こんにちは!ポルトガル在住ののぶよです!
みなさんは、予約していた飛行機が大幅に遅延、または欠航になった経験がありますか?
日本国内の大手航空会社なら、代替の便の手配や必要によっては宿泊の手配なども航空会社が責任を持って対応してくれますし、なにより言葉の問題がありません。
では、海外で同様に飛行機が遅延、もしくは欠航(キャンセル)となった場合、一体何が起こるのでしょうか。
特に、LCC (Law Cost Airline)と呼ばれる格安航空会社がかなり普及しているヨーロッパでの場合。
手荷物の持ち込みやサイズに厳しく、場合によっては追加料金を払わなくてはいけないのが「格安」航空会社。
最低限のサービスしか提供されない代わりに、かなり安い価格で搭乗できることは大きな魅力です。
しかし、実際に天候や機体トラブル、またはストライキ等によって遅延・キャンセルとなった場合はどのような対応がされるのか、多くの人が疑問に感じる点なのではないかと思います。
今回の記事では、実際にポルトガルで予約していた格安航空会社の便が欠航となり、二日間の足止めを食らったのぶよが、
飛行機欠航が決まった後に何が起こるのか
万が一の場合に見えた格安航空会社の問題点
について、詳細に解説していきます。
どこの国でも、どこの航空会社の便でもかなりの確立で起こりうる、飛行機の遅延や欠航。
海外旅行中に不安にならないためにも絶対に知っておくべきことです。
のぶよのフライトキャンセル状況
まずは、実際にどのような状況で予約していたフライトがキャンセルになったのか説明します。
ポルトガル本土から西へ1400km。
大西洋の真ん中に浮かぶアソーレス諸島のサン・ミゲル島から、首都リスボンへの帰りのフライトを予約していました。
航空会社は、ヨーロッパ各国に発達した航空網を持つ格安航空会社(LCC)のライアンエアー (Ryan Air)。
ヨーロッパ在住の方やヨーロッパ周遊旅行をしている方は、一度は利用したことがある航空会社なのではないでしょうか。
出発予定日は天気がよく、フライトキャンセルになるなんてまさか思いもしませんでした。
しかし、初めはただの遅延という知らせだけだったものが欠航となり、その後の対応も含めて長い戦いが始まっていくのです。
フライトキャンセル決定~ライアンエアーの対応
出発時刻2時間前:チェックイン後、搭乗を待つ
ポルトガルの国内線扱いなので、出国審査などもないサン・ミゲル島のポンタ・デルガダ空港 – リスボン空港便。
2時間前に空港に到着したのが早すぎたと感じるくらい、時間を持て余していました。
Ryan Airを初めとする格安航空会社では、出発の72時間前~24時間前の間 (航空会社によって異なる)に自身でオンラインチェックインを済ませておかなければならないことが多いです。
何の問題もなくアプリ上でチェックイン手続きを済ませておいたのぶよは、荷物検査を受け、搭乗ゲートで出発を待っていました。
出発予定時刻:いつまでも案内がない搭乗
海外では30分から1時間程度の飛行機の遅延は日常茶飯事で、特に何のアナウンスもないことさえあります。
この日も、何の案内もないまま、出発予定時刻が過ぎました。
ほかの乗客も慣れっこになっているのか、特に慌てる様子の人もいません。
(ポルトガルあるあるです)
みんな思い思いに時間を潰していました。
出発時刻1時間後:遅延のアナウンス
ここでようやく、搭乗予定の便が遅延する旨のアナウンスがありました。
いやもうすでに遅延してるし。
その内容は、ただ単に「遅延します」という報告のみ。
どれくらい遅れるか、何故遅れるかなどの説明は全くありませんでした。
しかしながら文句を言ったり慌てる人は皆無。さすがのポルトガルです(笑)
出発時刻2時間後:欠航のアナウンス
出発予定時刻を2時間ほど過ぎたころ、「技術的な問題でフライトがキャンセルになった」との案内が突然されました。
何が起こったのか具体的な説明はなく、ただ単にフライトがキャンセルとなったという旨だけのアナウンス。
今まで2時間以上も「遅延」と言われていたフライトを待っていたのが馬鹿馬鹿しくなります。
ここでもポルトガル人はのんびり。
不満を言わず、キャンセルのアナウンスがあってもみんな落ち着いています。
「やっぱりキャンセルか~」といったムードが人々の間に漂い、係員に詰め寄ったりする人もいませんでした。
(これもポルトガルならでは)
キャンセルが決定すると、A4サイズの書類が二枚配られます。
一枚は欠航に関するお詫びとクレームの出し方の案内。
もう一枚はEU内の航空会社での遅延や欠航に関して、乗客が受けられる権利について。
