こんにちは!エレバンにのんびり滞在中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
「エレバン三大日本食レストラン潜入シリーズ」と題して、気が向いたときに日本の味を堪能しに行くのが趣味な今日この頃。
すでに御三家(?)の二店舗は制覇し、残るは一つだけとなりました…!
日本人旅行者があまり来ないエレバンですが、なぜかよく読まれているこのシリーズ。
とうとう完結編をお送りするときがやって来ました。
三大日本食レストランのラストであり、日本人経営の店であるTokyoooに行ってきたのです!

ゆっくりと動くベルトコンベアの上を回る、何やら見覚えのあるものたち…
そう、このTokyoooはアルメニアのみならずコーカサス地域で初の回転寿司をウリにしている店なのです(すっげえ)。
しかし…のぶよファンのみなさんには常識の極みでしょうが、のぶよは寿司(というか生魚)が食べられません。
なので、目の前で寿司が回っていようがどうでも良いタイプの日本人なのですが、今回Tokyoooを訪れたのは寿司のためではありません。
そう。ラーメンを食すためです。

どうでしょう…もはや見た目からしてすでに勝ち戦なのでは…?
というわけで今回の記事では、エレバン三大日本食レストランシリーズのラストを飾るTokyoooの潜入レポートをお送りします。
店の雰囲気やメニュー、味の詳細な感想はもちろんのこと。
前回までに訪問した他二店と比較して、「エレバンでラーメンを食べるならどこがおすすめ?」を白黒はっきりさせてやろうと思います!
ちなみに、アルメニアの日本人界隈はとてつもなく狭いもの。
各日本食レストランのオーナーの方をのぶよはもちろん存じております(ああ怖い怖い…)。
…が!旅行者の皆さんが知りたいのは、忖度込みのPR的な味の感想ではないはず。
ここは公平を期し、どの店にも特別な配慮ゼロで、正直さ100おくまんこうねん%でジャッジします!
「世界のジャパレスから。」バックナンバー
1.ルーマニア・ブカレストのラーメン店 “JAPANOS”
2.モルドバ・キシナウの日本料理店 “KOTOBUKI”
3.ウクライナ・キエフのラーメン店 “MENYA MUSASHI”
4.セルビア・ベオグラードの日本料理店 “Marukoshi”
5.ブルガリア・ソフィアのラーメン店 “Umamido”
6.トルコ・パムッカレの食堂 “ラム子のロカンタ”
7.ジョージア・トビリシのラーメン店“AKASAKA”
8.ジョージア・トビリシのラーメン店“Shio Ramen”
9.ジョージア・バトゥミのラーメン店“Vegan Bro”
10.アルメニア・エレバンのラーメン店“Ramen-Ten”
10.アルメニア・エレバンのラーメン店“Ramen-Jan”
番外編.ウクライナ・キエフの韓国料理店 “Arirang”
Tokyoooの基本情報&店の雰囲気

Tokyoooが位置するのは、エレバン中心街の南東エリアの一角のナルバンディヤン通り(Nalbandyan St.)沿い。
エレバン中心街ど真ん中であるのに、意外と足を踏み入れる旅行者が少ない静かなエリアです。▼
とはいえ、エレバン市内観光の定番であるカスカードやオペラ座、共和国広場から徒歩で10分もかからない好立地。
地価や家賃相場が異常に高いエレバンにおいて、一等地とされるエリアです。


▲お店の外観は、エレバン中心街によくある剥き出しの石造りの建物をそのまま活かした造り。
堂々と風にはためく日本国旗とお店のロゴ入り旗、そして謎のマネキン?人形?がお出迎えしてくれます。
エレバンっ子の心を掴む雰囲気!Tokyoooの内装

Tokyoooの入口を一歩入ると、予想だにしていなかった光景に言葉を失いそうになりました。
黒を基調にしたシックな雰囲気の空間に、温かみが感じられる木の机と椅子。それらをぼんやりと照らす柔らかな電灯…
なんともセンスが感じられる和モダンな雰囲気の素敵な空間が広がり、しかも二層構造になっているのですから。▼


