こんにちは!元ポルトガル在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
ポルトガル南部・アルガルヴェ地方は、美しい海岸線に沿って大小さまざまなビーチが点在するエリアで、観光客に大人気。
その真ん中に位置するのが、アルブフェイラ(Albufeira)です。
ポルトガルで「アル(Al)」から始まる名前の町は、中世以前のイスラム教徒の支配下にあった時代から続く歴史を持つのが特徴で、アルブフェイラもその例に漏れません。
しかしながら、アルブフェイラに観光目的で訪れるのは、全くおすすめしません。
のぶよ的に、ポルトガルで一番嫌いな町です。
今回の記事では、のぶよがアルブフェイラをここまでディスる5つの理由を解説していきます。
観光で訪れる意味はゼロなアルブフェイラですが、アルガルヴェ地方の中心に位置するため、他の町への交通は便利。
記事後半では、アルブフェイラ~周辺の町への交通情報を解説します。
ポルトガルで一番行く意味なし!アルブフェイラが嫌いな5つの理由
1.ただのイギリスの植民地だから
アルブフェイラという町を一言で表すなら、「イギリスの植民地」という言葉以上に的確なものはありません。
実際に訪れた人はびっくりすると思います。
小さな中心街で聞こえてくるのは、90%がイギリス英語ですから。
天気が良くないことで有名なイギリス。
ポルトガルに近年就航した格安航空会社の便を利用して、夏場にはリゾート客が山のように南欧のビーチリゾートを目指すことで知られています。
町によってどこの国の観光客が多く集まるかが変わってくるのが特徴のアルガルヴェ地方のリゾート地ですが、アルブフェイラに集まる人の多くがイギリス人なのです。
イギリスのTV番組等で紹介されたことも理由の一つでしょうが、一番の理由はリタイアしたイギリス人に人気の移住先であるため。
アルブフェイラに建つ家の多くはイギリス人によって買われ、本国より密なイギリス人コミュニティーが形成されているのです。
経済的に裕福でないポルトガルにおいて、イギリス人はみんなお金持ち。
アルブフェイラの町は、彼らが住みやすいようにどんどん変化してきたのです。
平地が少ないアルガルヴェ地方。
町の多くは断崖絶壁の崖の上にひらけていたり、丘の斜面に広がっており、アルブフェイラも例外ではありません。
アルブフェイラ中心街には、高台~ビーチを結ぶエスカレーターまで設置されており、完璧なバリアフリーとなっています。
それ自体は悪いことではないでしょう。
しかし、ポルトガルの地方部の町で、こうした近代的な設備を持つ場所は他にありません。
(むしろ都市部にすらエスカレーターなんてありません)
よそから好き好んで断崖絶壁にひらけた町に来た住民のために、税金を使って整備がされているわけです。
多くのポルトガル人高齢者が生活する地方部に、こうした無料のバリアフリー設備を設置する方が先なのではないでしょうか。
(ポルトガルでは基本的にどこでも斜面に町が造られるため、坂の上にある自分の家まで歩けなくなった高齢者などが多くいるのです。)
2.リゾート客のマナーが総じて悪いから
「イギリス人=マナーが悪い」というのは、ヨーロッパの多くの国で共通の認識。
あまり「○○人はああだ、こうだ」と決めつけてかかるのは良くないのですが、アルブフェイラに集まる観光客のマナーの悪さは突出しています。
ビーチで日光浴のあと、裸で町中を歩くリゾート客が最たる例。
西ヨーロッパの中ではかなり敬虔なカトリック国であるポルトガル。
特に地方部においては、男女問わず肌を露出するのは良しとされません。
ポルトガルで上半身裸や水着のままウロウロしている人は、ほぼ現地人ではなく、他の国から来た観光客です。
しかしながら、そんなことはお構いなしなのがアルブフェイラのリゾート客。
ビーチ沿いのプロムナードを裸のまま歩いたりするのならまだ理解はできますが、普通にそのまま中心街を練り歩いているのですから。
しかも、マナー違反は若者だけでなく、年配の世代のリゾート客でこうした現地のマナーに無関心な人が目立つのです。
また、アルブフェイラのプール付き高級ホテルでは、毎年数人~数十人のイギリス人観光客が亡くなります。
パーティーなどで飲み過ぎての急性アルコール中毒もそうですが、一番の死因は、バルコニーからの転落死。
酔っぱらって上層階のバルコニーから中庭のプールに飛び込もうとして命を落とす人が毎年必ずおり、なぜかイギリス人だけ(アイルランドもいたかも)なのです。
毎年同じような事故で命を落とす人が多数いるというのがちょっと信じられないのですが、残念ながら事実なのです。
また、日が暮れた後のアルブフェイラ中心街のカオス状態は想像を絶するものがあります。
あられもない姿の男女が、広場のベンチで行為をしていたりと、もはやなんでもあり。
酔っぱらった観光客同士の喧嘩も日常茶飯事で、素朴なポルトガルのリゾート地といった雰囲気は、微塵も感じられないのです。
