こんにちは!アルメニアに5ヶ月滞在した、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
アルメニアの公用語は、もちろんアルメニア語。
日本では絶望的にマイナーな国のマイナーな言語…
アルメニア語がどんな言葉であるか知っている人は、おそらく相当の知識人かマニアックな言語界隈の人に限られるのではないでしょうか。
はじめに宣言してしまいます。
アルメニア語、とってもミステリアスで面白い言葉です!
・まるで線文字のような不思議な文字
・柔らかくて優雅な発音
・起源がいまだに謎に包まれている
などなど、一度調べ始めるとそこはもう沼。
きっとアルメニア語の世界から抜け出せなくなってしまうかも…
また、アルメニアを旅行するなら、あいさつなどの基本的なフレーズは覚えておくのが◎
旅の難易度がグッと下がるのはもちろん、現地の人とのちょっとしたコミュニケーションも楽しめるためです。
今回の記事は、みなさんをアルメニア語の世界へと誘うためのもの。
のぶよが5ヶ月間毎日のように使ったアルメニア語の便利な表現や、アルメニア語の数字の覚え方も紹介しているので、現地滞在を考えている人には必ず役に立つはず!
もはや誰得?な記事ですが、良いのです。自己満ですから(笑)
アルメニア語を勉強する/しないは別として、この小国の文化の根幹を成すアルメニア語について、少しでも知ってもらえれば嬉しいです。
それでは…バーリ ガルースト ハヤスターン!
(Բարի գալուստ Հայաստան։ =「アルメニアへようこそ!」)
「アルメニア語ってどんな言葉?」を知るための10個のポイント
そもそもアルメニア語がどんな言葉なのか、まったくもってイメージできない人がほとんどだと思います。
「存在すら知らなかった…」なんて人もいるのではないでしょうか。
まずは、アルメニア語についてザックリとしたイメージを持ってもらうために、10個の基本情報でこの言葉のアレコレを解説していきます。
「ウンチクはいいから、さっさとあいさつ表現を教えて!」という人は、次ページにジャンプしてくださいね(いかんせん長いので)。
①アルメニア語の基本情報
アルメニア語が使用されている主な国は、もちろんアルメニア。
アルメニアが位置するコーカサス・西アジア地域の言語分布はとても複雑で、国によって全く異なるグループの言語が話されています ▼
アルメニア語が属するのは、インド=ヨーロッパ語族。
ヨーロッパの多くの国の言語や、イランで話されるペルシア語などと同じグループに属します。が…
広範囲にわたるインド=ヨーロッパ語族に属する言語は、いくつかの語派に分類されます。
・ラテン語派:フランス語、イタリア語、スペイン語etc
・ゲルマン語派:ドイツ語、スウェーデン語、英語etc
・スラブ語派:ロシア語、チェコ語、セルビア語etc
・インド・イラン語派:ペルシア語、ヒンディー語etc
では、アルメニア語はどの語派に属するのかというと… ▼
ソース:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/18/Indo-European_branches_map.png/1024px-Indo-European_branches_map.png
そう。どの語派にも属さない「インド=ヨーロッパ語族・アルメニア語」という唯一無二の言語グループに分類されており(「言語グループ」というかアルメニア語のみ)、他に同じ語派に属する言語は存在しないという「孤立言語」なのです。
そのため、他のインド=ヨーロッパ語族の言語とは語彙も文法も発音も大きく異なっているのがアルメニア語の特徴。
ヨーロッパの人がアルメニアに来たところで、何ひとつ理解することはできません。
ロシア語(スラブ語派)とスペイン語(ラテン語派)が、同じインド=ヨーロッパ語族に属するのに全く違う言語であるのと同じようなことです。
②アルメニア語には二種類ある
アルメニア語の話者数は600万人~700万人ほどと言われています。
「え?思ったより多い…アルメニアってそんなに人口いたっけ…?」と思った人は大正解。
アルメニアの人口は300万人足らず。
あれ…?話者数と人口の数が合わないですよね。
ここには、アルメニアの歴史を象徴するディアスポラが関係しています。
「ディアスポラ」とは、政治的な理由などによって本国から別の国へ移民した人々やその子孫を指す言葉。
