こんにちは!トルコ滞在ももうすぐで2か月、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
トルコと言えば、トルコ風呂!
その名もハマム(Hammam)に挑戦しないわけにはいきません。
日本人には全く馴染みのないハマム。
皆さんはどんなイメージを持っているでしょうか。
エキゾチックな内装に漂うアロマの良い香り。
エッセンシャルオイルを使ったマッサージ。
花びらが漂っている湯舟。
初めに言っておきます。
それらは全て幻想です!
トルコでのハマムの位置づけは、あくまでもサウナがメインの「公衆浴場」。
スパと言うよりも、日本の銭湯のイメージがぴったりなのです。(浴槽の上に富士山の絵が描いてあるような)
今回の記事では、トルコの一般の人が通うローカルハマムの利用方法と料金システムを解説していきます。
500円台で風呂+サウナ+あかすり/マッサージが付いているのが当たり前なローカルハマム。
そこは、とにかくディープで面白すぎる場所でした。
トルコのハマム利用の基礎知識【料金システム/持ち物/営業時間】
ハマムを体験してみたくていろいろと事前に情報収集をしていたのぶよ。
おしゃれな内装のハマムを紹介している記事をよく見かけたのですが、驚いたのはその値段。
風呂+マッサージ付きプランで180TL(=¥3390)以上するのが普通だそうです。
しかしながら、実際にハマムに行ってみると、そんなのはただの嘘であることをすぐに理解しました。
エキゾチックな内装を売りにしてオイルが云々とか言っているイスタンブール中心街にあるようなハマムは観光客向けのフェイクでしかありません。
それをわざわざ紹介している記事をよく見ますが、それは「トルコっぽい内装のおしゃれスパ」です。ハマムではありません。
そもそも、トルコの普通の人がそんな高いお金を払ってお風呂に入りに行くわけがないじゃないですか。
少し考えればわかります。
本当のハマムは、もっと庶民的で、気軽なもの。
日本で「ちょっと近所の温泉でも行くかあ」くらいのノリで行くようなものなのです。
↑のぶよが行ったハマムの浴場。結構きれいでした。
現地の人が行かない観光客向けのスパと化したハマムに、わざわざトルコまで来て行く意味はありません。
どうせ行くなら、ローカルに混じってディープなハマム体験をしてみるのはいかがでしょうか。
予算の限られたバックパッカーでも大丈夫。
ローカルなハマムは格安で、リラクゼーションが堪能できる場所なんです。
のぶよが訪れたのは、「ハマムの町」と言われるほどに多くのハマムがあるエスキシェヒル(Eskişehir)という町のKent Hamamı。
どローカルな雰囲気と格安の料金の割に、内装はモダンでかなり清潔でした。
かなりおすすめですよ!
インフォメーション
Kent Hamamı
住所:İstiklal, Karagül Sk. No:8, 26010 Odunpazarı/Eskişehir
営業時間:全日5:30~22:00
トルコのハマムの料金システム
観光客向けのハマムでは入浴だけの受け付けをしておらず、マッサージや個室での休憩がセットになったプランを購入しなければならないことが多いのですが、ローカルハマムでは入浴だけでも入場可能です。
料金の相場は、15TL~20TL(=¥282~376)といったところ。
地域によって差がありますし、ハマム内の設備によっても変わってきますが、この相場の倍以上の料金設定の場所はまず観光客向けだと思うようにしましょう。
この入浴料金に含まれているものは、
・入浴料
・サウナ入場料
・鍵付きロッカー
・ハマム内で腰に巻く布
・バスタオル
・サンダル
など、ハマム利用に必要なものは全て含まれています。
逆に含まれていないのが、
・石鹸・カミソリ等
・キセ(アカスリ)料金
・マッサージ料金
・飲み物代
で、これらは全てオプション。
希望しなければ払う必要はありません。
トルコのハマムのアカスリ、マッサージ料金
ハマムの浴場では、専属のアカスリ師/マッサージ師がおり、希望すれば付けることができます。