3.ポルトガルらしさがゼロだから
もしあなたにポルトガル人の知り合いがいるなら、「アルブフェイラってどんな町?」と尋ねてみましょう。
大半のポルトガル人は行ったことすらないはずです。
先述のイギリスの植民地状態にも関連するのですが、アルブフェイラにはポルトガルらしさは微塵もありません。
一日中大音量で音楽を流しているバーやパブで、ピザやフィッシュ・アンド・チップスを食べる観光客の姿。(たいがい泥酔している)
物価が高いのは言うまでもなく、ポルトガルの他都市の倍以上の料金設定がどこもまかり通っているのです。
それでも、イギリスなど北ヨーロッパの裕福な国の人からすれば、自国よりも安いので、誰も気にしません。
レストランの多くは、夏場だけの季節労働者(素人)を厨房で働かせているため、料理のレベルもたかが知れています。
外国人観光客向けに味がアレンジされていることも多く、ポルトガル料理ではまず見られないケチャップ&マヨネーズたっぷりのジャンクフードや、冷凍食品のパエリアを温めただけのもの(そもそもポルトガルではパエリアを食べません)なんかが人気のようです。
のぶよ的ポルトガルのリゾート地の三大素晴らしい点である、
漁村の雰囲気残る素朴な町の雰囲気
リゾート地なのに安い物価
新鮮なシーフードを使った素朴な絶品料理
の何一つ楽しめない残念なリゾート地、それがアルブフェイラなのです。
4.「白い町」は全部作り物だから
散々ディスってきましたが、アルブフェイラの町並みはとても美しいです。
青とも緑とも形容しがたい大西洋の美しい色と黄金色の砂浜、その向こうに広がる真っ白な町は、とてもフォトジェニック。
リゾート客に人気の理由も理解できます。
しかしです。
実際に白い町を散策しようとアルブフェイラの中心街へ出向くと、きっと気が付くでしょう。
「なんかテーマパークみたい。綺麗すぎじゃない?」と。
そうなんです。
アルブフェイラの「白い町」の大半は、リゾート客や移住者のために後付けで整備されたもの。
裕福な国から来た人々のニーズに応えるがごとく、完璧に整備された「白い町」が広がっているのです。
そもそも、アルブフェイラでイスラム教徒支配時代に起源を持つ長い歴史があるは、猫の額ほどの平地にある旧市街のみ。
200m四方ほどの土地にある旧市街以外は、全てここ数十年に付け足されたものなのです。
いわば、「ポルトガル南部っぽい真っ白な町を再現してみました!」というテーマパーク的なものでしかないのがアルブフェイラ。
ポルトガルの「白い町」の定義は、こんな綺麗に整備された町のことを指しません。
所々壁がはがれていたり、洗濯物がはためいていたりするローカル感漂うものが本物です。
5.ポルトガル語が通じないから
のぶよ的に一番理解できないのが、アルブフェイラではポルトガル語が通じない点。
そりゃあそうでしょう。
やってくる人のほとんどがイギリス人なら、従業員はポルトガルの地元の人である必要がありませんから。
レストランやホテル、ホステルなどで働くのは、ヨーロッパ各国からの若い世代の移住者がほとんどで、ポルトガル人はかなり少数派。
ポルトガル語しか話せない旧植民地からの移民(ブラジルやモザンビークなど)の多くは、ホテルの清掃やレストランの厨房で働いているのです。
他の国からやってくる観光客が、ポルトガル語が話せないのは当然のこと。
問題なのは、アルブフェイラの住民の多くを占める移住者が、現地の言葉を学ぼうという姿勢がないことではないでしょうか。
夏場こそ多くのリゾート客や観光客で賑わうアルブフェイラですが、それ以外の季節は移住者や別荘を持っている人々くらいしかいなくなります。
彼らは、英語圏の国よろしく、密なコミュニティーを形成しています。
もともとこの地に住んでいた住民とは交わることなく、独自の新聞(もちろん英語)を発行しているくらいですから。
ある国に長期滞在するのであれば、できる限り現地語を学ぼうとするのは当たり前のことだと思っていたのぶよ的には、かなり衝撃的なことでした。
いいんですよ、本人たちが幸せに暮らしているのであれば。
ただ、ポルトガルにやってくる日本人観光客の皆さんには、アルブフェイラではもはやポルトガルらしい滞在や経験はできないということを知っておいていただきたいです。
そのうち「英領アルブフェイラ」とかに改名されるのも時間の問題かもしれません(笑)
アルブフェイラへのアクセス
はい。
というわけで、観光客的には全く訪れる価値がないアルブフェイラ。
(ポルトガルでイギリス気分を味わいたいならいいかも。いや、だったらロンドン行けよってなりますね)
しかしながら、アルブフェイラは、リスボンなどポルトガル中部・北部からアルガルヴェ地方にやってきた旅行者が最初に経由する町でもあります。
アルガルヴェ地方内の多くの町とバスや鉄道で結ばれており、どこへ行くにも便利な場所にあることは否定できません。
アルガルヴェ地方には、ポルトガルが誇るダイナミックな海岸線の風景や、素朴な町もまだまだ残っているので、どうかアルブフェイラだけを見て判断しないでください(笑)
