バトゥミの交通・移動情報
バトゥミは黒海沿いにだだっ広い市街地を持つ町。
主要観光スポットは徒歩でカバーできる場所がほとんどですが、市内交通をうまく利用すればより効率的に&楽に移動することが可能です。
また、バトゥミ近郊の見どころへの足となるミニバス(マルシュルートカ)路線や、ジョージア他都市から / への移動に必要な情報も知っておきたいもの。
ここでは、バトゥミ滞在時に必要な移動に関する情報をまとめました。
バトゥミの市内交通
バトゥミには地下鉄は走っておらず、市内交通手段は以下の二種類に限られます。
・路線バス:一般的な中型バス。一回0.3GEL(=¥16)
・マルシュルートカ:乗り合いのミニバス。一回0.5GEL(=¥25)
それぞれ利用方法が微妙に異なり、Google Mapの行き先表示に非対応である点が難易度高め。
バトゥミへの旅行の前に、システムを理解しておくのが絶対です!
バトゥミ~近郊の町間の交通
バトゥミを拠点とすれば、アジャラ地方の小さな町や村へと足をのばすのも簡単。
バトゥミからの近郊交通は「マルシュルートカ」と呼ばれるミニバス利用一択となり、ほとんどの場合、発着地は中心街東側のオールド・バスステーション。
バトゥミから行けるスポットや移動情報詳細は、別記事にまとめています!
バトゥミ~ジョージア他都市間の長距離交通
バトゥミ~ジョージア各都市間の移動は、行き先によって利用できる交通手段が変わってきます。
クタイシやズグディディなど、ジョージア西部の町へのアクセスは比較的良いですが、ジョージア東部の町へのアクセスはほぼトビリシ一択となる点にご注意を。
バトゥミ~トルコへの陸路国境越え
バトゥミからトルコへと陸路で国境越えをする場合は、ジョージア側最後の町であるサルピ(Sarpi)まで市内交通でアクセス→徒歩で国境越え→トルコ側でローカルバスに乗車 というステップが一般的。
バトゥミ~サルピ間の市内交通には以下の2種類があります。
・路線バス16番:15分に1本 / 0.3GEL(=¥14) ※交通ICカード支払いのみ
・マルシュルートカ88番:20分に1本 / 2GEL(=¥92) ※現金払いのみ
※いずれの運行も21時頃まで
バトゥミの交通ICカード”Batumi Card”を持っていない場合は、現金支払いのマルシュルートカ一択となります。
この区間の移動情報詳細は、別記事にまとめているので参考にしてください!
バトゥミのおすすめ宿泊エリア&宿情報
バトゥミに初めて訪れる旅行者にとって、どのエリアに宿泊すれば良いのかなかなかイメージしづらいもの。
バトゥミの宿泊エリア選びのコツはただ一つ。
「バトゥミ滞在で何を目的にするか」です。
・シーサイドエリア&キラキラバトゥミ:とにかくビーチを楽しみたい人 / 海が見える部屋に宿泊したい人
・旧市街:お洒落な町並みの地区に滞在したい人 / 静かな雰囲気のエリアが好みな人
・市場地区:ローカル感に浸りたい人 / バトゥミを拠点に各地へデイトリップがしたい人
こんな感じで、バトゥミ滞在の何に重点を置くかによって、適した宿泊エリアが変わってくることを覚えておきましょう。
バトゥミ中心街の宿の価格帯は、市場地区が最も低く、旧市街→シーサイドエリアと、海に近くなるほどに上がります。
例外はキラキラバトゥミエリアで、高級ホテルからお手頃価格のアパートホテルが混在している状況です。
バトゥミのおすすめ宿:安宿(ホステル)
Hostel Retro
・立地:市場エリア
・料金:15GEL(=¥750)~
ローカル感あふれる地区に位置している市内最安値のホステル。バスステーションからのアクセスも抜群です。トイレ&シャワーが一ヶ所しかなくエアコンがない点がマイナスかも。
Batumi Surf Hostel
・立地:旧市街
・料金:25GEL(=¥1250)~
欧米人観光客に大人気の、新しくモダンなホステル。旧市街の海寄りに位置しており、観光にもビーチにも便利な立地です。
バトゥミのおすすめ宿:個室(ゲストハウス・安ホテル)
Shaptava ApartHotel
・立地:市場エリア
・料金:55GEL(=¥2750)~
市場エリアにあるコスパ抜群のアパート貸切型ホテル。生活に必要なものはひと通り揃っており、長期滞在にも◎
Blue Star Batumi
・立地:キラキラバトゥミ
・料金:75GEL(=¥3750)~
海沿いすぐそばに建つお手頃価格のホテル。部屋からの眺望重視の人にはおすすめ!
