から少し離れると数十年前のソ連時代を色濃く残す町並みに変化していきます。
駅から北方向に歩いて5分ほどの場所で視界に入るのが、トビリシ・スカイブリッジ【地図①】▼
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ソ連時代に建てられた高層の共同住宅で、三つの棟が陸橋で結ばれているという謎の造りです。
各集合住宅の14階部分を結ぶ陸橋がまるで「天空の橋」のように見えることから、いつからかこの名前で呼ばれるようになったとか…
スカイブリッジからは、現在でも開発が続くサブルタロ地区の町並みを一望することができます。
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スカイブリッジを渡って集合住宅棟に足を踏み入れるとわかるのですが、かなり時代を感じる建物。
洗濯物がはためいていたり、子供が遊んでいたりと、現在でも人々が生活していることがわかります。
集合住宅棟にあるエレベーターのレトロ感もなかなかのもの▼
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このエレベーターのすごいところは、0.1GEL(=¥3)コインをエレベーター内の機械に入れて動かすという、ソ連時代から変わらぬシステムで動いていること。
実際に乗ってみると、ガタガタと音をたてながら上下するという、「リアル・タワー・オブ・テラー」体験ができます(笑)
スカイブリッジと共同住宅棟への立ち入りは自由ですが、ここは現在でも生活している人がいる場所。
見学・写真撮影の際は住人への配慮をお忘れなく。
スカイブリッジの見学を終えたら、サブルタロ地区のメインストリートであるヴァジャ・プシャヴェラ通り(Vazha-Pshavela Av.)を東へと歩いて行きましょう。
通り沿いにはソ連時代の共同住宅がずらりと並び、圧巻の風景です ▼
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ぱっと見ではどこも同じようなコンクリートの無機質な建物に見えますが、実は各棟・各アパートに個性がある点にも注目です。
バルコニーの色が異なっていたり、住人が自分で改築したのが丸わかりな部屋など、さまざまな発見があるはず。
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このエリアの若者に人気なファストフード店が、集合住宅棟の間にぽつりとあるMugsy’sというハンバーガー店。
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トビリシに数店舗出店しているお店で、ハンバーガーやフライドポテトなどの定番のアメリカンなフードメニューがリーズナブルな価格で味わえます。
共同住宅が建ち並ぶメインストリートを東に歩いて行くと、地下鉄サブルタロ線のデリシ駅に到着します。
駅のすぐ北側には、巨大なモザイク画を持つ建物が【地図②】▼
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ソ連お得意のカラフルなモザイクアートはかなり秀逸なのですが、建物自体は廃墟となっており、周囲への立ち入りができなくなっているため、やや遠くからしか見られないのが残念。
デリシ駅周辺は、「コンクリート・パラダイス」なサブルタロ地区の中心的なエリア。
コンクリート住宅や巨大コンクリートビルの密集具合もすごいです。
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どれもこれもソ連時代の建物ですが、見る人が見ればそれぞれ建築スタイルが少しずつ違うのがわかるかもしれません。
デリシ駅周辺には共同住宅がとにかく多く点在しているので、ゆっくりと見てまわるのも良いかも。
のぶよ的に必見だと思うのが、駅から南に200mほど歩いたところにある赤と青の共同住宅【地図③】▼
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三棟の共同住宅が隣り合わせで建っているのですが、青・赤・青と原色で塗られたバルコニーが圧巻です。
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住人らしき人たちがのんびりと過ごす様子が見られ、飾らないトビリシの日常が息づいています。
赤と青の共同住宅を通り過ぎてさらに南に歩き、次のポイントであるトビリシ・ヒッポドロムへと向かいましょう。
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「ヒッポドロム」とは、古代ギリシャや古代ローマで競馬などが行われた楕円形の広場のこと。
トビリシ・ヒッポドロム【地図④】では競馬の歴史こそないものの、広場の形が似ていることからこう呼ばれています。
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ヒッポドロムに一歩足を踏み入れると、その開放的で広大な風景に驚くはず。
サッカーをする子供たちやピクニックをする家族連れ、犬を遊ばせる人…
サブルタロ地区の人々の隠れた憩いの場といった雰囲気です。
ヒッポドロムの北側には、建設中の高層ビルやソ連住宅がびっしりと並んでいる圧巻の風景が広がります ▼
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北側だけを見ると、まるでニューヨークのセントラルパークのよう。(行ったことないけど)
ちなみに、南側は荒涼とした丘になっています。
山がちな地形のトビリシでは、高層ビルが自分の目線と同じ高さにズラリと広がる風景(=都会のオアシスっぽい感じ)が見られる場所はあまり多くありません。
そういう意味では、結構貴重な場所なのかも。
おしゃれなソ連風の町並み!ジョージア工科大学周辺エリア
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ヒッポドロムの散策を楽しんだら、さらに東へと歩いてジョージア工科大学方面へと向かいます。
このあたりの町並みも、先ほどまで歩いたデリシ地区に劣らないほどにコンクリート・パラダイス。
しかしながら、こちらの地区の方が古くからの家が多いため、少し温かみが増したような印象を受けるかもしれません。
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見逃さずにチェックしておきたいのが、消防署のモザイク画【地図⑤】▼
