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エレバンの小さな日本!”Ramen-jan”潜入レポート【エレバン三大日本食レストラン探訪記②】

こんにちは!エレバンにのんびり滞在中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)

長い冬もようやく終わりを告げ、春らしい気候の毎日が続くエレバン。
こうも陽気が良いと、何も用事がなくとも中心街に出てぶらぶらとそぞろ歩きしたくなるというものです。

そんなわけで久しぶりに来たエレバン中心街で、のぶよがふと思い出したことが一つ。

「そういえば…エレバンのラーメン探訪をすっかり忘れてた…!

のぶよが前回エレバンでラーメンを食したのは、極寒of極寒な12月のこと。
その後完全にラーメンのことは頭から吹き飛んでいました…

前回潜入したRamen-Tenのレポートはこちら!

思い立ったら即行動。行ってきましたよ…エレバン第二のラーメン店へ!

!!!!!!!!

エレバンには「三大日本食レストラン」と呼ばれる店があるそうで、各店がライバルのような感じでしのぎを削りまくりあげているのだそう。
前回訪問したRamen-Tenは日本人経営の店ではありませんでしたが、今回訪問したのは完全なる日本人経営のお店です。

その名は、「Ramen Jan」。
日本語で表記するなら「ラーメンじゃん」となり、謎の東京弁なのがとても気になりまくります。

というわけで、今回の記事は食べたてほやほやのRamen Janのお味をみなさんにもシェアするもの。
エレバンで日本の味を求めている旅行者のみなさんには、きっと役に立つ情報だと思います…!

「世界のジャパレスから。」バックナンバー

1.ルーマニア・ブカレストのラーメン店 “JAPANOS”
2.モルドバ・キシナウの日本料理店 “KOTOBUKI”
3.ウクライナ・キエフのラーメン店 “MENYA MUSASHI”
4.セルビア・ベオグラードの日本料理店 “Marukoshi”
5.ブルガリア・ソフィアのラーメン店 “Umamido”
6.トルコ・パムッカレの食堂 “ラム子のロカンタ”
7.ジョージア・トビリシのラーメン店“AKASAKA”
8.ジョージア・トビリシのラーメン店“Shio Ramen”
9.ジョージア・バトゥミのラーメン店“Vegan Bro”
10.アルメニア・エレバンのラーメン店“Ramen-Ten”

番外編.ウクライナ・キエフの韓国料理店 “Arirang”

「世界のジャパレスから。」シリーズの記事一覧へ

Ramen-Janの基本情報&店の雰囲気

エレバン中心街ど真ん中にある

Ramen Janが位置するのはエレバン中心街の一等地of一等地である、メシュロプ・マシュトツ通り(Mesrop Mashtots St.)沿い。
東京で言うなら表参道や銀座、大阪なら心斎橋筋といったところで、エレバン中心街にいくつかあるメインストリートの中でも最も活気がある通りの一つです。

しかし…Ramen Janが営業しているのは、華やかな雰囲気のメスロプ・マシュトツ通りから10mほど奥に入った場所

エレバンの住宅はどこもそうなのですが、表側はキラキラ感溢れる美しい建物でも、裏側にはソ連時代の雰囲気を色濃く残した中庭が広がっています。
その表側と裏側は通路で繋がっており、表裏一体の不思議なコントラストを生み出しています。

Ramen Janが営業するのも、この通路を抜けた先のソ連中庭の一角です。▼

エレバンによくある表通りと裏側をつなぐトンネルを抜ける

お洒落した格好で表通りを闊歩するエレバンっ子たちの人混みを抜けて通路をくぐると、完全なる別世界。
Ramen Janは、通路を抜けた先の左側の建物の一角にあります。

外観
のれんは手作り?