バトゥミのおすすめ宿:ラグジュアリー
Kartuli Hotel
・立地:キラキラバトゥミ
・料金:250GEL(=¥12500)~
モダンな内装とシービューが売りの高級アパートホテル。ゆっくり滞在型のステイに大人気です。
Tapis Rouge Boutique Hotel
・立地:シーサイドエリア
・料金:300GEL(=¥15000)~
シーサイドエリアで最もラグジュアリーなホテル。立地の良さも内装のゴージャスさも人気です。
バトゥミ観光のアドバイス・注意点
バトゥミ観光におすすめの季節
「ビーチシティー」と聞くと、カラッと晴れた日が多いようにイメージしてしまいますが、バトゥミに関しては正反対。
「ヨーロッパ~黒海沿岸地方で最も降水量が多い町」として知られているほどなのですから…
その天気の悪さは筋金入り。
季節によっては毎日、朝から晩まで雨が降り続くことも珍しくありません。
黒海から吹きつける湿った風の影響で、1年を通して湿度が高いのもバトゥミの気候の特徴。
夏は日本の夏を思わせるほどにジメジメと蒸し、冬は体感気温が低く大雪となることもあります。
バトゥミの平均気温や降水量は以下の通りです。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
平均最高気温(℃) | 10 | 10 | 13 | 17 | 20 | 24 | 26 | 26 | 24 | 21 | 16 | 13 |
平均最低気温(℃) | 3 | 3 | 5 | 7 | 11 | 15 | 18 | 18 | 15 | 12 | 8 | 5 |
降水量(mm) | 242 | 189 | 145 | 111 | 84 | 163 | 152 | 207 | 248 | 278 | 271 | 303 |
見ての通り、年間を通して降水量がものすごく多いのですが、太字で示した月(4月~9月)がバトゥミのベストシーズンと言えます。
反対に、それ以外の季節(10月~3月)は避けた方が無難。
バトゥミ最大の魅力である黒海ビーチを楽しむには寒すぎますし、冬場の体感気温はかなり低く雨の日が続くため、街歩きにも向きません。
バトゥミ観光のベストシーズン①:春(4月・5月)
一年間でバトゥミの降水量が最も少なくなるのが、4月と5月の春にあたる時期。
気温も暑すぎず寒すぎずと快適で、街歩きにはぴったりの季節です。
しかしながら、黒海のビーチを楽しむには、春はまだ少し早め。
5月後半にもなれば気温がぐんぐん上がり、天気の良い日であれば海水浴が楽しめます。(まだ水は冷たいけど)
バトゥミ観光のベストシーズン②:夏(6月~9月半ば)
「ジョージアの夏の首都」らしい雰囲気を味わいたいなら、やはり夏場がベスト。
多くの人が集まり、様々なイベントも開催され、バトゥミが最も輝く時期です。
ただ、7月半ば~8月半ばにかけてはバケーションシーズンにあたるため、大混雑する点に注意。
ホテル代の相場は跳ね上がり、町はビーチ目的の観光客で溢れかえります。
混雑を避けてのんびりと滞在を楽しみたい場合は、ハイシーズン前後にあたる6月~7月頭や8月末~9月頭がおすすめです。
9月末になると、降水量が一気に増え、曇りの日が多くなるのもバトゥミの気候の特徴。
気温自体はそこまで下がりませんが、天気の良い日を狙うなら9月半ばまでがチャンスだと思います。
ベストシーズンである夏のバトゥミですが、一日中晴れていることは稀。
午前中は比較的天気が良く、午後遅い時間になって夕立に見舞われることが多いことも覚えておきましょう。
バトゥミの治安&危険エリア
ジョージアの他都市と同様に、バトゥミの治安は概ね安定しています。
特に、多くの観光客が集まる夏場のビーチエリアは、夜中になっても多くの人で賑わってお祭り騒ぎ。
治安の悪さを感じる場面は少ないでしょう。
いっぽうで、近年外国人旅行者が一気に増加したジョージアの都市ではどこでも、スリやぼったくり等軽犯罪への注意は絶対に必要。
特に、国境の町でもあるバトゥミにはそれこそ様々な種類の人間が集まって来るため、海外旅行の基本的な注意点は守るようにしましょう。
バトゥミの注意点・危険エリア①:子供のスリ集団
ここ数年のバトゥミでは、小学生くらいの子供のスリ集団による観光客の被害が多く報告されています。
特によく聞くのが、夏場のキラキラバトゥミエリア。
浮かれた観光客を狙っているのでしょう。
スリ集団は常にグループで動いており、一人がカモの気を引いて、他がその隙に荷物に手を突っ込んで…という古典的な手段。
注意を払っておけば十分に防げる被害ではありますが、子供だからといって安易に気を許すのはNGです。
バトゥミの注意点・危険エリア②:酔っ払い
夏場のバトゥミは、とにかく毎晩が浮かれたお祭り騒ぎ。
飲みすぎた観光客のマナーの悪さは常に問題となっており、酔っ払い同士の喧嘩などもよく起こります。
バトゥミは夜に出歩いても安全な町ではありますが、こうした酔っ払いを見かけたら近づかないのが基本です。
バトゥミの注意点・危険エリア③:夜の市場エリア
危険というわけではないのですが、日が暮れた後の市場周辺エリアは人の影がほとんどなくなり、寂しい雰囲気になります。
街灯もあまり設置されておらず薄暗いため、どこか感じの悪い雰囲気が漂います。
夜に市場エリアに足を運ぶ理由がそもそもないとは思いますが、特に女性の夜間一人歩きにはおすすめしません。
バトゥミの注意点・危険エリア④:ぼったくり
近年、観光客の急増にともなってジョージアで多く見られるようになった、観光客へのぼったくり。
以前は、市場で量り売りの野菜の重さをごまかされる等のかわいいものでしたが、近年では堂々と法外な値段を言ってきたりと悪質になってきています。
バトゥミの場合は、特に夏場の観光シーズンの宿やレストランでの料金トラブルが多く報告されているそう。
料金を事前に確認するのはジョージア旅行の基本中の基本なので、注意を怠らず!