ディアスポラ=ユダヤ人のイメージが大きいかもしれませんが、実はアルメニア地域から移民したディアスポラは世界で450万人もいるそう。
その人口はアルメニア本国よりも多く、各国である程度の社会的地位についているアルメニア人ディアスポラも多いです。
どうしてアルメニア本国よりも国外に移住したディアスポラの人口が多いのか…
そこには、1915年にオスマン帝国によって行われたアルメニア人大虐殺が影響しています。
もともとアルメニア人が居住していたのは、「東アルメニア地域」(現在のアルメニア)だけではありませんでした。
かつてオスマン帝国領であった「西アルメニア地域」(現在のトルコ東部)にも多くのアルメニア人が居住していたのです。
これら東西二つのアルメニアでは、語彙や発音が大きく異なる方言がそれぞれ話されていました。
1915年にオスマン帝国によってアルメニア人の迫害・虐殺が始まると、多くの西アルメニア地域のアルメニア人は、命からがら生まれ育った土地を後にすることを強いられます。
彼らの移住先は東アルメニア地域や、フランスをはじめとするヨーロッパ圏、アメリカなど北米大陸にも及びました。
こうして、もともと違いが大きかったアルメニア語の二つの方言の違いはさらに広がり、お互いに意思疎通が難しいほどに。
・東アルメニア語:現在アルメニアとナゴルノ=カラバフで話されるアルメニア語
・西アルメニア語:世界各国に離散したアルメニア人コミュニティーで話されるアルメニア語
と分類され、語彙や発音、文法面で大きく異なっています。
③アルメニア語の文法は難しくない!
他の言語と大きく異なり、二種類のアルメニア語が存在し、文字すら異なり…
こう聞くと、アルメニア語はかなり難しい言語だと思ってしまいますが、そんなことはありません。
少なくとも、文法に関しては想像よりも簡単だと思います。
(「旅行者が使うレベルでは」という但し書きは付きますが)
接尾辞3つで会話できちゃう!
旅行者であっても知っておくべき文法事項はただ一つ。
アルメニア語は、動詞の後につく接尾辞である程度の文脈が判断できるのです。
接尾辞 | |
私は~です (英語のam) | եմ *エム(em) |
あなたは~です (英語のare) | ես エス(es) |
彼/彼女/これは (英語のis) | է エー(e) |
動詞が文の最後に置かれることが多いアルメニア語。
「~エム」と聞こえたら「あ、自分のこと話してる!」 / 「~エス?」と聞こえたら「あ、何か尋ねられてる!」と最低限の判断をすることが可能なのです。
まあ、あとはボディーランゲージとなるでしょうが、何とかなります(笑)
主語を省略可能
動詞と一緒に用いられる接尾辞によって誰のことを話しているのか明白であるため、アルメニア語では文頭の主語を省略することが可能です。
というか、主語をあえてつけて話される場面が珍しいかもしれません。
動詞の活用で人称が一目瞭然である→しばしば主語が省略されるという点は、スペイン語やロシア語などに近いものを感じます。
④物の名前がビックリするくらい異なる
文法面ではハードルが高すぎるわけではないアルメニア語ですが、難しいポイントはあります。
のぶよ的に理解不能なのが、名詞がこれでもか!とばかりにいちいち異なる点。
外来語だったり、どこの国にもある名詞だったりは、
・コーヒー:「カフェ」「コーフェ」etc
・トイレ:「トワレット」「トイリェット」etc
・タバコ:「シガレット」「シガレティ」etc
と、ある程度の共通点が普通はあるもの。
ですが、アルメニア語では「わざとやってんの?」と怒りたくなるくらい(笑)に根本から異なるのです。
・コーヒー:スルチ(surch/սուրճ)
・トイレ: サンハングュツ(sanhanguyts/սանհանգույց)
・ビール:ガレジュール(garezhur/գարեջուր)
・ワイン:ギニ(gini/գինի)
・タバコ:ツハホット(tskhakhot/ծխախոտ)
・ウォッカ:オギ(oghi/օղի)
・インターネット:ハマツァンツ(Hamatsants/Համացանց)
どうです、この「ここまでやる?」具合(笑)
歴史的にペルシア語からの借用もかなり多いそうで、ヨーロッパの言語と単語が大きく変わっているのかもしれませんね。
⑤アルメニア語の響きは柔らかい
これは完全なるのぶよの主観なのですが、アルメニア語の響きは柔らかい印象を受けます。
・母音を長くゆっくり発音する
・子音が連続することが少ない
・抑揚をつけて話される
・拗音(ya yu yo)が多い