ホール担当の店員さんは男性と女性の二名がおり(いずれも日本人ではなかった)、二人ともなんと着物を着用。
「いらっしゃいませ~」と完璧なアクセントの日本語で温かく迎えられ、笑顔で席へと案内してくれました。


店内の一階部分には、4人~6人掛けのボックス席が4つ。
大きな窓際に二人用の小さなテーブルが一つと、残りはカウンター席となっています。
このボックス席ゾーンとカウンター席ゾーンを隔てているのが、回転寿司のレーンです。▼

Tokyoooの最大の目玉でありアイデンティティーとも言えるのが、ゆっくりと目の前を流れていくお寿司たち。
かなり間近を流れていくので、美味しそうな色合いが食欲をそそりまくりあげてきます(とか言いながら生魚食べられないのだけど)。
二階にも十卓ほどのテーブル席があるそうですが、こちらには回転寿司レーンはなし。
一階席の客限定のお楽しみとなります。

店の造りや照明など細かなこだわり、置かれているインテリアや小物の洗練されたセンスが光るTokyooo。
トイレも「JAPAN!!!」と主張するかのような竹の感じで、かなり細かいところまで考えられています。
エレバンの人々は、味よりも評判よりもまずはとにかく雰囲気や見た目を重視するもの。
その点、高級感溢れるTokyoooの内装や雰囲気は、エレバンっ子のハートを鷲掴みにすること間違いないと思います。
なんとも落ち着く和モダンな雰囲気に浸っていると、なんと店員さんがお通しを持ってきてくれました。▼

なんとTokyoooでは来店した客全員にこうしたお通しを無料で提供しているよう。
おそらく自家製であろうキュウリやたくあんのお漬物…アルメニアではかなり珍しい食材なので、とても嬉しい心遣いです。
…が。
実はのぶよ、生魚のみならず漬物類もいっさい口にできないタイプ(もう日本人やめちまえ)。
心遣いは嬉しかったのですが、捨ててしまわれるのももったいないので下げてもらいました。
Tokyoooのメニュー

Tokyoooには紙に書かれたメニューはありません。
各席にQRコードが書かれたポップが置かれており、それを自分のスマートフォンで読み込んでネット上でメニューを確認する…というシステムです。
▲上の公式サイトには写真付きのメニューもあり、日本語でのメニュー名も表記されているので、気になる人はいちどチェックしてみましょう。
お寿司各種はもちろん、ラーメンは10種類。
かつ丼や焼き鳥丼などの丼ものに、枝豆やだし巻きなどのおつまみ系、果てには日本のカレーライスやうな重まで…
がっつりランチやディナーにも良さそうですし、居酒屋的に数皿注文して数人でシェアするのも良さそう。
ラーメン類にはハーフサイズも2000AMD(=¥765)~で用意されており、「ラーメンだけじゃなくてアレコレ食べたい…!」「丼ものもラーメンも捨てがたい…!」というニーズもしっかりとカバーしています。

価格帯は、店の雰囲気的にイメージしていたよりも比較的安めな印象。
ラーメン3200AMD(=¥1225)~/丼ものやカレーライス3200AMD(=¥1225)~と、エレバンの一等地という立地や店の雰囲気を考慮すると、かなり良心的な価格だと言えそうです。


▲お寿司に関しては、皿の色で値段が変わるスタイルのよう(日本にもそういう店ありますよね)。
えびやサーモン、うなぎや軍艦巻きなど、海鮮三昧したい人にはたまらないと思います。
目の前を流れていくのはお寿司のみならず、大福?のようなデザートも。▼

こうして目の前を色とりどりの美しい料理が流れていくと、やはり気になってくるもの。
「回転寿司」というシステムは客寄せにもぴったりですし、実際に購買意欲をそそらせる意味でもかなり上手なマーケティングだなと感心しました。
Tokyoooのラーメンのお味はいかに…?