この書類に書かれていた内容の詳細や乗客が受け取れる権利については、次回の記事で解説していきます。
そして、係員の案内のもと、ぞろぞろと搭乗ゲートを出ることになります。
その際に、到着ゲート内の荷物受け取り場を通るので、キャンセルになった便に預け荷物をチェックインしていた人は、そこでいったん預けてあった荷物を受け取ることとなります。
そして、空港のチェックインカウンターがある階へ出ます。
出発時刻3時間後〜:航空会社の対応をひたすら待つ
長い時間がかかるのはここから。
空港内に一つしかないライアンエアーのカウンターに、キャンセルとなった便に搭乗するはずだった乗客が全員並んで今後の対応を訪ねることとなるので、かなり時間がかかることを覚悟しなければなりません。
対応する係員はたったの2人だけ。
それで百人以上の乗客全員に対応しなければいけないため、恐ろしいほどの時間がかかります。
それでもみんなのんびりと待っているのは、相変わらずのポルトガルならでは。
ここからの航空会社の対応については、様々なパターンが考えられます。
1. 同日の他の同社便へ振替してくれる場合
2. 同日の他社の同路線便へ振替してくれる場合
3. 翌日のフライトに振替となるため、宿泊先の手配をしてもらう場合
一日に何本もの便が運航されているメジャーな路線ならば、1.の同日の同社便への振替をしてもらえることもあり得ます。
しかしのぶよの場合はアソーレス諸島からリスボンへのマイナー路線。
そんなにたくさんの便は運航していないため、1.は不可能でした。
2.に関しては、格安航空会社(LCC)でこの対応をしてもらえることはほぼないでしょう。
大手航空会社であれば、提携しているグループの他の航空会社の便に振り替えてもらえる場合もあると思います。(スターアライアンス、ワンワールドなど)
というわけで、のぶよがキャンセルされた便は他の便への振替などは行われておらず、乗客全員が翌日便へ振替となる3.のパターンとなりました。
そのため、航空会社側に宿泊施設を手配してもらうこととなります。
こちらが料金を払ったり立て替えておいたりする必要は全くなく、全て航空会社が手配してくれます。
カウンターにて受けた対応は、大きく分けて2つありました。
欠航当日の宿泊先と、そこまでの交通手段の手配
翌日の振替便の案内
です。
乗客のグループそれぞれの人数に合わせて、ホテルを手配してくれます。
カウンターの係員の一人が乗客に対応して、その裏でもう一人の係員が各ホテルに電話をかけまくって部屋を抑えるという原始的な方法をとっていました。
シングルルームやファミリールームなどある程度の希望は聞いてくれますが、必ずしも希望通りに行くとは限らないでしょう。
ホテルの手配と同時に、翌日の代替便への振替案内もこの時にカウンターで行われます。
のぶよの場合は、翌日の夕方の臨時便に乗客全員が振替になりました。
場合によっては、乗客を少しずつ空席のある異なる便に振り替えることもあり得ます。
出発時刻4時間半後〜:宿泊先への乗客の輸送が始まる
乗客全員が同じホテルに泊まるのはまず無理なので、それぞれ違うホテルに振り分けられます。
ここからは人によって待ち時間が変わってくるでしょう。
割とすぐに名前を呼ばれて、空港を後にする人たちもいれば、いつまでたっても名前が呼ばれずに疲れ果ててしまう人たちも。(のぶよは後者でした。)
名前を呼ばれた人は、航空会社が手配したバスやタクシーでホテルに向かいます。
出発時間7時間後〜:最後の乗客の宿泊先への輸送
やっとこさタクシーの自分の番が来て、航空会社が手配したホテルへ向かいます。
のぶよは最後まで残された7人の乗客の一人となりました。なんという名誉(笑)
同じホテルへ振り分けられた乗客と相乗りで向かうこととなりましたが、この時までには謎の連帯感が生まれていました(笑)
ホテルのチェックインの際は、パスポートと印刷してあったボーディングパス(のぶよは印刷していなかったので、アプリの画面を見せた)を提示するだけです。
ホテル側も航空会社から事情をきいているので、こちらでホテル代金を払う必要は一切ありません。
チェックイン時に、翌日の空港までの交通手段と集合時間についてホテルの受付の人から案内されます。
ホテル到着時と同じように、翌日は同じホテルに宿泊している乗客全員一緒のタクシーで空港まで行くこととなります。
もはや運命共同体です。
部屋はシンプルで清潔なツインルーム。
自分一人だったら絶対に泊まらない良いクオリティーのホテルです。しかも、豪華な朝食つき!