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もちろんソ連時代のもので、おそらく消防士たちの活躍ぶりを描いたもの(だと思います)。
ヘタウマ感ただよう独特のセンスがたまりません(笑)
地下鉄サブルタロ線のジョージア工科大学駅(Technical University)が近づくにつれ、ストリートにはお店が増え、行き交う人の数も多くなります。
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ジョージア工科大学周辺は、サブルタロ地区の入口にあたるエリア。
中心街へのアクセスも悪くない&大学があるので若者向けのお店が多いということで、人気の居住エリアとなっています。
若者が好きなものと言えば、安くてお腹いっぱいになるファストフードなのは万国共通。
そしてジョージアで最もポピュラーなファストフードと言えば、鶏肉を薄い生地で巻いたシャウルマです。
ジョージア工科大学周辺エリアにはシャウルマのお店がとにかく多く、どこもしのぎを削っているのですが、のぶよのおすすめがこちら▼
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Margeという小さなスタンド形式のお店で、イートインスペースはなくお持ち帰り専用。
地下鉄のジョージア工科大学駅の東側出口の目の前にあり、常に多くの若者でにぎわっている人気店です。
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シャウルマのスモールサイズ6GEL(=¥187)と、価格はトビリシの平均的なもの。
スモールサイズと言えどもかなりのボリュームなので、お得感があります。
なにより、ここのシャウルマのお肉はいつでもジューシーで、ソースも野菜もたっぷり。
一度食べたらまた食べたくなる、そんな中毒性のある絶品ファストフードのお店です。
ジョージア工科大学駅から北へ300mほど歩いた場所にあるのが、ギオルギ・サアカジェ広場【地図⑥】▼
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なんともソ連的な雰囲気の建物に囲まれた広場ですが、さらに圧倒的ソ連感を放つスポットはこの先にまだまだ点在しています。
「旧ソ連街道」へと散策を続けていきましょう!
ギオルギ・サアカジェ広場から「旧ソ連街道」の見どころを全て徒歩でまわると結構な距離になる(合計5km)なので、市内路線バスを上手に利用するのもおすすめ。
ギオルギ・サアカジェ広場~旧ソ連街道の三つの見どころ全てにアクセス可能なのは路線バス14番。
10分~15分に1本の頻度で運行しています。
謎の巨大建造物が点在!旧ソ連街道
トビリシ北部のクラ川の西岸エリアには、かつてジョージアを統治したソ連の面影を強く残す巨大な建造物が点在しています。
のぶよが勝手に「旧ソ連街道」と名付けたこのエリア。
その名の通り、幹線道路沿いに旧ソ連建築が次々に姿を現します。
ジョージア工科大学エリア方面から北にやってくると、最初に目に入るのが、旧運輸省の建物【地図⑦】▼
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マニアの間では結構有名な建物だそうで、たまにSNS等で話題になっているのを見かけます。
現在ではジョージア銀行(Bank of Georgia)のオフィスが入っており、現役で利用されているのもポイント。
トビリシのソ連建造物は完全に放置されているものも多いので、数少ない「ソ連建造物再利用政策の成功例」かもしれません。
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いったいどうして、こんな崩れかけのジェンガのような外観にしようというアイディアが生まれたのか…
考えるのは野暮かもしれません。
旧運輸省の建物から500mほど北の高台の上にあるのが、旧工業技術大学ホール【地図⑧】▼
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1976年に完成した建物で、かつては正面上部に美しいレリーフが飾られていました。
(現在では取り外されています)
内部は完全なる廃墟と化しており、いつ崩れてもおかしくないような状態。
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誰かが設置したであろうブランコが風に揺られていて、何とも言えない退廃的な雰囲気が漂っていました。
旧ソ連街道の最も北、小高い丘の頂上に位置するのが旧考古学博物館【地図⑨】▼
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完成はソ連崩壊直前の1988年。
まだ30年ほどしか経っていないにもかかわらず、廃墟と化した建物の威圧感はものすごいです。
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高台に位置する旧考古学博物館からは、まるでソ連時代にタイムスリップしたかのようなトビリシ北部の町並みを一望することができます。
この整然と無機質な建物が建ち並ぶ感じがのぶよは嫌いではなく、トビリシの絶景ポイントの一つに加えたいのですが、あまり一般ウケはしないかもしれません…
旧考古学博物館から今回のさんぽコースのゴール地点となる地下鉄1号線ディドゥベ駅までは2.5kmほどの距離。
歩いても良いのですが、ここまでかなり歩いて疲れていると思うので、路線バスで直行してしまうのもアリです。
旧考古学博物館がある丘の中腹のバス停から、いくつかの路線がディドゥベ駅へと向かいます。
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地下鉄ディドゥベ駅前にはバザールが広がり、かなり混沌とした雰囲気。
ディドゥベ地区周辺は、サブルタロ地区同様にソ連時代雰囲気が強く、ジョージア的なカオス感も味わえる面白いエリア。
時間と体力が許すなら、あわせて散策してみるのもおすすめです。
おわりに
ソ連時代の雰囲気にどっぷり浸りたい人におすすめの、サブルタロ地区のさんぽコースを紹介しました。
もはやマニアックにもほどがある内容になってしまいました。
いったい誰がこの記事を参考にしてくれるというのか(笑)
短期滞在の旅行者にはまったくおすすめしませんが、「旧市街や中心街の定番スポットはもう見飽きた!」という長期滞在者には、一度は足をのばしてみることをおすすめします。
飾らないトビリシの素顔がそこら中で見られることに、きっと驚くはずですから。
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