目の前をぐるぐると流れていく寿司たちを眺めつつ、洗練されていながらもどこか居心地の良さがある店の雰囲気にどっぷり浸ること7分ほど。
注文していた味噌ラーメンが到着しました。
まず驚いたのが、湯気が立っていたこと。
「ラーメンで湯気が立っているのは普通では?」と思うでしょう。
いいえ!普通ではありません!
日本以外の国ではアッツアツの汁物などが食べられない人がかなり多く、ラーメン店側も少し冷ました状態のラーメンを提供しがちなのです。
その点Tokyoooではアッツアツの出来立てを提供してくれ、しかも器も熱々に熱されているという気遣い。
日本人的には、もうこの時点で勝利を確信すること間違いなし…!
具材はラーメンの種類により多少変わるでしょうが、味噌ラーメンの場合はこんな感じです。▼

海苔が二枚と美味しそうな煮卵、三枚のったチャーシューに彩りを添える青ネギ、そしてコーンとバター。
それら具材に隠れて、中太のちぢれ麺と琥珀色のスープがたっぷりと。
「THE・王道の味噌ラーメン」といった、完璧なビジュアルと鉄板の具材たちです。とてつもなく美味しそう…!
さてさて。もはや美味しいのは確定しているようなものですが、まずはスープをひと口…

味噌!!!!!!!!!!!!!
味噌ラーメンならではのコクや芳醇さ、奥深い風味が強く感じられ、とにかく味噌の味が前面に出されています。なんともほっとする、温かみ溢れる味わい…
スープのベースは豚骨だと思うのですが、豚骨ならではの味わいや動物感はかなり弱め。
出汁の感じも薄めで、「味噌ならではの味わいを楽しむためのスープ」といった感じです。
このタレ(味噌ダレとか醤油ダレとか)の味がかなり強めなラーメンは、明らかに東日本風。
西日本で定番である、スープベースの味や出汁の甘味が前面に出されたラーメンとはひと味異なります。
のぶよ個人的には、スープ単体で飲む限りはちょっと塩気と味噌の風味が強すぎる感じがしました。
そして、先ほどからちらちらと顔を覗かせていた麺をば。▼


ちょ…麺!!!めっちゃくちゃ美味しいです!!!!!!
中太~やや細めのちぢれ麺で、おそらく確実に自家製麺。
量も結構多く入っていて、満足感も結構なものになりそうです。
硬すぎず柔らかすぎずの絶妙な食感の完璧な茹で具合で、ぼそぼそ感やごわごわ感とは無縁。
ラーメンの麺ならではのシコシコした質感と、ちゅるんとしたのど越しが感じられ、中華麺独特の香り(かん水の香り?)も含めて、かなり完璧な麺です。
スープだけで飲んだ際は塩辛く感じたのですが、麺と一緒に食べるとなかなか良い感じ。
ちぢれ麺であるため、スープとの絡みも抜群に良いです。
そしてそして、次は器を彩るトッピング類たちをば…

▲味付け煮卵は、黄身が固まる一歩手前くらいのちょうど良い茹で加減でとろとろ。
結構しっかり目に醤油などに漬け込まれているようで、美味しいですがちょっとのぶよには塩辛すぎたかも…
そして3枚ものったチャーシューたちは…▼

チャーシュー、ほろっほろのとろっとろ!!!
かなりしっかりと煮込まれており、こちらは味付けもちょうど良くかなりの美味しさです。
しかしながら、煮込まれすぎているためか薄く切られすぎているためか、箸で持ち上げるとぼろぼろっと崩れてしまうのが残念。
個人的には、せっかくのチャーシューは肉っぽさが味わえる食感が欲しいので、枚数を減らして厚く切ってあったほうが良かったかなあと思いました。