バトゥミ観光に必要な日数
バトゥミへの旅行を計画する人は、何日間の日程が必要なのか気になるのではないでしょうか。
バトゥミの見どころはそれほど多いわけではなく、細々としたスポットが限られたエリアに点在しているだけ。
とにかく見どころの数が多く、観光エリアが複数あるトビリシに比べると、短い日程の滞在でもバトゥミ市内観光は満喫できます。
・バトゥミ市内観光:1日
・近郊の見どころへのデイトリップ:1ヶ所につき半日~1日
となり、市内観光だけなら丸一日あれば十分に主な見どころを制覇することができます。
あとは、近郊スポットをどこまで細かくまわるか次第。
市内観光の1日にデイトリップ分の日数を足せば、バトゥミ&周辺観光に必要な日数となります。
個人的には、市内観光&ビーチ&デイトリップ2~3ヶ所ほどを制覇できる最低日数である、3日間~4日間ほどの日程は確保してほしいと思います。
もし日程が許すなら、1週間~2週間ほどガッツリと腰を据えてのバトゥミ滞在もおすすめ。
ビーチでただのんびり過ごす1日も素敵ですし、バトゥミ市内に無限にあるローカル食堂を発掘するのも、時間に余裕があってこその楽しみです!
先述の通り、バトゥミは忙しく観光して見てまわるスタイルよりも、のんびりと滞在するスタイルに向いている町。
正直、数日間の滞在だけでは、この町が持つ沼のような魅力にはなかなか気づけないでしょう。
バトゥミ観光&滞在のその他の注意点・アドバイス
ビーチチェアは有料!
バトゥミ周辺のビーチに置かれているビーチチェア。
石がゴロゴロしている砂浜で快適に過ごすために、利用したい人も多いでしょう。
あいにく、これらのビーチチェアはすべて有料。
料金相場は時間無制限で5GEL~10GEL(¥250~¥500)ほどです。
知らずに利用すると、後から料金を請求されることになるのでご注意を。
海の水質はあまり良くない
バトゥミ市街地の海の水質は良いとは言えません。
そもそも黒海の潮流の到着地点にあるのがバトゥミという町なので、各国沿岸のゴミなどが流れ着いてしまうのです。
水温が上がる夏場にはバクテリアなどが発生することもあるそうで、傷口がある状態で海に入り体調不良に陥る観光客も少なくないそう。
また、8月になるとクラゲが発生するので注意が必要です。
ビーチ目的の場合はバトゥミ市街地は避け、郊外のビーチへと足を運ぶのがおすすめ。
バトゥミを出るだけで水質はかなり良くなり、人の数もぐっと減ります。
イスラム圏であることを忘れない
バトゥミ市内に滞在しているとなかなか感じませんが、バトゥミが位置するアジャラ地方は歴史的にイスラム教徒が多い地域です。
山間部にいくと、木造のモスクが現役で機能しており、「キリスト教国・ジョージアの中のイスラム圏」としてエキゾチックな魅力を放ちます。
アジャラ地方のイスラムの戒律はかなり緩めではあるものの、バトゥミから山間部へと足をのばす場合は、過度な露出をした服装は避けるのが良いでしょう。
アルコールに関してはバトゥミ/山間部問わず問題なく楽しめますが(むしろガッツリ飲む文化がある)、豚肉は山間部ではご法度となっており、食す機会自体がありません。
おわりに
バトゥミ観光や滞在に必要な情報を、これでもか!とばかりに総まとめしました。
書いていてものすごく疲れたのですが、ここまで読んでくださった方も疲れたのでは?(笑)
何度も繰り返して主張しますが、バトゥミの魅力は観光スポットを点から点へと移動して味わえるものではありません。
この町で生活しているかのような気分で、町に漂う開放的な雰囲気やローカル文化に身を置くことこそが、バトゥミという町を最大限に楽しむ方法だと思います。
ビーチ目的の人は問答無用でGoですが、それ以外のシティーライフ派やグルメ派にもバトゥミはおすすめ。
市内のみならず、近郊に点在する珠玉のスポットへのアクセス拠点としても、バトゥミは抜群のロケーション。
ハイキング目的の人にはアジャラ地方山間部の山々が、ワインが好きな人には内陸部のワイン街道が…と、バトゥミ&周辺エリアの楽しみ方は無限大です。
ジョージアの他都市とはひと味もふた味も違う「黒海とともにある町」の魅力に、心ゆくまでひたってください!
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