ライアンエアーを少し見直しました。
出発時間19時間後:再び空港へ
待ちくたびれて疲れ果てていたため早めに就寝し、ぐっすりと眠れた夜が明けます。
前日にホテルの人から案内された時間通りに、ライアンエアーが手配したタクシーがやってきました。
もちろん昨日と同じメンバーで空港へ向かいます。
出発時間20時間後:振替便へのチェックイン手続き
タクシーで空港へと到着。
まずは昨日散々待たされたライアンエアーのカウンターへ向かいます。
ここである事件が。
前日に案内された振替便の出発時刻とは、出発時刻が変更されていたんです。
前日に言われた振替便の出発時刻は17:10発だったのに、当日に指定された出発時刻は14:35に変更されていました。
のぶよが空港に到着した時刻の1時間半後です。ていうか、連絡ぐらいよこしてほしいもの。
驚いてライアンエアーのアプリを確認してみると、何の通知もないまま自分が振り替えされた便の時刻が14:35に変更になっていました。
さも初めからそうであったかのように。
急いでチェックインカウンターへ行ってアプリの画面を見せると、向こうも事情が分かっているためか迅速にチェックイン手続きと紙の搭乗券を発行してくれました。
後日談:結局丸二日間足止めを食らうことに
これで振替便がちゃんと飛んでくれればめでたしめでたしだったのですが、運が悪いことにその日はハリケーンが接近中でほとんどのフライトがキャンセルとなり、もちろんのぶよが乗るはずだった振替便もキャンセルされました。
チェックインして中に入り、搭乗口で待機している際に欠航が決まったので、まさかの同じことを二日連続で繰り返す羽目に(笑)
二日間足止めされた運命共同体である乗客たちもさすがにイライラしている様子はありましたが、もはや笑うしかないといった雰囲気が流れていました(笑)
ポルトガルのこういうところが好き。
結局前日とは別のホテルが手配され、そのさらに翌日に振替となった便で無事にリスボンに戻ることができました。
飛行機がリスボンに着陸した瞬間の機内では、全員が一丸となって大陸への帰還を喜んでいました。
そりゃそうだ。小さな大西洋の孤島に二日間も足止めを食らっていたんですから。
ライアンエアーの遅延・欠航時の対応の問題点
さて。のぶよの実体験、いかがでしたでしょうか。
飛行機という移動手段の特性上、天候や機体トラブルなどで遅延・欠航となってしまうリスクがあるのは仕方がないことです。
しかしその時の対応は、航空会社によって大きく変わってきます。
格安航空会社であるライアンエアーにおいて起こった今回のフライトキャンセル後の対応の問題点について考えてみましょう。
問題点1. 対応する係員が少なすぎる
欠航が決定した後に、乗客に対応する係員がたった二人というのは少なすぎます。
のぶよの場合は、欠航が決定した出発予定時刻2時間後から実際にホテルに到着するまでに5時間以上かかりました。
空港で5時間何もせずにいるのは苦痛でしかありません。
チェックイン時から数えれば、9時間ほど空港で時間を無駄にしたことになります。
係員の一人は、自分のシフトが終わったためか、まだホテルまでのタクシーを待っている乗客が数十人ほどいるのに普通に帰っていきました。どんな神経してるんでしょうか。
一人残された若い係員の方は最後の乗客がタクシーに乗り込むまで残って、しっかりと対応なさっていました。(もはや一周周って仲良くなりました。笑)
問題点2. 欠航の案内が遅すぎる
初めは「遅延」と案内されていたものが2時間以上待たされた挙句「欠航」となる点も、乗客のことを考えていない証拠ではないでしょうか。
欠航が決まれば自ずと乗客の宿泊費や臨時便の運航など余計なコストがかかります。
なので、航空会社はできる限り欠航させたくないというのが本音でしょう。
しかしながら、遅延と言い続けて乗客を出発時刻より2時間以上も搭乗口で待たせておいた挙句の「欠航」、しかもその理由も「機体トラブル」というざっくりとした、釈然としないものでした。
遅延だと思って散々待たされた挙句の欠航。
時間を返してほしいと思いますし、初めから運航ができなそうならば、もっと早く欠航の案内をすることはできないものなのでしょうか。
問題点3. 食事、飲み物の提供は一切なし
これ、結構大きな問題だと思います。