など様々な要因があると思うのですが、アルメニア語が柔らかく聞こえた最大の理由が、アルメニアの前に長く滞在してずっと耳にしていたジョージア語との対比によるものかもしれません ▼
とにかく硬い音の子音が連続することが多く、抑揚もあまりつけられないジョージア語と比べると、アルメニア語はアクセントをつけて母音がはっきりと聞こえる感じがします。
実際にアルメニア語を聞くと、舌先で発音される軽い音が多めで、あまり口を大きく開かずに話される印象も持つかも。
「~スン」や「~トゥン」などが多く聞こえるのも、なんだか可愛らしい響きに聞こえます。
⑥英語(ローマ字)表記は絶望的
アルメニアをはじめて訪れた旅行者は、きっとビックリすることでしょう。
なぜなら、アルメニアではとにかく英語(ローマ字表記)が少ないため。
首都のエレバンの中心街に限れば、英語が併記された看板や英語メニューがあるお洒落レストランもあるでしょう。
それでも、英語表記(ローマ字)はかなりのマイノリティー。
エレバン中心街であろうとも、アルメニア文字とともに併記されているのはキリル文字が圧倒的に多数です。
首都・エレバンから一歩外に出ると、事態はさらにハードモードに。
アルメニア文字オンリーの世界が広がっているのです。
エレバン中心街での数日間の滞在だけなら、英語表記(かキリル文字表記)がある場所だけを訪れることができるので、さほど不便は感じないかもしれません。
いっぽう、アルメニアの魅力の99.99999%が詰まっている地方部を個人で旅する場合は、アルメニア文字が読めないとものすごく不便ですし、最悪の場合詰みます(笑)
⑦アルメニア文字って難しい?
アルメニア文字を知らない人からすると、未知なる記号のようにしか見えないでしょう。
(のぶよも5ヶ月前までは「線文字Bみたい…」なんて思っていました)
アルメニア文字には、大文字と小文字の二種類があり、それぞれ38文字ずつあります。
ひらがな・カタカナ46文字ずつ + 数千文字の漢字を自由自在に使いこなす私たち日本人からすると、かなりのイージーゲームなのでは。
1ヶ月かけてアルメニア文字がようやく読めるようになったのぶよのたゆまぬ努力を見てほしい(対象年齢4歳) pic.twitter.com/1zqm5HR9et
— 小山のぶよ🇵🇹世界半周中の翻訳してる人 (@nobuyo5696) August 6, 2021
アルメニア文字は、基本的に1文字1発音。
漢字のように1つの文字にいくつもの読みがあるものとは異なり、一度覚えてしまえば書いてあることは読めるようになるのですごく便利です。
アルメニア文字は405年(1600年前)に発明されてから、ほとんど形が変わっていないというものすごい文字。
ひらがなより数百年も長い歴史を持っているのです。
アルメニア文化を象徴する存在でもある文字は、アルメニア人の誇りそのもの。
外国人が少し読めるだけで、地元の人にめちゃくちゃ喜ばれます(実体験)。
⑧謎の記号
アルメニア文字に関連して、アルメニア語で書かれた文章には謎の記号が見られる点にも注目です。
アルメニア語にはピリオド(.)がない
多くの言語では、文末にピリオド(.)を打つことで、その分が平叙文であることを示します。
日本語だと独自の句読点(。)が使われますが、アルメニア語の文章の最後に打たれる記号もなかなか不思議。
コロン(:)を用いることで、「この文は終わり」と示すのです。
Սաքոգարեջուրէ: =これはあなたのビールです。
Կարողանում եմ հայերեն խոսել: =私はアルメニア語が話せます。
ヨーロッパでのコロン(:)は、言い換えや詳しい説明、引用を挿入するために用いられますが、アルメニア語の場合は、コロン=文の終わり。
いくら待っても次の文章は続きません。
アルメニア語には疑問符(?)がない
もう一つ不思議なのが、アルメニア語には疑問符(?)が存在しない点。
会話ではイントネーションを変えて疑問文を表現できますが、文章でどう表現するのかというと、独自の疑問符(՞)をつけるのです。
しかも文の終わりにつけるのではなく、「自分が尋ねたい事柄を表す単語」につけるという点も不思議。
そもそも、「疑問文」という概念が欧米諸国とは異なっているようにも思います。
Սա քո գարեջուր է: =これは私のビールです。(平叙文)
Սա ք՞ո գարեջուր է: =これは私のビールですか?(あなたの?彼の?…)
Սա քո գ՞արեջուր է: =これは私のビールですか?(ワイン?ジュース?)
