ジョージアのインツラの滝が、神秘的すぎて怖い件。【行き方・トレッキング情報】

こんにちは！ジョージア西部をのんびり旅している、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)

旅行者にはあまり知られていない穴場スポットが多く点在する、ジョージア西部のサメグレロ地方。

どちらかというと、マイナーでB級感漂うスポットが多いのですが、今回紹介するのはジョージア人の間では結構有名な自然スポットです。

その名も、インツラの滝(Intsra waterfall / ინწრას ჩანჩქერი)

インツラ川が作り出した渓谷に流れ落ちる一筋の滝は、規模こそ大きくはないもののかなり優雅な雰囲気。

周囲の緑を映し出したかのようなエメラルドグリーンの滝つぼは、ジョージア人の間では有名なスイミングスポットとなっています。

緑豊かなサメグレロ地方の内陸部に位置するインツラの滝までの道のりは、「古き良きジョージアの地方部」感が漂うもの。
この地方伝統の木造家屋や、素朴な村の風景を堪能しながら徒歩でアクセスすることも可能なのです。

今回の記事では、サメグレロ地方を代表する自然スポットの一つであるインツラの滝を紹介するもの。
アクセスや滝周辺の見どころを解説しています。

もののけ姫の世界を思わせる一面緑色の渓谷の先にあったのは、神秘的で少し怖い雰囲気の滝でした。

インツラの滝へのアクセス・行き方(ズグディディ発 / ジュワリ発)

インツラの滝が位置するのは、ジョージア北西部のサメグレロ地方北部の緑豊かなエリア。

インツラの滝観光の拠点となる2つの町とアクセス方法は以下の通りです。

インツラの滝まであと2kmの地点に位置するチュクヴァレリ村からは山道となり、車は進入できないため、タクシーを利用した場合でも往復4kmほどは自分の足で歩くことになります。

タクシー(ズグディディ発 / ジュワリ発)→徒歩

最も簡単にアクセスできる方法が、インツラの滝への山道が始まるチュクヴァレリ村までタクシーでアクセスすること。

料金は交渉によって大きく変わると思いますが、目安としては以下の通りです。

	往復の料金目安/1台	所要時間
ズグディディ発	100GEL (=￥3151)	往復1時間20分 + 観光時間
ジュワリ発	40GEL (=￥1260)	往復30分 + 観光時間

効率良く快適に観光したい場合は、ズグディディからの往復タクシー利用が◎

少しでも節約したい場合は、ズグディディ～ジュワリ間をマルシュルートカ(乗り合いのミニバス)で移動することも可能です。

マルシュルートカ + 徒歩

ジュワリへマルシュルートカで移動する際に注意したいのが、終点であるジュワリのバスステーションまで行くこと。

ジュワリ周辺のもう一つの見どころであるエングリ・ダムへのアクセスでは、バスステーション手前のロータリーで降りますが、インツラの滝へ行く場合は高台の上にあるバスステーションまで行ってしまう方が近い＆坂を登らなくて済みます。

タクシー利用でチュクヴァレリ村の山道入口に向かう場合は、バスステーション付近にたむろしているドライバーと交渉して利用。
徒歩の場合は、バスステーションから往復4時間ほどのハイキングです。

ズグディディ～ジュワリ間のマルシュルートカ(ミニバス)

ズグディディから往復タクシー利用を避ける場合は、まずは拠点となるジュワリ(Jvari / ჯვარი)へと移動しなければなりません。

ズグディディの中心街西側のロータリー付近から、ジュワリ行きのマルシュルートカが30分に1本の頻度で出発してます。

ズグディディは大きな町ながら、周辺の地域への交通手段が整備されているわけではなく、旅行者泣かせのカオスな町。

というわけで、個人でのズグディディ発着の移動の難易度はやや高め。
不安な人は往復タクシー利用がベターかもしれません。

サメグレロ地方の原風景が広がる！インツラの滝徒歩ルート詳細

ジュワリのバスステーションから徒歩でアクセスする場合は、峠を越える必要があります。
(とは言っても大した高低差ではありませんが)

まずはジュワリから峠を越えた先にあるチュクヴァレリ村を目指しましょう。

インツラの滝は、チュクヴァレリ村から山道を登った先にあります。そのため、

・行き：登り→峠→下り→チュクヴァレリ村→登り→インツラの滝

・帰り：インツラの滝→下り→チュクヴァレリ村→登り→峠→下り→ジュワリ

となり、登ったり下りたりするため、距離に比べて時間がかかると考えておきましょう。

ジュワリ・バスステーション～チュクヴァレリ村

ジュワリのバスステーションでマルシュルートカを降りたら、ソ連的な集合住宅が建ち並ぶ町並みを横目に北東方向へと歩いて行きます。

町はずれにあるのが、チュクヴァレリ村方面へ幹線道路が分岐するポイント。

分岐点を右に曲がると、幹線道路は緩やかな坂道になり、峠を越えた後はチュクヴァレリ村に向かって下り坂となります。

およそ3km少々歩いたあたりから、チュクヴァレリ村の素朴な風景が目の前に広がってきます。

幹線道路はまだ先に続いていきますが、インツラの滝があるのはチュクヴァレリ村を越えた先の山。
村への入口(標識あり)を見つけたら、右に曲がって村の中心部を目指しましょう。