というわけで、エレバン三大日本食レストランのラスボスであるTokyoooのラーメンについてはこんな感じ。
とにかく、麺の美味しさが感動的だったのが最大の印象。
スープもとっても美味しいのですが、もうちょっと塩気控えめで出汁感があればなお良いかなという感想でした。
このクオリティーと美味しさで、3300AMD(¥1263)は、めちゃくちゃ破格だと思います。
しかもエレバンの一等地で洗練された雰囲気の内装で…というわけですし。
サービスも迅速で温かなものでしたし、ラーメン以外の料理を食べる目的にでも再訪したい店リストにばっちり入りました。
おわりに:エレバン三大日本食レストラン、どこのラーメンがおすすめ?
さてさて。こうしてエレバン三大日本食レストランの旅は完結したわけですが。正直みなさんが気になるのは「結局どの店がおすすめ?」でしょう。
ほとんどの人はエレバンでラーメン屋めぐりをするほどに長い期間滞在しないでしょうし、せっかくお金を出すなら満足のゆく食体験をしたいもの。
というわけで、完全なるのぶよの主観で、エレバン三大日本食レストランのラーメンを比較してみました。▼
①Ramen-Ten

・料金:3500AMD(=¥1339)
・スープ:★★★★☆
・麺:★★☆☆☆
・具材:★☆☆☆☆
・味:あっさり塩辛め鶏系
・入りやすさ:★★★☆☆
②Ramen Jan

・料金:4500AMD(=¥1722)
・スープ:★★★★★
・麺:★★★☆☆
・具材:★★★★☆
・味:あっさり甘め魚介系
・入りやすさ:★★★★★
③Ramen Jan

・料金:3200AMD(=¥1225)
・スープ:★★★☆☆
・麺:★★★★★
・具材:★★★☆☆
・味:あっさり塩辛め豚骨系
・入りやすさ:★☆☆☆☆
とまあ、こんな感じ。
のぶよ個人的には、いずれも日本人経営である②Ramen Janか③Tokyoooのどちらかがおすすめ。
日本人経営ではない①Ramen-Tenもかなり美味しいですし頑張っているのですが、「日本のラーメンそのまま」という観点ではやや外れるかもしれません。
それでは、②Ramen Janと今回の③Tokyoooのどちらがおすすめか…
それはもう、好みになります。
あっさり味が好きな人や出汁の風味をしみじみと感じたい人は②Ramen Jan / がつんと塩気が効いた味が好きな人やラーメン=麺が命!という人は断然③Tokyoooだと思います。
とはいえ、価格と質のバランスも含めて考えれば、やはりエレバン最安値で高クオリティーのラーメンを出す③Tokyoooが最強かも。
②Ramen Janは③Tokyoooに比べて1000AMD以上高いのが最大のネックかなと思います。
というわけで、エレバンのラーメン界の王者は…Tokyoooということに決定!(ぱちぱちぱち)
もちろん他の二店も個性的で美味しいので、ぜひとも味わってみてほしいです!
「世界のジャパレスから。」バックナンバー
1.ルーマニア・ブカレストのラーメン店 “JAPANOS”
2.モルドバ・キシナウの日本料理店 “KOTOBUKI”
3.ウクライナ・キエフのラーメン店 “MENYA MUSASHI”
4.セルビア・ベオグラードの日本料理店 “Marukoshi”
5.ブルガリア・ソフィアのラーメン店 “Umamido”
6.トルコ・パムッカレの食堂 “ラム子のロカンタ”
7.ジョージア・トビリシのラーメン店“AKASAKA”
8.ジョージア・トビリシのラーメン店“Shio Ramen”
9.ジョージア・バトゥミのラーメン店“Vegan Bro”
10.アルメニア・エレバンのラーメン店“Ramen-Ten”
10.アルメニア・エレバンのラーメン店“Ramen-Jan”
番外編.ウクライナ・キエフの韓国料理店 “Arirang”
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