それぞれ相場は15TL(=¥282)ほど。
入浴料と合わせても600円いかないくらいです。
観光客向けのハマムで3000円以上払っている人たちが滑稽に思えるほどに、格安でリラクゼーションが楽しめる庶民的な場所。
それがトルコのハマムなのです。
トルコのハマムの持ち物
先述の通り、ハマムの入浴料には必要なものがほぼ全て含まれています。
入浴時に石鹸やカミソリなどが必要な人は、持参するのもOKですし、ハマムの受け付けで1TL(=¥18)~で購入できるので、完全に手ぶらでも問題ありません。
ハマム内では、専用の腰巻タオルを身に着けるか、水着を身に着けるスタイル。
おじさんたちは腰巻タオル、若者は水着といった傾向でした。
腰巻タオル着用で湯舟につかるのはNG(日本と一緒!)なので、気になる人は水着を持参していくことをおすすめします。
何の準備もなしにふらっと立ち寄って利用できるハマムは、私たちが考えているよりもずっと気軽で地元の人の生活に馴染んだもの。
観光でちょっと歩き疲れた時の、休憩がてらの利用もできますね。
トルコのハマムの営業時間
場所にもよるものの、ローカルなハマムは早朝(5時、6時台)から開いている場所が多いです。
日本もトルコも、朝風呂好きなのは共通していますね。(特にお年を召した方々)
夜行バスを利用して早朝にバスターミナルへ到着した場合でも、朝風呂を堪能して仮眠をとることも可能です。
夜は早めに閉まる場所もありますが、22時くらいまで開いている場所も一定数あります。
こちらも、夜行バス待ちの時間つぶしがてらリラックスしていくにはおすすめです。
女性のハマム利用
ものすごく残念なお知らせなのですが、トルコのハマムで女性が利用できる場所はかなり限られています。
イスタンブールの観光客向けの「おしゃれスパ」なハマムは、女性専用の浴場に女性マッサージ師などを置いている場所も多いのですが、ローカルハマムに関しては完全なる男社会。
そもそも、トルコの女性の間でハマムに行くという文化はかなり希薄です。
ハマムの町・エスキシェヒルには、男女別で女性用浴場が設置されているローカルハマム(例:Ferah Termal Hamam)もありますが、他の町ではなかなか見つけにくいのが現状です。
逆に言えば、女性向け浴場があるハマム=観光客向けということ。
女性の方でトルコのハマムを体験したい場合は、観光客向けの「おしゃれスパハマム」に行くか、エスキシェヒルまで足をのばすかしかないかもしれません。
女性の読者の方、ここから先は男湯のディープな世界を疑似体験するつもりでお読みください(笑)
いざ、ディープな世界へ。トルコのローカルハマム体験談
ハマム利用時の基礎知識はこれくらいにしておきましょう。
バックパッカースタイルの旅行でも、気軽に利用できる値段であることがお分かりいただけたと思います。
ここからは、のぶよが実際ハマムを訪れた経験から、ハマム利用時の流れやポイントなどを解説していきます。
そこは、想像していた以上にディープなトルコが味わえる世界でした。
日本の銭湯と同じシステムの受付
ハマムと聞くと、オスマン帝国風のドーム型天井がある空間をイメージしてしまいがちですが、ローカルハマムは至って普通の建物にあります。
中には「本当にこんなところに?」なんて思うほどの小さな建物にあるようなものも。
料金は先払いで、アカスリやマッサージをつけたい場合や、石鹸などの備品を購入したい場合はこの時に支払います。
料金を払うと、リストバンド(と呼ぶにはちゃっちすぎる)付きのロッカーキーとサンダル、腰に巻く布がもらえるので、靴を脱いで受付に預けます。
ご想像の通り、英語は壊滅的に通じませんが、ジェスチャーでなんとかなります(笑)
日本のスーパー銭湯利用とほぼ同じようなシステムなので、すぐに理解できると思います。
更衣室兼休憩スペース
続いては、ロッカーがずらりと並ぶ更衣室へ。
もらったロッカーキーの番号のロッカーが自分のものとなります。
更衣室は入浴後の休憩エリアを兼ねており、世話役のおじさんたちが「ああしろ、こうしろ」と色々と世話を焼いてくれるはず。