日本の大手航空会社などで一定時間以上の遅延や欠航が決まった場合、食事や飲み物などが航空会社側から提供されるのが一般的です。
それは海外の大手航空会社においても同様ですし、特にヨーロッパでは、EU内で運航する航空会社には2時間以上の遅延が見込まれる場合に乗客に飲食物を提供されることが義務付けられています。
しかし今回の場合、そのような対応は一切ありませんでした。
のぶよが係員の方に直接この件を尋ねたところ、
「2時間以上の遅延の場合は、飲食物の提供がされるが、欠航の場合にはそのような規定はない」
とのこと。
いやいや、そもそも「遅延」という案内の上で2時間以上も搭乗ゲート内で待たされているんですが、わたしたち。
とはいっても、その時は係員の方もホテルの手配でいっぱいいっぱいだったので、その場でそれ以上意見を言うことはしませんでした。
ただし、明確なEU規定違反であることには間違いありませんよね。訴えてやる!(笑)
問題点4. 空港からホテルへの輸送効率の悪さ
今回ののぶよの身に起こった飛行機の欠航は、少し特殊な状況ではあったでしょう。
大都市の空港であったなら、航空会社が手配したホテルまで公共交通手段を使って自力で移動することも可能なため、タクシーに乗る順番を待つために数時間も待たされることはないのかもしれません。
しかし、今回の件が起こったアソーレス諸島、サン・ミゲル島のポンタ・デルガダ空港には、電車や路線バスが走っていません。
また、空港に隣接したエアポートホテルなどもないため、乗客は離れた市内のホテルまで車で移動する必要がありました。
乗客全員分のホテルまでの輸送手段を確保するのは大変なことでしょう。(しかもたった二人の係員で)
しかし、その輸送手段であるタクシーが2台だけだったというのは大きな不満です。
その2台の大型タクシー(8人乗り)が、空港と市内のホテルを往復して順番に乗客を輸送していたため、一番最後まで残されたグループにいたのぶよは5時間もの間空港で待たされることになったわけです。
先述したように、乗客ひとグループごとを別々にタクシーに乗せて輸送すれば、かなりの費用が掛かってきます。
したがって、同じホテルに宿泊する乗客のグループを、一回でまとめて輸送した方が、コストを削れるのは理解できます。
しかし、5時間ですよ?5時間。
常識的に考えて待たせすぎだと思います。
空港前には地元のタクシーが客待ちをしていたにもかかわらず、そのタクシーは使わせず乗客を待たせておくという残念な対応。
これは格安航空会社だからというよりも、ライアンエアーという会社の乗客に対する態度(乗客のことよりコスト削減が第一)を如実に表した出来事だと思います。
おわりに
飛行機の遅延や欠航は航空会社にかかわらず、比較的よく起こりうることです。
しかし、言葉が通じない海外でとなると、不安に感じる人もいるのではないでしょうか。
のぶよは海外で飛行機の遅延、欠航、ロストバッゲージなどを経験していますが、ほとんどの場合どうにかなります。
航空会社もちゃんと対応してくれるところがほとんどです。
ヨーロッパではかなり一般的な格安航空会社。
その格安な価格は大きな魅力ではありますが、このような万一の場合の対応に関しては、大手航空会社には敵わない点が多く目につきました。
アドバイスとしては、日本から旅行で数都市を周遊する場合、万が一のことを考えて、日本帰国便の出発地へ最終日に移動するプランは極力避けるべきでしょう。
帰国便出発前日までには、空港のある都市へ到着し、最終日の夜はその都市に滞在するのが理想です。
先ほど少し書きましたが、EU圏内を発着する便を運航する航空会社には、遅延・欠航などが起こった場合に乗客が航空会社に対して求めることができる権利が定められています。
これは航空会社や乗客の国籍にはよらず、EU内発着の便の利用者全てに該当するものです。
もちろん、格安航空会社の便にも適用されます。
その中には、最大で400ユーロがキャッシュバックされる場合もあることをご存知でしょうか。
今回のぶよに起こったライアンエアーの欠航に関しても、同じことが言えます。
次回の記事では、知らないと絶対に損をする、ヨーロッパで飛行機の遅延・キャンセルが起こった場合の補償について、実際の体験をもとに解説していきます。
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