また、平叙文であろうと疑問文であろうと、文の最後にはコンマ(:)が置かれる点も不思議。
日本語にするなら、「これは私の?ビールですか。」的な感じでしょうか…奥深すぎて沼です。
⑨アルメニアで英語/ロシア語は通じる?
英語:世代問わずほぼ通じない
「⑥アルメニアには英語表記が少ない」の項で触れましたが、英語で書かれたものがない=英語があまり使われていない ということでもあります。
お察しの通り、アルメニアでは英語がまったく通じません。
首都のエレバンの中心街の外国人が多くやってくるような店や施設は、もちろん話が別。
中心街を一歩出てしまえば、エレバンであっても「ほとんど通じない」というレベル(20人に1人くらいは通じるかも)で、地方部に関してはもう絶望的。
砂漠で失くした指輪を再び見つけるくらいのレベル…天文学的確率です。
ロシア語:世代問わずほぼ通じる
つい30年ほど前までソ連の支配下にあったアルメニアでは、ロシア語はほぼ100%通じます。
「旧ソ連圏」とひとことで言っても、ロシア離れが加速している国も多いのが現状。
若い世代はロシア語がまったく喋れない(or喋りたくない)なんて国もあります。(ジョージアやバルト三国がそんな感じ)
いっぽうのアルメニアでは、どんなにど田舎の村へ行こうとも、老若男女、果ては小学生まで…みんな流暢なロシア語が話せるのです。
独立から30年。ソ連を知らない世代でもロシア語がペラペラなことには、ある理由があります。
それは、アルメニアとロシアは経済的・軍事的な結びつきがとても強く「ロシアなしではやっていけない」と言われるほどであるため。
トルコやアゼルバイジャンなど隣国との軋轢や紛争にともなう国境閉鎖が続くアルメニアは、まるで陸の孤島そのもの。
ロシアとは国境こそ接していませんが、輸入品や国防の大部分を北の大国に頼らざるを得ないという事情があります。
2021年現在でも、アルメニアの学校教育での第二外国語はロシア語である場合が多いという点も、アルメニアのロシア頼み感を象徴している気がします。
とにかく、英語がほとんど通じないアルメニアを個人で旅するなら、最低限のロシア語かアルメニア語は必須。
5か月間の滞在中に出会った各国の個人旅行者も、ほぼ全員がロシア語で最低限の意思疎通ができる人たちばかりでした。
⑩アルメニア旅行でアルメニア語は必要?
「アルメニアではロシア語がほぼ100%通じるなら、ロシア語を勉強すれば良いのでは…」
と思う人もいるでしょう。
そういう問題ではありません!
ある国や地域を訪れるなら、たとえ短期の旅行であろうとも「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」くらいは現地語で言えるように努力するべき。
のぶよは、これまで3年間の世界半周で訪れた国のどこでも、最低限のフレーズや数字くらいは覚えて使うようにしています。
1年前や2年前に訪れた国の言葉でも、毎日使っていたフレーズはすぐに思い出せますし、数字だって(ちょっと考えれば)何とか数えられるくらい。
いかに翻訳アプリだのが発展しようが、人間の脳以上に効率の良い器官など存在しません。
というわけで、アルメニアに行くならアルメニア語を使いましょう!
つたない発音や間違った文法だって大丈夫。伝われば良いんですから。
Հ՞այերեն խոսում ես: (Hayeren khosum es?)=「アルメニア語話せるの?!」
と、めっちゃくちゃ喜ばれることは間違いないですし、そもそもここはコミュニケーション能力お化けな人が多いアルメニア。
現地の人とのちょっとした触れ合いこそが、この小さな国での旅の思い出を彩ってくれるものとなるはずです!