更衣室の端にはカーテンで仕切られた脱衣スペースがあるので、浴場で腰に巻く布か水着を着用します。
準備が整ったら、いざ、ハマムの浴場へと向かいましょう。
浴場でリラックス!…のはずが
日本とは異なり、トルコのハマムのメインはサウナ部分にあり、お湯につかるのはあくまでもついでといった感じ。
腰布着用のおじさん世代は、浴槽に入らずにサウナだけで済ませる人も多く見かけました。
ぬるすぎず、熱すぎず。
適温の湯舟につかってリラックスしようとしたのもつかの間。
ものすごい視線を感じます。
そりゃあそうでしょう。
地元民しかやってこないハマムに訳の分からないアジア人が来たら見ないわけがありません(笑)
トルコ人のすごいところは、ここで目を逸らしたりせずに話しかけてくること。
もちろん、トルコ語で。
一人が話しかけると、それまで気にしながらも見ているだけだった人たちがどんどん集まり、とにかく色々と話しかけられます。
トルコ人のもう一つすごいところは、こちらが分かっていなくてもトルコ語で通してくること。しかもなんだか楽しそう。
最後のほうはもはやジェスチャー大会と化します(笑)
いつまでも湯舟につかっているいるわけにもいかないので、この場を後にサウナエリアに行くことにしました。
ただの社交場でしかないサウナ
ハマム内のサウナには、スチームサウナと高温サウナ(といっても日本人的には低温)の二種類のサウナがあります。
浴場とこれらのサウナ、冷水シャワーというサイクルを何回か繰り返すのが正しい入浴方法だそう。
いずれのサウナ内もメンソールの香りが充満しており、リラックス&リフレッシュにはもってこいな環境です。
日本の銭湯のサウナでは、テレビがついていて、みんな無言で熱中しているのが普通ですが、トルコのハマムにはそんなものはありません。
なぜなら、サウナはただの社交場でしかないからです。
新しく誰かが入ってきたら「メルハバー(こんにちは)」と挨拶するのが普通。
そこから怒涛のように会話が始まります。
ここでも日本人を一目見ると、巻き込まずには居られないのがトルコ人。
とにかく色々と話しかけられます。
のぶよ的に最強の話題と感じたのはサッカー。
トルコでも「ナガトモ!」と「カガワ!」と言われる率は半端ではなく、サウナ内でもそれは一緒です。
(サッカー少年ではないので、全然興味がなく知らないことをちょっぴり後悔)
知っているトルコ語の単語(1~10の数字、「タバコ一つください」「ビールはありますか」)を言うだけで大喜びされるので、何だか自分がすごくユーモアのセンスあふれる人になったような気に。
一度話したらもうお友達になるのがトルコ。
その後、浴槽~サウナを行き来して同じ顔に出会う度に笑顔で手を振られたり、「ジャポーニャ(日本)うんたらかんたら~」と言われたりと、ちょっとした有名人になれます(笑)
色々とゴシゴシされまくるアカスリ/マッサージ
湯舟とサウナでは有名人となってしまい、リラックスどころではなかったので、ここからは無の境地に入ろうとアカスリ&マッサージを受けることに。
のぶよが訪れたハマムでは、同料金でアカスリ/マッサージの半分半分コース(英語全く通じなかったので、間違っていたらごめんなさい)もできるようだったので、受付で申し込んでおいたのです。
リストバンドの番号で申し込んだ人を管理しているようで、行ったらすぐにわかってくれました。
(変な日本人が行くぞ!と伝わっていたのかもしれません)
アカスリもマッサージも特別なスペースがあるわけではなく、湯舟の一角の腰掛けるスペースで、常駐しているマッサージ師によって行われます。
まずはアカスリから。
たっぷりの泡を全身にまぶされ、アカスリ専用の手袋でかなりゴシゴシされます。
痛みは全くなく、逆に気持ちが良いくらい。
背中や腕、脚はもちろんのこと、脇の下や顔面、股間周辺までとにかく念入りにゴシゴシされます(笑)
衝撃的だったのが、10分ほどのアカスリ終了後に目にした、自分の体から出た垢の量。
のぶよ、こんなに汚かったの…?!と恥ずかしくなるようなレベルでした。
アカスリ終了後は、その場に横になってのマッサージ。
アカスリに負けず劣らず強い力で背中や腕を中心に揉まれます。