入口には(おそらく)手作りの暖簾と、日本っぽさがほのかに香るセンスのネオンが。
中を覗くと、バンダナを巻いた日本人店主が声をかけてくれます。

エレバンの小さな日本!Ramen-Janの店内と真心

店内はかなり狭い

Ramen Janの店内は、十畳ほどのかなり狭い空間。
4人掛けのテーブル席が2卓と、カウンター席が7席のみです。

エレバンはとにかく土地代や家賃相場が異常なほどに高い町なので、この狭さになるのは仕方がないこと。
個人的には、日本の地元の食堂に来たような気分になり、逆にこの狭さも良い味になっていると思います。

白の壁と木のカウンターの感じが良い
日本を感じさせる小物類も

ウッド調に統一されたテーブルや椅子と、白っぽい壁のコントラストはなかなか素敵。
小さな店内には日本っぽさを感じさせる小物類がいくつも置かれており、「ああ、日本人経営だなあ…」と改めて感じます。

そして、狭い店内において結構なスペースを占めているのが、ラーメンの麺を保存する冷蔵庫。▼

冷蔵庫で眠る自家製麺たち

Ramen Janでは小麦粉から作る自家製麺を使用しているそうで、製麺したものをこちらで寝かせているのだそうです。

店内のさまざまな要素から放たれる「日本!!!」という静かな主張に浸っていると、日本人店主がお茶と甘味のデーツを出してくれました。▼

お茶と甘味

なんでも「ウェルカムドリンク」のような感じで、日本人客に限らずどの客にもこうしてお茶と甘味を提供しているのだとか。
日本の緑茶のほっこりした味と、ねっとりしたデーツの甘味がとてもよく合い、なんとも嬉しいサービスです。

「箸置き」という物体を5億光年ぶりに見た

「客が来たらまずお茶(やお冷)を出す」というところに200%の日本みを感じますが、Ramen Janの店内には他にも日本的な気遣いや真心のようなものがたくさん。

各卓に置かれたアルコール消毒や、机の角で怪我をしないための緩衝材など、もはや何も知らずに来店しても「あ!絶対日本人経営!」と気づくレベルの日本っぽさです。

各テーブルに置かれたアルコール消毒に日本を感じる
机の角がカバーされた気遣い

久しぶりに味わう緑茶の懐かしい味わいに浸っていると、店主がメニューを手渡してくれました。

Ramen-Janのメニュー

なんともシンプル

一般的に、海外の日本食レストランというものはご飯ものや麺類やおつまみ系や…と様々な種類の日本料理を提供している店が多いもの。
その点、Ramen Janのメニューはとてつもなくシンプルです。

醤油、味噌、豚骨…など数種類のラーメンと、おにぎりや枝豆などのサイドメニュー、そして飲み物。以上です。

ラーメン系は基本的に4500AMD均一(=¥1688)と、かなり強気な価格設定。
日本のラーメン店を考えるととても高級な部類でしょうし、アルメニア的にはさらにとてつもなく高価な金額です。

しかしながら、この金額でも「美味しいものを食べたい」というニーズはあるそう。
エレバンのある程度の層の人たちや、近年増加傾向にあるロシア人長期滞在者などが多くリピーターとなっているのだそうです。

外国人でも分かるように「ラーメンとは?」を解説

▲アルメニアでは「ラーメン」の知名度がそこまで高くないこともあり、「ラーメンとは何たるものか」についての細かな説明も。
この詰め詰めの感じやレイアウトの感じにも、果てしない日本っぽさを感じてちょっとおかしくなりました。

日本人店主いわく「ラーメンなら醤油がおすすめ」とのこと。
のぶよはどちらかというと醤油より味噌派、それよりなにより豚骨至上主義なのですが、ここは店主の意見を聞いて醤油ラーメンを注文することにしました。

Ramen-Janのラーメンのお味はいかに…?

魚介スメルがすごい

注文から7分ほど、日本人店主が運んできたラーメンは、器から熱々の湯気が立ちのぼるもの。

海外のラーメン店ではぬるめのスープを提供する傾向がとてつもなく強いのですが、まずは合格といったところでしょうか(とはいえ日本のラーメン店ほどアッツアツではないけど)。

そしてまず驚いたのが、醤油ラーメンらしからぬビジュアル。
琥珀色に輝くスープは澄みきっており、中の麺はもちろん器の底まで見えるほどの透明度なのです。

「醤油ラーメン=黒っぽいスープ」というイメージしかなかったので、なんとも予想外でした。

謎のレタス?が気になる

具材は少量のごまとねぎ、海苔が一枚、レタスのような葉物と半分に切られた味つけ卵。そして何より、器の半分ほどを占める巨大なチャーシューが二枚。
チャーシューは赤身と脂身が程良いバランスの部位が使用されており、もうすでに美味しいの確定なビジュアルです。

さて、まずはスープをひと口…

この味を求めていた…

!!!!!!!!!!!!!!!!!

スープ、めっちゃくちゃ美味しいです!!!