アルメニア旅に必須!アルメニア語の旅行会話表現10選
さて。いつものことながら導入だけでかなりのボリュームとなりましたが(笑)、ここからが本題。
のぶよが5ヶ月間のアルメニア滞在中に毎日のように使っていた&聞いたフレーズを10個紹介していきます。
どれも超基本的な表現でありながら、アルメニア語の文法の基礎がちゃんと反映されているのもポイント。
気になる人は、「③アルメニア語の文法は難しくない!」の項で触れた接尾辞にも注目してみましょう!
アルメニア語のあいさつ系フレーズ
①こんにちは
バーレフ・ジェス
(Barev Dzez / Բարեւ Ձեզ)
アルメニア語の挨拶表現一つ目は「こんにちは」。
どちらかというと丁寧な表現で、親しい間柄や年下の人に対しては「バーレフ (Barev / Բարեւ)」と省略した形もよく使われます。
アルメニアではバーレフ・ジェスの後に⑦で紹介するՈնց ես:(=お元気ですか?)を付ける人が多いので、セットで覚えるのも良いかも。
時間帯によって「おはよう」「こんばんは」など使い分けられますが、旅行者的には一日中「バーレフ・ジェス」で通してもOKだと思います。
・おはようございます:バーリ・リュス (Bari lus / Բարի լույս)
・こんばんは: バーリ・イェレコ (Bari yereko Բարի երեկո)
・おやすみなさい:バーリ・ギシェル (Bari gisher / Բարի գիշեր)
②ありがとう
シュノラカルトゥン
(Shnorhakalutyun / շնորհակալություն)
アルメニア語のありがとうは、とにかく長くて覚えづらいのがネック。
まるで魔法の呪文のような「シュノラカルトゥン」、とにかく1日10回は唱えて覚えましょう。
もしくは、フランス語由来の「メルシー(Mersi / Մերսի)」を使うのも◎
「シュノラカルトゥン」はアルメニア人にとっても長すぎるのか、地元の人の間でも「メルシー」の使用頻度の方が高いように思いました。
③さようなら
ツテストゥン
(Tstesutyun / Ցտեսություն)
アルメニア語の「さようなら」は、これまた発音しづらいもの。
頑張って覚えるしかないのですが、ロシア語由来の「パカー(Paka/пока)」を使う地元の人もいるので、真似するのもアリ。
「パカー」はとてもカジュアルで、「じゃあね」といった感じなので、TPOにはご注意を!
④~をください/お願いします
フンドゥルムェム
(Khndrum em / Խնդրում եմ)
のぶよ的にアルメニア語フレーズの使用頻度No.1なのが、「~をください」にあたる「フンドゥルムェム」。
英語のpleaseと同じ意味で、「物の名前 + フンドゥルムェム」で大概のことは表現可能です。
物の名前がわからない時も大丈夫。
「これ」にあたる սա(sa)を言いながら、欲しいものを指差して սա Խնդրում եմ:で通じます。
アルメニア語の質問/受け答え系フレーズ
⑤はい/いいえ
はい:アヨ
(Ajo / Այո)
いいえ:ヴォッチ
(Votch /Ոչ)
アルメニア語の「はい/いいえ」にあたる「アヨ/ヴォッチ」ですが、意外と耳にする機会は少ないかも。
というのも、これらは丁寧な表現であり、改まった場や関係の際に使用されるため。
(日本語の「さようでございます」とかだとのぶよは思ってる)
アヨ/ヴォッチの数百倍は耳にする受け答えが、「うん/ううん」にあたる「ハー/チェー」▼
うん:ハー
(Ha / Հա)
ううん:チェー
(Che /Չե)
アルメニア人同士の会話に耳をそばだててみると、常に「ハーハー!」「チェーチェー!」と言っているので、旅行者もこちらを使うのが良いかも!
⑤何/どこ/いつですか
何?:インチ?
(Inch /Ինչ)
どこ?:ヴォルテーグ?
(Vortegh /Որտեղ)
いつ?:イェルブ?
(Yerb /Երբ)
何かを尋ねる際に使える疑問詞。
特によく耳にするのは「何」にあたる Ինչ(Inch)だと思います。
・三人称単数につける接尾辞 է(e)をつける→ Ինչ է: (Inch e?)
・「これ」にあたる指示代名詞 սա(sa)をつける→ Ինչ է սա:(Inch e sa?)
なんかも絶対に耳にするはず!
「どこ」にあたる Որտեղ (Vortegh)や「いつ」にあたる Երբ (Yerb)も、接尾辞をつければ立派な文章になりますよ!