大量の泡は随時追加され、石鹸の香りで半分夢の中へ。
そうこうしているうちに極楽のマッサージも終了。
最後に全身にお湯をかけてもらって全て終了です。
本来、ハマムでのマッサージにはチップが必要だそう(5TL~10TL=¥94~¥188くらいでOK)なのですが、この時現金はロッカーの中。
どのタイミングで渡したら良いのか謎でした。
湯上がり後に渡すのかと思いきや、マッサージ担当のおじさんはずっと浴場内に居るので顔を合わせる機会もありません。
(結局渡せずじまいでした)
ローカルハマムではマッサージのチップは必要ないのかもしれませんが、確証はありません。
情報をお持ちの方が居ましたら、ご連絡お待ちしています。
ハマム湯上がりの名物!謎のドリンク攻撃
大満足の初ハマム体験を終え、リラックス気分で浴場を後にしようとすると、浴場入口にいるおじさんにタオルでぐるぐる巻きにされます。
大きなバスタオル数枚で全身を覆ったまま、休憩スペースでのんびり過ごすのがトルコのハマム。
休憩スペース(兼更衣室)に行くと、専用の人(タオル職人と呼びます)が体を拭いてくれ、別のタオル数枚でこれまたぐるぐる巻きにされます。
トルコのハマム内には、アカスリ/マッサージ師からバスタオル専用職人までいて、とにかく至れり尽くせり。
利用者は何一つ自分でする必要がないのです。
しばらくすると、飲み物係のおじさんがやってきて、飲み物はどうするか聞かれます。
ここで注文する飲み物は、入浴料金に含まれていません。
退出時に別で支払うことになるのでご注意を。
せっかくトルコのローカルハマムに来たなら是非挑戦したいのが、ハマムの湯上がり名物のアトム(Atom)という飲み物。
ほぼ全員がこれを注文しており、浴場で話した人々もしきりに勧めてくるので飲んでみることにしました。
このアトム、まじで衝撃的な味です。
トルコの国民的塩ヨーグルトドリンク・アイラン(Ayran)を炭酸水で割ってレモンを絞ったもの。
つまり、ヨーグルト+ソーダ+塩+レモンです。
絶対に美味しいわけがない(笑)
想像した通りの味だったアトム。
のぶよ的には全く好みではありませんでしたが、周りからの興味津々な爛々と輝く視線を感じながら残すという選択肢はありませんでした。
しかもこのアトム、一杯注文するともう一杯ついてくるという謎すぎるシステムで、無言で二杯目が渡されるのです。
何の罰ゲームでしょうか。
美味しそうにアトムを飲み干しているトルコ人たちの姿は、湯上がりにコーヒー牛乳を一気飲みする日本の銭湯の風景に通ずるものがあります。
のぶよはほとほと、日本に生まれて良かったと感じました。
おわりに
とにかく、大満足だった初めてのハマム体験。
こんなに格安な料金で、好きなだけ居ることができ、リラックスできる天国のような場所でした。
それだけではなく、ハマムで出会った人々の温かさや交流も大きなポイント。
ただ旅行しているだけでは、ここまでローカルの人々の間に入っていくのはなかなか難しいものですし、観光客向けのおしゃれハマムではまず地元の人との触れ合いはありません。
「裸の付き合い」とはよく言ったもの。
日本でも昔から銭湯が社交場として機能していたように、トルコにおいてもその文化は根付いているのです。
言葉なんてわからなくても、なんだかんだ楽しめるトルコのローカルハマム。
のぶよ的にはどんな観光地へ行くよりもおすすめのアクティビティーです。
ローカルなハマム体験をするのはなかなか難しいイスタンブール。「ハマムっぽさ」だけでも味わいたい人や、ローカルハマムに入場しにくい女性の場合は、思い切って高級スパ(あえてハマムとは呼びません)に行ってみるのもアリかも。
Veltra社では日本語ガイド付きの高級ハマム体験アクティビティーを取り扱っています。
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とにかく情報量が半端じゃありません。人と違う場所へ行ってみたい人は是非!
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