二つあるアルブフェイラのバスステーション&鉄道駅
アルブフェイラには、二つのバスステーションがあります。
メイン・バスターミナル:中心街の北2km
中心街のFlixbus専用ターミナル
リスボン方面やアルガルヴェ地方各地を結ぶ列車が停車する鉄道駅は、中心街の北6kmほどと離れた場所に位置しています。
赤:メイン・バスターミナル
緑:フリックスバス・ターミナル
青:中心街
メイン・バスターミナル(郊外)
アルブフェイラ中心街の北2kmほどの場所にあるミメイン・バスターミナル。
Rede expressos社(ポルトガル国内バス路線を一括運行)
Eva transportes社(アルガルヴェ地方に多くの路線を持つ)
ALSA社(スペインの長距離バス会社)
など、ほとんどのバスが発着する場所です。
これらのバス会社のバスは、次に紹介する中心街のバス停留所は経由しないのでご注意を。
フリックスバス・ターミナル(中心街)
アルブフェイラ中心街の北西のスーパーマーケット前に位置するのが、格安バス会社のフリックス・バス(Flixbus)が停車するターミナル。
ポルトガルではまだ路線が発達していないフリックスバス。
アルブフェイラからの行き先は、スペインのセビーリャ(Sevilla)に限られます。
アルブフェイラ・フェレイラシュ鉄道駅
アルブフェイラの鉄道駅(Albufeira-Ferreiras)は、中心街の北6kmほどの不便な場所にあり、歩いてアクセスできる距離ではありません。
リスボン~アルブフェイラのアクセス
リスボン~アルブフェイラ間は、鉄道・バスのいずれでもアクセス可能で、所要時間はどちらも3時間ほどです。
リスボンでの発着地は
鉄道:オリエンテ駅(Oriente)
バス:セットゥ・リオシュ(Sete Rios)バスターミナル
です。
いずれもリスボン市内中心部から地下鉄でアクセス可能です。
アルブフェイラ~アルガルヴェ地方の他の町のアクセス
東西に長いアルガルヴェ地方のちょうど真ん中に位置するアルブフェイラは、このエリアの交通のハブとなる町。
アルガルヴェ地方内の移動の基本は本数が多いバスが便利です。
一方の鉄道は、ラゴス~ポルティマオン~アルブフェイラ~ファロと東西の町を結ぶ路線があり、割安な料金が魅力的。
しかし本数が少なめなので、利用する場合は事前のプランニングが必須です。
アルガルヴェ地方内のバス移動なら、EVA Transportes社が便利。
最大手のRede Expressos社の傘下に入っていますが、この地域では独自運行の路線もあります。
ポルティマオン
良い意味でも悪い意味でも、典型的なアルガルヴェ地方のリゾート地であるポルティマオン(Portimão)は、北ヨーロッパの若者に大人気のフェスティバル・タウン。
夏場は夜も眠らぬ町と化し、ポルトガルらしい素朴な雰囲気は全く感じられない残念な町となってしまいます。
ポルティマオンのビーチや中心街にわざわざ足をのばす価値は皆無なのですが、有名なベナジルの洞窟(Algar de Benagil)へのアクセス拠点となる町です。
アルブフェイラからはバス、鉄道のいずれでもアクセス可能で、いずれも十分な本数があります。
ラゴス
アルガルヴェ地方西部観光の中心となるラゴス(Lagos)は、美しい海岸線と真っ白な中心街の町並みが観光客に人気の町。
大陸最南西端のサグレシュ(Sagres)や、絶景のシーサイド・トレッキングコースである「漁師の道」沿いのアルジェズル(Aljezur)など、アルガルヴェ地方西部の見どころへのアクセスは必ずラゴスを経由することとなります。
アルブフェイラからはバス、鉄道のいずれでもアクセス可能で、いずれもポルティマオンを経由します。
ファロ
ポルトガル南部の空の玄関口であるファロ空港を有するファロ(Faro)は、垢ぬけないリゾート地として、このエリアではまだ素朴な雰囲気が残っている穴場の町。
ラグーンに面した美しい旧市街と、沖合に点在する無人島の美しいビーチが魅力的です。
アルガルヴェ地方東部の中心地であり、スペインのセビーリャ方面への国際バス路線も走っています。
アルブフェイラからは鉄道・バスのいずれでもアクセス可能です。
おわりに
のぶよがポルトガルで一番嫌いな町・アルブフェイラを紹介しました。
全く持っておすすめはしませんが、どれだけひどいのか自分の目で見てみるのもいいかもしれません(笑)
本当に、大っ嫌いです。町も、そこに集まる人々も。
アルガルヴェ地方には、リゾート地でありながらも素朴な雰囲気が残っている町や、アルブフェイラよりも美しい海岸線の風景が見られる場所などが点在しています。
どうかこの町で時間を無駄にしないでください。
近郊に点在する、よりポルトガルらしい魅力がある町への移動拠点としてさっさと後にしてしまいましょう。
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