醤油ラーメンによくある醤油くささはゼロで、出汁の風味がぶわーんと口内で広がります。
そして後味に鶏や豚の旨味が来て、最後に舌の上に魚介の深い旨味が広がります。

なんとこのラーメン、鶏と豚のダブルスープに魚介を加えて出汁を取ったトリプルスープなのだそう。
魚介の正体はいりこだそうで、動物系のコクや芳醇さに魚介ならではの風味が加わり、見た目とは反対にかなり複合的で奥深い味わいとなっています。

実は海外のラーメン店では、魚介ベースのものはかなりレア
昆布やいりこ、かつおぶしの匂いや風味が苦手な外国人もかなりいるため、日本ならではの魚介だしの味わいが効いたラーメンスープにはなかなか出会えないものなのです。ああ…やっと会えたね魚介ちゃん…

自家製麺は太め

澄みきった琥珀色スープの海に漂う自家製麺は、ラーメンにしてはかなり太めの部類。
弾力がありもちもちした食感で固ゆで気味なので、結構食べごたえがあります。

しかしながら、麺の量はそれほど多くなかった印象。
男性だとボリューム的に少なく感じるかもしれません。

個人的には、スープの圧倒的美味しさに比べると、麺はそこまで…といった感じ
もう少し細くてちぢれた麺の方が相性が良いかなあと感じました。

そしてそして、次は器を彩るトッピング類たちをば…

煮卵は濃すぎない味付けが良い

▲味付け煮卵は、とろとろではなく固茹ででもない火の通り加減で、「黄身が完全に固まる直前」といった感じ。
塩気はきつくないものの、醤油やニンニクの風味がしっかりと染みこんでおり、とても美味しいです。

そして何より、存在感抜群すぎるチャーシューたち…▼

チャーシュー、めちゃくちゃ美味しい…!

持ち上げてみるとその巨大さに改めて驚くのですが、厚みも結構あるためボリューム満点。
チャーシューの味付けは結構しっかり目にされており、あっさりしたスープの良いアクセントとなっています。

肉もとても柔らかく、豚肉本来の美味しさが100%活かされた絶品チャーシューでした。
これが二枚もついているのだから…嬉しすぎる…!

魚介スープに飢えている人はぜひ!

というわけで、完全なる思いつきで訪問したRamen Janでしたが、かなりのレベルの高さにびっくりしました。
「日本の味に限りなく近づける」という観点では、かなり良いところまで来ていると思います。

前回エレバンで訪問したRamen-Tenのスープも個人的にはかなり美味しかったのですが、「日本的なラーメンスープの美味しさ」という観点では完全に今回のRamen Janの圧勝
麺に関しても各種トッピングに関しても、前回とは比較にならないほどに美味しかったです。

4500AMD(=¥1688)はたしかにちょっと値が張りますが、丁寧に作られたことが舌で感じられる魚介ベースのスープの美味しさを考えれば納得。
「ちょっと贅沢しても日本の味を食べたい!」とぃう人にはおすすめです!

おわりに

常連客もかなり多いのだとか

というわけで、エレバンの三大日本食レストランの二軒目であるRamen Janの潜入レポートをお送りしました。

ラーメンの味わいはもちろんのこと、日本人店主が醸し出すのんびりした雰囲気や、店内の至る所から「日本っぽさ」が感じられるのも嬉しい点。
うらぶれたロケーションも含めて「エレバンの小さな日本」といった感じが漂う素敵なお店です。

このお店の味やアットホームな雰囲気に魅了される地元の人も少なくないようで、毎週のように通うエレバンっ子や日本好きロシア人など、多くの常連客によって支えられているのだとか。
店主の日本人男性はとても気さくで、店の常連客や従業員たちが交流できる日本文化イベントを不定期で開いたりもしているそうです。

知る人ぞ知る感にあふれたRamen Janは、ちょっと値は張るものの、この内陸国アルメニアで魚介ラーメンが食べられるならお安いもの。
日本から遠い異国の地で日本の味が恋しくなったときや、「エレバンの小さな日本」に浸りたくなったときにはおすすめです!

Ramen-Jan

・営業時間:14:00~21:00 ※月曜休業
・予算:ラーメン4500AMD(=¥1688)~
※カード払い可/サービス料10%別途

前回潜入したRamen-Tenのレポートはこちら!

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