– Որտեղից ես: ((あなたは)どこから来たの?)
– Ճապոնացի եմ: ((私は)日本人です)
Երբ մարշրուտկա է: (マルシュルートカはいつ(来ますか)?)
– Ինչ է սա: (これは何ですか?)
– Սա խնձոր է: (これはリンゴです。)
⑥いくらですか
インチカン エー?
(Inchqan e? / Ինչքան է?)
値段をたずねるフレーズも、旅ではかかせません。
「これ」(sa/սա)をつけて物を指さしながら、
Ինչքան է սա: (Inchqan e sa?)
と言えば、立派な会話が成立します。
返答に使われるのはもちろんアルメニア語の数字。
本記事の最後で数字の覚え方について解説しているので、そちらもチェックしてくださいね!
その他 役立つアルメニア語フレーズ
⑦お元気ですか
ヴォンツェス?
(Vonts es? / Ոնց ես:)
あいさつ表現と一緒にかなりの頻度で使われるՈնց ես。
アルメニア人は「こんにちは」だけではなく、「元気ですか?」「調子はどう?」といった感じで会話をスタートさせようとする人が多い印象です。
答え方は色々ありますが、最も使いやすいのが英語の”good”にあたるԼավեմ (Lavem)。
- Ոնց ես: (お元気ですか?)
- Լավեմ: (元気です)
のあとに投げかけられるのは、だいたい決まった質問。
・Որտեղից ես: (どこから来たの?)
・Հ՞այերեն խոսում ես: (アルメニア語話せるの?)
など、旅行者が珍しいアルメニアでは外国人に興味津々な人も多いです。
Լավեմ(lavem)という表現は、「良い/大丈夫」という意味のԼավ(lav)という形容詞に、一人称単数形の接尾辞(「私は」)であるեմがくっついて「(私は)良い」という意味になっています。
人によっては「元気ですか?」をՈնց ես:(vonts es?)ではなく、Լավես: (laves?)と尋ねてくることも。
Լավեսも「良い/大丈夫」という意味のԼավ(lav)に、二人称単数形の接尾辞(「あなたは」)であるեսがくっついて「(あなたは)良い?/大丈夫?」という意味になっています。
⑧次で降ります
カンガルム カングネック
(Kangarum kangneq / Կանգառում կանգնեք)
アルメニア国内の長距離移動にも、エレバンやギュムリなど都市内の市内交通にも大活躍なのが、マルシュルートカと呼ばれる乗り合いのミニバス。
実際に行けばわかるのですが、アルメニアのマルシュルートカは定員などまるで無視。
12人乗りの中型ヴァンに20人以上がギュウギュウ詰めに乗ることが日常茶飯事です。
マルシュルートカの路線や停留所は決まっているのですが、待っている人がいなかったり降りる人がいなければ停車せずに素通りしてしまうのが厄介なところ。
降りたい停留所が近づいてきたら「Կանգառում կանգնեք」と大声で言いましょう。
運転手は次の停留所で停まってくれますし、車内の乗客もこちらが降りられるように道を空けてくれます。
⑨~が欲しい / したいです
~ウズムェム
(…uzum em / ուզում եմ)
「~が欲しい」の表現は、「物の名前 +ուզում եմ」でOK。
「~がしたい」の場合は動詞の原形をつける必要がありますが、動詞を覚えるのもなかなか大変。
のぶよの場合は「アクション + ուզում եմ」で乗り切りました(笑)
「~が欲しい?」と相手に質問するときは、接尾辞եմを二人称単数形(「あなたは」)であるեսに変えて「物の名前 + ուզում ես:」(…uzum es?)にすればOK。
なんとなくアルメニア語がどんな感じなのか、分かってきたのではないでしょうか。
⑩~しても良いですか?
カローグイェム~?
(Karogh em…? / կարող եմ…:)
「写真を撮っても良い?」などの許可を求めるときや、「店内で食べられる?」など可能かどうか尋ねるときの便利な表現も覚えておきましょう。
「կարող եմ + 動詞の原形」となりますが、動詞はアクションでも十分伝わります!
接尾辞եմを二人称単数形(「あなたは」)であるեսに変えて「կարող ես + 動詞の原形」にすれば、「(あなたは)~しても良い」と相手に許可を与える表現となります。
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