チュクヴァレリ村～山道入口

人口数十人ほどしかいないチュクヴァレリ村(Chkvaleri / ჩქვალერი)は、サメグレロ地方伝統の木造家屋が建ち並ぶ素朴な雰囲気の村。

どこの家も敷地がかなり広く、伝統的な木造の高床式倉庫も目立ちます。

黒海からの湿った空気が入り込むサメグレロ地方は、ジョージア国内でも温暖な地域の一つ。

一年を通して湿度が高いため、食品を腐らせないように風通しが良い高床式倉庫がポピュラーなのです。

チュクヴァレリ村内を道なりに歩いて行くと、インツラの滝方面へと分岐するポイント(標識あり)に至るので、ここを左折してさらに先へと進んでいきます。

分岐点から1kmほどは、まだまだ村の素朴な風景が見られる舗装道路が続きます。

先ほどまでのチュクヴァレリ村中心エリアに比べるとさらにローカル感が強くなり、人や建物の数もだんだん少なくなっていきます。

この辺りで忘れずに立ち寄りたいのが、今回の徒歩ルート上で唯一湧き水があるポイント。

山から流れ出た水はもちろん飲用可能ですし、ここ以外に水を補給できる場所は見当たらなかったので、休憩がてら立ち寄ることをおすすめします。

山道入口～インツラの滝

湧き水スポットから200mほど進むと、インツラの滝へと至る山道への入口となる地点に到達します。

ズグディディやジュワリからタクシーを利用した場合でも、ここから先は自分の足で歩かなければなりません。

山道入口～インツラの滝は片道2km/往復4kmほどの距離で、1時間(+滝の観光時間)ほどで往復できます。

山道は舗装されておらず、砂利が多くてやや歩きにくいので、スニーカーの着用がおすすめ。
高低差はあるものの、坂は総じて緩やかなので、体力的にそこまでハードではありません。

森をぬけて渓谷のような場所に到着したら、滝から轟轟と流れる水の音が耳に入るはず。

ゴール地点である滝つぼ直前の20mほどはかなりの急斜面なので、最後まで気を抜かないようにしてくださいね！

もののけ姫の世界！インツラの滝は何だか怖かった…

ジュワリの町から歩いたなら、およそ2時間ほどでインツラの滝に到着です。

流れ落ちる滝と、青とも緑ともつかない色に輝く滝つぼ。
とても神秘的な雰囲気で、穏やかな時間が流れます。

滝を流れ落ちた水は渓谷を静かに流れていき、苔むした岩や木々の緑色が支配する光景は、まるで「もののけ姫」の世界のようです。

周囲には人っ子一人おらず、滝の水音以外は完全なる無音で、時おり鳥の鳴き声や、「ガサガサッ」と動物が動く音が響くだけ。

幽玄な世界に迷い込んだ気になると同時に、なんとなく怖さも感じます。

インツラの滝の素晴らしい点は、滝つぼだけでなく滝の上部にもアクセス可能なこと。

滝つぼの直前の急な坂を下りずにそのまま山道を50mほど進むと、さらに深い緑色に囲まれた滝の上部に到着します。

滝つぼでさえすでに怖い雰囲気があったのですが、滝の上部はもはや心霊スポットを思い出させるような雰囲気。

インツラの滝は、インツラ洞窟と呼ばれる小さな穴から湧き出した水が流れ落ちているものなのですが、この洞窟の入口、異界への入口感がすごいです。
なぜか鳥肌が立ってしまうほどに。

洞窟の湧き水を引いたパイプと取水栓のようなものが設置されているのですが、なぜか紅白の飾りつけがされており、そのボロボロ感も含めてなんだか日本のホラー映画のよう。

洞窟は人一人やっと入れるくらいの大きさですが、水が流れ出しているのと完全なる暗闇なので入らないほうが良いと思います。
(逆にここに入っていく人はいるのだろうか)

滝上部からは、エメラルドグリーンの滝つぼめがけて水が豪快に流れ落ちる様子を眺めることができます。

最初から最後まで人間たるものに一人も会わず、周囲の森からは時々「ゴソゴソッ」と何かが動く音。
暗闇の洞窟へ続くパイプや謎の飾りつけなど、とにかく絶妙に人間の恐怖心をあおってくるインツラの滝。

のぶよ的に「ジョージアの恐怖スポット」暫定一位に輝きました(笑)

おわりに

サメグレロ地方の隠れた自然スポットであるインツラの滝へのアクセスと、ちょっと怖い滝周辺の様子をお伝えしました。

なかなかジョージアまで来てこんなマイナーな場所まで足をのばす人も多くはないと思いますが、緑あふれる大自然とちょっぴりの恐怖を味わう冒険がしたい人にはぜひおすすめしたいです。

インツラの滝アクセスの拠点となるジュワリの町周辺にはもう一つ、エングリ・ダムという見どころもあるので、ぜひセットでまわってみてはいかがでしょうか。